『江本真里子一人芝居 × 謎の女---《まなみ》。』 公演情報 火曜日のゲキジョウ「『江本真里子一人芝居 × 謎の女---《まなみ》。』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今週も一人芝居同士の対バンでした。
    火ゲキ版インディペンデント、今ならでは、むしろ今でないと実現しない希少な面白味。
    今週も観られた喜びとともに。

    ネタバレBOX

    江本真里子「人間×トライアル」

    江本さんのほぼ3か月連続一人芝居の第2弾は、数年前の一人芝居フェストライアル参加作品。
    テレビ番組ネタ、時事ネタ、二朗さんらしいエッセンスで、あぁほんとにテレビ好きなんやなぁと、いつも思う。
    もう世間ではすっかり忘れ去られてる勢いな某W氏のトイレ事件を風化させてなるものかという勢いで複数回に渡りぶっこんでくる辺り、容赦ない。
    そうして「ラッセン」というワード聞いただけで即座に「ラッセンがっすっき~♪」って脳内再生されるわたくしも、大概なテレビ好き。
    最近あの人お見掛けしないな、お元気かしら。

    そうラッセン、トライアル中な人間の次に控えている次世代の主役、イルカ。
    碧の照明に照らされ、キュイ♪キュイ♪って鳴き声が響く。
    リラクゼーション効果はんぱなかったです、癒し。

    個人的には最近Huluでエヴァの新劇場版を一気観しまして。
    さらにYouTubeでエヴァ考察動画を夜な夜な観ておりまして。
    お恥ずかしながら、旧作の映画を観てなかった為に今さら人類補完計画の全貌を知ったりしたわけでして。
    昨今のコロナの侵攻やらも顧みて、人類の種としての存亡等々。
    この人間トライアルというテーマは、今わたしにフィットするものでした。

    途中でふいに入ってくる落語。
    あれはもっとガッツリこてこてな落語でも良かったな~。
    観てる側が、どうした?急にどうした??ってなるくらいに、異次元にエッジ利かせて。

    この一人芝居の最大の特徴は、演者が一歩もその場から動かないことかな。
    動きも最小限、落語中に座った以外はその場に立ったまま、ひたすらに語り。
    それで観客を惹きつけ魅せ続けるには、役者力が要る。
    これがねぇ…凄いことに、引き込まれ続けた、魅入った、集中が途切れることがなかった。
    演出の担当は、ご自身も素晴らしい役者さんである河口仁さん。
    エンタメ色の強い舞台に出演されてることが多いイメージな河口さん、静の演出をされるというのが、ちょっと意外で、でも逆にすごく面白いなぁと。
    俳優身体一つで観客を魅了できる、それを知ってるからこそなのかもしれないなと。

    ほぼ3ヶ月、次がラスト。
    また次は次で、全然違うものが観られそうで、今から楽しみです。

    謎の女---《まなみ》。「You're ray」

    火ゲキで幾度となく観てきたユニットだけれども、今回は作演出に出演もマナカくんな一人芝居という、割と貴重なものが観られた気がします。
    劇中にはふたりいるのだけれど、片方は諸事情で見えない存在として二役演じるのに不都合ない設定、一人芝居として成立させてました。
    霊が視えない霊媒師と霊体と…のお話。

    元ネタが分かる人にはくすぐられる、元ネタがわからなくてもわからないなりになんとなく雰囲気で面白い、そんなマニアックなネタを散りばめてくすぐってこられるのが、マナカくん脚本らしさ。
    漠然としてた霊体の女性の人となりがくっきり観えるようになる、憑依以前と憑依以後で観る視点に変化が感じられるのは面白い。

    最後に正体が分かったもうひとりの存在が…涙を誘う。
    随分と時間が経っているのだろうか、天寿は全うしたのだろうか、それともひょっとして帰ってこない大切な人を御飯も食べずに待ってたのかな、ひょっとしてひょっとしたら新しいおうちにも行かないでずっとひとりで待ってたんだろうか等々。
    想い馳せると悲しくて泣きそうでした、たまらんかったなぁ。
    自分にとっての光となる存在、再会できてよかったね。

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    2020/08/20 00:19

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