まことの観てきた!クチコミ一覧

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イン・ザ・ボイス

イン・ザ・ボイス

Media Works Produce

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/11 (土)公演終了

満足度

ラジオの本質って
先ずは、他の人も書いていたが、エピソードを美化した現実離れのしらじらしさで構成しすぎです。
年配のヒルメロ世代の女性には良いのでしょうが…。

完全に間違っているのは、ラジオの本質をスタッフ(特に脚本家・演出家)がわかっていないことです。

特定の人々が出演までして、ラジオ電波の中で肉声で話し合うなんてものはラジオファンは求めていませんし、そんなプログラムはありません!

何かの悩みを抱える葉書での告白・相談があって、それに対してパーソナリティが答え、他の聴衆も意見を言いというのがラジオの構成です。
必ずそこには”音楽”がリクエストやプレゼントという形で登場します。

匿名の人々が自分を正直に話すという趣旨は合ってても、その後の展開はラジオではなくある種低俗なテレビバラエティの乗りでした。
ラジオを聴いていらっしゃったスタッフとは思えませんし、悪趣味な脚本でした。

オネエが好きな変な脚本家ですね。

しらじらしく、勘弁願いたい時間でした。

唯一の救いは、谷さんの声でしょうか。

家族という名の鎖

家族という名の鎖

HIGHcolors

「劇」小劇場(東京都)

2015/04/01 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

デフォルメが凄過ぎ!
勧善懲悪物のようなすさまじいまでのヂフォルメだが、演じている役者諸氏が見事に自分の物にしていた事で、説得力があった。

家族というのは、社会の中の縮図のようなものという事に改めて気づかされた。
そして、一番守り・守られる場であると思っていたこの単位の中にいて、果たして自分は他社を本当に気遣っていたのかと疑問を突き付けられた。

人間関係の希薄さが指摘される現代には良い題材か。


…しかしこうもロクでもないない奴らもいるものか?
決して「居ない!」と言い切れない自分に気づくと思う。
その意味で、このヂフォルメは無茶ではなく、非常に心の内面をえぐった人物像なのではないか…。

そう思うと、怖い。

蛇足だが、ヒロインも義姉役も女優さんが美しい劇団だ!!

オッペケペ

オッペケペ

「福田善之を読む」上演委員会

西池袋・スタジオP(東京都)

2015/03/28 (土) ~ 2015/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

知性と情熱の作品
「演劇」それを改めて提示してくれる作品。
朗読の形式は取っているが、これは演劇である。

”正義” ”渇望” ”欲望” それらの表出とその陰に潜む感情が観客を打つ脚本。
改めて、福田善之という知性に魅せられる。

63年の作品だが、当然ながら永遠のテーマを扱っているこの作品は”今”を語る力に溢れている。

ネタバレBOX

いつも思うのですが、アフター・トークの是是非を問いたい。

福田さんの言葉を聴きたいと思う欲求から残りましたが、司会が想いを延々と述べたり、ゲストでもない人が(作品の誕生の立役者ではあるのでしょうが…)語り続けるといった趣向はやめたら如何でしょう?

「戦争と記憶」という題材はどこにいったのでしょう?

この作品の福田さんご本人の想いを聴けるのでなければ、別に参加費をとって居酒屋で思い出話大会でもやられてはいかがでしょうか?
BAKUとよばれた男

BAKUとよばれた男

創作集団ヒルノツキ

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

お疲れ様
と、観客に言いたい。
何がしたいのでしょうか???????????

BAKU と呼ばれたって、誰に呼ばれたのでしょう?????

これって、演劇???????

最早、そう思う自分に疑問を持ちたくなるのですが。

…勘弁してください。

誰も見たことのない場所2015

誰も見たことのない場所2015

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/03/13 (金) ~ 2015/03/19 (木)公演終了

満足度★★★★★

これは有りですよね!
俗にいう「演劇」の定義からすると逸脱しているのかもしれません。
”物語”が戯曲の形式で存在するわけではないので。

しかし、役者の生の力を媒体として語られる内容は、オムニバス形式ながら、きちんと物語(ドキュメンタリー)を伝えてくれるし、何よりも彼等がその人々に魂の部分から成りきれているのが”力”の原動力になっています。

「病んでいる」のは彼等なのでしょうか?社会なのでしょうか?
この機会に真剣に想いを共にしてみては如何でしょう?

冒頭と終わりのステージングが要か不要かは意見が分かれるところだと思いますが…。
何かしら”作品”らしき表現が必要かと思われたのでしょうが…。

ネタバレBOX

学生援護会の奨学金の下りが特に印象的でした。
援護ではなく闇金まがいである実態はもっときちんと取り上げて欲しいと思いました。

今の日本は、大企業を保護する政策にあけくれ、国民生活を無視する風潮が顕著です。そのうちのひとつの現象がこの問題ではないでしょうか?
”地方創生”を謳いながら、有力大学が都市圏に集中し、仕送り等の負担を強い、結果、地方から若者を都市圏に吸い上げ、借金(奨学金という名のもとに)を背負わせ、未来を潰している現機構は相当に問題です。

”心の闇”の根底もそうですが、”社会構造”の不備が及ぼす”闇”は即座に紛糾すべきだと思いました。


出演者の皆さんの熱演は素晴らしかったです。
だからこそ、トークショーでのネタバレには賛同できません。
本編できっちり訴えられているのですから、蛇足になる”素”の時間を加えるべきではないと思います。
シンポジウムではないのでしょ????
それが残念です。…参加しませんでした。

お見送りやアフタートーク、バックステージetc.
余計なおまけを付けているとは思いませんか?
昨今のこの(大劇場発の)風潮には大きな疑問を感じます。
砂の骨

砂の骨

TRASHMASTERS

シアタートラム(東京都)

2015/03/06 (金) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

脳天気な現代人に一石!拍手!!
新聞の一面を読む度に出てくる標語「経済成長」
想えば、小泉・竹中が描いた構図が今またよりグロテスクに跋扈している。

”生きる”とは?特にサラリーマン達に対する問いかけに皆どう答えるのだろう?
「賃金を得て、衣・食・住を安定させ、できれば他人より少しは良い生活が出来れば嬉しい」
そんな答えに溢れるのではないだろうか。

株価の上昇による含み益、円安の恩恵に湧く輸出業界(特にトヨタ)
限られた場所にある富は小規模のベアに曖昧にされる。

しかし、サラリーマンは自社の利益の為に邁進し、させられる。
”裁量労働制導入”などのハードルをただ乗り越えようと奮闘する。
『すき家』問題のような労働側からの抗議はない。
賃金が生活の根底をなすからである。

”生きる”とは生活することなのか?
経済至上主義は人間に何を与え得るのか?
”幸せ”という言葉は死語になったのか?

考えさせられることは多い。唖然とすることも。

こんな演劇が生まれ、支持される土台は出来上がり、実際にこうして発表されているのに、大資本は未だに”エンターテイメント”なるものを有難がり、薄っぺらな内容の、巨費を投じた見世物を「演劇」だと言い続ける。

トラッシュのみなさん、素晴らしかったです。

ネタバレBOX

演技が叫びすぎかなと思われるきらいがあった。

吐露は叫びだけではないと思うのだが…。

観客の肚に入り込む表現を見つけて欲しい。


”先生”って何者?
誘拐事件はトリックだった?

よく理解できなかった。
静寂の扉

静寂の扉

643ノゲッツー

OFF OFFシアター(東京都)

2015/02/24 (火) ~ 2015/03/02 (月)公演終了

満足度★★★★

扉はキーワードではなかった、が…
「扉」自体には大した意味も、ストーリー上の展開もなかったですね。
もっと何かしらの意図があり、時代を行き来するとか(スターゲイト風)、場所がいれかわるとか(どこでもドア?)の仕掛けの素になるのかと予想していましたが…。

しかし、作品としてはとても良くできていたと思います。
”過疎問題”に人間性の面から取り組んでいる作品といえるでしょうか。

地域に生きる青年たちにエールを送りたくなりますが、経済面からの切り口が不足しているので、”都会への憧れ”と”故郷に生きる”といった面だけの物語ですが、固いこと抜きに観ればいいじゃんと思いました。

ただ(くどいですが)もっと”生きる”という視点での都会生活の危うさを強く押し出してもよいのでは?と思いましたが。

これからが楽しみな劇団だと感じました。

GHOST SEED

GHOST SEED

カプセル兵団

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/02/26 (木) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

冒険小説を実演で
そんな内容ですね。
ティーンズ文庫などで扱われるような直球感が良かったです。

はじめて観たカプセル兵団ですが、ト書きを口に出して見せる手法は、昔の子供のごっこ遊びを連想させて面白いですが、あまりにも多すぎて斬新さが削がれて、かえって鬱陶しさを感じる傾向も。

内容は冒頭に書いたように直球です。物語として楽しめると思いました。
特別、示唆・メッセージが込められている感はありません。
ただ素直に観るという作品です。

他の方も書いておられましたが「笑い」が寝られていないかな?
本来、芝居の笑いは筋のシテュエイションに沿った物であって欲しいですが、
無関係の一発ギャグのような物がこの劇団の常連さんには受けているのでしょう…。
作家がこの劇団以外で書くのなら、勿体ない寄り道でしょう。

ネタバレBOX

人形たちがあらかじめ「意識」を持っているという設定ですが、個人的にはそれが惜しいなと思いました。
冒険を通じて学習していく内容になっているのですから、彼等の目が人間たちの何を視たのかをもっと追究して欲しいと思いました。

うぶな心を持った者にしか「当たり前」とも思える気恥ずかしさが伴う感情を表に出せないのだと思いますから。
(子役や動物が心を打つ傾向にあるのと一緒。但し、動物は勝手なNaが彼らの心情を無理やり作っているだけですけど)

人形3人組の思いが人間たちに影響を与えていくという設定も有りだったなと思いました。
金色の翼に乗りて

金色の翼に乗りて

ピープルシアター

シアターX(東京都)

2015/02/18 (水) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

必見の舞台、まさに演劇精神満載!
日本人の青年、フィリピーナ、在日2世。
この設定で語りかけるのは、人間の生き様。

自分たちが置かれた”今”をどう受け止めるかの問いかけである。

華やかなエンターテイメントを主流とする現代の演劇界に、演劇本来の姿を骨太に誇示する作品である。
…この演劇界に於ける対比も本作が示す社会疑念のいち要素であるのだが…余談

脚本・演技ともに素晴らしいです。

是非、演劇本来の姿と本作が提示する主題を体験しに出かけて欲しいと思います。

ネタバレBOX

プロローグとエピローグに登場する「老人」は誰なのか?
世の中にモノ申さず年老いてしまう我々(観客)を示すのであろうが、「老人」であるが故に直截的に訴えてこなかった。
当初は、作者の分身なのかとも思った。

某国(亡国?)首相が、議会制民主主義を踏みにじる政治家であるという現実を「ヤジ」という最も軽率で品性下劣な行為で露呈させたことが報じられた(一部でのみ)日の感激であったため、余計に感じる事が多かった。

生きる人間各々が胸を張って生きることを欲することが、悪政・暴力・経済至上主義からの貧富の格差や拝金主義を打破し静かな平和を勝ち取る唯一の方法であるというような主張は、ともすれば夢想主義、共産主義等の言葉で切り捨てられるが、やはり心の奥底ではそれを否定しきれない心のひだも持ちながら生きているのも現代人の姿であろう。

哀しい人々にスポットが当てられた本作であるが、”普通”であると自負する多くの(勿論筆者も)人々をえぐる作品も期待したい。

役者の皆さんには大拍手でした。しっかりと客席に役の想いを届けてくれていました。

個人的には、こんな素晴らしい演技をした演者が、終焉後にお見送りをするという姿勢が逆に残念に思いました。
もう彼等はその役を自分の物にしているのだから、部隊の上での静かな「礼」だけで充分だし、かえってしらけてしまいました。

これも余談ながら、大衆芝居のように贈り物をおいたおばさん!勘弁してくれ!!!

入場時に、紙袋を持った客には主催側で目を配っていて欲しかったです。

いしださんも災難でした。

しらける要因のこの2点の改善を求めます。
アーニーの不思議な世界

アーニーの不思議な世界

劇団吹きだまり

銀座みゆき館劇場(東京都)

2015/02/19 (木) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度

…???
皆様(出演者、観客)お疲れ様でした。

必要とされている、と思う病気

必要とされている、と思う病気

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2015/02/14 (土) ~ 2015/02/23 (月)公演終了

満足度★★★★

心当りがある内容
 誰かに必要とされたい

これは生きていく上で誰にでもある欲求(?)。そんなの無いという人は粋がって斜に構えているだけか、心が欠如してしまった人だろう。

必要とされたいから多少なりとも頑張ってという意識を鼓舞しつつ生活している訳だから。

病院内という設定、<死に至ることは稀>という病気、これが自然とエゴを描きやすくしている。
淡々と進む時間の中で、しかし共感できる、そして発見できる事は多い。
人物設定も秀逸。
大部分の観客が、誰かに感情移入できる筈。

唯一気になったのは、淡々過ぎるかなという進行速度(演劇的な速度であり、時間のことではありません)
母親がいい意味でかき回してくれるが、演技部各々に更なる工夫が必要か?
よりリアルな人物像に昇華させるためにも流す台詞と、拘る台詞の内なる区別を期待したい。

新「復活」

新「復活」

劇団キンダースペース

シアターX(東京都)

2015/02/04 (水) ~ 2015/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★

抱月と須磨子???
『復活』を観たというなら、素晴らしかったと思います。

但し、抱月と須磨子の物語が、ネフリュードフとカチューシャの物語と対比されて語られているという趣旨だとすると、抱月・須磨子の物語が描き切れていなかったように思います。
Naでの進行は演出的にスムーズですが、それだけに省略された感がありました。

二組の自己欺瞞や贖罪意識の対比がもっと観たかったです。

『忠臣蔵』と『四谷怪談』のような。

そんな大作に昇華することを期待します。

上演時間が長くなっても興味が勝つと思うのですが。

夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★

何故「漱石」なのか
<癇癪持ち>であるという漱石の実像(?)は、関川夏央と谷口ジローの劇画作品で紹介されている。
その漱石の内なる部分を描き出すのかと思って観劇した。

 結果、物足りなかった。

 猫の存在が”語り部”になると予想していたのだが、表面的な描写に終わっている感が強い。

 漱石の内なる感情を表現しえていたのか?

 作家としてそれに向き合い吐露した漱石を選んだのは何のためか?

 虐待を受ける下りも唐突に過ぎ、その裏側を描き切れていない。

 唯一の救いは、2時間あまりの上演時間を長く感じなかったことか…。
これは反面、次こそ掘り下げるのだろうというこちら側の準備する構えによるところも大きいのだが。

 「私はここに居ますよ」という暗示のような台詞は、残念ながらこちらにその意味を伝えることなく終わる。

「蛍よ……妖しの海を翔べ」

「蛍よ……妖しの海を翔べ」

劇団ギルド

座・高円寺1(東京都)

2015/01/29 (木) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★

思い込みはあるのでしょうが…
 ひたすら長く感じました。
先ず、内容にメリハリが無い。
 2時間半に近い作品ですから、工夫として必要だと思いました。
 各場同じ感じのシーンの連続なので、敢えてドキュメンタリー手法を採っているのでなければ構成をお考えになった方がいいかと思いました。

何が主題なのか不明
 学生運動と擦り合せるのならば、2元的な構成にするとかの手法があってもいいのかなと思いました。
 影武者の苦悩が主題なのか、義経主従の時系列的な描写が主題なのか
この作品自体が何を訴えようとしているのかが不明でした。

 本来はネタバレに記すべきでしょうが、公演終了したので…。

映像は特に効果的だとは思えませんでした。
炎とかの描写には良いのかとも思いましたが、全編グロテスクな画像で通すのは如何なものかと思います。

胸を晒して踊る「蛍」さんはご苦労様でしたが、それとエロの感覚は違うでしょう。
敵の目玉で自慰した「静」も、そこに至る欲求不満が描かれていなかったのでエロいとは思えませんでした。

70年代の安保闘争の時代の「エロ・グロ・ナンセンス」は高度成長下での閉塞感が背景にあり生まれたアンチ・テーゼで、義経主従の閉塞感は解るのですが、そこをもっと描かないと(主題として)ただの挿入された”エロを表現したかったから”だけのシーンになってしまっていて、女の狂気は感じませんでした。

総じて、インパクトに欠ける内容で、残念でした。

キネマ狂想曲

キネマ狂想曲

シノハラステージング

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2015/01/20 (火) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度

う~ん…
 だからどうしたの?って後味が残るんですよね。

何を我々に伝えたかったのか?

 「狂想曲」って、なんなのか?

ネタバレBOX

スキャンダルを無理やり作り出すなんて事が実際に行われているのか?
さもありなん…。って気もしますが、本当なら、この国の意識って笑っちゃうほど低いな!と改めて感じ入ります。
むしろ、そこを突いて欲しかったですね。

姉・弟の恋愛感情は何故必要だったのか、全く理解できません。
『あはれ彼女は娼婦』にでも触発されたのでしょうか?

キレイ事の「映画現場」賛歌にするのか、スキャンダラスな「現場の裏側」を告発するのか、どっちつかずの作品でした。

夜と森のミュンヒハウゼン

夜と森のミュンヒハウゼン

サスペンデッズ

吉祥寺シアター(東京都)

2015/01/24 (土) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

摩訶不思議な内面劇(?)
 面白かったです。

森の存在がとても良い発想ですね。

これが何であるのかは、各人の採り方で微妙に解釈に違いが生じるかもしれませんが、それは観る側の我々が各々想えばいいことなのでしょう。

「心」なのか「脳」なのか。そりゃ「心」でしょ!?ってのも短絡的かもなあと深読みしたくなりますが、これが案外作者の狙いかも…。

ファンタジーとはちょっと趣を異にする時間にまずは身を置いてみる事でしょう。

ネタバレBOX

演技部の活躍には拍手です。

特にサキ役の地村さん、素晴らしいです!
よくぞこの役にこの人がいた!ってくらいの拍手。


明けない「昏迷」はないのでしょうが、そこに至る過程が非常に良くできています。
少々、難解な印象を受けるのは、感覚的な手法で書かれた本だからでしょうか?
全てを理解しようとするより、伝えられた情報に身を任せて、自分の感性だけをナヴィにして体感すべき作品のような印象を受けました。

死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜

死刑執行人 〜山田浅右衛門とサンソン〜

世の中と演劇するオフィスプロジェクトM

座・高円寺1(東京都)

2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

”投げかけ”をしてくれる作品
 「イスラム国」の事件の期限の日、観劇を迷ったけど、観てよかったです。

<戦争>も<死刑>も、そして<テロ>勿論<犯罪>も、人が人を亡き者にするという行為に変わりがない。
『戦争は英雄で、犯罪は死刑囚』この矛盾する構図は<法>という制度を作った人間の共同体がもたらした価値観の破たんである。

ともすると<死刑反対を訴える作品>と取られるようだが、私はそうは思わなかった。

「死刑執行人」の苦しみを<権力者>と称される人間は味わった上で<人殺し>の決断を下しているのか?
<国益>という名のもとに、命令を下しているだけではないのか。

様様な憤りと不信を喚起される作品でした。

多くの人々に観て・感じて欲しい作品でした。

ネタバレBOX

オスプレイの効果音が、この作品の主題を象徴しているのだなと感じました。
非常に明確で且つ巧い手法だと思いました。

演者のまっすぐさも好感が持てました。

セットのシンプルながら効果的な空間設計にも感心しました。
(緞帳替わりの文字に劇中スポットのハレが漏れるのが気になりましたが)

パン屋が絞首台につく象徴的な展開はシュールで良いですね。

「生きる」という事も逆説的に説いている事が作品の深みになっていますね。
誘拐

誘拐

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2015/01/19 (月) ~ 2015/01/25 (日)公演終了

満足度★★★

優れた戯曲
正統的な喜劇戯曲。
はじめて触れましたが、矢代静一氏、素晴らしいと思いました。

何が「善いこと」で何が「悪いこと」かの価値観の矛盾が面白いし、共感できます。

今の「コメディ」と違った王道の「喜劇」ですね!

作品に触れたい方にはお勧めです。
…あくまで、戯曲に触れたい方です。

ネタバレBOX

以前、どこぞの劇団にも苦言を呈しましたが、役者を自認する者が最低限しなくてはいけない事、それは澱みなく台詞を伝える事です。
それが出来ていないのは何故なのでしょうか?

特に「喜劇」を上演する場合、噛み・言い違い・忘れ(言語道断!)は一気に客席をしらけさせ、戯曲の魅力を台無しにしてしまいます。
そんな当たり前のことは当然この劇団の方々もご存じの筈。
反省して今日以降は奮闘して欲しいです。

あと、進行のリズムに緩急が無さすぎるなと思いました。これも特にこの戯曲では重要な事でしょう。

個人的な好みを云えば、もっと自然な、日常的な会話を意識して作り上げて欲しかったです。
「誘拐」という非日常から端を発するあり得ないエピソードに真実味を持たせた方が面白いに決まっていますし、台詞の中に用意周到に散りばめられた「矛盾」がスパイスとして効いてくるはず。
そんな観点から云えば力み過ぎの演技が過ぎているようで、折角の面白さを消してしまっていて残念でした。(誰とは言いませんが…)

弁護士、父親、真面目にやってください。故意にふざけているという意味ではなく、前者は芝居が全くなっていない、後者は冒頭に書いた事で。

折角良い題材を上演するセンスがある劇団なのですから、もっとご自分たちを磨いていって欲しいと思います。
頑張ってください。
うどん

うどん

KENプロデュース

シアターシャイン(東京都)

2015/01/14 (水) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★

惜しい…かな?惜しくもないか…?
 うどん屋一家の一代記。
親子と夫婦の秘められた想い。「生きる」ということとは?

 という内容でしょうか。ま、ありきたりですけど。

 より効果的な見せ方があったと思います。その意味では残念。
主人公からの目線、取り巻く人々から主人公を見た目線をもっと明確にするべきだったかと思います。
 「出来事」を語るのではなく、それによってどう人々が感じるのかを掘り下げて欲しかったです。

 出演者はもともっと、もっと訓練の必要があります。

 今後、より頑張ってくださいませ。

ネタバレBOX

 演出が甘いです。
①30年やってきた「うどん屋」の厨房道具はぴかぴかじゃ拙い
②うどんの作り方を勉強していない
という基本から拘るべきです。或いは、見せないよう工夫するか。
日々努力してきたと自負する主人公なのですから、新聞ばかり観ている姿は説得力に欠けますね。
 もっとも許せないのが、奥さん役の役者の杜撰な演技力です。役者…違いますよね。一般の参加者ですか?ってレベル。
 爪を見てみなさい!うどん屋の女房が爪キラキラさせてる筈がない!
本人も、演出家もそんな初歩的なことにも神経をはらえない!
情けないですよ。
あとAD役の子は役者訓練したのですか?噛まずに台詞が言えないやつを出すな!
あいさつで「たったの3,900円…」とおっしゃっていましたが、今のレベルだと500円くらいのレベルでしょ。

 フラッシュバックのシーンで、主人公までその時代に戻ってしまう演出は個人的にはいただけません。
 彼は現在に置いておくべきです。

 ハニートラップのくだりも取って付けた感がありますね。
主人公の人生とは何の関係もないし、追い出しの為に仕掛ける会長は悪人という設定でもないじゃないですか。意味ないです。

 もっと、一人の男の不器用な人生をきっちり描いて欲しかったですね。
エピソードに逃げすぎています。
そんな手法だと骨太な作品は作れませんよ。

スタンド・バイ・ユー

スタンド・バイ・ユー

東宝/テレビ朝日

シアタークリエ(東京都)

2015/01/12 (月) ~ 2015/01/27 (火)公演終了

なめてんじゃないよ!!!!
 まずは、決定的な<駄作>ですね。
レイ・クーニーとニール・サイモンとを無理やり一緒にして、もっと無理やりひとつの逸話にした?という感じです。

 何がしたいのか理解不能。3,800円くらいの小劇場公演でも許されるか微妙。(彼らのほうがもっと真摯な作品作っていますよ!)

 芸術座の流れをくみ、東宝という大資本が製作し、こんな物しか作れないレベルの低さに開いた口が塞がらない失望を感じました。

 ミムラさんが必死に、非現実を消化するために奮闘しているのが好感を持てますが、痛々しさを感じます。可哀そうですね。

 脚本、演出共に素人レベル!!

 企画意図…皆目解りませんね。

 反省して、きちんとした作品を作るべきです。
価格を考えると、詐欺です。

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