しゅうめいの観てきた!クチコミ一覧

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11のささやかな嘘

11のささやかな嘘

ジェットラグ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2011/07/15 (金) ~ 2011/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

もう一度みたい
板垣雄亮さんを目当てに観劇しました。
初の銀座みゆき館劇場です。
正直、道に迷いました。(^_^;
事前に地図だけは確認しましょう。

キャパが100名くらいの劇場でしょうか、
演者の顔がはっきり見えるので、
非常に芝居に入り込みやすかったです。

舞台は1セットのみで、
小説家の1室のままです。

ここで癖のある登場人物が、
ある小説家の49日に集合して、
故人との約束を語ります。

感想を語ろうとするとネタバレになりそうですね。

ネタバレBOX

この話は結末を知っていると楽しめないので、
あまり多くを語りませんが、古山憲太郎さんの佇まいを見ていると、
物語が見えてくるのかもしれないです。

板垣さんの板垣節は相変わらず切れていましたね。
彼が狂言回し的な役割なので、
スイスイと物語が語られていきましたね。

徐々に明かされていく事実(嘘?)。
ささやかなモノも積み重ねられると何となったのか。
舞台にそびえ立つ原稿のように破滅へのバベルの塔になったのか。

二度見なければ真実が見えないかもしれない。

とにかく必見だと思います。
もう一回みたい。
銀河旋律

銀河旋律

演劇集団キャラメルボックス

山野ホール(東京都)

2011/07/03 (日) ~ 2011/07/05 (火)公演終了

満足度★★★★

今だけのお祭りキャスト
BLUEチームを観劇しました。
今回はトリプルキャストなので、
どのチームにしようかと迷いましたがね。

久しぶりの石原さんと菅野さんを見たいと思って、
BLUEチームを選択しました。

昔この話を見た時は、ファンタジーだなと思ったのですが、
今回は、中心人物である柿本、はるか、サルマル、桜田が
中堅メンバーが演じたので、彼らの演技力でリアルティがあった。

昔なら30前後の柿本の情熱の話だという感じなるのだが、
40前後の大内さんが演じると、
取り戻すことの大変さ、3年という時間の大切さを分かっている
本当の男の情念という奴が、表現されていて、
とても情感溢れる話になっていた。

菅野さんは相変わらず太めちゃんでしたが(笑)
流石は主演を勤めたことがあるだけあって、
安定のサルマルでした。
憎たらしいだけでなく、哀愁があるっていうね。

石原さんはいい役者だと思うのだけどね。
成井さんがいい男嫌いなのかな(^_^;

他のチームも見たくなる現代の寓話でした。

12人~奇跡の物語~

12人~奇跡の物語~

オフィスコットーネ

Space早稲田(東京都)

2011/06/19 (日) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

これぞ演劇
物語は、有名な『12人の怒れる男』の脚色の為に、
結末は見えている。
そう11対1という圧倒的な有罪の判定の中で、
一人の人物の問い掛けにより、
無罪へ評決が傾いていくという話である。

最初の一人目の無罪を訴える男を演じるのは、
寺十吾さんである。
台詞をちょっと詰まっていたが、
彼独特の木訥としたキャラがとても良く出ていた。

現在の日本なら、最初の評決で「空気を読み」全員有罪で、
終わっているなぁと最初のシーンで思ったりした。

でも、そんな「空気を読み」したかのように、
ゆっくりと不安げに無罪を訴える男。
これが現代の姿かと思った。

各シーンでハッとする箇所があり、
見応えが十分。
正直退屈で眠気が来るかなと思ったが、
ずっと夢中で劇を観ていた。

陪審員3番演じる中原和宏さんと、
陪審員8番の寺十吾さんが、
言い争いから、3番が「殺してやる」と叫ぶところから、
空気が変わり、有罪を叫んでいた人達が、
被告人を異常と呼んで、「普通」はしないと言っていたことを
討論の場でやり始める矛盾。

「普通」とは?
真実とは?
だんだん迷宮に入っていく。

一番、論客だと思っていた陪審番号10番演じる日下部そうさんが、
偏見で物事を決めつけ、それに同意しない人達を詰る、
きれっぷりが素晴らしかった。
これが、イキウメで観たブラックな日下部そうさんが、
帰ってきました。

でも、そんな10番も最後まで認めなかった3番も
話し合いの末に無罪を指示する姿に、
人間の希望というやつを見た気がします。

とにかく、この濃密な空間で見た光景は、
しばらくは心の底に滞留しそうで、
本当にいい芝居をみました。

「水平線の歩き方」「ヒア・カムズ・ザ・サン」

「水平線の歩き方」「ヒア・カムズ・ザ・サン」

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2011/06/02 (木) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

良作な2作
『ヒア・カムズ・ザ・サン』
ハーフタイムシアターの新作です。
キャラメルボックスらしさを全面に出したシナリオ。

カオルの父を西川さんが演じるはずでしたが、
急病の為に、岡田さんに交代という波乱の舞台でしたが、
岡田さんの新たな老け役に時には笑い、時には泣きました。

欲を言えば西川さんの演じるバージョンも観たかった。
どんな感じで役を作るのか興味があるので。
あとは他の人なら、年齢的ならだっちこと篠田剛さんが、
演じるとしっくりとくるのかなと。

あと、この回は偶然にも大森さんの
2000回ステージ記念でした。
祝いの品を貰えましたよ。

『水平線の歩き方』
これは胸を張って他人に勧めることが出来る芝居でした。
人間誰もが持っている心の琴線に触れるお話でした。
ちょうど、主人公の幸一と同じ年なので、
より会社での立ち位置や、家族とのあり方など、
心にどんどん入ってきて、泣いてしまいました。

こんなに希望に溢れるやさしい戯曲は、
キャラメルボックスならではと思います。

間違いなく、ハーフタイムシアターの傑作です。

あと、主演のW岡田が、安定感が抜群なのも
この大人の寓話を支える軸なんでしょうね。

久しぶりに見た、井上さんが非常に美しくなっていたので、
ちょっと驚いてしまったのは秘密です(笑)

これはDVDを買ってしまう。
そんな素敵な話でしたよ。

賢治島探検記

賢治島探検記

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2011/06/07 (火) ~ 2011/06/17 (金)公演終了

満足度★★★

一体感を楽しんだ
キャラメルボックスの緊急公演ということで、
急遽観劇しました。
この日はハーフタイムシアターも2本観たので、
一日に3本観劇するというハードスケジュールでした。

ごめんなさい。
案の定、15分は意識を失っていました。
これもゴーシュのセロが素晴らしかったからですよ(^_^;

演目は、
「どんぐりと山猫と馬車別当」と、
「ゴーシュ弾かれのセロ」と、
「光速銀河鉄道の夜」
でした。

新人の2名が舞台に出ていましたが、
堂々としていましたね。

観客も参加する合唱、演奏があったりと
一体感を楽しむ舞台かなと。

散歩する侵略者

散歩する侵略者

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2011/05/13 (金) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

イキウメの鉄板作品
前回の公演を観ていたので、
てっきり真治は、安井順平さんがやると思っていました。
あとは前回の配役と変わるのかと思っていました。

今回は、まさかの配役でビックリしました。

ネタバレBOX


ちなみに前回と今回で出演している人は、
以下に変更になっていました。

前回
真治:安井順平
鳴海:岩本幸子
桜井:盛隆二
長谷部:浜田信也

今回
真治:窪田道聡
鳴海:伊勢佳世
桜井:浜田信也
明日実:岩本幸子
浩紀:安井順平
車田:盛隆二

前回の公演で気になったのは、
フリーターの2人。
あの2人の空気が、どうにも耐えられなかった。
(浜田さんの演技が好きじゃなかったのもあるのかな。
当時の話ですよ。当時の。(^_^;)

今回は、耐えられた。
何故だろう。
自分があの2人の空気を許せるような余裕が出たからなのか。
時代がそうさせたのか。

前回の真治は、つかみ所が無く、
いかにも胡散臭いというか、
宇宙人に憑依されている感が出ていた。

今回の真治は、窪田さんの魅力が全開に出ていて、
愛嬌のある愛すべき宇宙人という感じなっていた。
どんどん、「概念」を学習して、
成長する過程で、人間的になっていくのが、
凄く表現が上手くされていた。

セットは、前回は青山円形劇場で、
ほとんどセットがなかったが、
今回はセットがしっかりと組まれ、
登場人物がはけず、舞台に出たままになり、
より場面を飽きさせない演出になっていた。

桜井が真剣になろうよという絶叫は、
今の東日本大震災を受けた後に聞くと、
凄い説得力があり、
この舞台の世界観である、隣国との緊張が、
前回の空想の産物という感じの臨場感の無さが、
今回の震災や尖閣諸島問題もあり、
凄いリアルを感じたのは、
舞台ならではの時代を感じさせたものから、
生まれたものなんだろうと思った。

私のお気に入りの天野くん役は、
ハスキーボイスの大窪人衛さんでした。
実に子供のずるさが出ていて、
ムカつきましたが、
私の好みでは、前回の日下部そうさん演じる、
キレキレの悪意が出ていた天野くんが好きだったかな。
朗読劇 私の頭の中の消しゴム 3rd letter

朗読劇 私の頭の中の消しゴム 3rd letter

ドリームプラス株式会社

天王洲 銀河劇場(東京都)

2011/05/01 (日) ~ 2011/05/08 (日)公演終了

満足度★★★★

感動した
最終日に観劇しました。
別所哲也さんと坂本真綾さんのペアでした。
もちろん、坂本真綾さんを目当てに行きました。(^_^;

朗読劇と言うことなので、
想像では、ステージ上に椅子が2つあって2時間朗読かなと思っていましたが、
実際は、ステージ上にはセットがあり、
俳優も一カ所にはとどまらず、
セットの2階やいたる場所に移動して、
朗読をするので、ある意味演劇でした。

そして、舞台役者の経験のある2人ですから、
非常に濃い空間を作り出して、
恋愛コメディの喜劇から病気になって悲劇になる
落差が非常に圧倒的な演技力で、表現されていました。

最後はカーテンコールが5回ほどあり、
最後の最後はスタンディングオベーションで、
別所さんが涙ぐんでいたのが、印象的でした。

『humming5』

『humming5』

ポかリン記憶舎

SANSAKIZAKA CAFE さんさき坂カフェ(東京都)

2011/04/22 (金) ~ 2011/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★

恋をもう一度したくなる
千駄木にあるカフェでの公演。
本当のカフェであり、座席が少ないお店なので、
中に30人近くも入ると満杯になる感じでした。
ぎゅうぎゅう詰めで観劇しました。
でも、上演時間70分間は飽きることなく、
この静かなカフェの空間で、恋の始まりと終わりを目撃。

常連客の戸坂を演じる、
日下部そうさんの人の良さそうな、
煮えきれないイイ人に親しみを覚え、
同級生であり元恋人の里見を演じる、
後藤飛鳥さんとの核心を触れないように、
お互いを想う会話のやり取りに、
成り行きをドキドキしながら、見つめていました。

途中、カフェに訪れるKYな男。
一度、トイレを借りに来店。
途中で店を出るが、向かいの道路から店の様子を覗うなど、
ロケーションを活かした演出が面白かったです。

カフェの女主人が、娘の婚約者に結婚とはを諭し、
婚約者が逡巡するところは、
実際に勢いで結婚して失敗した私自身を戒められているようで。。

恋が始まった戸坂と恋が終わった娘さん。
その全てを優しい光で包むカフェと女主人。

とても素敵な時間を過ごせました。
カフェで上質の珈琲とBGMを味わった感じでした。

5seconds

5seconds

パラドックス定数

The Art Complex Center of Tokyo(東京都)

2011/03/08 (火) ~ 2011/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

追加公演
東日本大震災の時に公演だったので、
観ることが出来ませんでした。
ですが、1日だけの追加公演を劇団が行ってくれたので、
観ることが出来ました。本当にありがたいです。

舞台には電話が1台のった机が一つ。
椅子が二つ。
照明は暗くならず、観客の顔が見えたままで開始です。

羽田沖日航機墜落事故をモチーフとしており、
あの逆噴射の機長と弁護士の2人芝居になります。

機長が端々に見せる狂気に、ドキッとしならが、
2人のやり取りに注視しちゃいました。
もう目を離すことが出来ない、異常な緊張感。

時折、真実を貫く機長の言葉に、
狂っているのは弁護士かと思わせたり、
観るのが疲れるくらいのやり取り(^_^;

ラストにおけるフライトの再現。
そこで見せた機長のエゴ、プライド。
そんな事の為にというが、
それが人のアイデンティティである限り、
必ずしも悪ではない。社会的には悪だが。。

そういう意味では、主任弁護士に逆らう、
弁護士も同じであり、
正しいことは何なのかと考えさせられた。

ちょうど、弁護士の真後ろの席だったので、
今度再演があるなら、
2人の顔が見える位置に席を取りたかったかな。

Nf3 Nf6

Nf3 Nf6

パラドックス定数

The Art Complex Center of Tokyo(東京都)

2011/03/22 (火) ~ 2011/03/27 (日)公演終了

満足度★★★★

パラドックス定数 第25項「Nf3 Nf6」を観て
4年前に、パラドックス定数の公演でなく、
サンモールスタジオプロデュース公演で、
観たことがある演目です。
寺十吾(tsumazuki no ishi)さんに、今里真さんが、
その時は出演しており、演出は佐山さんだったと思います。

その時は、2人の数学者が協力してノルマンディー上陸作戦の
暗号を解くが、結果時既に遅し。
ラストシーンも直接的にユダヤ人数学者の終わりを暗示させる
内容だったと思います。
サンモールスタジオが地下にあり、コンクリートの壁を
利用して、数式を壁一面に書いていくシーンが印象的でした。

という前知識を元に、本家のパラドックス定数版の
「Nf3 Nf6」を観劇したわけです。

入り口で前売り券購入特典なんでしょうか、
タイルのマグネットを頂きました。

会場ですが、絵画を展示するような会場なので、
舞台と客席には段差はありません。
部屋の真ん中にテーブルと椅子。
その両側を挟むように客席がありました。

将校と数学者が会場に登場すると、
一変して空気が重くなりました。
空調も止まっているせいか、
部屋に重い空気と息苦しさがあり、
リアルに収容所のような雰囲気を感じながら、
2人のやり取りを見つめることになります。

チェスの乾いた音が淡々と響く序盤。
チェスから暗号解読へ。
そこには、看守と囚人ではなく、
数学者と数学者の姿があった。
大学で共に研究に励んだ時のような空気が発生する。
暗号解読への光が見えて、一瞬の高揚感の後に訪れる現実への絶望。
囚人の数学者の一言「…工学部の連中に作らせばいい…」
で現実を直視する2人。

決して、あの頃に戻れない2人。

張り詰めていた将校は、
本音を話せる(話そうとはしなかったが)相手を前に、
精神を憔悴させて眠り、囚人は、部屋を出て行く。


佐山版「Nf3 Nf6」は、
歴史の裏側の悲劇という感じで、
暗号解読に力を置いていたような気がする。

野木版「Nf3 Nf6」は、
2人の友情の悲劇。
分かり合っているのに、分かり合えることが出来ない。
友情劇に力を置いていました。

濃厚な100分。
2人劇というやつは、
実に刺激的ですね。

夏への扉

夏への扉

演劇集団キャラメルボックス

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2011/03/05 (土) ~ 2011/03/27 (日)公演終了

満足度★★★

キャラメルボックス 『夏への扉』を観て
日曜日の夜の回の観劇でした。
当日券をクレジットカードで購入出来るか不安でしたが、
Twitterで呟いた結果、加藤さん御大の回答をもらって、
安心して会場に向かい、無事にクレジットカードで、
当日券を購入出来ました。
改めて、Twitterの便利さを享受しました。

会場は6割から7割の座席が埋まっており、
休日の座席としてはガラガラかなという印象がありました。
やはり交通機関が正常でないということは、
観に行くには、躊躇する要因になると思いました。
私自身も会社帰りでなければ行かなかったと思うので(^_^;

ロビーでは、今回出演していない劇団員の方が、
チャリティーグッズを販売していました。
買うかどうか躊躇したのですが、
少しでも世の中の役に立とうじゃないかと思って、
賢治島探検記を購入しました。

阿部丈二さんが販売しており、サインと握手を頂きました。
それだけかと思ったら、岡内美喜子さんお言葉もあり、
かなりお得なファンアイテムになりました。

本公演は、映像前説がいつも通りありました。
それと加藤さん自らの前説があり、
地震の際の注意事項を話され、少し現実に戻されましたが、
本編が始まるとあっという間に舞台に引き込まれました。

最初は、登場人物が全て英語の名前で戸惑いましたが、
気が付くとダニエルとかピート普通に頭に入ってきました。

岡田さつきさんが演じる女性詐欺師の演技が、
非常に上手くて怖かったです。
私は、キャラメルボックスのヒロインは岡田さつきさんと
思っているのですが、こんな悪女も出来るのですね。
それにしても相変わらず美しかったです。
しかし、自分がダニエルにしたことを、
すっかり忘れて、被害者意識を丸出しで、
ダニエルに再度アタックを掛ける厚かましさに、
人の汚い部分が集約されていて、
30年経っても変わらないものだなと。
これはダニエルが心が変わるというラストの台詞の
対極になる変わらないもの、変わろうとしないとどうなるか
という答えの一端かと思いました。

「…ドアというドアをためせば、そのうちのひとつは夏へとつながっている…」
希望を捨てないで、絶望な状態から駆け抜けたダニエル。
ちょうど、困難に立ち向かわねばならぬ日本と
状況がだぶって、凄い心に残った一節です。

普段なら、自身に当てはめて考えるのですが、
今回は日本に当てはめて考えてしまい、
この時期に見たので、そんな印象を受けました。

ヒールのブーツ

ヒールのブーツ

オーストラ・マコンドー

JORDI TOKYO(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/19 (水)公演終了

満足度★★★★

とても好きです。
劇団競泳水着の上野さんの脚本と、
川村紗也さんが出演という事で、観に行きました。

実は予約していたのですが、
所用でキャンセルしてまして。。

でも、評判がいいので、会社を定時に脱出して、
会場へと向かいました。

会場は普通のテナントでした。
入るともう俳優さんが居ます。
店長っぽい人と女性の店員さん。

満席だったので、立ち見でした。

物語は、一つのアパレルショップに集った人達の群像劇でした。

とても、会話がリアルで、
会場もアパレルショップということもあり、
疑似体験しているかのような感覚。

俳優さんが、お店の外に掃けても一般道路で、
演技を続けている。
それが凄いリアルなんですよね。

あと、渡邊安理さんの体を張ったギャグに笑いました(笑)
キャラメルボックスの芝居では、決して出ないであろう、
台詞を喋ったりした渡邊安理さんに新しい顔を見ました。

途中で、渡邊安理さんのアンリが、
浮気を告白するシーンでの、
カトウシンスケさんのカトウとのやり取りは、
凄いリアル感があった。
人って凄い事をさらりと言って、
誤魔化すというか、そういう仕草がとても出ていた。

川村紗也さんのアンとアンリの言い合いは印象に残った。
アンの秘めた想いが爆発した瞬間。
アンリが本当に大切なものに気が付いた瞬間。


『ヒールのブーツ』に込められた想いは、
凄いストレートで簡単な事なんだけど、
実行するには、裸に(心が)なることで、
凄い大変な事なんだと思った。

「ヒールのブーツ」を脱いだアンと、
「ヒールのブーツ」を履き続けるミユキ。
どちらも最後に自分の意思で決めた事が、
この物語の象徴なのかなと。

店長役の成川知也さんの良き大人の店長ぶりが
格好良く、彼の最後の再起を本気で願ってしまうくらい、
感情移入出来た芝居でした。

立ち見だったのをすっかり忘れましたよ(^_^;

サンタクロースが歌ってくれた

サンタクロースが歌ってくれた

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/11/30 (火) ~ 2010/12/25 (土)公演終了

満足度★★★★★

これがキャラメルボックスだ
西川浩幸、上川隆也、近江谷太郎という、
メインの3人がオリジナルキャストである、
サンタクロースが歌ってくれた。
まさに25周年を祝福するに相応しい演目でした。
私は、13年前の公演も見ているのですが、
まさか再び、退団人間を含めて、
再演すると思っていませんでしたので、
本当に懐かしさと嬉しさで一杯で見ていました。

ネタバレBOX

近江谷さんが出てくるだけで、
拍手があったのは、笑いましたが、
これはもうお帰りなさいの拍手ですよね。

10days Limited Versionとの比較なのですが、
比較出来ませんね。
あのバージョンはパロディという位置付けなので、
本公演とは比べられないかと。
強いて比べれば、
ライト級とヘビー級の重みの違いがあったのかなと。

特に、ゆきみとすずこがベテランが担うだけで、
こうもストーリーが変わるかと思いました。
はやり、狂言回し的な、この二人がずっしりとしていないと、
物語が進まないんだなと実感しました。
まぁ主演経験者2名と未経験の二人を比べてはいけないんでしょうが。

上川さんの光速突っ込みが見られるのは、
キャラメルボックスの芝居だけですからね。
もう、上川さんと近江谷さんのやりとりだけで、
爆笑しました。

西川さんも安定していて、
上川さんとのラストのやりとりは、
涙を流して観賞しました。
なんでしょうか。重みが。。
台詞の重みがハンパないんですよ。

「何度でもやり直すんだ!僕らの映画は、僕らのものなんだから!」
というセリフは、
まさしくキャラメルボックスの25年間を象徴していて、
だからこそ、西川さんの台詞に言霊がのっているのだと、
思いました。

ラストのカーテンコールでも、
坂口さん→西川さん→近江谷さんと
3度もありましたが、
西川さんの「僕たちはいつでもここにいます」
という挨拶を聞けて、
満足して、帰った次第です。

ジャンヌ・ダルク

ジャンヌ・ダルク

TBS

赤坂ACTシアター(東京都)

2010/11/30 (火) ~ 2010/12/09 (木)公演終了

満足度★★★★

観てきました
堀北真希さんを目当てで観劇しました。

ネタバレBOX


ジャンヌ・ダルクの出生の秘密も絡め、
神のお告げは実は…というとても、
話が面白かったです。
さらに、100人のエキストラを用いた、
戦場シーンは圧巻です。
2階席だったので、セットはよく見えたのですが、
1階だったら、通路に軍勢が立って、
雄叫びを上げていたので、さらに迫力があったと思います。

堀北真希さんも甲冑を着けたままでのアクションありと、
少女が戦場に駆け抜ける姿を体現していたと思いました。
それ故に、拠り所の神の声が聞こえなくなってからの、
ただの少女に戻ってしまった儚さが際立っていました。

あとは、田山涼成さんが意外と格好良かったです(笑)
てっきり、お笑いのポジションだと思ったのですが、
老齢の傭兵を好演していて、見せ場がバッチリでした。
しかし、アクションをなさるとは、見た目とギャップがあって、
ビックリしました。
冬の穴

冬の穴

ポかリン記憶舎

学習院女子大学 やわらぎホール(東京都)

2010/11/27 (土) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

ポかリン記憶舎#17『冬の穴』を観て
まず会場についてビックリしました。
てっきりホールだと思ったら、
ホールのロビーに客席があるじゃないですか。
ロビーが舞台という不思議な空間。

ホールの入り口には、喪服の日下部さんが、
ドアを開けて案内してくれていましたが、
既に、この時点で私たち観客も一つの空間に、
入っているということは、物語が進むにつれて分かります。

物語は、淡々と開始します。
葬儀場なので、次々と弔問客が訪れます。
ある者は、淡々と。
ある者は、悲しみにくれてと。
ある者は、絶望に沈んでと。

死者を送ること。
死者を介して、残された生者が繋がり、
新たな縁が生まれていく。
失った過去を取り戻していく。

そこには、悲しみの底でなく、
希望の微かな光が満ちていました。

とても、不思議は空間と物語を体験しました。
まるで静かに森林浴をしたみたいでした。

日下部さん演じたホール係が、
学生時代の後輩である妊婦のお腹を触れて、
「思い出さない」という妊婦のセリフに、
何故かドキッとしました。
何となく過ぎし日の過去と人生IFを感じたからです。

ラストのホール係の親子の確執を、
二つの価値観でぶつけ合った弔問客同士の言い争いと、
その後のホール係の行動に、
希望の光を見た気がします。

この演出方法を知っていたら、
夜の公演が断然いいと思いました。
ホールの円柱の光が、とてもキレイでしょうから。

男の一生

男の一生

三田村組

ザ・ポケット(東京都)

2010/11/26 (金) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラストチャンス
チラシの三田村さんの全裸にインパクトを受けて、
初めての三田村組の観劇となりました。
この公演をもって、三田村組が終了するということで、
最初で最後の観劇となりました。

ネタバレBOX

葬式の黒白の幕が垂れている印象的な舞台美術でした。
そこで、三田村さん演じる主人公が死んだところから、
物語の幕があがります。

舞台は町工場。
跡取り息子が、町工場に訪れて、
主人公と会話します。
主人公は自分の人生を語りはじめます。

その語りに合わせて、
出演者が町工場の人から、
主人公の語るその当時の登場人物に替わる演出でした。
後々に、この演出が効いてきます。

主人公の人生は、
不幸と波乱に満ちたもので、
特に片思いの人との別れと、
子供の出生が分かるところが、
非常に印象に残っています。

そして、全て語り終わって、
町工場のシーンに戻りますが、
ここからが真骨頂。
なんと!?全て主人公の作り話でした。
これは町工場の人の名前や設定が微妙に変えて、
語る人生録に出てきていて、
まるで、ユージュアル・サスペクツのようでした(笑)

ここで、モダンスイマーズの蓬莱らしい、
グサッとくる主人公の叫びが印象的でした。
「作り話ではない自分の人生なんて、たった4行だ」
教師の両親、公務員として定年退職、そして老後と。。
普通であった人生。
波乱もなく不幸でなかった。
でもそれこそが不幸という二律背反。

跡取り息子に自分の葬儀の様子を物語として語らせ、
葬儀を退席する跡取り息子に、
主人公が「後悔する人生を」と語り、
「もうここには来ないと」告げる跡取り息子。
自分が出来なかったことを託したのかなと。

男の一生を辿ったわけですが、
その男の虚構の人生って、
演じることであるので、ある意味俳優であり、
これは三田村さんの一生も表していたのかなと。
そして、一生の幕を閉じたのと、
三田村組を閉じたのを掛けたとしたら、
とても美しい、まさにファイナルの名に相応しいと思いました。

終演後に三田村さんと握手出来ましたが、
とても大きな無骨な手であり、
男の逞しさを感じました。
サンタクロースが歌ってくれた アナザーキャスト

サンタクロースが歌ってくれた アナザーキャスト

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/11/18 (木) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★

観てきました
キャラメルボックス25周年のラストを飾る
「サンタクロースが歌ってくれた」のアナザーキャストです。

本公演は、看板俳優の西川さんと
退団した上川隆也さんと近江谷太郎さんが
出演するオリジナルキャストですが、
10日間だけ劇団の中堅と
ベテラン(訳あって長期出演が出来ない)が
出演するアナザーキャストを観劇しました。

ネタバレBOX

本公演があるので、
これはパロディーという位置付けでしょうか。
とにかく、笑いの部分がいつもより3倍増しになっています(笑)

阿部丈二さん演じる警部には、笑かしてもらいました。
でも、この劇の象徴するセリフである
「何度でもやり直すんだ!僕らの映画は、僕らのものなんだから!」
というセリフは、熱くなりますね。
これをオリジナルキャストの西川さんで聞くと、
どうなるのか楽しみであります。

そういう意味では、
この公演は前菜なのか、
それともトッピングなのか分かりませんが、
本公演とこのアナザーキャストも観ておくべきなんでしょうね。
りんごりらっぱんつ

りんごりらっぱんつ

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

満足度★★★★

とても好きです。

サンモールスタジオで観劇しました。
平日の夜なのに満席でした。
初めて観る劇団でしたが、人気あるようですね(;^ω^)

物語は、ある姉妹を中心に回ります。

ネタバレBOX


母と姉妹のある時からのお互いの境界線を越えられない関係。
姉妹のある時からのお互いの境界線を越えられない関係。
それは姉の死によって、永遠に相容れることが無くなった。

姉の代わりに上京し、姉の夢?と思われたパティシエになる妹。
そこで、様々な人と関わり一つの答えと、
母との関係、姉との関係を少しずつ解決して、
最後には、自分自身を見つめ直す。
素敵な青春グラフィティでした。

恋愛体質で他人に依存している姉が、
実は、色々な人の心に影響を及ぼしていたという、
亡き人の思いというか願いが、そっと残した人の背中を
押していたという事実が、とても切なかったです。

姉の同級生の島田くんの想いが一番ぐっときました。
ずっと想って、ずっと護ってきたということに、
とても切なさを感じました。

ラストまでの結末を知ると、
みなさんがどんな演技をしていたのか、
非常に気になります。
最初からそうだったのか。。
もう一度観たくなりますね。

尚、1年間の休養になるそうなので、
再開を楽しみに待とうと思います。


あと、終演後に出演者の川村紗也さんの1人芝居がありました。
これがまた、本公演の余韻を破壊する芝居でした(笑)
いい意味で。
でも、本演目と同様に一つの親子の関係と旅立ちを表していたので、
ある意味リンクはしていたのかも。
蛇と天秤

蛇と天秤

パラドックス定数

ギャラリーSite(東京都)

2010/11/09 (火) ~ 2010/11/15 (月)公演終了

満足度★★★★

観てきました
会場は、恵比寿siteという劇場ではない場所でした。

ネタバレBOX

入ってビックリしたのは、
座席がパイプ椅子で机が付いているタイプだったのと、
机の上に、「都民の健康ライブラー第2回 『現代の結核』」
という資料があったことです。
つまり会場自体が、セミナー会場を模している演出になっています。

物語は、助教授の結核のセミナー開始から始まります。
そこに、助手の若手医師が付きます。
最初はコミカルな助手と助教授の講義だったのですが、
製薬会社の研究員がセミナーに乱入してきてから物語が動きます。

大学病院側は、助教授、講師、若手医師の3名。
製薬会社は、研究員、研究員、営業の3名。
この合計6名による話し合いが、
我々セミナーの受講者達の目の前で繰り広げられます。

ですので、舞台だけがライトアップされたりしないで、
部屋全体が電気が付いたまた物語が進行するので、
事件に遭遇したという臨場感を非常に受けました。

8名の死亡者が出たのは、
医療ミスなのか、医薬品の副作用の為なのか。

真実を求める者。
研究を極める者。
組織に従う者。
自身に従う者。
それぞれの立場の者が、己の正義を、
それぞれの正論を迷うことなく、
語っていきます。

その中で、浮き彫りになっていくのは、
命の重さとは、倫理とは、人間とは
という重いテーマでした。

90分という時間でしたが、
相変わらず、ずしりとくる物語でした。

次回公演も楽しみです。


ストックホルム

ストックホルム

演劇チーム 渋谷ハチ公前

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/10/30 (土) ~ 2010/11/03 (水)公演終了

満足度★★★

渋ハチプロデュースvol.3 「ストックホルム」を観て
初めて見る劇団です。
チラシの女性(弥香)に惹かれての観劇です。
どのような芝居をするか。興味津々でありました。

物語のテーマは、タイトルにもなっている
「ストックホルム」でした。
正確には、ストックホルム症候群のことでした。
この関係は、何も犯人と人質だけのものでなく、
日常にも思い人と思われ人、友人、倦怠期な恋人同士にも、
当てはまるという解釈の物語だったのかなと。
ストックホルム症候群と名付けられたが、
人が本来持っている自然の心情のような感じを受けました。

ネタバレBOX

少女監禁のシーンはおぞましいと感じましたが、
お互いの立場が、入れ替わるようなシーンがあり、
どっちがどっちなのかと思わせて、
2人の関係が一方的でないという事を感じさせて、
ラストの少女の慟哭と、
喪服の2人のモノローグに繋がるのかなと。

そして、ラストの傘を出して寄り添うこと。
一番身近な大事なもの。
それを気づいて、守ること。
永遠でないので、大事にすること。
そういうことを、各人のエピソードを見て、
感じました。

笑いもあり、舞台や通路まで使った演出。
非常に興味を持ったので、
今後も継続して観ようと思いました。

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