満足度★★★★★
準決勝①
わたしが観に行けなかった30GP初日の、第1ラウンド第1試合、第2試合を勝ち抜いた二団体による準決勝。
大阪朝高演劇部「ゾエアが満天の夜空」
彼女達は高校生、自分達で演劇部を発足し、学校に認可してもらえるように現在進行形で頑張っているリアル高校生。
そんな彼女たちが火曜日のゲキジョウに挑戦し、大人達に混じって30GPに選出されたというのが、もう熱いじゃないですか。
内容は、長らく断絶されていた国家の首脳同士が会談するという国を上げての重大な日が。
自分達にはどうにもならない家庭の事情で離ればなれになってしまう仲良し三人組の別れの日となる。
国家の一大事と、彼女たちを取り巻く世界の一大事は、重たさは等しい。
むしろ後者の方が大切だったりする。
三者三様の個性の違いがよく表現されていて、これだけ違う個性の子達が仲良しになれるというのは、学校という枠の中にいる時代ならでは。
笑顔で毎日楽しく過ごしているものが、その笑顔のままに辛いことも何もない毎日だというわけではない。
経験によってそれを知り、子供は思いやりをもてる大人になってゆく。
人によっては、知ることのできないままに大人になってしまう人もいることでしょうけれども。
はつらつとした元気な笑顔と声が、とても好印象でした。
三等フランソワーズ「フレンチとマニュアル」
お見合いパーティで出会った男女の、気取ったフレンチレストランでの食事の場面。
舞台は、コース料理がすっかり終わり、ひたすらワインを飲むしかない状態から始まる。
木山さんの酔っぱらいっぷりが、いやらしさがなく可愛げがあり、とてもいい。
酔う前は大人しかったのに、酔っぱらってからが最高に面倒くさい。
その面倒くさい絡みに対して眉を八の字にしてボヤく中川さんのボヤきが、これまたいい。
男性側がしまいに堪忍袋の緒が切れて拗ねてしまう、形勢逆転今度は中川さんが最高に面倒くさい。
二人のやり取りが可笑しくて、可笑しくて、とても面白かったです。
この芝居の男女は、自分の中で完結し過ぎるのです。
マニュアル本なんかに答えはない、答えは目の前に座ってる生身の相手にある。
勝手に相手の心を推測して決めてかかって、分かったような気持ちになる。
でもねー、分かるんですよねー。
気になる相手ほど、心を知りたい相手ほど、本当は迷惑に思っているのではないだろうか、嫌われているのはないだろうか、そうに違いない・・・って、思っちゃうんですよねー。
この二人はそれでもちゃんとぶつかり合えたから、本音ぶちまけあえたから、良かった。
終電の時間を確認し合う場面で、中川さんは正確な時間を答えたのに対して、木山さんは自分もだいたいそれくらいの時間だと答えたのが、この男女の性格の違いを顕著に表してた象徴的な台詞。
思わず幸せになって欲しいなぁと願ってしまう、そんな人間臭くも愛おしい二人でした。