にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫
クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)
Heiz Ginza(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★★
すんなりと観ることはできる
会場の場所以外は特に目新しい感覚はなく、中身も使い古された保護(会)者像だなあとぼんやりと拝見。
伏線が張られるべくして張られ、落ち着くべく所に落ち着く。そういう意味ではウィルメイドな安心感があるのだが、後半への展開までの前半のダダのこねあいの割合が大きすぎて、バランスが悪かったように思った。ごにょごにょと長いわりに後半に活きるのは「なかなか決まらなかった」という事実と少々強引な伏線ぐらいで、個々のダダこねもうすらぼんやりしてパッとしなかった印象。
あとあの会場の規模であの声量は鼓膜の振動的な意味で耳が少々痛し。空間の日常感とミスマッチングに見えた。声張らなくても全然届くのになあ。
The Heavy User
柿喰う客
仙行寺(東京都)
2010/06/19 (土) ~ 2010/06/19 (土)公演終了
“ UN VIAGGIO NUOVO (ウン ヴィアッジョ ヌオヴォ)”
せんがわ劇場
調布市せんがわ劇場(東京都)
2010/07/04 (日) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
マイムとアングラとコンテンポラリー
特に期待をしていなかったのがよかったのか、けっこう楽しめた。
問題があるとすれば構成かなと。これを3部としてくっつけるのは、よく言えば大胆。悪く言えば統一感がない。
1部は舞台上でのダンス。日常生活のいろんな場面を元にした短編のコラージュで、ダンスというよりパントマイムでコントをやっているように見える。内容も動きも明瞭すぎてつまんないなと思ったらデビュー作だったのかなるほど。
2部はもろアングラな雰囲気の、劇場全体を使った見世物小屋風パフォーマンス。これはなかなか手が込んでいる。劇場提携のワークショップの強みだろう、空間の複雑さを使いこなし細かい配慮がしっかりと非日常空間を補完していて、ずっといても飽きない。
ただパフォーマンスが点在しているのではなく、演者も各々移動しながら時に楽隊になったり最後同時多発で痙攣ダンスをしたりと一体性も感じることができる。マイフェイバリットは「毛皮のマリー」をエレベーターの中で朗読してた「美少年」。
単体としてはかなり満足度の高いウキウキ体験なのだけど、構成として観ると、1部のサラリーマン生活のパントマイムが2部でアングラとなって、受動から能動へとダイナミックな受容態度の変化を要求されるので、ここかなり観客に柔軟性がないとキツいんじゃないかなと。
そして3部は再び舞台でのダンス。内容は1部より抽象的で、音楽的な統制がきく野性的な躍動感を持った身体にほれぼれ。特に辻田暁さんの動作にほれぼれ。
それぞれ単体は楽しい。ただやっぱりトータルで観ると、この構成はちょっとどうかと
第十四回王子落語会
王子落語会
王子小劇場(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/02 (水)公演終了
満足度★★★★
江戸の風を見に
夜の部。生の噺家の落語は初体験。
歌舞伎を初めて観た時は「極端に戯化された人達がやる演劇だ」と思ったものだが、落語を観てると「一人でやる演劇だ」と思った。
伝説レベルで語られる噺家って、演出家としての優れたセンスと、それを演じる身体を合わせ持った人なのかも。
一般人が小劇場に足を運び辛いレベルで寄席って足を運び辛い。ましてや立川流って寄席持ってないんじゃなかったっけ?だから王子のこの企画は有り難い。演劇人ももっと落語見た方がいいよきっと。
サーフィンUSB
ヨーロッパ企画
本多劇場(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★
セットはすごい
「え、これで終わりなの?」と思ったのが本音。
映画の「曲がれ!スプーン」にも似たような手応えのなさを感じたのだが、普段からこういう、役者の集団的な雰囲気に頼る部分の多い作風なのだろうか?
しかしその役者の雰囲気で作られる場面も、日常性を打ち出すことを狙いにしてると念頭に置いても、どうも散漫なおしゃべりとしか思えず。風刺の効いた構造自体は面白いのだが、どうでもよいおしゃべりの分量が多すぎた。
舞台は初見なのでここでの判断は避けたいが、常時この調子というのなら劇団の名前の通りようには首を捻ざるをえない。
セット以外は、本多劇場のキャパで観るべき舞台のようには感じられなかった。
アルファ
パセリス
東京アポロシアター(東京都)
2011/01/29 (土) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★
物足りない
シュールな笑い(笑いでなくともシュールな作品)は好きでよく観るタチだが、このコント公演は微妙。4番とか中身は好き。だけど頭でが先行してて身体が追いついていない。ニヤッとさせてくれないこの感じ。シュールな作品がきちんと立つのに必要な舞台上のリアリティが見えてこなかった。
「肉 the 光速華撃団~肉汁&男汁~」「黒豆☆弾肉」
男肉 du Soleil
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/03/02 (火) ~ 2010/03/04 (木)公演終了
満足度★★★
ほとばしる傍若無人(中二病寄り)
「肉 the 光速華撃団〜肉汁&男汁〜」の方を観劇。
HPを観て相当な覚悟で臨んだもののあえなく玉砕。貶すにしても褒めるにしても「ヒドい舞台」という言葉しか思いつかない。
ハマる人にはハマるかもしれないしそんな人はいないのかもしれない。でも彼らはそんなことおかまいなく自分のやりたいようにやるのだろう。そしてそれを観てくれと言うのだろう。その意気やよし。
ディスりを観たい人は早めに行くのがよろしいかと(2日夜公演は開場10分後より開始)。
幸せの歌をうたう犬ども【ご来場ありがとうございました!】
DULL-COLORED POP
タイニイアリス(東京都)
2010/02/02 (火) ~ 2010/02/04 (木)公演終了
満足度★★★
うーん
ラストのスルッとさ加減は置いといても、演技の面で「もっと面白くなりうるだろうなあ」と感じてしまった場面が多くあり、どうも物足りなかった。
みだれ髪・公演終了!ご来場ありがとうございました!
処女航海
ザムザ阿佐谷(東京都)
2010/09/17 (金) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★
黒髪万歳
性的な、あるいはラストのソロダンスの女性のようなスキャンダラスなシーンと舞台美術の使い方にはゾクゾクする。しかしダンスが基本的にこういうものなのか、それとも演劇的な緩急の付け方に慣れているせいなのか、観ていて結構早くに飽きてしまった。
匿名性の高い身体を獲得していく傾向のダンスよりも、感情に突き動かされる身体を指向していくと謳うわりには、根っこの情動があまり読み込めない身体が多かった感触。「ああ動いてるなーと」思うシーンがけっこうあり。
埋没おんな
ぬいぐるみハンター
下北沢GAoh!(東京都)
2010/01/23 (土) ~ 2010/01/24 (日)公演終了
満足度★★★
埋もれる
3姉妹の間で交わされるタラタラした会話を、リアルすぎる演技と見るか演劇としてこなされていない会話と見るかで評価がかなり変わってくると思うが、後者としてとらえてしまった自分は特に前半はかったるくてしようがなかった。
オチは途中で何となく予測がつくものの、その着想と劇場設定のインタラクティブな必然性が妙な説得力を引き起こし、まんまと舞台の展開に意識が同期させられる。若干してらやれた感。
これからひと月一本ぐらいの超ペースで芝居を作るようだが、それぞれの芝居にもきっとそういった面白みはでてくるんだろう。個人的には、そのひとつひとつの舞台をもうちょっと丁寧に作りこんで欲しい思い。
はなよめのまち【ご来場誠にありがとうございました!】
キコ qui-co.
王子小劇場(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
満足度★★★
なんかおしい
なんで1984年なんて中途半端な年が舞台なんだろうって思ったら、村上春樹「1Q84」との比較を意識したのか?
皆早口だったのと案外言葉が説明的だったのとで、期待したほどには言葉でのイメージは掻き立てられず、むしろビジュアルイメージへのこだわりを強く感じた。
個々のシーンを単品で観るとそれぞれビジュアルイメージを中心として技巧をこらした作りをしていて面白かったのだが、演出の問題か音響・照明との連携不足か、一つに連なった作品としてのリズムはいまいち掴み損ねていた印象。
また場面それぞれが「ここはこういう演出!」という主張が強かったので、ずっと観ていて途中で疲れてしまった。2時間を超えてしまうとなおさら。
いくつかの魅せるべき瞬間も流れているように感じた。
あと演技にずっと人間以外のものを観ているような不思議な違和感を感じたのだが、あれはいったいなんだったんだろうか。
そうは言っても祭礼儀式や巫女といった民俗学的要素を詩的にファンタジー色強くみせていて興味深かったし、やはり要所要所のビジュアルの美しさは飽きなかった。
あ、今気付いたけど1Q84も巫女の話だったそういえば。そういうつながりも含め?
The Stone Age ブライアント『胸に突き刺さった5時43分21秒』
The Stone Age ブライアント
サンモールスタジオ(東京都)
2010/01/27 (水) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★
まあまあ
ぼちぼち楽しく観た。でもある程度整ってはいるのにどうも印象に残ってない。
お笑いという観点で観るなれば、面白く観ることはできるけれど、絶対的に面白いというわけではないという感じ。
街【公演終了!ご来場誠にありがとうございました!】
ヲカシマシン
タイニイアリス(東京都)
2010/08/27 (金) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★
あれれ?
100年ばかしの時間と可能世界を駆け抜ける疾走感を味わせてくれた前作にはとても想像力をかき立てられた。それだけに今回、肩すかし感が大きい。
観劇態勢が万全でなかったせいもあってか、何人かの役者のセリフが、聞いていて全く意味として認識できないという珍現象が起こったので、内容まで踏み込んでの感想が思い浮かばない。
内容よりも観え方の段階での違和感を感じた。
前作よりも、(イタい的な意味で)ハラハラする言葉を演技力でバランスを取っていくような、演技で風景を埋めてゆく余地が大きかった舞台だったと思うのだが、多くの役者から風景が全く見えてこないかったのがキツかった。セリフが意味として認識できないというのもそれ故だと思う。
作・演はやじろべえのような言葉を演技でいなしてただけに(彼のセリフはきちんと意味として把握できた)、そこから想像される、おそらく全体をこういう風にしたいんだろうという雰囲気との距離を余計に感じた。
あと照明。前回は地明かりつけっぱ同然のルデコだったので気付かなかったが、今回はどうも悪い意味で大層気になる照明。カットインカットアウト&役者をスポットのように追いかけるようにすることで不格好に視線を引導するくらいなら、地明かりの方が断然スマートだと思うのだが。
そ ら
奥沢スロープ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/06/15 (火) ~ 2010/06/20 (日)公演終了
満足度★★★
中学生的自分探し
ルデコ4Fの使い方が面白いのと、まあまあリズムよく観ることができたり飲み物サービスもあったりといった観客に対しての気配りは好印象だったのだが、脚本の幼さがどうにも受け付けない。
「本当の私」探しに意識を掘り下げていた後半はそれなりに深みを感じさせる部分もあったが、「私」以外の世界を描いていた前半約1時間、物事を雰囲気で認識しているような説得力のない言語や会話が続くのは辛かった。
中学生の頃の世界認識ってこんな感じだったな、と懐かしい気持ちにはなったものの、劇場でその薄さを観せられても・・・と思う。
未完成な犬の末裔
架空畳
ザ・ポケット(東京都)
2010/02/03 (水) ~ 2010/02/07 (日)公演終了
満足度★★★
ヒルコ達のクニヅクリ
架空畳観劇4回目。相変わらず凄まじい言葉遊びでオカマバーと創世神話、仕舞にはオディプスまでクルッとくっ付けてしまう想像力と創造力に拍手。話は今まで観てきた中で一番筋が理解しやすかった。ただ、舞台としては今回ちょっとうーん。以下ネタばれにて
『あぁ、自殺生活』 ~ ありがとうございました。次回は下北沢楽園にて6/1(金)&6/20(日)に上演致します。
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2010/05/13 (木) ~ 2010/05/26 (水)公演終了
満足度★★★
辛かった
現代生活のあらゆる面を「自殺」になぞらえた、風刺を含んだ議論。
改札鋏の音や美術や照明・歌などの雑な手作り感、時々上から聞こえる水音など観劇環境で不快だった点が多く、作品が始まる前から嫌な部分の方が目に入る見方が出来上がってしまったのが辛かった。
それが災いしてか、笑い声が目立つ客席だったが、笑いとしても作品としても受け取るものがなにもなく、舞台としての面白みを感じ取れなかった。
夜も昼も -Night and Day-
文月堂
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/08/14 (土) ~ 2010/08/17 (火)公演終了
満足度★★★
東京・・・
客入れの音楽チョイスでこの劇団苦手かもと思っていたら案の定。
時間の長さの割に、含みを予感させないでただ拡散していくだけの脇道が多く残されていった様子があり、ことばもキャラクターも展開も、古さすら感じる数多のベタなもののコピペの域から出ているとは思えずに、結局何がしたいのかよくわからないままに、気がついたら終わっていたという感覚。
I/me
ConRary、
シアターブラッツ(東京都)
2011/04/09 (土) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★
劇場/子宮
ここに存在し生活するという事。劇団理念からも窺えるが、ソーントン・ワイルダー、ままごと、マームとジプシーあたりの舞台が脳裏をかすめる視点と演出。個人的には大好きで興味深く追っている領域の色彩だが、圧巻の先達の作品を観ているためか全体的に「惜しい」という感覚がつきまとう。
それは肝心の日常の魅力が捉え辛いのが大きな要因かと。普遍的な、何の変哲もない日常を展開の動力にするとなると「人間」の魅力を見せて然るべきだと思うのだが、人物像や状況や言葉があくまで類型を超えるものでない。それが残念。実年齢を演じている時にはまだ惹かれる部分があったが、不安定な子供の身体を見せた前半ではふと冷静になる。象徴性を結構意識しているのであろう演出だったが、頭の比重が大きいなあと感じるシーンが多かった。
しかしオッと思う瞬間も幾つかあった。
物語の時間軸とは異なった、大らかな時間軸の動向と、数世代?の時間を一気に駆け上がってゆく最後の5分間のしなやかさなど。その5分は特別美しかった。
夢野久作 少女地獄
月蝕歌劇団
ザムザ阿佐谷(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
満足度★★★
なるほど・・・
初日だったとか雨だったとか、なんだかいろんなめんどくさいことが重なってはいたのだろうが、90年代すらほとんど知らない、演劇を消費することに慣らされている身としては、芝居が始まる以前の段階でイラつきを感じてしまったのはそれだけでもうげんなり。
夢野久作の予習はしていかなかったが、予習しててもあまり感じたことに変化はないような気がする。残念ながら自分には70〜80'の小劇場の雰囲気の参考としてしか観ることができなかった。
おやすみなさい
うさぎストライプ
アトリエ春風舎(東京都)
2010/12/22 (水) ~ 2010/12/23 (木)公演終了
満足度★★★
あえて言う
で?っていう。
こういったパフォーマンスは、観ながら何かを考えさせハッと気付く瞬間を持つことが大事だと思うのだが、どうもこれは雰囲気だけで終わってしまっている感。空気感以外の何を見せたかったのかがよくわからない。