実演鑑賞
満足度★★★
今夜の対バンは、どちらも恋話でした。とはいえ、色は両極端(笑)
あぁ〜いいなぁ、なんか夏っぽいなぁ。いいなぁ。
ネタバレBOX
立ツ鳥会議
一度観てみたいと思ってた。思いがけず火ゲキで。なんと嬉しい。良い会話劇でした。男女ふたりの淡々とした会話の中に、各々の心の声が分断なく差し込まれる。どこかエロティシズムを感じさせる情緒のある気怠い雰囲気。好きでした。
ゆとりきゃんぷふぁいあ〜
総合的には青春でありアオハルであったのだと思うのです。でもなんだろう、総員みなもれなくキャラがクドくて(笑)台詞も面白かったし、構成も良かった。こういうのいい、楽しくて多幸感。良い余韻。
実演鑑賞
満足度★★★
今宵はダイゴさんの不在で少し寂しい火ゲキ。前説代打がユラリちゃんで綺麗な声に耳が喜ぶ火ゲキ。
ネタバレBOX
Wise4
女優さん四人による楽屋アレンジ。もう作も演も演者も全てが剛腕で特濃こてこての面白ろ楽屋でした。ひたすら面白かった。こんなん火ゲキで観せてもらってよいのだろーか。贅沢。
ニュートラル
賑やかだった対バン先攻とは打って変わって。潮騒、蛙の鳴き声、夏の情緒溢るる落ち着いたお芝居。アルファ波の揺らぎを感じる。癒しでした。夏ですねぇ。
実演鑑賞
満足度★★★
世情の影響は火ゲキにも及ぶもので。火曜日にはやっぱり火ゲキがあるのがいい。前説にダイゴさんが帰ってきて、舞台監督がアイウチさんという、定位置な布陣が安心感。
ネタバレBOX
カラ/フル
非の打ちどころのないクズ男っぷりに、一ミリの迷いもなく嫌悪感を抱くことができました。世の中にはダメな男性が好みな女性もいるとか。ありえん、しばき倒したくなる気持ちしかないぞ?浮気はビョーキならしいですね、世の中が変わろうが何があろうが変わることのないやつ。
中野劇団
めっちゃくちゃ、笑った〜!面白かった!森崎さんが流石の良いお仕事をなさっていて、この劇中の要であるギミックの役割を完璧に果たしておられました。素晴らしき。己の命に関わる弱点(あれは弱点やと思う)を早々に明らかにしちゃう辺り、きっと愛すべきお人好し。
実演鑑賞
満足度★★★★
30リーグ対象公演でした。またやや迷う投票だった。でも例え何度ときを繰り返したとしても、また同じように迷って同じ選択をするであろうと思えるくらいにはしっかり選択しました。
ネタバレBOX
カヨコの大発明
二朗松田さん作品の中でも屈指の小ネタの少なさなのでは?近々で観たのが太陽にホエールだっただけに落差が凄い。またオーディションで集った座組みであることでお馴染み感がなく新鮮だった。諸々と冠頂いた後のカヨコの新たな船出を観た思い。
kusukusu on parade
脚本演出ともに思うところあり。だけれでも役者がいい。演技がいい。何よりこの戦いの場に挑むにあたって勝つ為の戦略よりも何がしたくて演劇をしているのかを尊ぶ姿勢が個人的にはとても好ましかったです。迷ったなぁ。。。
実演鑑賞
満足度★★★★
内側に秘めた欲望をいかようにして発露させるか、いかようにして叶えるか、あるいは諦めるのか。二団体通して様々に観られた夜でした。
ネタバレBOX
Artist Unit イカスケ
望みを叶えようとする三者が各々に欲望に忠実に真っ直ぐに自己中心的でいっそ清々しかったです(笑)運命を手のひらの上で転す存在のダンスが癖になる。その真っ直ぐさを相手に向ければいいの…と思うのは野暮というもの。それが出来ないのが恋というものさ。
謎の女ーーー《まなみ》。
天賦の才というものは不平等なもので。絵を描くことに救われながらも絵を描くことで幸せにはなれなかった兄弟。秀でてなくてもいい、好きな気持ちだけでいい。そこにたどり着けたら幸せ。殿村さんの存在が丸ごとファンシーで清涼剤になってました。
実演鑑賞
満足度★★★
とても胸熱な夜でした。濃ゆい時間を過ごせた。演劇はなまものだ。その日その時限りの今を生きてる。そんな実感のある夜でした。この公演はシイナナの側に当日のキャスト変更があり、その経緯により、おそらく作り手からは不本意かもしれないのですが、どうしてもバイアスかかってしまいました(笑)
ネタバレBOX
シイナナ
たくさんの想い出、プライスレスな想い出が詰まった喫茶店。それがなんだか自分にとっての劇場や大好きな劇団のように感じられて、想いが交錯する。たとえ変わらずにはいられなくても変わることのないものがある。還る場所。そういう心境に至ったのにはサリさんの格好良い背中を観たのもあるはずで。あれは全く今日の今日で代打できる役ではなかった。なのに代打とは思えなかった。その姿に演劇への愛、出られなかった方への思いが感じられて。高揚しました。鬼格好良い。
MoreGoofy’s
奇しくもこちらも四人芝居の会話劇。ダイゴさんらしい洋物の雰囲気のある丁々発止の言葉での応酬のサスペンス。観客の目に見えるのはあくまでも舞台の上にあるものだけ。それが良きミスリードを誘ってたようにも思う。そうさ人生に脇役なんていないんだよ。個性豊かなキャスト陣でしたが、中でも下野さんが特に良かったです。
実演鑑賞
満足度★★★
初めましてなうさぎさんと、また劇場で会える日をずっと待ってたミクマク。歌声と優しさに包まれる夜でした。
ネタバレBOX
金曜日のうさぎ
アイドル活動にしても音響を仕事にするということにしても、どちらもイージーモード。何か始めるのにこれくらい軽く始められたら楽に生きられそうで。生きづらい今の世の中、ホッと息がつける面持ちがする。現実そんな甘くないよーとか言わないでさ。
Micro To Macro
テル子さんの歌声が響いた瞬間に…心が震えた。舞台の上に楽器はギター一本、俳優たったふたり。研ぎ澄まされたふたり。描かれる巡り巡る時の流れ、命の巡りに、心を攫われてえも言われぬぬくもりに包まれる。老いる母、元気な姿が記憶に鮮やかに残っているからこそ、辛い。その辛さはいずれ訪れるその日への恐れとともに、年々心に迫る自分にとっては刺さってたまらない。逃れることなどできないのだけれど。母を想う心、子を想う心、観る人の置かれる現況毎に残る部分は違うであろう作品でした。優しさと感動に包まれる作品…ながらも、笑いのエッジも利いてて。テル子さんのチャリ停車の仕方、波瀾万丈からの森羅万象などなど、ちょいちょいツボにクリティカルヒットされました(笑)30分間、とても良い旅路をさせて頂きました!
実演鑑賞
満足度★★★
今夜は個人的にはどちらも初めましてな団体さん同士でした。どちらもお若い印象。火ゲキならではな出会い。
ネタバレBOX
カンザスハリケーン
アパレルかな?リサイクルショップかな?のショップ店員を演じる一人芝居。ひとり語りで進められるだけに、台詞が聞き取れないのが痛かった。内容もキャラクターも悪くなかったと思う。後は演出変えたらだいぶ変わるんじゃないかな〜?という印象。
劇団グラスホップ
機械と人間、天使。30分間という短編でこのボリュームのオリジナル創作を持ってくるのはだいぶな侍魂。なかなか世界観が見えてこなかったけれど、よく纏まっていて余分に語らず焦点絞った作劇でストレートに伝えたい事が届く。達者。
実演鑑賞
満足度★★★
30リーグにもエントリーしてるのに、それ以外でも火ゲキ出ちゃうマナカくん。脂ノリノリ。おかげで制作されてるほのかさんのMEHEMも一年ぶりな気が全くしない。今宵は久しぶりに観られて嬉しい役者さんに会えた夜でした。
ネタバレBOX
謎の女―――《まなみ》
部屋で語らう姉妹。劇中で明確には語られない部分まで観客に想起させてくれる丁寧さがありました。家族の中での姉妹各々の立ち位置、姉妹各々にとっての互いの存在の意味。全てを開けっぴろげに書いてしまわないのがいい。姉はきっと家族の中では優等生で親から期待されててその分窮屈で我を抑えてていい子ちゃん。妹はきっと愛され上手で生きたいように生きて我を通していながらも親に可愛がられてる。年長としての責任感を持ちつつ妹を頼りに思う姉、優しい姉を慕うと共に…独占欲を潜ませる妹。どうやらイジメを受けていた過去があり、別れた恋人には浮気されていた姉。その辛さから孤独に陥り引きこもっている姉だけれども、それも妹が一枚噛んでいるんじゃ…?と思わせられる幕引きにゾクゾクと。僅か30分に妄想が止まらない。見事。
MEHEM
ヒトは生まれる場所も運命も選べない。流行りの親ガチャという単語は嫌いだけれど。何もせずともそこに生まれただけで手に入れる者、それを目の当たりにするそうではない者の辛さ、よく知っている。その沼に足を取られている人生はつまらないということも知っている。全ては気持ち次第。単純に夜中にベランダで隣人と会話なんかしてたら苦情出るやろなぁとか、確かに異世界転生はともかくとして何故あんなに悪徳令嬢が溢れてるんやろなぁ?とか、デビューしてない漫画家がミリオンセラーとかでもない作家の一存では挿絵描けんやろなぁとか。細かいところ気になってしまいました。
実演鑑賞
満足度★★★
ニュートラルを火ゲキでまた観られた事が嬉しい。一度は中止になったパン・パン・パリーのリベンジが叶って嬉しい。観られて嬉しい夜でした。
ネタバレBOX
ニュートラル
そう例えば戦闘のシーンを描くのに必ずしも殺陣で表現しなくてはならないなんてことはなく。縛られることのない表現の自由を謳歌してた。衣装のポップさにミジンコターボを懐かしく思い出す。
パン・パン・パリー
不条理なまるで夢の中でみる風景のようでした。20代に別れを告げ30代になるのを怖がるその狭間でみる夢。劇中なかなかの長尺で真っ暗にしたのは演出効果としては効果が高かった。個人的コンディションとしてはなかなかの試練でしたが(笑)
実演鑑賞
満足度★★★★
今期火ゲキのラストであり30リーグの決勝戦でもあった今宵の火ゲキ。
いやぁ、もぉ、素晴らしかったです!贅沢させて頂きました!
演劇は勝ち負けじゃない。でも、残るからには残るだけの理由がある。
そんな夜でした
ネタバレBOX
カヨコの大発明
改稿するにはあまりにもタイトでシビアな状況。その中をピンポイントに的確にブラッシュアップなされてきた手腕はさすが二朗松田ここにあり(名前はよく間違われるけれど)。熱量を上げたことにより波が生まれた。シンとした1シーンが活きた。
さらにシーンを足す事でラストシーンに向けての奔流ができた。終わった後のスッキリ感が段違い。西マサトさんのキャラクター性もより活きてた。全てにおいて上がってた。難しかったと思う。それでもなお、どう変化つけてこられるのかなという期待感に応えてもらえる、観客席冥利に尽きる。
謎の女ーーー《まなみ》。
まず先に白状してしまうと、わたしが入れたのはマナミでした。あの見事なカヨコを観て尚。マナミに関しては前回と今回で印象に変わるところはありませんでした。同じく、良かった。中山さんの天賦の才を持ちながらも苦しむアーティスト気質。
対してそこそこ才能ありつつ堅実な人生む赤穂さん。その対比、それだけだときっと観てて苦しくなるであろうところを、和ませる殿村さんのファンシーさと、相手をする赤穂さんのクールな親しみ。三人のバランスが絶妙でした。実質描いてることはだいぶとセンシティブなのに、笑顔で観られて、笑顔で観終われて、心地よい余韻が残る稀有なお芝居になってるのは、やはりこの三人のバランスと、舵をとるマナカくんの作演によるもので。総じて素晴らしかった。走り続けたマナカくん、走り続けることには意義、その対価、ここにあり。
実演鑑賞
満足度★★★★
二日目。
※三次出場作品もあるので全てネタバレBOXへ。
ネタバレBOX
[a]「私のための最後放送」
貴多本りあん(劇団ノベル)×浅見陸斗(劇団ノベル)
日本本土に核兵器が投下された世界線でのラジオ局内にひとり取り残されたアナウンサーの話。
まず、核兵器というものを軽く考えすぎてやしないか。
建物が破壊されている時点で、投下位置は近いことが想定される。
核兵器を落とされている状況で、放射線に汚染されているであろう外に出たいと何故簡単に考えられるのか。
ラジオ放送を聴いてるかもしれない誰かが、誰も自分を助けに来ないと何故拗ねられるのか。
深刻さも切実さも感じられない。
その軽さで今度はラジオを聴いてる人に向けてとんでもなくざっくりとした情報で逃げてください逃げてくださいと呼びかける。
それが英雄のように称えられ、その功績により得たシェルターの情報を流してこれまた軽率に向かってくださいと呼びかける。
全てが浅くて軽い作劇でした。
それが狙いだったのだろうか・・・だとしたらその意図はわたしには掴めない。
[e]「一人結婚披露宴」
もえりーぬ
10分間でひとり披露宴リハーサルを披露する花嫁の話。
コメディが得意な方なのかな、披露宴あるあるイジリも面白く、演技もコミカルで楽しかったです。
ただそれだけで終わっていれば、ただただ面白いだけだったところなのですが・・・。
そのリハーサルは実は自分自身の披露宴のものではなく、自分を捨てた男と他の女との披露宴の余興だったという。
このひとひねりが良かったです。
[b]「カルチャール・ビビデ・ブラウンのほぼ全て」
荷車ケンシロウ(劇団不労社)×西田悠哉(劇団不労社)
同級生の女の子に淡い片思いをしていたつもりがストーカー扱いを受けてしまう男の子の話。
ただただ可愛らしい恋心を寄せていただけだったのに・・・何なら女の子の方も満更ではなさげな様子でてっきり両想いなのかなと心ときめかせていたであろうに・・・。
男子がとても不憫でした、不憫なのだけれども可哀想な感じはなく、面白かった。
男子の妄想力がすごい、どこまで現実で、どこから妄想なのか、妄想の発想力がすごい。
とても演技が達者だなと、良き猪木でした、面白かった。
[c]「ザ・女ドラゴン~燃えるビキニヌンチャク~」
西マサト(B級演劇王国ボンク☆ランド/努力クラブ)
タイトルが全て。映画のタイトルであるこの演目名をひたすら連呼する話。
深夜枠で放送されるというこの映画を、エロなタイトルにそそられて観たくて仕方ないけれども、好意を寄せるクラスの女子の心象が気になり、観た事がバレるわけでもないけれども、観るのを躊躇い葛藤する男子。
その葛藤を、このエロ面白げなタイトルを繰り返し連呼する・・・というだけの、テンションの高さで引っ張るパワーアクトでした、でもそのパワーアクトに体力が全くついていっておらず息切れ激しくヨロヨロしてました。
内容以上に一部客席が沸いていたような印象、この人がこれをするから面白いというようなウケ方に、きっと愛されている役者さんなのだろうなと。
[d]「リリ」
ミヤマまゆ(劇団わに社)×池山ユラリ(林檎の君へ。)
彼氏に振られたことでキャラ変を試みる女の子の話。
元々は大人しめの女の子だったのだけれども、モテるのには活発な方がいいのだろうと、自分を変えてゆく。
出会い系で相手を求めて頑張り、初対面の相手でも会話できるように頑張り。
でも無理して自分というものを失くしてお付き合いを求めても虚しいだけ、気づいてただただ好きなのだという気持ちに還る女の子。
恋心の瑞々しさ、人付き合いというものの悩ましさ、自分自身との付き合い方の難しさ、内包されたものはとても丁寧に描かれていたように感じました。
大きめの声出してもちゃんとクリアに聞き取れる序盤は良かったのだけれども、後半はちょっと走り過ぎて声が割れてしまったのが残念点
実演鑑賞
満足度★★★★
一日目。
※三次出場作品もあるので全てネタバレBOXへ。
ネタバレBOX
[a]「孤独、もしくは河川敷の夜」
C-ma.Mia×サリngRock(突劇金魚)
猟奇的気質のある息子と母の話。
もうね、さすがです、言う事ないです、完全無欠の完璧でした。
まばたくもしたくない、魂ごと引き込まれる、観ていることが歓び、そんな芝居。
これは全く本戦域でした(笑)
三次でもう一回観られるのが今から楽しみで仕方ないです。
[b]「さえこのモーニングルーティーン」
井上多真美(にほひ)×古後七海(万博設計/にほひ)
ペットの犬とゾンビと同居しているOLの朝の出勤風景の話。
このワンコと、この元友人?のゾンビと、OL、三者の関係性のバックボーンが気になりそそられる。
ワンコは元はゾンビの飼い犬だったのかな?何故この友人はゾンビになってしまったのかな?
いやむしろ本当にゾンビなのかな?ゾンビだと思い込もうとしているだけで本当は御遺体なのではないのかな?だとしたらどういう経緯で亡くなられたのかな?ひょっとして・・・OLさんが?
現段階ではトライアルなので、この先がまだ用意されているのではなかろうかという期待感。
わたしはトライアル作品は公開審査出場時には必ずしも完成されている必要性はないと考えている層なので、それは作品としても演技の仕上がりとしても。
完成作に向けての期待感を呼び起こすというのは、トライアルの作品作りのうちのひとつ。
[c]「ひとりでよがり」
マナカ(劇的☆ジャンク堂)×マナカ(謎の女---≪まなみ≫。)
彼氏がいる相手に想いを寄せながらも、決して成就は望まない男子の話。
と書くとなんだか一見一途で健気なのかなとなるけれども、そんなことはなく、いやぁズルい男でした(笑)
相手には彼氏がいる、つまり自分には向かってこない相手。
一方通行な好意を向けて時折遊ぶ、決して深くは関わらない楽で都合の良い付き合い方ともいえる、二次元キャラに恋するスタンスと変わらない。
だから浮気性な彼氏に愛想をつかせて本気でこちらに乗り換えようとしてこられた途端に、面倒になって逃げ腰に。
このズルい男の描き方、演じ方が、絶品でした。マナカくん節。
[d]「進路」
山崎桃香
SNSでバズったことがきっかけで漫画家になった女の子の話。
デビューはしたものの、なかなか漫画が描けず苦心してネタを生み出そうとあがく姿が、ご本人がこのトライアルであがく姿のようにも思えて。
近年のトライアルはまるで本戦みたいな出来栄えの作品が多かったのですが。
そうそうトライアルってこうだったなぁという初々しさで、観てて頑張れ~と応援したい気持ちになりました。
実演鑑賞
満足度★★
とてもとても楽しみにしていた舞台だったのですが。。。
あまりに映像演出に頼り過ぎていて、生身の人間が演じる舞台であるという値打ちが低かったように感じました。
生で観るより映像で観た方が良い…と思わされるのは演劇としてはアウトだと思ってます。
尚且つ、舞台でどう表現されるのだろうと楽しみにしていたヒノカミ神楽の場面も、随分あっさりと済ませられてしまい。
全体的にただただまるで場面を進める為のノルマをこなすかのようで、どの場面も表面をなぞってるだけのような印象で。
大好きな作品なので次の無限列車までは劇場へ行くつもりですが…もしまた同じような印象を受ける舞台であるならば、さらなる続編の劇場観劇はちょっと考えます。。。
映像鑑賞
満足度★★★
全く初めて観る劇団さん。
今回ご縁があり配信にて観させて頂きました。
ネタバレBOX
ドタバタハプニングコメディ…からの、思いがけない心の闇への急展開。
別作品に変わったのかというくらいのエッジの利かせ方で、ちょっとそれぞれ別々の話で観たかったかなくらいの気持ちに。
設定には若干ん〜…となる部分も。
そういう精神疾患を抱えている人をラジオパーソナリティに起用するという点、承知の上で起用しているにも関わらず問題発生の際の対処があまりに非人道的だという点、ラジオ局がラジオパーソナリティ一本で活動しているようなタレントただひとりで回されているという点、殺人を犯した犯人の取り違えが暴かれなかった点、色々と首を傾げざるを得なくて。。。
とはいえ前半のコメディな部分は気楽に楽しく観られて面白かったですし。
終盤の闇落ちの部分は、その問題に的を絞って集中して観たくもありました。
落差狙いどんでん返し狙いもあったでしょうが、せっかくの楽しい前半部分の値打ちが損なわれる気持ち。
トラウマに起因する精神崩壊、記憶の入れ替わり。トラウマの内容が内容なだけに面白い…といえば不謹慎なようにも思いますが、あの精神世界の設定は、そりゃあありえないと言えばありえないですが、ありえないことはありえないと断定した時点でありえないことになるわけで、こういうことが起こり得る世界であると思えばそれは起こり得ることなのであり、わたしはここが一番興味深く面白かったです。
前半と終盤のバランスがもう少し…という印象でしょうか、難しい。。。
各役者さん皆さん達者で魅力的でした。
毎朝仕事行く前にラジオ聴いてるので、個人的にはラジオブースという舞台設定にも親しみを覚えました。
チラシデザインが可愛かった。素敵デザイン。
あとそういう対策方法があるというのは小耳には挟んでました、実際に舞台と客席の間にアクリル板の壁を設けているケースを初めて観ました。
生観劇だと反射とかどうなのだろう?興味深いです。
満足度★★★★
二日目も配信で。
ネタバレBOX
空宙空地『たりない二人』
一般的から見てもルーズ過ぎる女子と。
一般的から見ても潔癖症すぎる女子。
元々知り合いなわけでもない縁もゆかりもない者同士のシェアハウス。
初対面の初々しい間柄から、同居から日にちが経過してツノ突き合わせる間柄になるまでの間の日々のエピソードを、細切れに時間行ったり来たりしながら、場面は進んでゆく。
場面と場面の切り替えにかかるBGMがコミカルで、二人のやり取りの面白みを引き立てていて雰囲気作りが良かった。
このエピソードひとつひとつがとても面白い。
あまりに水と油なふたり、当然軋轢がうまれて喧嘩別れになる。
でも軋轢がうまれるのは、互いに本音言い合ってるからこそ。
そして喧嘩別れ乗り越えてがっちり熱い友情築けたのは、この二人のそれぞれの性質の良さ。
こんな相手に出会える人生はそんなにあることじゃない、とても幸福な人生。
素直に、あぁ、いいなぁ?って思いました。
そんな「わたし」の友情の物語だけで終わるわけではなく。
そこに母との物語が挟まれてるところが、それが上っ面じゃないところが、空宙空地さんの好きなところかな。
世界が自己に終始してなくて、奥行きを感じる。
あとお二人の個性が良かった。
いい加減過ぎるけ可愛らしさがあって。
ツンツンし過ぎてるけど愛嬌があって。
嫌らしさのない魅力的なキャラクターになってる。
江本真里子『デラシネる』
江本さんがイケメン過ぎる。
線路沿いの屋台居酒屋らしからぬバーテン風の衣装が良き。
終始、江本さんの独白で物語は進む。
自己紹介的な序盤から、ストーカーに追われる可憐な美少女を助けたことから、で一気に展開してゆく。
バーテン風の男装麗人と儚げで可憐なホステス嬢の共同生活、描写がそこはかとなく耽美。
決して決定的なあからさまな描写はなく、もやっと漂う互いの互いへの淡い恋心。
きっと両思いだった。
一年続いた共同生活は可憐女子の方の実家の家庭の事情で終わりを迎える。
別れを前に勇気を振り絞る可憐女子、逃げ出してしまう麗人女子。
両思いだった。
両思いだったのに、両思いにはなれなかったふたり。
とても切ない結末であり、だからこそ良さがある、そんな恋物語でした。
満足度★★★
予選一日目、配信で観ました。
ネタバレBOX
ハコボレ『空箱』
落語から始まる。
ロボットが人間を支配する、芸術に規制がかかる世界での記録資料としての落語。
芸術の再生、それは劇団の姿勢と重なる。
とかく扇子の扱いが癇に障る、バンバン叩く音にいらっとする。
この世界では人間ひとりひとりに適性職業が定められており、就く職業を選べない、適性以外のことを自分のやりたいようにすることができない。
演芸も、音楽も、絵画も、写真も。
規則を破ると収容され、限度を超えると身体を切り刻まれる。
達成感や幸福感より、極められるかどうかが尊ばれる世界。
夢を抱くことのできない世界。
それでも夢を抱き、身体の一部を失おうとも、やりたい芸術表現に身を投じる人々がいる、命懸けで。
例え記録に残るものでなくとも、この世界の心のないロボットには理解できなくても、人間の大衆の心には刻まれる。
ぐっと思い巡らせているところに、また無粋に扇子バシバシ叩く落語、五月蝿い。
ここで一気に醒めてしまうのが、個人的には大変に残念でした。
プロトテアトル『エウレカ』
この物語は、登場人物が制服姿の女子三人だというところがいい。
教室の休み時間みたいな、放課後みたいな、キャッキャと楽しげな時間。
殺伐とした状況下なはずなのに青春を感じる。
安保に反対する学生運動のように、自分達に影響を及ぼす何らかの採決がなされようとしてることに対する中学生によるデモ活動の真っ只中。
デモから距離を置いた屋上に避難している女子中学生三人。
キャッキャしてる雰囲気もやがて、自由研究という名目のジャーナリズム議論に移る。
自由研究とか懐かしい、当時は何していいかわかんなくてひたすら面倒なだけのものだったけれど、今から思えば何してもよかったんだしあんな楽しいものなかったのにな、それを教えてあげに戻りたいな。
子供の可能性は本来、無限大だし夢と希望に溢れてる。
それを妨げる事象には怒っていいんだよ。
掲示板やらSNSやらでネチネチするのではなく、堂々と。
終わった後、投票のアナウンスをいつものテンションで行うダイゴさんの背後で、女子三人ぷらすアイウチさんが、せっせと舞台上いっぱいに散らばってた紙を回収してる光景が、なんか良かったです。
配信組には投票権がなかったのが寂しい。
満足度★★★★★
ステージタイガーの単独公演ならまず観られない作品だったように思います。
悲劇に引き裂かれて生まれ変わってもまた結ばれる愛し合う二人という輪廻転生ファンタジーもの。
比較的分かりやすく感動を生み出すテーマ。
そこに剛さんならではの人物の深みがプラスされ、さらに役者陣がみんなそれぞれに人物像を掘りに掘り下げ厚みが増し、見事に鮮やかに生きた魅力溢れる人物達に。
そこに確かに生きてる人物がいる、人生を感じられる、そこが魅力。
だから足しげく通ってしまうんです、毎度毎度。幸せな時間。
満足度★★★★★
何度目かの再演。
再演されるたびにブラッシュアップされ、何度観ても何度でも胸いっぱいになる、感動をくれる。
舞台いっぱいの星空、満天の星空があまりに綺麗で、いつまでも見上げていたくなりました。
良い舞台は何度観ても良い、浴びに行きたくなる、この観劇体験は幸せ。
満足度★★★
音が面白い舞台だったように思います。
観るというより、聴くような。
攻めた演劇。