飛ぶ痛み 公演情報 キリンバズウカ「飛ぶ痛み」の観てきた!クチコミとコメント

  • 麒麟です。
    勝手な予想になりますが、都内で小劇場をそれなりに観ている人々の大方の印象はこうだったんじゃないでしょうか。「王子の職員が小劇場オールスターズを集めたのかぁ。あ、柿喰う客で制作やってる田中さんが出るの?期待するけど、芝居としてはどうなんだろう…」。ぶっちゃけ自分がそうでした。で、今日観た訳ですけれども。すいません、舐めてました。めちゃくちゃ面白いじゃないですか。笑いではなく、興味深さの意味での面白さです。会話劇でここまで質の高いものを観たのは青年団関連を抜かしたら久々な気がする。現時点で個人的な2008年ベスト3に入るかと(今日の時点で45演目ほど観てます)。よくよく熟考したとしてもベスト5以内は確実。これから王子小劇場を使いたいと思ってた団体のいくつかは諦めちゃうかもしれないですね。「時間堂とキリンバズウカに恐れ多い」とか。個人的にはそれもある種の審査みたいでいいかも、とか思いますけど。
    例の田中さんに関しても「ちょっと使ってみました」なんてレベルではなく、がっつり役者として起用されています。尚且つがっつりこなしています。同じく柿喰う客・七味さんの役どころにも注目。いつもとは路線が違いますが、適切にこなしています。

    ネタバレBOX

    外枠の大きな演目ですね。何処まで設定されているのか読み切れない。劇中でほんの少ししか触れていない事項にもしっかりと裏付けが用意されていた様に思います。肝心の飛ぶ痛みに関してはむしろいい意味で曖昧でした。思い返すと本当に他人の痛覚が飛んでいたのかどうかの立証はされていないのです。飛ばす側がどの部位にどの程度の怪我をしたか絶対的に知り得ない状況で誰かが確実に同等の痛みを受けるという描写はなかったかと。その分、実は飛ばした・受け取ったつもりなだけで自己催眠に近い現象だった可能性もある。もしくはあの中に自演行為だった人物が混じっていた可能性も。そしてラストがあれです。観た側の中では物語そのものは終結せずに続いている感があります。ズルイなぁと思うし、上手いなぁと思います。

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    2008/04/27 03:20

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