Dの観てきた!クチコミ一覧

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煌煌高校

煌煌高校

劇団活劇工房

明治大学和泉校舎第二学生会館地下アトリエ(東京都)

2006/04/27 (木) ~ 2006/04/30 (日)公演終了

遣り過ぎて良し。
現・国道五十八号戦線の友寄さんの作・演出。ハマカワ嬢や荒井嬢も出ています。不思議な力が働いて学校に閉じ込められた生徒達と、凄く分かりやすい敵ボスの教頭。そして伝説の校長が…みたいな話。出演人数が多くみんなに見せ場があるので時間も150分とか超ボリュームでした。なんかこれのお陰で以降何処で清水さんを観ても教頭に見えます。

怪奇茶屋物語

怪奇茶屋物語

ゆきぱんだ

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2006/04/22 (土) ~ 2006/04/23 (日)公演終了

良くも悪くも学生レベル。
みんなで作ったんだなぁというのが全体の印象で、役者には頭一つ抜けて上手い人がいたり逆に初舞台らしき人もいたり。作風は時代物ファンタジー。どっちが先だったのか気になります。衣装担当がそういうの得意だからその路線を選んだのか、とりあえず書きたくて書いたのか。予想では後者。だからこそ本はもうちょっと頑張って欲しかったかな。終盤一歩手前で何か妥協した感じがしたのです。時間がなかったのか、プロットをちゃんと作らないまま書いたら勢いが失速したのか。どうしても作・演出と役者って垣根が出来ちゃうけど、みんなでやるからには迷ったらいっそどう書いたらいいかアドバイスを求めても良かったんじゃないでしょうか。いや、出来が悪かったとまでは思いません。でもせっかくの可能性を狭めている気もしました。
当時参加していた知人が快快リーダーの方と同姓同名で、小指値(現・快快)の知名度が上がってきた頃に「ん!?」と思ったりしました。まぁ、結局は無関係だった訳ですけど。

ラストウィーク。

ラストウィーク。

ぴんく・ドリアン

しもきた空間リバティ(東京都)

2006/04/22 (土) ~ 2006/04/23 (日)公演終了

イライラした。
あ、まず物語を解説。客が来ないからお化け屋敷を取り壊すその最後の週、従業員や今更訪れる客が色んなドタバタを引き起こして…。
複線があからさま過ぎて張る前から「あ、なんかこうなりそう」と先読み出来てしまいました。にも関わらずかなり勿体ぶる。ので、イライラしました。芝居を見慣れていようがいまいが読めるレベル。あと、芝居が適当すぎ。棒読みでもそれだけなら今後の成長を願って許せます。でもなんか「頑張ってる自分を観てもらってる感」が垣間見えて…。しかも台詞が覚束ないのにハケる時に脈絡なく笑いを狙って滑ったり。ので、イライラしました。

霧むせぶトネリコの森

霧むせぶトネリコの森

劇団バッコスの祭

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2006/04/21 (金) ~ 2006/04/24 (月)公演終了

観ました。
最近バッコスを知った方には申し訳なくも、自分はこの時から観ています。あ、すいません。ホントは申し訳ないとか思ってません。むしろちょっと優越感を抱いています。当時は仮チラシの代わりに主宰のコラム的なものがあちこちに折り込まれていまして、「こういう事を考えている人の作品なら観てみたいな」と思ったのです。そしてそれから今まで観続けているのです。
物語はあらすじの通り。ファンタジー的な要素ではあるのですが、描きたかったのはそこに生きる人々の心情だったかと。どちらかといえば男性より女性に受けが良さそう。と、男性の私が。男性側からの勝手な女性観かも。

ネタバレBOX

終盤近くで主軸の2人が顔を合わせず言葉を交わす場面があります。片方は立っていて、もう片方はしゃがんでいる。その構図がとても惜しかった。いいなと思ったのに何か不足感があった。観てから結構な時間が経っているので何が足りなかったのか明言出来ないのですが、もしも再演があればあそこにはこだわって欲しいです。いや、そもそも再演したらまるごと違うやり方になるのかもしれないけど。
東京メランコリックマンション

東京メランコリックマンション

明治大学演劇研究部

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2006/04/14 (金) ~ 2006/04/16 (日)公演終了

上へ参りません。
エレベーターは男を不思議な世界へ連れて行く。現実とそうでない世界とを行き来した末に…。そんな話。
当時の劇研の作風は物語が70%くらい進んだ辺りで急加速していくって印象でした。これに関しても該当。その加速が勢いだけだと観ていて入り込めないのですが、そこまでに色々と準備がなされています。ので、観るほうもちゃんと段階を踏んだ上で加速に乗れた。当日でも1000円という安価設定でしたが、前売り1000円・当日1300円くらいの価値はあったんじゃないかな。

ネタバレBOX

現在は小劇場界隈で照明をされている古場田さんが役者で出てました。これ以外にも出てるけど。
キスと半島と残酷

キスと半島と残酷

ACTOR’S TRASH ASSH

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2006/03/23 (木) ~ 2006/03/26 (日)公演終了

それとそれとそれ。
中身を抽出するとやっぱりキスと半島と残酷。なのでこのタイトルに惹かれる方にとっては期待外れにはならないのではないでしょうか。個人的には完全な好みド真ん中ではありませんでしたが、だからこそ自分とツボの違う客の反応を見るのが面白かったです。それは受け入れるんだー、とか。あ、やっぱこれはそうでもないのか、とか。時事的なものを取り入れていくのは正解だと思います。ポイントはそれをどれだけ先んじてやれるかでしょうね。世の誰も予想していない時期にやって実際の世界情勢が後から付いて来るくらいになったら、色んな人が一目置くはず。

亀戸の松尾さん29才

亀戸の松尾さん29才

開店花火

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2006/03/15 (水) ~ 2006/03/21 (火)公演終了

ゆるゆる。
3年だか4年くらい前にやたら開店花火を推す知人がいて、自分はその相手を好きではなかったので「うぜーなー」と思ったのです。
30歳手前女性の身の回りが移り変わっていき、なんだか街にはゾンビがいっぱいいるという話。ほのぼので、ゆるゆる。個人的には危な気がないのでちょっと退屈だったのですけれど、刺激の多過ぎる芝居を好まない方にはジャストフィットじゃないでしょうか。
先述の知人とはその後遣り取りが途絶え、多分今後も復活する事はないかと。こちらからも復活させる気は特にないし。まぁ、この団体の名前を気にする要素を与えてくれた事に対しては微少ながら感謝しておきます。

ネタバレBOX

ゾンビの中にギリギリエリンギの塾長さんが混じってたみたいですよ。
コンプリシテ

コンプリシテ

明治大学演劇研究部

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2006/03/10 (金) ~ 2006/03/12 (日)公演終了

そうであろうとせずとも結晶。
自分が初めて明大劇研を観たのは2004年。その時に中心になって動いていた方々の卒業公演です。これまでの成果を出そうとかいちいち意識せずとも、能力や経験を積み上げてきたのは事実な訳で。
不思議な世界観ながら、人物の存在性まで曖昧ではない。これまでの作風と微妙に変えつつ踏襲もしていて、いい意味で分相応な芝居になっていました。

続・ピノッキオ

続・ピノッキオ

立教大学演劇研究会

立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)

2006/03/09 (木) ~ 2006/03/12 (日)公演終了

混沌の深遠。
って感じでしょうか。観る側が自分と照らし合わせながら補完するべき部分が多いなと感じました。視野や世界観の狭い人には不向きかも。若年層だと分かった気になって自己満足して終わりそうな。そういう意味では無闇に謎の多いアニメを見てるのに近い。とかいうと比較にすぐエヴァンゲリオンを思い付く私も安易ですが。でもそんな感じ。好きな人は好きだし嫌いな人は嫌いだろうなー。同行人の感想は「なんだかモヤモヤした」でした。

ネタバレBOX

その後に柿喰う客へ客演する小西さんが出演、トリのマーク(通称)の原田さんが衣装で関わっていました。
AとB

AとB

AB[a:be:]

LIVE SPACE FUTURE NATURE VALVE(東京都)

2006/01/21 (土) ~ 2006/01/21 (土)公演終了

都内の地下でひっそり。
いくつかのコントを経て最後に二人芝居。コントという言葉はそもそも短編を指すので二人芝居もコントではあるのですが。ここでは笑いのある簡潔な演目と言う意味で。客はそれを酒類片手に堪能。堅苦しくない程よい空間だったと思います。

ネタバレBOX

自分の書いたものがあったので、本来は避けるべきと思いつつここはあえて身内寄りなコメントをします。その脚本はシリーズ化していて何作か書いているのです。しかしこの時お2人が手に負えないくらい濃いキャラで役作りをされていたので、以降は書く時にそれを基準とする様になりました。
三風谷村水没前夜

三風谷村水没前夜

劇団バッコスの祭

池袋小劇場(東京都)

2008/04/26 (土) ~ 2008/04/29 (火)公演終了

安定感。
前回公演で何か突き抜けた感じがして、今回はそのまま下降せずに完成度を維持出来たかと。一歩上のステージで上手く足場を固められている印象。これまでは冒頭から中盤まで芝居のテンションがなかなか乗り切らなかったりしたのですが、今回はそれもクリア。大きな一撃よりも手数で勝っている感じ。笑いの意味での小ネタが多いのもありますが、そもそも口語演劇としての部分でも。さて、そうなって来ると次回以降にあえて一撃を狙うのもアリかと思えてきます。
もの凄い数の公演が被っている今のこの時期。月曜休演の公演もある中で普通に明日もマチネ・ソワレ共にやってます。池袋小劇場なので駅から徒歩5分。近くを通るならふらっと行ってもいいんじゃないでしょうか。

ネタバレBOX

抗議に犬を連れて行くなら種類はコーギーか?と思ったのですが、プードルでした。ヤバイ。オレ、オヤジ化している。
縁があって数ヶ月前に上演台本を読ませて頂いたのですが、その時はもっと平坦な芝居になる気がしていました。演出でのバランス取りが上手かったのかと。あと、ちょこちょこ改訂されています。それこそラストが変わってます。でも良いほうにかな。
あえて前回公演と比べて残念な部分を挙げると、客演陣との演技的な質の違い。上手い下手ではなくて。発信型と受信型に分けると客演陣がどうも発信型に寄っていた気がします。もしかしたら登場人物それぞれに合わせた親密差を見せようとした結果か。だとすればもうちょっと全体的に近付けてもいい様な。ヤスヒロは適切。というか役者がそもそも受信もこなせてた。チハルはギリセーフ。役作りの為に役者が薄い膜を張っている感じもしましたが。松タカコはアウト気味だけどあの立場だからそれはそれで成り立つ。ある意味で役者次第。感情的に盛り上がる所で今日くらいやってればそれが勢いで説得力を生んでくれる。ただし、余裕を見せたら空回る。そしてケンジがまだ遠目なのかな。主要ではあるけど登場時間が短い分、いきなり話に絡んできた感も強い。立ち居ち的に当初は敵側みたいに見せる必要はあるものの、それにしてももうちょっと人の話を聞いて受け入れる余裕があればいいかと。ここでの余裕は松タカコのそれとは別で、心を開いて無防備になるという事。初めから心を閉じて相手を拒絶するのではなく、心を開いて一度受け入れた上で自分で選択した末に拒絶するという過程を踏んだほうがいいのでは。完全に納得のいく例えではないけど、目上の人間が目下と距離を置く時のあの感覚。今からやるのは難しいだろうとも思うのですが。役者の演技スタイルを根底からいじる事にもなり兼ねないし。
おいでおいでぷす

おいでおいでぷす

青年団若手自主企画 岩井企画

アトリエ春風舎(東京都)

2008/04/22 (火) ~ 2008/04/30 (水)公演終了

パロディではない。
冒頭からしばらくは「オイディプス」と全く関連がなく、徐々にシンクロしていく感じ。そのシンクロのさせ方が巧妙だったり強引だったりする事に一喜一憂。
予言に関しては強引な部分が多かった気も。恒松以外の面子がなんでそんなにキャンプの達人を信用してるのか曖昧だし。元の物を知って観る分にはそれさえも良い意味でのツッコミどころで面白いです。単品でも楽しめるのですが、どうせなら「オイディプス」を読んでいたほうが倍化すると思います。これを観てから興味が出て読むのは順番が違うかなぁ。時間がない方はWikipediaなどであらすじだけでもチェックしておいてはどうでしょうか。

ネタバレBOX

チラシに描かれた構図が実はそのまま舞台美術だった訳で。結構早い時期から構想が固まっていたんですね。焚き火が常習屋になるのとか、もの凄く岩井さんチック。
ミチコが気だるそうにしている理由はキャンプの疲れからかと思っていたものの、まさかの56歳!(笑)。イオカステなんだから確かにそうなんですけども。そりゃその年齢ならいつだって体が重いよなぁ。
回想シーンで出てきた酷い作りの被り物の自分に文句を言ったら「だったら自分がやればいいじゃない」と返されてぬるっと交代する件とか好きです。その後、前リーダーとの遣り取りの中で「買いそう?」って台詞が。回想シーンで「かいそう」…?意図的なのか偶然なのか思い悩んで悶絶しました。あと、恒松が過去の出来事に思い当たった時の「あ!」。何あれ!わざとらし過ぎる!(笑)
飛ぶ痛み

飛ぶ痛み

キリンバズウカ

王子小劇場(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/04/29 (火)公演終了

麒麟です。
勝手な予想になりますが、都内で小劇場をそれなりに観ている人々の大方の印象はこうだったんじゃないでしょうか。「王子の職員が小劇場オールスターズを集めたのかぁ。あ、柿喰う客で制作やってる田中さんが出るの?期待するけど、芝居としてはどうなんだろう…」。ぶっちゃけ自分がそうでした。で、今日観た訳ですけれども。すいません、舐めてました。めちゃくちゃ面白いじゃないですか。笑いではなく、興味深さの意味での面白さです。会話劇でここまで質の高いものを観たのは青年団関連を抜かしたら久々な気がする。現時点で個人的な2008年ベスト3に入るかと(今日の時点で45演目ほど観てます)。よくよく熟考したとしてもベスト5以内は確実。これから王子小劇場を使いたいと思ってた団体のいくつかは諦めちゃうかもしれないですね。「時間堂とキリンバズウカに恐れ多い」とか。個人的にはそれもある種の審査みたいでいいかも、とか思いますけど。
例の田中さんに関しても「ちょっと使ってみました」なんてレベルではなく、がっつり役者として起用されています。尚且つがっつりこなしています。同じく柿喰う客・七味さんの役どころにも注目。いつもとは路線が違いますが、適切にこなしています。

ネタバレBOX

外枠の大きな演目ですね。何処まで設定されているのか読み切れない。劇中でほんの少ししか触れていない事項にもしっかりと裏付けが用意されていた様に思います。肝心の飛ぶ痛みに関してはむしろいい意味で曖昧でした。思い返すと本当に他人の痛覚が飛んでいたのかどうかの立証はされていないのです。飛ばす側がどの部位にどの程度の怪我をしたか絶対的に知り得ない状況で誰かが確実に同等の痛みを受けるという描写はなかったかと。その分、実は飛ばした・受け取ったつもりなだけで自己催眠に近い現象だった可能性もある。もしくはあの中に自演行為だった人物が混じっていた可能性も。そしてラストがあれです。観た側の中では物語そのものは終結せずに続いている感があります。ズルイなぁと思うし、上手いなぁと思います。
ZOKKYののぞき部屋コレクションPart2

ZOKKYののぞき部屋コレクションPart2

ZOKKY

王子小劇場(東京都)

2008/04/26 (土) ~ 2008/04/29 (火)公演終了

窃視。
芝居の本来の醍醐味の1つである「焦点を自分で決められる事(つまりは好きな所を見られる事)」を奪って、覗き穴から見える範囲だけに絞って観せるスタイル。まんまと観せられている感が沸きます。尚且つ見えない部分は自分自身の想像で補う必要がある分、見入れば見入るほどに後ろめたい気持ちを抱くのです。なんだか博打で微妙に負けそうな時の心情。あのこそばゆい感じです。
仕切りをちょろっと作ってある程度かと思いきや、エレベーターの扉が開いた瞬間からもうそこにはZOKKYワールドが展開されています。順番待ちで並んでいる人々の姿さえその一部。芝居以外にもあちこちをよく見てみましょう。当日パンフレットとか壁の張り紙とか、やけに凝ってます。
予想通りですが、キリンバズウカを観る前後に行こうとしている方が多かったです。その分、そちらの上演中であればあまり待たずに観られるかと。一度に1演目のみなので、制覇の為には見終わる度に受付が必要です。自分は運良く今日3つ観ましたが、夕方から観始めて3つ目は22:00過ぎでした(間でキリンバズウカを観たからですが)。月曜は休演日ですので御注意を。

ネタバレBOX

思い返すと、どれも女性側が主体だったなと。

●男と女
個人的にはこれがイチバン好き。2人が揃った時点で早くもシュールな遣り取りがスタート。短い時間ですから説明不足は感じますが、それも自分の想像で埋めましょう。埋まらなければとにかく凝視。何か返って来るはず。

●君の胸に抱かれたい
狙っているのかいないのか、風船の伸びが足りない部分(広がってなくて色が濃い部分)が乳首に見える!!

●冥土の果て
清水嬢&大塚氏にあの役柄を与えたというのがもう何とも。背徳感が最も濃いのはこれかも。心臓に悪いドキドキが起きます。お気を付けて。
ヤクザとアリス

ヤクザとアリス

ろりえ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2008/04/25 (金) ~ 2008/04/28 (月)公演終了

ろりった。
ろりえ観た。不思議一歩手前の世界観で、よくよく考えればとっても素直で不器用な人々が交わす遣り取り。ほんわりしたかと思えば今度は狂気的な面へ突っ込んでいく先の読めない展開。小学生が喜びそうなうんこネタが出たかと思えばエログロになる。色んな意味で「なんだこれ?」。
15mmで目にしたあの手法で長時間やるのは厳しのでは?と予想していたのです。しかし終盤に掛けて作風が変わるという予想外な展開。これに関しては賛否があるかも。個人的には始まったあの感じのままずっとやって欲しくはありましたが、それにしてもよっぽど上手くやって90分が限界な気がする。なので120分やるのを前提とするならばああするのが正解だった様な気もします。とはいえちょっと欲張り過ぎたかなというのが全体を通しての感想でしょうか。もっと面白いはずなのにそれで埋没してしまった部分があったと思います。

ネタバレBOX

リスカの名が呼ばれる場面で「あ、リスカちゃん」という台詞を耳にして「アリス」が掛かっている名前なのかと思いましたが、結果的にはアスカから来ていたんだなと。あとサイトウさんが営んでいたのはドラッグストアだったんでしょうか?彼女が薬剤師でヤクザと言葉遊びになってるのか?とか思ったんですが。
チャトラさんの抱かれた「それはないでしょう」が何処なのかを気にしつつ観てもいました。最有力候補は「残酷な天使のテーゼ」。あそこは自分も1番が終わる頃に「芝居を観に来てるんだよな、確か…」と思ったのです。他にも人によっては引きそうなポイントが結構多いですね。割と序盤での愛撫・手の着ぐるみ・客席に物を投げる・流産させる。それらの場面が来る度に芝居のノリとしてはカーブを描いていた様な。
ハリジャン

ハリジャン

innocentsphere

シアタートラム(東京都)

2008/04/19 (土) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

そういう事かー。
初、InnocentSphere。既に登録されている「観てきた!」のコメントを見て色々と思案していたのですが、やはり自分で見るのが何より。抱いた印象としては「ブラックなディ○ニーランドだな」と。見世物であろうとする意思が感じられ、それに伴ってエンターテイメント性も高いなと。作風的に好みが分かれるのは仕方ないかと。反社会的・非社会的な描写が多いですし、どうしてもそちらが前面に出ている様に受け取ってしまうのがあります。面白かったと口にする人はいても、楽しかったと言う人はなかなかいないのではないでしょうか。
非常に惜しいのが「小劇場と歌舞伎の融合」ではなかった点。自分としては興味のあった点がここだったので残念でした。演出家の方が以前から交友を持っていた為に自分の作品に出て欲しくて起用した、それ自体は何の問題もありません。しかし今回はあくまで「尾上松緑さんという役者を主役に据えた」のであって、彼が「歌舞伎役者」であるという事を押して謳い文句にするだけの利点は見出せませんでした。本当の意味で融合出来ていれば、元は歌舞伎のみに興味のあった観客が今回を期に小劇場にも興味を持っていたかもしれないしその逆もまた然り。個人的にはそれを望んでいたので。歌舞伎みたいのが観られるのかなー、と。
演技的に浮きを感じるという感想もありましたが、今日の時点では別に気にならなかったです。役柄的にそれぞれ合っていましたし、舞台上で共存出来ていない人物はいなかったかと。

ネタバレBOX

エビスが例の火に執着を持っている理由がよく分からなかったかなぁ。そういう立ち位置の存在であるというのは分かったのですが、エビスが何故そこまでして矛先をそれに向けて固執するのかという動機が微妙だった気が。沢山語ってくれたので情報としては届いたのですが、イマイチ合致しなかったというか…。
ハローミスター・バームクーヘン

ハローミスター・バームクーヘン

劇団森

早稲田大学学生会館(東京都)

2008/04/24 (木) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

演出勝ち。
上演と共に「やられた感」あり。当日パンフレットを見る限りは5人芝居なので、コンパクトにまとまったものをやるのかなと思っていたら…。とても立体的な表現、としか言葉では説明出来ません。とにかく冒頭と結末の見せ方が良かった。それだけでも観た価値がありました。っていうか中盤は寝ちゃったんですけど。演出された方は6月に立ち上げる別ユニットで今度は作・演出を両方やる様なので(今回は脚本が別の方でした)、それも観ようかと思います。

テレビジオーネ チャンネル7

テレビジオーネ チャンネル7

電動夏子安置システム

Duo STAGE BBs(東京都)

2008/04/20 (日) ~ 2008/04/20 (日)公演終了

定例。
もしや365日いつでも稽古をしているんじゃないか、と思う。結構なペースで本公演を行いつつ、間にこんなイベントを開いている。黒字になる限り続けるという名目の元に既に4年もやってるそうです。よくやるなぁ。こちらの脚本は本公演と違ってそれぞれメンバーが持ち寄っているみたいですね。しっかり本公演をやった上でそれと別にやりたい事の出来る場があるのは良いかと。

あなたの部品 ファイナル

あなたの部品 ファイナル

北京蝶々

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2008/04/19 (土) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

オマケ付けちゃう。
まだ公演期間が序盤なので、行こうか迷っている方の背中を押す意味も含めたちょっとオマケ気味の「お勧め!」。勿論、一定水準以上の面白さがあったからです。再演とはいえ、2日目の今日の時点で既にかなり安定している。危なげなく安心して観られます。部品で連想する言葉には欠陥品であり、人は誰もが何かしら欠けているものであるというのを確認させられた気がします。それは悲観的ではないのです。欠けているなら補えばいい。
前回の「コントローラー」が個人的にちょっと微妙だったものの、今回は結構好みでした。役者が演じる姿もその時より自然に見えた。配役がフィットしてるのかな。上演時間80分からすると登場人物が10人以上いるのは多い様にも感じます。しかし終わりまでにちゃんとそれぞれの主張を見せているので、必要のない人物はいません。
なるだけ役者を近くで観たいという方はそうされるのがいいと思いますが、特にこだわりがなければ後方の席をオススメ。客席が段になっているので後方になるほど高い位置から舞台を見下ろす形になります。自分はたまたま後方の席だったのですが、全体が見て取れるのでそれぞれの人物の在り方がより把握出来た気がします。

ネタバレBOX

次春が「ダメだよ」と言うよりも大分早い段階で優衣子の痒がりが始まっていたのが的確でした。初めは背中を掻いていたんだっけかな。痒いんだろうなぁと先読みさせてくれた分、我慢出来ない辛さが伝わりました。自分がアトピーを経験しているから余計に同意したのもあるかも。
月が、

月が、

おぼんろ

タイニイアリス(東京都)

2008/04/16 (水) ~ 2008/04/20 (日)公演終了

確かめてきた。
未だに疑っているのです。主宰者によると今回の「観たい!」コメントの異常な登録数は他者によるものとの事。チケット予約時に登録を促したらこうなったとか。うーん。それにしたってこんな数になるのか?まだ不信気味。劇場に足を運ぶ時にも「面白くないんじゃないだろうか。休日に遠出して金を払ってまで後悔したくないな。だったら部屋でゆっくりしたい。雨も降ってる。あぁ、やっぱり帰ろうかな」と思っていました。
ところが。芝居そのものは結構良かったと思います。嬉しい予想外。ここまでのコメントにあった、詰め込み過ぎの感も確かにあります。上手く処理して2時間以内に納まる様にしたらもっと観やすくなるのではないかと。群唱やギミックを多用する手法は何処か懐かしくもあり、それだけに手堅さもありました。声の枯れ気味な役者もいましたが、理解出来ます。身体にそれだけ負担の掛かる方法を取っているのです。それだけ骨身を削る姿に否定的な気持ちは抱きません。自分は、やれと言われてすぐに出来なそうな類の芝居をやっている人達が基本的に好きです。遊びの部分に関しては何とも言えず。尺の長い芝居なのでああいうのを入れてあえて腰を折る様な事をするのは分かる。同じテイストがずっと続くと観るほうも慣れて飽きを感じますので。やるならその前に一旦それなりの盛り上がりを迎えていないと、客としては放られた気分になる。身内客が多いだろう状態でも微妙な反応だったので、今後もやるなら検討が必要でしょう。
内容としては人とキツネを掛け合わせた人に在らざる存在・ココを取り巻く物語でした。幼い作り込みをしているからというのもありますが、このココがひたすらに愛らしい。不完全でありつつ純粋な分、全てが補完されずともほんの少しだけでも報われて欲しく思うのです。
そういえば久々に高山さん&東谷さんを観ました。カカフカカもしばらく行ってないなぁ。

ネタバレBOX

ココとライとの繋がりは確実な恋まで行かなくても良かった様な気もします。そう言いつつ終盤の2人の遣り取りには胸を打たれもしましたが。

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