男の一生 公演情報 三田村組「男の一生」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ラストチャンス
    チラシの三田村さんの全裸にインパクトを受けて、
    初めての三田村組の観劇となりました。
    この公演をもって、三田村組が終了するということで、
    最初で最後の観劇となりました。

    ネタバレBOX

    葬式の黒白の幕が垂れている印象的な舞台美術でした。
    そこで、三田村さん演じる主人公が死んだところから、
    物語の幕があがります。

    舞台は町工場。
    跡取り息子が、町工場に訪れて、
    主人公と会話します。
    主人公は自分の人生を語りはじめます。

    その語りに合わせて、
    出演者が町工場の人から、
    主人公の語るその当時の登場人物に替わる演出でした。
    後々に、この演出が効いてきます。

    主人公の人生は、
    不幸と波乱に満ちたもので、
    特に片思いの人との別れと、
    子供の出生が分かるところが、
    非常に印象に残っています。

    そして、全て語り終わって、
    町工場のシーンに戻りますが、
    ここからが真骨頂。
    なんと!?全て主人公の作り話でした。
    これは町工場の人の名前や設定が微妙に変えて、
    語る人生録に出てきていて、
    まるで、ユージュアル・サスペクツのようでした(笑)

    ここで、モダンスイマーズの蓬莱らしい、
    グサッとくる主人公の叫びが印象的でした。
    「作り話ではない自分の人生なんて、たった4行だ」
    教師の両親、公務員として定年退職、そして老後と。。
    普通であった人生。
    波乱もなく不幸でなかった。
    でもそれこそが不幸という二律背反。

    跡取り息子に自分の葬儀の様子を物語として語らせ、
    葬儀を退席する跡取り息子に、
    主人公が「後悔する人生を」と語り、
    「もうここには来ないと」告げる跡取り息子。
    自分が出来なかったことを託したのかなと。

    男の一生を辿ったわけですが、
    その男の虚構の人生って、
    演じることであるので、ある意味俳優であり、
    これは三田村さんの一生も表していたのかなと。
    そして、一生の幕を閉じたのと、
    三田村組を閉じたのを掛けたとしたら、
    とても美しい、まさにファイナルの名に相応しいと思いました。

    終演後に三田村さんと握手出来ましたが、
    とても大きな無骨な手であり、
    男の逞しさを感じました。

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    2010/11/28 02:08

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