蝉丸の観てきた!クチコミ一覧

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LINX’S PRIME

LINX’S PRIME

演劇ソリッドアトラクションLINX’S

TORII HALL(大阪府)

2014/09/27 (土) ~ 2014/09/30 (火)公演終了

満足度★★★

Bバージョン感想
【Bバージョン】
個別に感想を書こうと思ったがやめにした。「演劇とは・・・」をこの「LINX'S」で熱く語るのは違う気がする。

石田Pの誰よりも演劇(劇団)を愛する心。それに共感して若手からベテランまで集まれる集団。それを楽しんで頂けるお客様。
それで十分な気がする。

ただ、好き嫌いはやはりある。
今回は初見でお芝居を見に来たお客様は不快に思うかもしれない。演劇ってこういうモノと思われるとちょっと違う。
最後の歌についていけないお客様もいたかもしれない。
コアになればなるほど、差別化が産まれる。万人に認められることを目指していては新しいスタイルは産まれない。
であるならば、とことん「LINX'S」魂を貫くことが大切だと思う。

あとは演劇に長く携わっている大人たちがあきらめず軌道修正をしていくこと。
そして、本当によい作品、良い劇団には賛辞を送り、新たなプロデューサーが大きな舞台へと引き上げることが大切だと思う。


さて、私なりの公演の感想は、、、ちょっと厳し目ですのでネタバレへ


ネタバレBOX

今回に限ったことではないが若い劇団が奇抜な表現方法として、「下ネタ」をチョイスしてしまうのは少し残念に思う。
20代だからこそ出せるスピード感や独特の感性をもっと磨いてほしい。

演劇で何を自分たちは伝えたいのか?
それが下ネタだ、死だ、暴力だ、だけでは稚拙すぎる気がする。
それにプラスされるストーリーなり役者の技量がないと単なるお祭り騒ぎで終わってしまう。

簡単に子供が殺される時代。
自然災害で多くの命が犠牲になってしまう昨今。
今、若い世代はその現状をどう考えているのか?
たった20分の中にもっと若者ならではの感性を見たい。


あと、見せてはいけない「モノ」は絶対見せてはいけない。
というより、見せないクオリティが更なる笑いに繋がる。
やむなく見えてしまった。では不快なだけ。
かつて南河内万歳一座が風呂場のシーンで完璧なまでに「モノ」隠して演技していた。あそこまで行けば芸術の域。
簡単に見せてしまうのは現代のゆるーい風潮なのか?

さよなら父さん

さよなら父さん

演劇集団あしたかぜ

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2013/01/26 (土) ~ 2013/01/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

ノンフィクションのようなフィクション
淡々と進むストーリーの中に客席まで凍りつく空気。
ラストは若々しい終わり方だが、テーマが重い分、これくらいな方がすっきりする。20代が描く、ひとつの家族愛の形を見た気がした。
意識してかどうか分からないが、ここ應典院でこの作品を上演したというのも意味がある気がする。
独特の空気感を感じられる作品。
秀作ぞろいの今週において、オススメの1つです。

飛龍伝

飛龍伝

ゴーチ・ブラザーズ

本多劇場(東京都)

2013/01/23 (水) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

繋がっている
20代の演出家と20代の役者陣という今の若者で作った飛龍伝の最高傑作。

往年のつかファンからすれば、BGMが多すぎるとか、あのシーンの照明がうるさすぎるとか、あそこのシーンの扱いはどうだとか言われそうだがそんなことは関係ない。
40年も前の作品を何の違和感もなく感動を呼ぶ作品に仕上がっていること自体凄いことで、間延びしてしまうシーンをばっさりとカットし、伝えたい言葉を大切に表現した中屋敷くんの演出は改めて評価できる。
そして、玉置玲央を始めとする20代にしか出せない役者陣の熱量を見て損はない。
初日でこの完成度。千穐楽までどんどん上がっていくに違いない。

ネタバレBOX

ネタバレというか回顧・・・

私はほぼ初対面の彼に会いに単身東京へ向かった。
つかこうへいさんが亡くなられてまだ49日も経っていない頃だったと思う。
関西での公演にも関わらず、山崎一平役は彼しか考えられなかった。彼に断られたらこの企画自体を辞めてしまおうと思っていた。自信なんてなかった。ただ、彼の一平を見たかった。
それが、つかこうへい追悼企画一心寺シアター倶楽プロデュース「飛龍伝」。
あの時、彼か出演を快諾していなかったら、今、本多劇場の舞台に立つ山崎一平=玉置玲央はなかったかもしれない。
誰が見ても彼の当たり役だと思う。そのちょっとしたきっかけ作りになれたのならこんなに嬉しいことはない。
牡丹灯籠

牡丹灯籠

sunday

吹田市文化会館 メイシアター・小ホール(大阪府)

2012/03/08 (木) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

舞台美術と役者の真剣勝負
メイシアタープロデュースShow劇場 メイシアター×sunday 「牡丹灯籠」を観劇。

個人的に劇場プロデュース公演のお手本にしている企画です。
20回を数える「近松劇場」シリーズを終え、劇団や役者を固定せず、様々なジャンルの作品をプロデュースしている企画。何より役者やスタッフを変え、毎年プロデュース公演を開催するということがどれほど困難か?同じ劇場運営に携わる者として本当に頭が下がります。

今回の原作は落語。そして舞台美術は演劇畑からではなく空間デザインを手がける重鎮・野井成正さん。



客席に入り誰もがその美術にまず驚かされる。フライヤーそのままの舞台美術。間口4間、奥行き3間、高さ3mほどの舞台に大量に吊り下がる竹。床面からは約50cmほどしか空いておらず、座っても顔の前に竹がある。竹と竹の間は人一人が通れる隙間はあるものの、竹に当たらず芝居をするのは困難。これに18名の男女が右往左往する。危険極まりない舞台。


私が演出なら間違いなく芝居をつくることを断念してしまうだろう。


それをウォーリー木下は難なく舞台化。いや、難は多々あったと思う。一歩間違えば大怪我しかねない空間。相当の期間、試行錯誤をしたに違いない。

ネタバレBOX

吊下がった竹は自由に動き、役者の動きに合わせて揺れ動く。これが照明と音楽の効果で見事に空間が入れ替わる。時に立派なお屋敷になったり、時にあばら家になり、時に遊郭になり、時にうっそうと茂る竹林になったり、時に墓地になる。さらに、竹が触れ合う音も心地いい。ゆっくり揺れる竹の音。激しく揺れる竹の音。この小空間でこの竹の数だからこそできる妙。


この芝居にこの竹がなかったらどうなんだろうとふと考えてみた。
牡丹灯籠という複雑に入り組んだ悲喜劇落語。ウォーリー木下の舞台空間を掌握した演出。ベテランから若手まで実力派が揃った役者陣。物語にマッチしたindigo jam unitの現代音楽。そして百戦錬磨のスタッフ陣。これだけで十分評価に値する作品に仕上がっただろう。しかし、これらすべてに挑戦状を叩きつけたようなこの舞台美術があってこそ、この牡丹灯籠という作品がより奥深い作品へと変貌したように思う。

舞台上で1歩歩くだけでも神経を研ぎ澄まさなければいけない舞台が作品の時代背景、緊迫感や静寂感を産み出しているように思う。

難を言えば、目の前の竹が視界を遮るため、少し目が疲れる。

あと、SEで入れていた青笹の擦れる音も生音で表現して欲しかったけど、これは言い過ぎ?

ハイヤーズ・ハイ

ハイヤーズ・ハイ

劇団ガバメンツ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2011/10/07 (金) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

関西から東京へ、お勧めコメディ見参!
初演よりもとても見やすく改訂されていて、再演で2度目の観劇なのに、初見のように最初から最後まで話に引き込まれた。
タクシー運転手(青木直敬)と二人の脚本家(近藤貴久・西岡裕子(en:en))がしっかり話を作っていて、劇中劇とのバランスがいい。初演で気になったた転換のモタモタも劇場サイズがコンパクトになったこともありスムーズ。大きな転換はないのに空間がタクシー・オフィス・旅館・機内へと瞬時に入れ替われる演出は見物。

劇中劇の女ったらしの主役(島岡亮丞)に振り回される男優陣の安定感。そして彼に恋する女優陣も美人揃いです。関西のコメディは磯川だけじゃない!いろんな意味で必見です。

朝日のような夕日をつれて

朝日のような夕日をつれて

Contondo

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2011/09/17 (土) ~ 2011/09/18 (日)公演終了

満足度★★

タイトル
学生時代に演出したこともあるこの作品。20年近く前のことを思い出しながら見ていた。学生最後の年の3月。トラックをレンタルするお金がなくて、深夜関大前から江坂まで歩いて木材を運んだこと。千穐楽の翌日が追試でそれを落としたら卒業できない状況だったこと。裏方の人手がなく、演出と音響をやっていたのに、ラストシーンは舞台裏に行って、男6人ぐらいで舞台を持ち上げたこと。今となってはいい思い出。
そんな大好きな作品。

「朝日・・・」は段取りではなく5人がいかに楽しく遊んでいるかが見せれないと観客はついてこれない。かっこよく台詞を吐く。キメる。華麗に踊る。それ以外は楽しそうに遊ぶ。もちろん、重要な台詞がちりばめられているのでそのポイントは抑える。

台詞を早くしゃべろうという意図は分かるが、滑舌が悪く何をしゃべっているのか分からなければ本末転倒。
ゲーム業界の話も現代に合うようにアレンジしていたが、それも説明だけにとどまって観客はついてきていない。セカンドライフという存在を知らなければ全くついてこれない。もっと、セカンドライフの世界で遊んだりして欲しかった。
第三舞台のオリジナルで使用していたYMOの曲を使うなら、ラストシーンは舞台を傾斜にして欲しかった。力技でいい。お金の問題ではない若い力を魅せて欲しかった。でなければもっとオリジナリディを出してほしかった。
また、劇場公演するなら、カンパ制ではなく、ちゃんと料金は取って欲しい。

次回に期待する。

ハリーポタ子【大阪】いよいよ大阪千穐楽!当日券あります

ハリーポタ子【大阪】いよいよ大阪千穐楽!当日券あります

石原正一ショー

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2011/09/13 (火) ~ 2011/09/20 (火)公演終了

満足度★★★★★

あー、面白かった!
大阪・日本橋や秋葉原限定の賞があれば、間違いなく大賞がとれる!70年代から2011年までの魔女たち勢揃い、ごちゃまぜ、てんこ盛り芝居!
これも芝居。これぞ芝居!
こむずかしい能書きはいらない。観て、ワクワクして、大笑いして、すっとする。
これぞ、関西演劇人の心意気!
まだまだ始まったばかり。大阪も東京もまだまだ公演あります。
アニメ好きな人。魔法好きな人。尾崎好きな人。すっきりしたい人。必見です!

砂ニ咲ク花

砂ニ咲ク花

ステージタイガー

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2011/09/09 (金) ~ 2011/09/12 (月)公演終了

満足度★★★★

これぞタイガー!
普通シャッフルのWキャストというのは片方は少しレベルが落ちたり、お笑いに走ったりするもの。その二面性が面白かったりする。しかし、タイガーの場合は両A面。Aキャストのレギュラーキャスティングと若手が主役に抜擢されたBキャスト。私はBキャストを観たのだが途中までこれがBキャストということを忘れるくらい見入ってしまった。それくらい、このBキャストが本気芝居で完成度が高かった。
「肉体は嘘をつかない」と言うが男女とも鍛えた身体だからこそ、ライフセーバーという設定も違和感がない。
なにより、八百屋舞台(斜面舞台)は足腰を相当鍛えていないとふらついてしまうが彼らはいとも簡単に舞台に立ち続ける。
「リング・リング・リング」から3ヵ月。つかさんのエッセンスも見事に吸収し、タイガー色に肉付けされている。
さらに、とみずみほ以外すべて劇団員というのもこの劇団の強み。劇団員だからこそのまとまりがこの劇団にはある。
話が少しくどい部分もあったが、この暑苦しさこそ、この劇団ならでは。

岸家の夏【全日程終了!次回公演は2012年1月東京・2月大阪にて!】

岸家の夏【全日程終了!次回公演は2012年1月東京・2月大阪にて!】

劇団鹿殺し

青山円形劇場(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/08/07 (日)公演終了

満足度★★★

何も変わらない
久々の鹿殺し観劇。なんと7年振り!東京に行ってから彼らの成長著しい。脚本もしっかりしてきた。演出も多彩になった。そして、見どころ満載なダンスに歌。当時と何も変わらずサービス精神旺盛だ。しかし、メインキャストのほとんどを客演に当て、劇団員としてチョビと丸尾丸しか目立たない状況はもはやプロデュース公演。あれだけのセットや仕掛けを組んでやりたいことは出来たとは思うが、その分、他の劇団員たちも力を付けて行かないと観客はついてこない。途中で商業演劇のような感じがしたのは私だけだろうか?客演陣が素晴らしいだけになんとなく鹿殺しらしい毒が中和され、悪い意味でスタッフワークだけが成長してしまったように思う。

ネタバレBOX

紀伊國屋ホールで見た「ブラジル」が4,200円。ABCホールで見た「鹿殺し」が4,500円。うーん、すべてにおいてブラジルに軍配。
さよなら また逢う日まで

さよなら また逢う日まで

ブラジル

紀伊國屋ホール(東京都)

2011/08/14 (日) ~ 2011/08/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

心震えた!
久々に☆5つの作品に出会えた。オールディースで染め上げたBGM、空間を色どく舞台美術。自然で主張し過ぎない明かり。男が見てカッコいいと思える男たち。間とテンポが絶妙な媚びない笑いと広い紀伊國屋ホールの空気が一瞬にして張り詰める演出。そして、いつの間にか引き込まれているストーリー。すべてが繊細ですべてがハマっている。

何度も、そして次も見たくなるそんな上質な芝居。

まだあの頃の話

まだあの頃の話

劇想からまわりえっちゃん

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/08/12 (金) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

子どもたちの成長に感動!
彼らは本当にマジメで、本当に不真面目です。
2月のおうさか学生演劇祭に参加するまで一度も会議に参加しないし、打合せにもこない。演劇祭2度目の参加ということでなめきってました。だから、プロデューサーとして全員集めてめちゃくちゃ怒りました。これをやり過ぎと取られるか?愛ととらえてくれるか?今の若者はどうとらえれくれるのか分かりませんでした。
彼らはその答えを舞台の上で出してくれました。

ネタバレBOX

おうさか学生演劇祭では終演後お手紙を渡しています。お手紙という名の「ダメだし」です。かなりキツイことも書いてます。愛です!
私のダメだしを素直に受け入れ、且つ、自分たちのスタイルを曲げない芯の強さに本当に感服しました。
この作品も大阪公演のダメだしを参考に、かなりシェイプアップし、多くの修正を試みて東京に乗り込みました。
柔軟で頑ななこの劇団が東京で評価されたことをとてもうれしく思います。

がっ、彼らの実力はこんなもんではありません。もっともっと成長して貰わなければいけません。目標は「宇宙一」ですからw
天使は瞳を閉じて

天使は瞳を閉じて

虚構の劇団

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2011/08/02 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

あの頃と同じ
21年前、大学の新人公演で上演した頃を思い出す。あの頃と変わらない台詞。あの頃と変わらない世界。核爆発におびえる今の日本の境遇と相通じる部分に恐怖と感動を覚える。

つかなかった自分たちの21年前。しかし、私が演劇を志すきっかけをくれたのがこの作品。以後21年間走り続けている。(歳を取るはずだw)

当時の仲間はそれぞれの道に進んでしまった。もう、一堂に会することはない。しかし、この作品が出合えたことが私にとっては一生の宝物。そしてまたいつか、新たなメンバーでこの作品を関西でやってみたいと強く思った。

熱海殺人事件モンテカルロ・イリュージョン

熱海殺人事件モンテカルロ・イリュージョン

北区つかこうへい劇団

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2011/05/04 (水) ~ 2011/05/06 (金)公演終了

満足度★★★★

熱海を通じて
阿部寛さんの印象が強いこのモンテカルロイリュージョン。しかし、そんなことももろともせず演じきった木村伝兵衛役の大石さん。

むちゃくちゃな警部。でもそれが大好きな水野、速水、大山。好きで好きでたまらないからこその罵声、怒号。

その感情が死刑執行シーンでの大団円となる。

役者が声を枯らしていたのが少し残念だが、この作品にかけるつかさんの思いとそれに答えようとする役者の気持ちが伝わり見ていて心地よかった。


寝盗られ宗介

寝盗られ宗介

北区つかこうへい劇団

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2011/05/03 (火) ~ 2011/05/06 (金)公演終了

満足度★★★★

圧倒的な迫力
特に宗介役の井上さんとレイ子役の栗林さんの息がぴったりで、ああ、本当にこの二人愛し合ってるんだなと感じる。
新人中心の芝居ながら脇役の露出も凄くきっちりと芝居を作っている。
誰ひとり欠けても成立しない空間。

200席足らずのこの劇空間もより一層雰囲気を醸し出している。

最後の全員タキシードでのカーテンコールはこれから2ヵ月間続く解散公演の序章を見ているような感じがした。

ちゃんちゃんばらばら

ちゃんちゃんばらばら

劇団ガバメンツ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2010/05/28 (金) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★★

現代のチャンバラコメディここに完成!?
この劇団初の殺陣芝居。と言ってもほとんど殺陣シーンはない。暗転とBGMで難しい殺陣を処理する潔さがいい。

物語は正義の味方に切り捨てられた悪人たちの「たられば」から始まる。

この芝居の正義の味方はいち脇役となっている視点も面白い。

音楽や効果音、黒子など歌舞伎の要素を上手く使った時代劇コメディ。ガバメンツらしさの出た作品に仕上がっている。



ちょっと後半にスピード感が落ちるのでこの辺りを修正して、1時間30分になれば名作になる。

ネタバレBOX

冒頭の大(ヒロ)のういろう売りの口上は圧巻。
片山誠子の赤ん坊役も可愛さ100倍。
上田一軒の弱い親分役。
青木直敬の姑息な人斬り。
近藤貴久の鼻につく文豪。
大塚宣幸の地でいく素浪人。
平手嶺佑の絶妙なツッコミ。
田中誠行の強いけとちょっと間抜けな正義の味方など、
いつもにも増して脇役は揃いも揃っていてレベルが高い。

ただ、折角お膳立てができているのにラストシーンで落ちないのは主人公の濱本直樹の存在感。だた、弱々しいだけでなく、弱々しい演技をしているという演技しなければ観客は感情移入できない。

特にラストのういろう売りを繰り返すシーンは、一緒になって語りたい気分にさせて欲しい。

黒子を兼務したの豊田智子がよく頑張っていたが、ツケのバリエーションが乏しいので後半飽きる。


物語の前半で、「ああ、全員生き返るのかな?それぞれの回想シーンが繰り広げられるのかな?あと3人か?」
というのが想像できてしまっては、後半への集中力が欠けてしまった。

暗転ツケを徐々に短くするとか、思い切って回想シーンを掻い摘むとかすればもう少し見やすくなるのでは?
七慟伽藍 其の六 Xバージョン

七慟伽藍 其の六 Xバージョン

THE REDFACE

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2010/05/22 (土) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★★

歴女よ、集え!
語りだけで繰り広げられる戦国の世の回顧録。

大きなアクションも派手な演出もなく、椅子に座り重厚な語り本を読む男たちの様が、逆にこちらの想像力を掻き立て、役者の声と表情見ていると戦国時代の情景浮かんでくる。

朗読劇かっと思っていると少し度肝を抜かれる。

勿論、何度も再演しているだけあって、後半になるにつれどんどん引き込まれる演出と榊原さんを中心とする役者の力が大きい。

ただ、やはり歴史に興味と知識がないとちょっとついて行けない部分もあるのも確か。


ついでに最近何かとパワースポットで話題の堀越神社に立ち寄ってみるのもいかが!

びっくり仰天街

びっくり仰天街

南河内万歳一座

エイトスタジオ(大阪府)

2010/05/18 (火) ~ 2010/05/23 (日)公演終了

満足度★★★

過去への執着
拠点をデジタルエイトビルに移動して初の公演。ウルトラマーケットの舞台と客席をそのままそっくり持って来た感じで、お芝居の違和感はなかった。でも、道には迷った…。

芝居は万歳らしいどうどう巡りや自問自答、簡単なようで計算された舞台転換。台詞の間。立ち位置。「えっ?」の群衆静止。どれをとっても学ぶべき点が多い。

しかし、ウルマ以降大きくなった劇場で思うのはOMSだったらどう見えただろうということ。見知らぬ隣と肩ふれ合いながらギュウギュウにつめこまれて観たあの空間。役者の飛び散る汗と唾をかわしながら芝居に集中する。
ああ、あの洋服ダンスから味楽さんが出て来ないかな?とか、天井に空き缶仕込んでいないかな?とか、袖からトラックが出て来ないかなとか?大黒幕の後にさらに巨大セットが仕込まれていないかな?とか、色々想像してしまう。

ダメな大人になってしまった。

でも、今の私の想像力を超えるものを万歳でもう一度観たい気もする。

「やすしくんへ」

「やすしくんへ」

RISU PRODUCE

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2010/05/14 (金) ~ 2010/05/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

ガツーンと心に響く
人は何のために人を憎み、人を殺めるのか?正義とは何なのか?家族とは?親友とは?

心の底から人を愛した人が、その人の為に他人の命を絶ち、自分の命も絶とうとする。

死刑執行を待つ死刑囚たち。ほんのわずかな時間。でも本人たちにしてみれば、とても長く濃密な時間。

彼らの最後を見届けなければならない看守たちのそれぞれの思い。

出演者7人全員のそれぞれの心情が伝わり、自分の幸せな境遇を少し恥ずかしく思う。

この芝居を見て思うことはたくさんある。しかし、何より観て欲しいのは、この作品、この役者たち、そしてこの空間だからこそ成立する。それが芝居であるということ。

Grand-Escape!

Grand-Escape!

N-Trance Fish

ABCホール (大阪府)

2009/07/09 (木) ~ 2009/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★

2度楽しめる公演
客席の作り方が工夫されており1階席と2階席で全く違う楽しみ方ができる。

N-traの公演は単にダンス発表会ではなく、芝居とダンスの融合を意識しているので見ていて飽きない。久々に本公演を見たがその融合の精度は更に増していた。

劇中にダンスをするならこれぐらいしっかり踊れよ。と劇中にダンスを挟む劇団に言いたい。

ネタバレBOX

離脱、escape、がテーマなのだが、得意の暗転直前の全員ジャンプが2階席からだとちょっと迫力に欠けた。

この劇場ならではのラストもうひと工夫があってもよかったかな?
泊、

泊、

スクエア

ABCホール (大阪府)

2009/05/15 (金) ~ 2009/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

東京の皆さん!是非観て下さい!
なんか安心して観れる芝居っていいなっと思った。
役者が上手い。脚本が面白い。何もいうことはない。良かったとしか。
ただ、ひとつ★が足りないとすれば、欠点が見つからないところだろうか?

お寿司ばかり食べていたらラーメンも食べたくなる。みたいな。

ネタバレBOX

フライヤーのインパクトはさすがだが、そのイメージを損なわない舞台空間が凄い。
旅館の2F部分を死角を計算しながら空間を作り上げた舞台セット。
細かなところまで明かりを仕込んであって、当り前のようにどこに役者が立ってもしっかり明かりが当たる照明。
若手のスタッフはこういった細かな仕事を見習って欲しい。

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