満足度★★★★★
やっぱり!
さすが!ベテランの吸引力に、すっかり、惹きこまれました。お二人の違う魅力を堪能できました。
7月30日(土)座・高円寺にて、坂本長利さんの『土佐源治』公演されるそうです。
ネタバレBOX
《四畳半襖の下張り》・・・(外波山文明さん)
主人公は足腰にガタがきている初老の男(外波山文明さん)取材できた記者に語る形での、一人芝居でした。
遊び人だった主人公が、数えきれない女遊びの中で、忘れられない女(おそで)との、出合いと情を結んだ様を語る。
酒を飲みながらの打ち明け話は、どんどんエスカレートして、かなり具体的な言葉、技、姿が出てくるので、発禁本になったという訳もわかる。
だが舞台で外波山さん演じる主人公は、愛しい女おそでを想い、やんちゃな笑顔をみせたと思えば、元遊び人ならではの見解がみえたり、しかも元気になってしまう?のも笑?
おそでと馴染みを重ね(って言葉も素敵と思いました)仕事も家も落ちぶれたが、愛しい妻と一緒!
単なる下ネタに成り下がらないのは、流石!外波山さんならではと思いました。本で読んだら、途中で止めてるか?・・・あまり魅力は感じないと思う。
《土佐源氏》・・・(坂本長利さん)
土佐の橋の下に生きる、盲目の老人、元馬喰(牛馬売買人)の一代記。
遊び、狂い、愛し生きる力、刹那さ、哀、人が持つ力を感じた作品でした。ろうそく、鈴の音、風音が活きていました。
坂本長利さんは、3月に手術入院されてとは、思えませんでした。力強さと繊細さで、役者魂を感じました。
満足度★★★★
走りながら眠れ
何気ない会話から、こぼれる、この時代の空気、二人の状況、影、夢、流石と思いました。
ネタバレBOX
男(古谷隆太郎さん)ちょっと拗ねたり、甘えたりする感のさじ加減や、物思い、良かったです。
女(能島瑞穂さん)の少女のような笑顔や、大人の女の憂鬱、良かったです。
幕間の風鈴の音色も、素敵でした。
満足度★★★★
ヤルタ会談
たった3人の、緩~い会議のようで、笑顔の下の腹黒さが見え隠れして、面白かったです。皮肉たっぷりなんだけど、溢れるユニークさが、良かったです。
満足度★★★
初見
舞台美術や衣装のこだわりも良く、多人数ならではの迫力や勢いもあり、楽しめました。<関ヶ原でダンス>の理由も、納得でした。 が、気になる点も・・・
ネタバレBOX
関ヶ原の戦いで死ぬのが怖くて、逃げようとしてる足軽の農民達にスポット当てた物語自体は、良かったのだが、演出が気になった。
各キャラ立ても、しっかり立てているのだが、脇役的存在が似て感じてしまうのは、やはり話し方や発声だと私も思いました。
後ろから2列目に座ってたのと、私的な理由で申し訳ないが、視力が届かない(コンタクト入りだが、暗い場所が見え辛い)ので、役者さんの細かい表情や動きを、観きれてなかったのが原因だと思うが、強い動きと話し方の印象が、残り過ぎた。
そのせいか、中身は違うのに、似た場面が多い様な錯覚をしてしまうのが、残念でした。
人質にされる姫が、バカっぽ過ぎるのも、気になりました。もう少し無邪気なバカっぽさの方が、好みです。
農民や窃盗団との対比で、妻と姫の品格も、もう少し欲しいと思いました。
戦わずに済む方法としての雨乞い=ダンス、そこまでしても、戦いたくない心情等は納得だし、関ヶ原らしさの美術も良かったので、人気がある魅力も感じたので、違う作品を、又、観たいと思いました。
雪丸役(森渉さん)のアクロバット的な殺陣、良かったです。
稲葉幸駿役(和泉宗平さん)、椿役(椎名亜音さん)が印象的でした。
満足度★★★★★
愛があふれていました
切ないけど、愛の素晴らしさを、しみじみ感じました。
<髪結う時>は、女の子の方が思い出深いのかと思っていましたが、私の隣の30代半ばの男性も号泣でした。友達と来ていたのですが、閉演後『ヤベェ~!俺、暫く立てねぇ~』友達「オレも・・・」と聞こえてきた。自身の経験など無くても、素晴らしい物語は心に響くと、痛感しました。
ネタバレBOX
役者さん皆様見事で、セリフの無い時の視線、表情、醸し出す空気は、言葉以上の意味と想いがあり、とても良かったです。
若年性アルツハイマーになってしまった母サチコ(降矢由美子さん)と夫(富真道さん)の愛があるからの苦悩と優しさ。
二人の若かりし頃の思い出のシーンで、サチコ(長澤美紀子さん)夫(金重陽平さん)の愛にあふれた喜びと優しさ。
この4人が、特に素晴らしかったです。
発病したサチコ家族と、思い出の中の家族は、違う役者さんが演じているのだが、安定した演技でわかりやすかった。
又、思い出と言う美しい日々の、回想シーンとして、効果的だと思いました。
優しく輝く思い出があるから切ないのだが、サチコの家族との日々は、愛にあふれている素敵な作品でした。
BGMも良く、情景を浮かび上がらす照明や、演出も良かったです。
目前の私を思い出してもらえなくても、消えない記憶の片隅に、存在できれば、幸せと思いました。そんな優しい思い出の欠片に、なりたいと・・・
満足度★★★★
魅力的な作品でした
テンポよく面白く、物語に引き込まれいくのですが、強烈な爪痕を残されるのでなく、私の内から沸き上がる想いは温もりで満される、素敵な作品でした。初見の、らくだ工務店さんのカラーは心地よく、これからも観たい劇団さんです。
ネタバレBOX
住宅兼工場的なセット、奥行を感じる造りで、良かったです。
登場人物全員の存在が自然で、まるで、日常そのもの。
それでいて全然厭きることはなく、テンポ良く面白く物語は進むので、引き込まれます。
場内も笑い声が湧き出るほどだが、何気ない一言や行動が良かった。
誰もが、自分の家庭や日常には何らかの悩みや不安を抱えながら生きている。生きる事は、ある意味、それだけでも、戦いでもあるのですが、それを苦悩するだけでなく、小さいながらも笑いや喜びに変えて、日々を過ごしている。
その中で、全てが解決することばかりではないが、変化を受け入れ、違う喜びに変えられる事ができると思えた、素敵な作品でした。
全役者さん、魅力的でした。
あるネジ工場の経営者、稲川(林和義さん)が、下町の工場長らしさ、経営者ならではの切なさ逞しさ的な匙加減が、特に良かったっです。
その工場で働く従業員達は、元ニート的な啓太(今村裕次郎さん)は、父の紹介で入社した。若さならではの明るさと、ちょっと浅はかな感じも良かった。
恐妻家の日枝(河合我聞さん)は元経理マンだが、転職して1年3ヶ月もたったのに、未だに妻に内緒だが、毎日、愛妻弁当を持ちスーツ姿で出社。気が弱いけど優しい感が良く出てました。
この二人の兄貴的・金子(古川悦史さん)の誠実そうだが何か秘めてる感も、さり気なく付箋に、なってた事も後から気付かされるのだ。
異国の地に家族を残し単身労働者のレオ(高瀬哲朗さん)は、淡々とした佇まいだが、長年会社を支えているので、家族の様な存在に見えた。だが、会社の設備投資の資金調達に「臓器でも、売るか?」の一言で、遠い異国や情勢の違いを、思い起さずにはいられない。
そんな意味のある一言が上手く、物語に引き込まれてしまいます。
工場の事務をしている稲川の妻方の姪・美耶子(小嶋めぐみさん)も、稲川夫婦を慕う感が良かった。稲川の妻の介護問題の相談で出入りしている保険外交員の溝口(駒木根隆介さん)は、美耶子に恋しているのだが、人の良さが滲み出ていて、良かったです。
そんな派手さもなく、会社と言うより家族的な工場での日常が、とても面白くテンポ良く進む感が、心地良い。
だがネジ工場も、変化を余儀なくされる。
自国の家族と電話が繋がらないレオは、戦争が始まる事を悟り帰国を決意し、今後の会社や想いを、金子に託す。
そんなことを知らない日枝は、転職を考えているものの・・。
今後頼りになりそうな金子(古川悦史さん)に、相島(山路和弘さん)が訪問してきたことで、金子の背負ってきた過去が見えてくる。
それまでの日常とは、かけ離れた緊張と恐怖を滲ませる二人は、お見事でした。
病床の妻の介護問題や会社の今後等、抱えてる問題もあるのだが、稲川のラストの言葉も良かったです。それまでと打って変わり、紳士的な口調と愛しさに溢れる瞳が、素敵でした。
満足度★★★★★
桃
ちょっと切ないけど、優しさに溢れ、思わず微笑んでしまう、素敵な作品群でした。歌(花れんさん)、ピアノ(扇谷研人さん)も、作品に合っていて、とても良かったです。
場内中央に舞台で、両端対面式に客席に、なってました。床と壁が桃色(と言っても、優しいサーモンピンク)で床に向かって濃くなるグラデーションで、優しく包み込まれる様でした。
テイストも魅力も違う3色に絡むオリジナルが、とても素晴らしかった。やっぱり3作共見て良かった、大満足です。
ネタバレBOX
特に『春太の毎日』では猫の春太(実近順次さん)に、語り(若狭勝也さん)の力が加わり、とってもユニーク。自由奔放な猫でありながら、とにかく、飼い主麻子の幸せを願う姿が、愛しかった。
オリジナル『グラデーションの夜』でも、猫が登場する。群青、黒、と過ごしてきた七重が、旅先で滞在した旅館の主・紅子(桑原さん)が預かってる猫モモ役(澁谷佳世さん)の『にゃ~』ではなく、『あぁ~』(文字に、してしまうと陳腐になってしまい、申し訳ない)に、込められた想いが、見事でした。
紅子の恋人であり、モモの飼い主である伊吹(成清正紀さん)を、2人(1人と1匹)は待っている。
紅子は待ちくたびれて、恋人に不安を感じているようだが、ひたすら飼い主を信じて、待ち続けているようなモモ。
帰ってきた伊吹に、喜ぶ二人の姿は、まさに、『桃色』が似合う世界でした。
そんな二人を見て、七重も、自分の店に戻る事を決め、新しい一歩を踏み出せそうな、素敵なラストでした。
満足度★★★★★
黒
私事ですが、ホラーは超特大苦手なんですが、『群青』が良かったので、『黒』も、どうしても観たくなって観て正解でした。苦手な私にとっては、〈ギクッ!〉としたり、〈ドキドキ・ビクビク〉してしまいましたが、化け物系が〈ガッー!〉と出るのではなく、心理的にジワジワ迫ってくる恐怖心でした。その理由も本人の拘りと言うか、思い込みからだったりして、オリジナル『グラデーションの夜』と原作有りの3作品。まるっきり違うのに、共通点の様にも感じ、朗読もセリフもない場面での、視線と微笑みに、たくさんの想いや深い意味を込めた演出や、役者さん方、さすが!です。
ネタバレBOX
美術も、大きめな格子と円が印象的で、映像もモノクロ中心のイラスト(柊ゆたかさん)なのだが、草木や雪等で、場所や季節に、彩りを添えていた。『群青』の時は白とブルーだったのを、ブルー部分を黒に塗り替えただけでも、違う空間を醸し出していて、良かったです。衣装も黒中心に、シルバーラメや黒ベースのプリントで、さりげなく、でもキャラに、ぴったりでした。
満足度★★★★
面白かったです
太古より巫女の業を受け継ぐ三姉妹が出てくるようなので、結構シリアスかと思いましたが、史実との絡みが面白かったです。好みはいろいろでしょうが、私も笑ったし、場内も笑い声響きました。劇団裏話的なのも含みつつ、激動の1989年を再現していました。1989年、生まれていない人も、もちろん、楽しめます。
ネタバレBOX
シンプルな舞台だが、もともとある階段の対角線上に、階段や梯子、扉も作り、客席は対面式でが、劇場内を最大活用の見せ方が、良かったです。
本当の扇風機で、風起こしてるのも、笑!
先祖代々、風を読んできたという風家の三姉妹の選んだ恋の相手は、皆、個性的?
三女みどり(長谷部洋子さん)は大学に入学して、中学の同窓生、松川武太郎(佐籐恭子さん)と再会後、劇団の旗揚げをする。
10年後、みどりの引退公演の本を練りながら、松川の回想で、1989年と風家の三姉妹の歩んだ道を追う感じでした。
次女みずこ(米田弥央さん)は、バブルの申し子的な男性と結婚し、バブル絶頂期から、転がり落ちる様が描かれていた。
長女みるこ(田端玲実さん)は国際結婚し、汎ヨーロッパ・ピクニックに参加し、ベルリンの壁崩壊に続く時代を、生きていた。
三姉妹の生き方と、松川の回想と今(劇団内)の交差が、面白かったです。
欲を言えば、風を読む三姉妹を、もう少し見たかった感が・・・それにしても、1989年って壮絶でもあったが、重くなく楽しく観劇できました。
私は、三姉妹と松村武さんが、良かったです。
ホント好みは、イロイロ!だから、世の中面白い。
満足度★★★
楽しめました
要所要所で笑えるし、場内も笑い声は響いていたが、死に際を見極めるのは、難しいと思ってしまいました。
ネタバレBOX
スリム(石毛セブンさん)の意思だけでなく、巻き込まれていく姿が良く、好演でした。
スリムと占い師のシーンも可笑しく、その後のシーンに繋がるのも、良かったです。
殉職専門監督とのシーンも可笑しく、その後の随所でも、場内に笑い声は響いていた。
刑事の殉職シーンに、こだわるスリム(石毛セブンさん)が、銀河鉄道999に乗り込み、宇宙に旅立ち、いろんな星に立ち寄り、その先々で起きる事や、巻き込まれるのが可笑しい。
妹を助けに行ったら、一緒に監禁されてる妹の友達が、犯人の妹だったりと、みんな身内なんていうのも、面白かったです。
・・・ただ、実家に帰って、母や昔の仲間に喜ばれても、本人が状況を飲み込むまでの姿の面白さを狙ったのかもしれませんが、私にはイマイチ・・・母役(前田無夕子さん)が良かった。
確かに笑えるのだが、、、題名と粗筋から、勝手に想像し過ぎた私には、殉職としての《死に際を見極める》とは、離れてしまったように感じてしまいました。
いろんな星での可笑しな出来事では、笑ったので、〈殉職にこだわる〉のと別々の物語としての方が、好みでした。
笑いのセンスは、魅力があると思うので、違う作品を又見たいと思いました。
満足度★★★★
良かったです。
とにかく、魅せ方が上手いと思いました。各人の決めポーズも、皆で決める処も、絵にしていた。美しい場面も、記憶に残りました。ちょっと説明的なセリフも、物語を遮断することもなく組み込まれつつ、テンポよく面白く進むので、各々のちょっと悲しい過去も重くならず、物語を引き締めながら、温もりもある素敵な作品でした。多人数で出ていることが多いので、力量の差も目立つのが本音だが、魅力的な役者さんも、いたので、今後も気になる劇団さん。作演出のグワイニャオン西村さんの作品は、初見なのですが、ホームの作品もぜひ見たいと思いました。
ネタバレBOX
海賊船の船底で漕いでる奴らは、訳有人ばかりなのだが、この個性が面白い。
んばば役(濱崎元気さん)の九州弁、正しさ加減は解らないが、温もりがありつつ、方言で意味が解らないようで解る、絶妙さでした。
甚八(中山秀樹さん)も、良かったです。
船長役(原ゆうやさん)の渋さ、船長ならの風格もかっこ良かったです。でも役名(いくら)に、閉演後気づき、笑ったが!
そんな船に、陸路を遮断された千姫(梅原由香さん)が、逃げ延びる為、海賊船に乗り込む。
そのちょっとした歴史的背景の説明的な会話の、大奥三姉妹(別所美和さん、木村香織さん、西村友美さん)の会話も、料理の下ごしらえしながらの、いかにも女の世間話風の、さり気なく面白く、良かったです。
船長の弟役次男坊(濱中太さん)が、ザビエルのようなキリスト信者はちょっと?でしたが、船長を抱き支える姿は、美しさもあった。
でも、えっ?これで、ラスト?と思いきや、それからが、やや長く感じてしまった。
それまでのシーンに納得もするのだが、もう少し、すっきりした方が、海賊船の仲間たちの想いが濃く出たような気がしました。
が、場面場面での見せ方は、決まっていたと思いました。
鬼政(森山光治良さん)も、良かったです。
殺陣も、なかなかでしたが、ちょっと残念な人もいたが・・・着物の着崩し方、アレンジ面白かったです。
満足度★★★★
Sバージョン
神聖喜劇と書いてあったので、結構シリアス物かと思ったのですが、メッセージ性の強い主軸に、挟み込まれる、ロジカルコントが、とても面白かったです。コントといっても、ゲーム感覚の言葉遊びが主で、世代関係なく誰でも楽しめ、場内も笑い声が響いてました。ただ面白いだけでなく、深い意味があったり、チクチクと真理を突いてる感も良かったです。総勢37人なので、正直、力量の差が目立つが、パントとダンスを組み合わせたような、身体表現の振り付けも良く、多人数の意味も価値もあり、良かったです。この演劇手法は、この劇団にしかできない魅力を感じ、今後も期待です。Aバージョンも見たいが、スケジュールが・・・
ネタバレBOX
ロジカルコントが、とにかく面白いのに、哲学的というのか、存在の意味や価値と言うか、言葉で上手く言えないのが、もどかしいのだが、ただ面白いだけではないのが、凄いと思いました。
洞窟の中での、3人での文章しりとりのようなのを5グループ位で、やるのだが、3人目がちゃんと、オチになりつつ、みんなで洞窟探検してたり!!!
裁判所に出てきた、文字狩り人?に、ア行とさ行と捕られちゃうと、
裁判長と呼びたいのに、**番長!になったり、と解りやすく、テンポ良く進みます。
すみませんm(__)m、もっと、もっと、面白いのですが、私の能力では表現できないので、ぜひ、体験してください。
満足度★★★★★
2回目
良かったので、又、見に行っちゃいました。演出ちょっと変わり、立ち位置等、以前より見やすく、より伝わりやすくなり、ますます良くなってました。
今回は、後方の席から拝見、葉っぱ吹雪、豪快でした。
とにかく、役者さんの魅力が輝いていた。豪快だったり、繊細だったりの使い分けが良く、全役者さんに、目の色が変わる瞬間を見せてもらえました。
ネタバレBOX
タク(末原拓馬さん)の無邪気さ、深い痛みも、良かったです。
リン(高橋倫平さん)の直向きさ、ラブラブ感も良かったです。
蚕神殿の繁栄=労働者の幸福を守る神官(藤井としもりさん)である為に、冷酷にもならなくてはならない、それでも情深い姿、良かったです。
メグ(わかばやしめぐみさん)繊細な表情が良く、女ならではの現実や願望の非情さ、それでもリンの直向きさに、愛や優しさに変わる姿、素敵でした。
非情過ぎる現実の犠牲者でもある労働者サヒガシ(佐東諒一さん)の男っぽさ、哀愁、良かったです。
満足度★★★★
死神くんの力
笑いの種類って、こんなに、いっぱい、あったんだ~って、改めて思ってしまいました。とぼけたベタな笑い、シュールな笑い、動きで見せる笑いと、好みは、いろいろあるが、多くの人がお気に入りを見つけやすく、場内は笑い声が響いてました。笑いの中にシビアな問題が隠れいるが、死神くんが蘇えらしてくれそうな、愛のある作品でした。
ネタバレBOX
ブラックなギャグなのに、ハートフルな作品『よ~いドン!!死神くん』で大人気のコロンバイン先生(竹岡常吉さん)、日常も死神くんメイクで過ごしていた。白塗りに目の回り黒なので、まるでパンダ!このメイクで、真面目な話をしても、なんだか可笑しいのだが、実は心の闇を抱えてた。
売れない時代に別れた息子と娘が気掛かりで、興信所から近況報告を受けていたのだが、息子達が消息不明になってしまった。
心配で仕事が手につかず、昔家族旅行で行った温泉旅館に、来てしまう。
それを心配して追いかけて来た、漫画編集者と、コロンバインのアシスタント達。
温泉旅館の主人(今井孝祐さん)も可笑し過ぎ。この主人やアシスタント達との、やりとりも、可笑しい。
その温泉で、ばったり息子と会えるコロンバイン先生。嬉しいけど、対応も悩むが、死神くんメイクをしてるで、『職業ピエロ』と偽り、会話もできると、好物の食べ物が一緒だったりと、交流できたのも、死神くんのおかげかな?
殺人事件で警察に追われいて、自暴自棄な息子達に『自分への恨みだけでもいいから、生きてくれ』そして、待っていると言う父の愛でした。
コロンバイン先生(竹岡常吉さん)温泉旅館の主人(今井孝祐さん)良かったです。
大沢刑事(最所ユウキさん)、セーラー服姿も面白く、違う役も観たい魅力的な役者さんでした。
天井や壁から出てくる障子が、場面展開や映像を活かしていて、良かったです。
両手を引っ張ったら、洋服が真ん中で切り裂かれたり、動きが、マンガやアニメっぽく、面白かったです。
満足度★★★★★
ハッピーに、なれます!
切なくて、切なくて、どうしようもないの?と思っちゃったけど、それ以上に、愛と優しさと温もりに溢れる素敵な作品でした。逃れようのない運命から逃げもするが、受け入れ立ち向かい、だからこそ、開ける事もあると思えました。主宰自慢の仲間達である力量のある役者さんが奏でる大人のメルヘンは、この会場でしかできない見れない演出もあり、大好きなタイプの作品で、次回作も、絶対観たいと思いました。
ネタバレBOX
入場と同時に手渡される小物(デズニィー感覚のカチューシャ?)が、手作り感溢れる、なんだか可愛い♪のを、『頭に付けて、みた方が楽しめま~す』って、劇団の方が案内していて、会場内のおじ様おば様方も付けていて、なんだか可愛い。若い女の子達も喜んで写メ撮ってる~。私も撮ってもらおうか?と、思っているうちに、主宰末原さんの前説。これ又、面白く、観客への配慮とサービスたっぷりだが、流石主宰の仕切りで、逞しさもあり、初見の私は期待も高まりました。
で開演、、、ベイビー蚕タク(末原拓馬さん)は、生まれた時から『神』と言う、運命を背負わされたことを、神官である(藤井としもりさん)に告げられる。なにも知らない純粋無垢な可愛いベイビーぶりと、神官のやり取りは、コミカルでありながら、選ぶこともできず逃れようもない運命の切なさを感じてしまい、お恥ずかしながら、、、この時点で涙になってしまいました。
タクの神殿で暮らしていたリン(高橋倫平さん)とタクが、鳥に攫われて森に落ちるシーンでは、葉っぱ吹雪が舞い散り、最前列の私も一緒にかぶり、タク達の恐怖心を味わいながらも、実は紙吹雪の大好きな私は、かなり嬉しくもありました。この葉っぱ達、ちゃんと葉っぱの形してたので、離れた席からも見たかったなんて、後で思ってしまいました。
神殿から外へ出た喜びと不安を抱えたタクとリンは、工場の労働者サヒガシ(佐東諒一さん)とメグ(わかばやしめぐみさん)に、助けられ居候させてもらえ一安心もつかの間、それからが、切なくて、切なくて、、、メグに恋するタクの一途さ、純粋さには、ついつい涙・・・
メグも労働者も貧困の為、食べるのも難しい。労働者は病気の妻の医療費さえ払えないこと等の厳しい現実で、リン達を利用しようと企む。
その中で、タクはリンへの友情で、リンへ忠告するのだが、リンは報われない恋と知っていても、恋は盲目でメグに夢中でいられる自分が幸せの様子。
タクにとっては、リンが心配でありながら、羨ましそうに感じた。
『神』と言う立場である自分の意味を悩むが、答えが出る前に、いろんな現実(切なすぎるのだが・・)がタクを襲う。
絶望しながらも、模索し行動する、死さえも選べない苦しみの中、行動したことで、新たな変化が、タクに夢とハッピーを届ける。
決断して行動したところで、報われる事ばかりではないが、葛藤するだけで、繊細な自分に陶酔する作品が嫌いな私は、こういう作品が大好きです。何かをすることで、目に見えなくても手応えが無くても、何かが必ず変わってくるはず、そんな希望が湧いてくる、素敵な作品でした。
役者の皆さま見事で、その役どころに引き込まれました。所狭しと劇場内動き回るので、観客も後ろを振り返ったりするのですが、カチューシャの後ろ姿も可愛く一緒で、不思議な一体感。後ろから、ライトが当たった時には、最前列の自分の影も蚕、お隣の見知らぬ誰かさんも同じ頭の形で、タクとリンの仲間達で、なんだか嬉しくもあり、感動的でした。
メイク、衣装や小道具、温もりがあり、タクとリンのパンツ部分には、フィルムボーンで膨らみや動きがあり、タクとリンらしさが良く出ていてました。ベビーカーの裏側には、拓馬さんのメッセージが、書いてあったりと、遊び心も良かった。
拓馬さんの父上の曲も素敵で、元気に歩いていこう!でも無理しないで、休んでいいんだよと言っているような優しさを感じました。もっと、聞きたかったです。
やっぱり大好きな作品なので、又、再演して下さいね♪
満足度★★★★★
良質のコメディでした
気の弱い奴らが集まる緩~い草野球チームが、何がなんでも勝たねばならない理由は情からなのに、その為の手段は、ちょっと情けないけど・・・笑いました。各キャラ立ちも面白く、場面転換と草野球の試合の演出も良く、誰でも楽しめる、良質の作品です。次回作も、楽しみです。
ネタバレBOX
部長代理の高倉(今野太郎さん)と入部希望(高宮尚貴さん)の会話が、かみ合わないのが可笑しかった。
じゃんけんで決めただけの部長(鈴木啓司さん・劇団銅鑼)の仕切るミーティング中の意見も、過去の成績や勝つ為の法則も可笑しい。
ミーティング中も食べ続けるセルメニョ(小林守さん)の日本語理解度やおとぼけ感、良かったです。
役者さん皆様上手いのですが、特に、幸マネージャー役(奥山智恵野さん・株式会社仕事)の健気な可愛さと男気の加減の程良さ、演出も演技もとても良かったです。
武士沢(日高ゆいさん)の、可愛さとかっこ良さのバランスも良く、監督の妻も、イイ味でした。
個性的な面々だが、誰も出過ぎず、埋もれることも無い、見事な演出だと思いました。
試合に勝つ為だけでなく、『すぐに諦めちゃう自分に、勝つ』という決意に変わるのも、素敵でした。
ダンスも良かったし、試合中ベンチでの皆の表情とプチダンス的動きも、魅せられました。
ラストのオチも納得、セルメニョの謎も、まさか!と思ってもいなかったので、面白かったです。
満足度★★★★
大人の人情劇
奇麗事だけでは済まされない人生、罪を犯すにも、致し方ない訳もあり、罪に痛まなくなっても、痛む心に動かされる、人情劇でした。派手さはないが、老若男女に通じる作品でした。
導入曲と挿入されるチェロが、時代劇には、とても新鮮でいて、深みをもたせていたのが、とても良く効果的と思いました。閉演後に制作の方に聞いたところ、この作品の為に、韮澤有さんが創ったとのこと。とても素敵でした。自然音や、居酒屋らしい料理している音等、控えめなながら効果音が生きていたと、思いました。
満足度★★★
全員、女子
役者さんも制作スタッフも、女子ばっか!って、やっぱり華やかよねぇ~!オリジナル歌やダンスに、コミカルな場面と、楽しめました。
ネタバレBOX
77歳ハツネ(田口あゆみさん)が、若返って、もう一度青春時代を過ごすのだが、娘や孫の姿から、今時の女事情の一辺も垣間見る。知りたくない事も見えてしまうが、ちょっと切ないドキドキ気分も味わう。でも自分の人生に後悔してない感で良かったです。
幼馴染みのキミエ(戒野吾妻さん)が幽霊となり、ハツネの夢を叶え、若返えらしてくれる。この時のハツネが若返った確認に、自分の胸触ったり、パンツの中見て、『フサフサ~』と喜ぶのが、違和感でした。この行動する女性は、ほとんどいないと思います。
登場人物にレズ、誰とでも寝てしまう女(ハツネの孫ジュン役棚橋唯さん)、騙されているのに愛と勘違いしてる女と、極端過ぎるキャラ達は、物語上仕方ないと思いますが、ハツネの娘アキコ(安城久美子さん)が、AV女優になった理由が夫との不仲だったり、AVに出演する事で女としての喜びを感じる姿は、好みではなかったです。役者さんは上手く、まじめで堅い感じの母が、艶っぽくなるが、娘の前での母らしさと、演じわけが良かったです。
ノーマルガールズは、一緒にトイレに行く事で友情を確認したり、一般的である事に固執するタイプ。私には、このような趣味はないが、確かに大人になっても、このような女は、いると思うが、全体感として『女、突き抜けろ』とは思えなく、個人的な趣味で申し訳ないが、共感も感情移入も、難しかったです。
マサト役(本橋由香さん)ハツネ、アキコ、キミエ、が良かったです。
桜吹雪、花びらの形だったのでしょうか?舞い散り方、綺麗でした。
満足度★★★★★
群青の夜
4つの物語と、オリジナルの紡ぎ方が、良かったです。作品を生かす映像に重なる光と影が、ちょっと切ない心に、やわらかく優しい時を与えてくれた、素敵な作品でした。差し込まれる音も、空間に厚みを持たせる効果抜群でした。あ~!やっぱり!黒も桃色も、見たいです。
ネタバレBOX
七重(原扶貴子さん)の経営する古本屋に、友人でカメラマンの藍子(原田真由さん)が、海外から帰ってくる。
七重の店でバイトしている、ふくろう(上滝征宏さん)は、上京してきたものの、お金に困り、店から本を万引きして売ってしまったのを、懺悔して店でバイトする事を、申し出ていた。そんな事を聞いた藍子は、七重を心配するのだが、 この3人の紡ぐオリジナル作品が、とても暖かく素敵でした。
『ネオン』のヤクザ達の目付きの悪さや、肩で切る風の乾いた感じ、良かったです。台詞にはないけど、背負ってきた人生を窺わせる感が、あった。
この怖かったヤクザ達、違う物語では、ラブラブ感だったり、良い人だったりと、役柄の違いも面白かったです。
で、BGMが石原裕次郎なんて、渋~い!けど、なんだか可笑しくもあり、でも、合っていた。
『ピエロ男』私(桑原裕子さん)とピエロ男(若狭勝也さん)の隠してる深層心理描写が、絶妙でした。ピエロ男の立っている背景の公園の映像が、ゆっくり回転しながら、時が変わってゆく様が、とても良かったです。
『正直袋の神経衰弱』切なさの中に、ちょっと可笑しさもありながら、温かい感が良かったです。
『夜のドライブ』母と娘、幾つになっても変わらない事、今だから理解できる事を感じた、優しい気持ちになれました。
照明に、ネットなのか、細い網の様なのをかけているのか、テクニック方法はわからないのだが、きゃしゃな格子のように影が出ているのが、深い陰影を出していて、良かったです。
机やイス等の白とブルーの色合わせも良く、光の加減での、色の見え方が違うのも、良かった。(横に動く壁?というか、青空に白い雲を思い出しましたが・・・?これも良いったです)この机達で、5つの作品の違う世界観を創りだしているのも、見事でした。
女性の衣装は日常着なのだが、紺系パープル系の、なにげにグラデーション、さり気ない、こだわりやセンスの良さが、作品にも役柄にも合っていて良かった
満足度★★★★
再会
緩いスロープのある地下室らしさが、良く出ていて、奥行きも高さも感じられ良かったです。そこで別れた二人が、その時の想いを胸に、その地下室で再会する。その時の謎も解け、見えてくる意外な事実も、二人の絆を強くしたようでした。衣装もこだわりがあり、キレのある動きも、良かったのですが、初日のせいか、ちょっと、気になる点もありました。当パンの配役表、モノクロでかっこ良く、作・演出の羽生さんの各役者さんへのコメントは面白く、劇団の雰囲気も伝わり、良かったです。
ネタバレBOX
緩いスロープを、ゆったり下りたり、駆け上ったりと、舞台上の創りを活かした動きもテンポ良く、物語に引き込まれました。
ただのブロック塀だと思ったら、ブロックが動いて、隠し戸棚になっていたりと、秘密の地下室っぽく、ちょっとワクワクしちゃいました。
着物なのに3回のお色直し?もするし、小物や衣装も、こだわっていて良かったです。
初日で、やや硬かっただけなのかもしれませんが、緩急が弱く感じてしまいました。女性陣が似たようなキャラに感じてしまった・・・ヤクザの娘や、探偵のアシスタントと、どちらかと言うと、男勝りなタイプばかりなのだから、話し方も似てしまうのは、仕方ないと思うが、心理描写が弱く感じてしまいました。滑舌も良くとても通る声なだけに、もう少し弱くても、充分伝わります。演技力あるのに、もったいないと感じてしまいました。
麦(杉山雅紀さん)と盆(乃芙斗さん)の兄弟愛的友情や生き方の見せ方、良かったです。散吾(草野智博さん)の、飄々としてるようで、チョイ悪だったり、とぼけてたり、イイ味でした。