Nf3 Nf6 公演情報 パラドックス定数「Nf3 Nf6」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    パラドックス定数 第25項「Nf3 Nf6」を観て
    4年前に、パラドックス定数の公演でなく、
    サンモールスタジオプロデュース公演で、
    観たことがある演目です。
    寺十吾(tsumazuki no ishi)さんに、今里真さんが、
    その時は出演しており、演出は佐山さんだったと思います。

    その時は、2人の数学者が協力してノルマンディー上陸作戦の
    暗号を解くが、結果時既に遅し。
    ラストシーンも直接的にユダヤ人数学者の終わりを暗示させる
    内容だったと思います。
    サンモールスタジオが地下にあり、コンクリートの壁を
    利用して、数式を壁一面に書いていくシーンが印象的でした。

    という前知識を元に、本家のパラドックス定数版の
    「Nf3 Nf6」を観劇したわけです。

    入り口で前売り券購入特典なんでしょうか、
    タイルのマグネットを頂きました。

    会場ですが、絵画を展示するような会場なので、
    舞台と客席には段差はありません。
    部屋の真ん中にテーブルと椅子。
    その両側を挟むように客席がありました。

    将校と数学者が会場に登場すると、
    一変して空気が重くなりました。
    空調も止まっているせいか、
    部屋に重い空気と息苦しさがあり、
    リアルに収容所のような雰囲気を感じながら、
    2人のやり取りを見つめることになります。

    チェスの乾いた音が淡々と響く序盤。
    チェスから暗号解読へ。
    そこには、看守と囚人ではなく、
    数学者と数学者の姿があった。
    大学で共に研究に励んだ時のような空気が発生する。
    暗号解読への光が見えて、一瞬の高揚感の後に訪れる現実への絶望。
    囚人の数学者の一言「…工学部の連中に作らせばいい…」
    で現実を直視する2人。

    決して、あの頃に戻れない2人。

    張り詰めていた将校は、
    本音を話せる(話そうとはしなかったが)相手を前に、
    精神を憔悴させて眠り、囚人は、部屋を出て行く。


    佐山版「Nf3 Nf6」は、
    歴史の裏側の悲劇という感じで、
    暗号解読に力を置いていたような気がする。

    野木版「Nf3 Nf6」は、
    2人の友情の悲劇。
    分かり合っているのに、分かり合えることが出来ない。
    友情劇に力を置いていました。

    濃厚な100分。
    2人劇というやつは、
    実に刺激的ですね。

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    2011/03/28 00:23

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