満足度★★★
The Stone Ageヘンドリックス「まともがわからない」
元不倫相手の幽霊が居る叔母さんの部屋に。
結婚相手を連れて挨拶に来た姪。
そこで起こるドタバタの話。
自身は不倫の末に未婚のままおばさんになってしまい、若い姪が結婚する挨拶にきた叔母の心中は。
終盤に不倫相手の幽霊に向けられた、何故自分のところに化けて出てくるのかという激しい非難の言葉に現れているのかなと。
生前は恋人を不倫という境遇のままにしておいたくせに。
いざ幽霊になってから、君に会いたかったとか、元恋人が可愛がってる犬に嫉妬したりとか。
なんて身勝手。
まぁそもそも結婚生活を解消することもなく不倫を続けるような男性は、その時点で身勝手なのであり。
その身勝手に付き合い続ける女性は女性で、自業自得なのであり。
ただ、それを親兄弟でも親戚でもなく、親しい友人でもない、全くの無関係な人間がとやかく煩く非難することでもないと、個人的には思うのです。
不倫といっても事情は様々だろうし、何よりあくまでも内々の問題かなと。
ただ、既婚者の異性にそういうスイッチが全く入る気がしない私にしてみれば。
既婚者の異性にそういうスイッチが入ってしまう人は、気の毒なことだなぁとは思います。
空宙空地「飛ないロケット」
公園でだべる男女二人、公園からは同窓会会場が見える位置、二人は同窓会を抜け出して来ている。
同窓会を抜け出し、賑わうかつての同級生達の様子を遠くに眺めながらの、二人の男女の会話劇。
ポイントは、二点。
友達以上恋人未満なまますれ違ってしまった二人の遠い日の恋心。
地元を離れ好きな事を仕事に都会に出て行くという羨まれる立場だった過去の自分と、地元に残り地に足付けて安定した生活を送る同級生達を羨む現在の自分、マウントの逆転。
共通して言えるのは・・・過去は過去、現在は現在なのだということ。
過去にすがって現在から目を逸らしたところで、現在が変わるわけでもない。
ifはifでしかなく、今生きてる自分の現在が現実。
かつて自分を地元に置いてけぼりにして出ていったと思っていた男が、実は自分に告白しようとしていたと知った女は。
そうと知ったところで、それは過去のことでしかなく、今の幸せが大切なのだと言う。
自分より格下だと見下していた同級生と結婚したかつての想い人のそんな言葉に。
延々、現在の自分を否定し、過去に見下していた同級生達の現在の姿から目を逸らし続けていた男の拗ね切った心も。
ようやく今を大切に前向きに生きようと思えるようになったのかなと。
公園のロケットを見るラストシーンにみえるように思えました。