Doubt 公演情報 よろづや商店「Doubt」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    「演じる」ということ
    息詰まる台詞の掛け合いにただただ圧倒され「演じること」の崇高さに触れた思いです。

    ネタバレBOX

    2005年のピューリッツァー賞、トニー賞を受賞した作品だけに最後まで観客を惹きつけて放さない力がある。それはタイトルでもある「Doubt(疑い)」の一点に物語の全てが収斂されることにより発生する張り詰めた緊張感であり、4人の登場人物が彼女が彼女として、彼が彼としてそこ在る確かな存在感である。また俳優たちが見事にそれを演じ切っている、というか、その登場人物としてそこに存在していたという表現がふさわしい。話が逸れるが、先日ラジオ番組で久米明さんが亡くなった劇作家、演出家の福田恆存さんから「役者は何を話すかではなく、なぜその人物がその言葉を発するのかを考えながら台詞を言わなければならない。」と常々言われていた、と仰っていた。それに照らし合わせるとこの物語の登場人物には必然的に発せられる台詞しかないと思われる。俳優たちはその必然さを背負って台詞を発し、登場人物のゆるぎない存在感を浮き上がらせて見せてくれた。それがこの素晴らしい戯曲を更なる高みに押し上げている。素敵な舞台を見た後の感動は何物にも替え難い。最後に当日パンフの、プロデューサー西村長子さんの「固定観念との闘い」なる文章に痛く感動し、大いに共感した次第です。

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    2013/03/10 02:33

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