三文オペラ
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2014/09/10 (水) ~ 2014/09/28 (日)公演終了
満足度★★★
楽しいけれど、深みに欠ける
「三文オペラ」は過去に何回か拝見している作品ですが、今回のキャストが一番好みでした。
ただ、主役のメッキース役の池内さんは、見栄えはバッチリですが、まだ男の色気が足りないと思いました。
山路、あめくみちこコンビのピーチャム夫妻は最高!そのまま、レミゼのテナルディエ夫妻や、「オリバー」のスリの元締め役などもおつとめ頂きたい雰囲気でした。
いつも、拝見する度、うまいなあ!とため息が出るソニンさんは、今回も、大活躍で、舞台を活気づかせます。大塚ちひろさんとの丁々発止のやりとりは愉快でした。
当時の社会情勢の不条理さなどを、暗く感じさせる舞台運びではなく、実力派の舞台俳優陣の競演を単に楽しむという観点からなら、大満足の舞台でした。
君となら
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2014/08/09 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了
満足度★★★
草刈さん好演なれど
以前から、知り合いや家族から面白いと聞かされていた「君となら」をやっと拝見できたのですが、どうも、嘘から端を発するというストーリー展開が、性に合わない上、これだけの高額チケットに見合う内容でもないので、テレビ中継があるのなら、それで充分だったかもしれないと思いました。
初演当時、素敵な俳優さんの代表格だった草刈さんも、年月を経て、ベテラン中年役者に仲間入りされ、草刈機のCMでもわかるように、コメディ演技に向いていらっしゃるので、草刈さんの飄々とした演技は、この舞台の要になっていました。
心配された、竹内さんの初舞台も、昔観た高橋英樹さんの初舞台などより、よっぽど堂に入っていて、安心しました。
妹役のイモトさんのご活躍と、主役の恋人の息子役の長谷川さんの好演も光りました。(ちょうどこの日観た「相棒」の再放送の犯人役の方だったので、驚きました。)
こわくないこわくない
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2014/08/30 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了
満足度★★★
いつもほどの疾走感がなくて
やや物足りなさを覚えました。
相変わらず、時流に乗った題材をうまく調理して、クロム流の独自手法で、観客に社会問題を提示する術はお見事だと思うのですが、キャストが多かったことと、数人のクロム主砲キャストが不在だったこと、役者の演技力にバラツキがあったことが、マイナス要因だったのではと感じました。
でも、期待の幸田さんは、期待以上に魅力全開!あのダンスには、打ちのめされました。
最初のシーンは、クロムのベテランキャストの登場からにして頂けたら、もう少し、舞台に気持ちを持って行かれたのかもしれません。
武子さんととかげさんの神崎夫妻の登場から、一気に、世界観が広がりました。
KOKI MITANI'S SHOW GIRL
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2014/08/21 (木) ~ 2014/09/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
三谷流「ショーガール」の、素敵な時間
まず、舞台セットにビックリ!なるほど、三谷さんらしいなとニンマリ。
続いて、舞台設定に大笑い。「ショー・ガール」なのに、舞台設定の場所はそこか!と吹き出しました。
シルビアさんの魅力全開の舞台で、絶対、これシリーズ化してほしいと思いました。
遅い開演時刻ということもあり、本当にこのステージを楽しみたい観客だけの客席は、本当に居心地の良い空間で、その環境の良さも、満足度をアップさせました。
福田陽一郎さんの「ショー・ガール」は、昔、全公演を、招待券で拝見させて頂きましたが、自分でチケットを買ってまでは、観たいとは当時思いませんでした。
でも、こちらの「ショー・ガール」なら、続く限り、自腹で拝見したいと思います。
Lost Memory Theatre
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2014/08/21 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了
満足度★★
感覚的過ぎて理解も共感も不能でした
親戚同様の長いお付き合いの江波さん始め、10代からの耕史さんファンであり、白井さん演出も大好きで、楽しみなメンバーが結集した舞台、浮き浮きと神奈川まで、足を運びましたが、残念ながら、期待外れでした。
確かに、三宅純さんの音楽は執拗に心にも、耳にも残るのですが、芝居とダンスがそれと融合せず、終始混とんとしたステージ進行になっていました。
どこかに、心の琴線に触れる部分はないものかと、目も耳も研ぎ澄まして、注視していたのですが、一度も、感覚的にも共鳴できる瞬間はありませんでした。
ただ、美波さんは、美しかったし、江波さんは、可愛かったし、耕史さんは、存在感があり、その部分では、満足しました。
だけど、私、演出家白井さんのファンではあっても、どうやら、役者白井さんのファンではなさそうだなと、今回改めて、認識してしまいました。
VAMP ~魔性のダンサー ローラ・モンテス~
ネルケプランニング
EX THEATER ROPPONGI(東京都)
2014/08/24 (日) ~ 2014/09/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
岸谷さんのステージワークに陶酔します
昨日の不満を一気に解消してくれる素晴らしい舞台芸術作品でした。
とにかく、視覚的な美しさに、開幕から一気に引き込まれました。
ローラ・モンテスのメイサさんは、同性から観ても、クラクラするほどのセクシーさで、観客を魅了するし、相手役の5人の男優さんと、闇の精役の早乙女さんは、それぞれが、個性的なので、ローラが、様々な男性と恋に落ちたという経緯が、具体的なイメージと共に、追体験できて、目が離せない陶酔感に浸りました。
ローラが、一番愛したというフランツ役の中川さんの歌唱は、もはや魔法のようだし、この二人の絡むシーンは、視覚的、聴覚的、官能シーンとして、長く記憶に残りそうです。
舞台「炎立つ」
サンライズプロモーション東京
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2014/08/09 (土) ~ 2014/08/31 (日)公演終了
満足度★
この演出家舞台は、二度と観ない!
以前から、この演出家の舞台では、何度となくガッカリさせられた経験があるのですが、それでも、これだけ高名な演出家なのだし、演劇賞もたくさん受賞されているのだし、良い舞台を拝見できる日もあるかもと、微かな期待で、好きな役者さんが出演される舞台は、時々、懲りずに観に行っていました。
でも、今度と言う今度は、さすがに、決心しました。金輪際この方の演出舞台は観ないと誓います。
ダンスミュージカル的な舞台なら、少しは、象徴的なストーリー展開でも納得が行きますが、台詞劇の場合は、登場人物間の会話が不可欠だと思います。この舞台では、人物同士のキャッチボールのような会話がほとんどありませんでした。
皆が、勝手に一方通行の台詞を喋っているだけ。これでは、単なる説明劇だと思います。
ですから、ひたすら眠くなるばかりでした。
唯一特筆すべきは、新妻聖子さんの存在感が、圧巻でした。語りから、歌に移行するところの自然さは言うに及ばず、その声の二重性にも驚かされました。
舞台『ガラスの仮面』
松竹
青山劇場(東京都)
2014/08/15 (金) ~ 2014/08/31 (日)公演終了
満足度★★★
舞台の出来映えでは蜷川版が圧勝なれど
「ガラスの仮面」は、私を稀代の演劇ファンと知る友人から、何度も読破を勧められた作品ですが、どうも、第一線の演劇評論家の娘として生まれた身として、日本の演劇事情とかけ離れた設定に鼻白む思いがして、未だに一度も原作を読んだことはありません。
ですが、以前、さいたまで上演された、蜷川演出、青木豪さん脚本の舞台は、圧巻でした。
今回の舞台は、G2さんの脚本、演出なので、良くも悪くも、一般大衆向けな作品に仕上がっていて、そのため、原作ファンにとっても、原作を知らない観客にとっても、薄味の舞台になっていた気がします。
特に、1幕前半は、これまでの解説に終始し、舞台作品としての醍醐味が希薄でした。
2幕は、舞台セットの不具合点検により、何と1時間近く開幕が遅れ、逆に開幕の期待感が高まったせいか、ストーリー展開にのめり込む部分もありましたが、どうも出来の良い学生演劇レベルの舞台だったという印象は拭えませんでした。
でも、貫地谷さんのマヤは期待通りでしたし、原作ファンの感想を小耳に挟んだところによれば、マイコさんの亜弓と、一路さんの月影先生も、イメージ通りだったようで、評判上々でした。
このキャストで、蜷川演出、青木豪脚本の舞台なら、さぞかし良かったのではと感じました。
二幕の開演遅れを、最初、場内アナウンスのみで、3回も待ったを掛けたせいで、怒号を発する男性客がいましたが、ようやく、松竹の方が、壇上で説明したところ、最後には、観客全員が温かい拍手で、それに応じて、我慢の足りない男性客を無言で諌める形となり、改めて、演劇ファンというのは、ありがたいものだと、感嘆しました。
そんな事情もあって、演劇を題材にした、この作品、内容的な満足度は、低かったものの、+〆作用で、満足度はアップしました。
If I Were You~こっちの身にもなってよ!~
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2014/08/09 (土) ~ 2014/08/24 (日)公演終了
満足度★★★
コメディにしては、1幕が冗長
アラン・エイクボーン原作だし、カトケン事務所だし、キャストもいいしで、久しぶりに、大いに笑わせて頂きたいと、期待度マックスで、劇場に向かったものですから、1幕の、家族状況説明に終始する舞台進行には、ちょっと肩透かしを食った感が否めませんでした。
2幕になると、ようやく展開が楽しくなって、楽しめます。
コメディの中に、少し、娘夫婦のビターな問題も織り込み、所詮、男と女は、立場を代える経験でもしない限り、永遠に解り合えない関係だということを、作者が少しの皮肉と、ユーモアで、提示した作品のように、受け止めました。
役者さん達は、皆さん好演されていますが、演出が、杓子定規で、もう少し、遊び心に満ちていたら、さぞかし、面白くなったでしょうにと、残念に思います。
ミュージカル「ミス・サイゴン」
東宝
帝国劇場(東京都)
2014/07/21 (月) ~ 2014/08/26 (火)公演終了
満足度★★★
駒田エンジニア初見
「ミス・サイゴン」は初演の時から、何度も観ているミュージカルですが、駒田さんのエンジニアが観たくて行ってきました。
駒田さんに対する期待が大きすぎたせいか、想像以上のエンジニアではなかったのはちょっと肩透かし。
昨年から、演出や舞台セットがずいぶん変わりましたが、今度の舞台では、更に演出がまた変容し、訳も若干変わっていたようでした。
クリスが、キムとのことをジョンに有頂天で報告する箇所で、昔は「彼女はまるで蓮の花」と言っていたのが、今回は、「まるで月」でした。
でも、これって、何だかそれこそ月並みな表現で、私は、「蓮の花」の方が好みでした。
昨年の新演出は、衝撃的でしたが、今回は、その衝撃が少し薄れ、全体的に舞台の運びが、計算され尽している感じが、舞台の醍醐味を軽減していた感じを受けました。
舞台『カッコーの巣の上で』
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2014/07/05 (土) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★
演出に妙味がないのが残念
この作品は、昔、好きだった人と映画を観て、映画館から出てから衝撃で、しばらく会話不能に陥った思い出があり、息子が、かつてビリー役を演じたことでも、忘れ難い舞台でした。
待ってましたの神野さんの婦長役を初め、楽しみな役者さんが集結していた割には、面白みに欠け、これはひとえに、演出の工夫の足りなさ故ではないかなと感じました。
神野さんの婦長は期待通りで、彼女の「ボーイズ!」のイントネーションに、支配側の圧力を感じ、その声を聞く度に、悍ましさを感じました。
小栗さん、大東さん、共に健闘されていました。
チーフ役の山内さんは、最初気づかず、後半で、ようやく、あ、山内さんだとわかりましたが、だから、かなり、いつもの山内色を消して好演されていたのですが、最後のシーンは、ちょっとお気の毒な演出で、役作りに苦慮されたのではと感じてしまいました。
今の世の中は、社会全体が、この精神病院さながらで、あの頃は、他山の石としてしか作品を感じていなかった、自分の甘さを痛感する思いでした。
死んでからしか解放されない世界なんて、悲しい現実ですね。
ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2014/07/15 (火) ~ 2014/07/30 (水)公演終了
満足度★★★★★
逃れられない小宇宙である家族という形態
日頃から大ファンの3人の役者さんが結集する舞台で、しかも壮絶な家族劇が展開されるとの事前情報もあり、興味津々で劇場に向かいました。
観終えてみたら、私からすれば、それほど壮絶でも過激なバトルでもなく、我が家も含めて、大変卑近感のある家族形態で、「何だ!普通じゃん!」と、その点ではちょっと拍子抜け。(笑い)
まあ、それは少し大袈裟だとしても、増子さん演じる母親グンネルの言動が、相当自分に似通っていて、あるある感いっぱいで、観ていました。
家族というのは、一度形成されてしまえば、どんなに自分の理想とかけ離れた状況になろうと、絶対死ぬまで逃れられない、小宇宙。
親と子、夫婦は、時間の経過と共に、お互いの理想が相反し、ギクシャクしてしまうのが世の常。でも、気持ちはどこかで繋がっているので、結局は、そこに帰結して行く形態なのだと思います。
そんなことを、近くの教会の鐘の音や、犬の遠吠えや、家族があまり利用しないのに、手放せない別荘などの、象徴的な事象で、ジワジワと観客の大脳に感じさせられる秀逸な舞台作品でした。
最後のエレンの選択に、解釈が二通りできそうな印象を持ち、アフタートークの際、那須さんに「ご自身はどういう解釈で演じられたのか?」と伺ってみたところ、私の解釈と一致していたので、安心し、そう観客の私に、解釈どおりのエレンを体現して見せて下さった那須さんの演技力にも感服致しました。
だいたい、増子さんと那須さんは、実際にはそれ程年齢が離れていないでしょうに、舞台上では、母子だということに全く違和感がなく、お二人の女優力にも、改めて感嘆ものでした。
目に見える結末は、決して、ハッピーエンドではありませんが、でも私には、エレンは、家族の一員として、それを選択し、魂が安らいで行く穏やかな幸せを手に入れたのではないかと感じられて、悲劇的な作品とは捉えませんでした。
本当に、アフタートークのゲストの鷲尾さんがおっしゃったように、観劇後、ジワジワと胸に迫る作品でした。
本当の演劇ファンには、かなりおススメしたい舞台です。
ミュージカル『ブラック メリーポピンズ』
日本テレビ
世田谷パブリックシアター(東京都)
2014/07/05 (土) ~ 2014/07/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
胸を抉る真実
やはり、鈴木裕美さんの演出は圧巻でした。
親御さんが、演劇の世界で生きようとした裕美さんの選択に反対された時、私の叔母が背中を押したのだそうですが、叔母よよくやってくれた!と裕美さんが演劇の世界に身を投じて下さったことを心から感謝してしまいました。
予備知識が全くなかったので、ストーリーが進行して行くに連れて、驚愕の連続で、背筋が凍る思いがしました。
キャストが、全員好演。
まさか!と思うような内容の芝居ですが、下手なサスペンスドラマよりも、現実社会の出来事の方がセンセーショナルな昨今の現状を思うと、こういう研究は実は行われているのではと戦慄が走りました。
初女性役デビューの音月さんが、大活躍される舞台で、彼女が演じる妹の悲劇が明かされてからは、涙を禁じえませんでした。
観ていて、辛くなりますが、是非多くの方に体験して頂きたい、濃縮の舞台作品でした。
永遠の一瞬 -Time Stands Still-
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2014/07/08 (火) ~ 2014/07/27 (日)公演終了
満足度★★★★
切ないラブストーリーとして観るべき芝居
主人公が、戦場のフォトジャーナリストということで、かなり身構えて観てしまいましたが、観終えてみれば、これは男女の切ない恋愛模様を描いた芝居なのだと気づきました。
主人公の職業はあくまでも芝居のお膳立てで、これが他のどんな職業であれ、作者の描きたかったテーマは、同じだったような気がします。
宮田さんの演出は、いつも丁寧なのですが、そのせいで、いつもどこか、作為的な感が否めません。どうしても、登場人物を俯瞰して観てしまって、結局これは芝居なのだと、常に意識させられます。だから、観ていて、究極的に登場人物の意識にのめり込むことができません。良く練られたお芝居だとは思いますが、満足度がマックスにならないのはそのせいだと思いました。
中越さんは、たぶん、初舞台からかなり拝見している女優さんですが、観る度、舞台女優としての劇的な進化を感じて、嬉しくなります。
一方、相手役の瀬川さんは、良くも悪くも、いつも一定の役者力を発揮される男優さんだと認識します。台詞回しが、ある意味自然なのですが、台詞の一部が観客に伝わらないのは、舞台俳優としては、致命的な気がしてしまいます。特に、こういう、一字一句の台詞が重要な芝居においては。
ミュージカル「天才執事ジーヴス」
ホリプロ
日生劇場(東京都)
2014/07/04 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了
満足度★★★★
ノスタルジックで和めるミュージカル
楽日だったからか、客席の拍手が、絶大な効果を上げていて、ウエンツさんのファンjの質の良さを感じました。
古き良き、ノスタルジックな雰囲気のミュージカルで、「キスミーケイト」とかを彷彿とさせます。
ウエンツさんは、昔昔、四季の「美女と野獣」で、子役として出演されているのを観て以来、初めて舞台で拝見しましたが、意外と歌も上手で、動きも機敏。観客を味方につける才があるので、これから、舞台人としても楽しみな俳優さんだと思いました。
里見さんとのコンビネーションも、しっくりとしていました。執事の役は、北大路欣也さんでも観てみたい気がします。
男優さんは、里見さん以外は、お笑い系の方が多いので、執事を他と色分けするという意味では、キャスティング的に成功だったと思います。
ただ、エハラさんとつぶやきシローさんが、風貌や体型が似通っていて、遠目で観ると、見分けがつきにくく、バセットの家でのシーンでは、どちらが登場されたのか、混同してしまうことが多々あったのは、ちょっと残念。
女優さんも、それぞれ、芸達者で、舞台を弾ませていました。
あまり期待していなかっただけに、思いの外楽しくて、ウキウキしてしまいました。
無害な楽しさに満ちているので、これなら、お子さんでも安心して観られそうです。ファミリーミュージカルとして、定着しないかしら?
白紙委任状
サスペンデッズ
OFF OFFシアター(東京都)
2014/07/08 (火) ~ 2014/07/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
台風到来をものともせず、行った甲斐あり
帰りの電車が心配で、他の劇団なら、たとえチケットを買っていても、観劇は断念していたかもしれません。
でも、大好きな劇団、見逃したくない劇団、その上、今回は、理想の劇団員のみの公演。これを見逃したら、一生後悔するだろうと、神に祈りつつ、下北に向かいました。
行って良かった。ニューヨークで、父上の遺志を継いで、奮闘公演中の中村屋兄弟にも引けを取らない、サスペンデッズのメンバーの八面六臂のご活躍に、目頭が熱くなりました。
あの野々村議員に見せて、感想を聞きたくなる作品でした。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
東宝
シアタークリエ(東京都)
2014/06/21 (土) ~ 2014/07/03 (木)公演終了
満足度★★★
松岡さん、適任
当初観ない方向で、意思決定しかかっていたのですが、福井さんが降板され、戸井さんの役が昇格したので、行って来ました。
事件そのものも知らないし、映画も存在自体知らなかったので、実際の出来事だと聞かされても、どうしても、虚構の世界の出来事のように感じて観てしまいましたが、主人公の境遇に、共感する部分が多く、最後はもらい泣きしてしまいました。
何しろ、主役の松岡さんの、年齢が、設定通り、16歳~18歳に見えてしまうのが凄い!
今井さんが、刑事になり、戸井さんが、主人公の父親役になったために、新たに参加されることになった、治田さんの存在感が光りました。
刑事の手下の3人組は、楽しい雰囲気を作るのに、貢献していましたが、先日の「シスターズアクト」に比べると、トリオのインパクトはやや精彩に欠けたきらいを感じました。もう少し、オーバーアクションでも良かったかも。
人情味ある刑事役を今井さんが好演。人は好いのに、生活力のない父親役を戸井さんが丁寧に演じていらしたのにも、好感が持てる舞台でした。
個人的には、もう少し、耳に残るメロディの楽曲があれば、更に良かったのにと思いました。
ミュージカル「オーシャンズ11」
梅田芸術劇場
東急シアターオーブ(東京都)
2014/06/09 (月) ~ 2014/07/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
3回目、楽日マチネ
今日の観劇は、3回目でしたが、初回観た日から俄然進化した舞台に目を見張りました。
ぎこちなかった観月さんの所作も、自然になっていたし、日替わりアドリブもどんどん増え、キャストのチームワークの良さも、観る度、顕著になりました。
いつの間にか、コメディミュージカルの様相が濃くなりましたが、客席の空気も和み、舞台と観客が一体化した空気感が大変心地よいステージワークになっていた気がします。
山本耕史ファンとしては、彼の活躍場面が増えたのは、大変嬉しい限りでした。
叶うことなら、いつかまた再演してほしいなあ!
「新撰組」で、意気投合した香取さんと山本さんのコンビのミュージカルが、実現するなんて、夢だと思っていたので、これは本当に、個人的には、奇跡的なステージでした。
シスター・アクト~天使にラブソングを~
東宝
帝国劇場(東京都)
2014/06/01 (日) ~ 2014/07/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
シスター陣が絶品、特に春風さん!!
昔映画で観て、大好きだったストーリー。
アラン・メンケンの音楽がとにかく楽しい!
修道院にデロリスが紛れ込むまでは、テンポがイマイチでしたが、鳳蘭さんの修道院長の登場からは、俄然舞台が弾み、楽しさ満載。
実際、修道院に見学に行ったりしただけのことはあり、シスター達の居住まいが、実にリアル。そのシスター達が、徐々に、デロリスに感化されて行く様子が、最高のステージングで、終始気持ちがワクワクしました。
森公美さんのデロリスは、歌は最高にパワフルでしたが、もう少し、動きが機敏だったら、更に良かったのに…。
汗かきエディを、実際汗かきで有名な石井さんが演じているのも、一興。
シスター達は、全員が演技賞もののご活躍ですが、相変わらず、芸達者な春風さんの名演ぶりには、一々感動しきりでした。
ケンタロウさん、藤岡さん、上口さんの、ギャングの子分3人組の愛嬌ある演技も愉快だし、浦嶋りんこさんと宮澤エマさんも、役にドンピシャのはまり役で、本当に、久々、気持ちの良い心底楽しめるミュージカルでした。
最後のシーンの修道院のステンドグラスの美しさに目を奪われました。
ミュージカル「オーシャンズ11」
梅田芸術劇場
東急シアターオーブ(東京都)
2014/06/09 (月) ~ 2014/07/06 (日)公演終了
満足度★★★★
香取さんの生歌体験は、大収穫
思えば、一度もジャニーズファンになったためしのない私にとって、こんなに、至近距離で、あのスマップの香取さんの生歌を聴けるチャンスなんて滅多にないから、それだけで、何だか得した気分になってしまいました。
それぐらい、香取さんのソロナンバーがふんだんにあって、心底ビックリしました。
たぶん、映画を観た方には、消化不良の舞台なのかもしれないとは、思いますが、私は映画未見なので、想像以上に、楽しい舞台で、日頃の心労が癒される素敵な作品でした。
山本さん、霧矢さん、橋本さん、坂元さん、ラッキー池田さん、芋洗坂係長、斎藤さん…、それぞれ適材適所な役柄で、キャスティングに、センスある遊び心を感じました。
楽曲も、意外にも、なかなかな佳曲が多く、オリジナルミュージカルで、これだけの作品を創作できるスタッフの力量にも感じ入りました。
小池さんの演出は、やはりエンタメの演出家として手慣れた技で、それぞれの出自の違うキャストのファンサービスの見せ場も随所に用意して、これなら、誰のファンも、皆満足されるであろうと、改めて、小池さんのまとめる力に才気を感じ、敬服の至りでした。