風鈴の観てきた!クチコミ一覧

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風変わりなロマンス / 悲しみ

風変わりなロマンス / 悲しみ

劇團旅藝人

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/06/24 (木) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

満足度★★★★

声の力
声の力を感じるとともに、そこから生み出される空間と情景に感動した。

音と言葉と身体の景色 vol.6

音と言葉と身体の景色 vol.6

身体の景色

d-倉庫(東京都)

2011/03/25 (金) ~ 2011/03/27 (日)公演終了

満足度★★★

日常にとどまるなという一言
別役実という言葉と奮闘した作家の作品を
さらに身体、身振り、踊り、叫び、肉体という側面から
主宰である岡野氏や三島氏をはじめとした役者たちが
あるときは沿い、あるときは抗い
組み立てられた舞台。

わずか5回で終わってしまうのが惜しい。
ぜひお時間のある人は見に行ってほしい舞台。


終わった後のアウタートークでの会話が途中で途切れてしまったのが残念。

ネタバレBOX

一方で気になったというか、何といっていいか分からないが
挿入歌が3回ほど入るのだけど、
それがBGMとしての再生された声が含まれている点が
私にとっては凄いノイズに感じられた。

それを解消するために歌ってほしいとかそういうわけではないのだけど・・・。
何か、生の身体、声、水の滴る音、そのなまなましさが溢れた舞台の中で
あの再生された声だけが、何か疎外されたものに聞こえたのだ。

というわけで星3つ

どうでもいいけれど、私の星は
1個は問題外
2個が可もなく不可もなく
3個がオススメ
4個は最高でも年に1個の秀作
5個は一生に一個
といった評価です。
ザ・マッチメーカー

ザ・マッチメーカー

中野成樹+フランケンズ

座・高円寺1(東京都)

2011/02/25 (金) ~ 2011/03/06 (日)公演終了

満足度★★★

スニーカー
帽子屋と結構相談の2人の女優さんがピカイチ。
彼女たちを見に行くだけでも十分価値がある舞台でした。

コメディ部分もなかなか決まっていて
終始笑いをこらえるのが大変。

ネタバレBOX

ただ、生ピアノが効果的にどうかなと思うところもあり。
今回初めて座高円寺の舞台を見たけど、正直あんまり良い箱ではない気がした。
その劇場空間の出来の悪さに、音響が損なわれていた感じ。
これは劇団の責任ではないので仕方が無いと言えば仕方なし。

それから、最後の締めは蛇足だったかなぁ。
わざわざ観客たちが分かっていることを演者がまとめたせいで
せっかくの余韻を損なったと思う。

と気になった点はもろもろありましたが、充分楽しめました。
次回の公演も期待しています。
幻戯(げんぎ)

幻戯(げんぎ)

机上風景

タイニイアリス(東京都)

2007/05/23 (水) ~ 2007/05/28 (月)公演終了

満足度★★★

自殺に向かう道程
最初から一人の人間が死んでいて
その死をどうやって原因付けていくのか?
その一点に集中していたので、見終わったあと
色々と考えさせられた。

逆に言うと、それ以外の部分は曖昧だったと思う。

はさみ男のカルテ

はさみ男のカルテ

もざいく人間

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/12/22 (木) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度★★★

裏側にあるセクシャリテという問題
はさみ男といえば、シザーハンズのことかと思っていたら
まさにそのまんまの登場人物が出てきて、さらにBGMまで使われていて
驚いた。役者はジョニーデップとは程遠い風体だが、
この物語の主人公としてとてもマッチしていたと思う。

そして、金貸しのイルカとのやり取りや
挿入されるコメディやミュージカル要素など楽しく
2時間があっという間に過ぎていった。

ネタバレBOX

ただ、やはり歌は本職ではないためか、上手いと手放しで褒められるレベルではなかった。
また、後半に行くにつれてストーリーテリングに偏ってしまっていた感がある。
あとカツゼツ。何言っているのか分からんことが多々あった。

そして、これは完全な言いがかりにすぎないんだけど
なんでハッピーエンドじゃないんだ~と思ってしまった。

最後の終わり方がうーーーーーん。
もっとイルカと山田の関係にふさわしい終わり方があったんじゃないだろうか
屋上、人質、そして、他人を傷つけてしまう刃物の腕
寄生獣のラストと比べながら、悶々として私は家に帰ったのでした。

登場人物たちはそれぞれにいわゆるノーマルではないセクシャリテ
を持っていたり、それによって苦しんでいたりする。
それが今の性別の混乱と混濁した世界によるものなのか、
意識的に脚本家がこの点を使っているのか無意識なのかは分からないけど
そうしたセクシャリテから離れた存在と関係として
金というモノ、ファンとイルカが拘る家族という関係、そして山田の存在が
あったと勝手ながら思ったので。そういった意味において
というか、こういった状況におかれているからこそ
山田には最後に犠牲になって欲しくなかった。
と好き勝手言って終わります。
新・牡丹灯籠

新・牡丹灯籠

劇団キンダースペース

シアターX(東京都)

2011/01/26 (水) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

満足度★★★

夢と現、恐ろしきはげに現の影
幕が開くと、登場人物たちの見た夢が繰り広げられ
そこから、語り部が現われたことで現実世界が展開されていく。

その導入のやり方は入り組んだ人間関係を観客たちが掴むために
大きな効果を生んでいたように思われる。

牡丹灯篭は怪談であるが、新牡丹灯篭が問うているのは
とても近代的で生生しい問いかけだった。

チラシに書かれていたフレーズが思い起こされる。

人はなぜ一人では生きていけないの?

この問いかけ自体が、あまりに近代的な問いで
江戸時代の話には齟齬をきたしそうなものだ。
しかし、その関係がたまらなく辛い。そんな舞台でした。

ネタバレBOX

ただ、あまりに舞台装置が黒一色でのっぺりした印象を受けた。
怪談という側面を前面に押し出しているわけではないので
柱などは黒一色でなくても良いのではないかと思われた。

影を使って、背景が変わる試みは面白かったものの
全体的に役者が居る場所が想像しづらく、床と地面、畳、といった
ものの使い分けが役者たちのあいだで浸透していたのかどうか、
そこまでは読み取れなかった。

また、惜しむらくは、愛着や憎悪といったような湿った感情が
それほど見られなかった点。
男と女の関係が少し、あっさりした恋愛事情のようにも見え
物語の男女の関係に比べ、薄味に感じてしまった。

それにしても、なぜ露は自ら命を絶ったのか
そして、なぜ峰はあのような企みを思いついたのか
それは2人も同じように別の夢を見たのではないだろうか
そんなことに思いをはせながら、劇場を後にした。
ペレーヴィンの卵

ペレーヴィンの卵

絶対安全ピン

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/06/25 (金) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

満足度★★★

ナンセンスではなく
完全なセリフ劇だが、物語はあってないようなもので
けれど慣れてくると勝手に脳が保管し始める不可思議な舞台。

村上春樹のくだりとか、引きこもりのくだりとか
そのあたりを入れるのが良かったのやら悪かったのやら

「競馬」「勧善懲悪」

「競馬」「勧善懲悪」

劇団キンダースペース

北とぴあ つつじホール(東京都)

2007/07/20 (金) ~ 2007/07/22 (日)公演終了

満足度★★★

時間と因果
キンダースペースの作品を見たのは2回目だけど
舞台上で流れる時間の使い方が上手いと今回も感じた。

どちらの作品も、舞台上で目まぐるしく時間が流れたり
戻ったりする。

ネタバレBOX

競馬について

主人公は競馬に狂ってしまう・・というストーリーなんだけど
狂気は感じられなかった。
また、それほど愛したはずの女性との関係が描かれていないので
もう少しエピソードがあってもいいんじゃないかと思った。
僕の東京日記

僕の東京日記

劇団伊達組

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★

ハリボテ
みんながみんなハリボテという武装をしている
そんな話。
とても抽象的な人たちがとても具体的な世界に生きている。
そんな舞台。
分かりやすそうで、分かったつもりで帰らされる作品でした。

ЖeHopмan【シャハマーチ】 池袋盤

ЖeHopмan【シャハマーチ】 池袋盤

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/07 (火) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★

活かしきれなかった個性
ルールに縛られたゲームの中で
人間の様々な面を描き出そうとした舞台でした。
最初の命令絡みのノルマのコントは面白かったけど
ゲームに入ると人が多すぎてちょっと分かりづらい。

また、それぞれに職業があるのだけど、その設定は活かされず。
そのせいかどうか分からないが、登場人物に妙なキャラ付けがされている。
これを面白いと取るのは観客次第だろうけど、
これは脚本としてはどうなんだろう?いいのこれで?と思う。
役者をもっと信頼してあげれば、キャラじゃなくて
状況に対する態度によって個性を示すことができたんじゃないかな。
2人のノルマ以外には何だか役割じゃなくてキャラで押し切った感じがした。

ただゲームのお互いのやりたいことのぶつかり合いから
人物たちの本音の場面に移る、緊張感の場面は素晴らしかったと思う。
最後は初日だったせいか、未完成のように見えたけど
色々と伝わって来るものがあった。

下北沢に続くようなので次も期待しています。

チェーホフ?!

チェーホフ?!

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2011/01/21 (金) ~ 2011/02/13 (日)公演終了

満足度★★★

絵画としての演劇
ある意味で期待していた舞台ではなかったが
予想には近かった舞台。
生オケ、豪華な装置、幻想的な舞台と
あっという間に終わってしまう上演時間。

眠りに誘われているお客さんも多かったけど
それほどこの舞台が夢の世界の入り口だったのでしょう。

ディア・パーヴロヴィチ

ディア・パーヴロヴィチ

てにどう

ザ・ポケット(東京都)

2007/05/23 (水) ~ 2007/05/27 (日)公演終了

満足度★★★

悲劇を喜劇に
悲劇的情況にある人々が観客を笑わせる。
その辺がチェーホフ。

中盤ちょっと笑えなかったけど、最後まで勢いがあって
楽しめました。

プラトーノフ

プラトーノフ

劇団俳小

シアターX(東京都)

2011/09/21 (水) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★

喜劇として
前半は終始重い空気だったが
後半からは喜劇的な場面も効果を上げていてそれなりに楽しめた。

ネタバレBOX

ただ役者の力量がバラバラだったため、アンサンブルという点ではいまいち。
目を引いた役者はオーシップと郵便局員。

しかし、あの全体で流れていた安っぽいBGMは必要だったのだろうか。
おかげで芝居が安っぽくなってしまっていた。
正直言ってあまりにも古臭い演出だった。
エウメニデス

エウメニデス

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2007/09/14 (金) ~ 2007/09/23 (日)公演終了

満足度★★

伝えたいことの混濁
いわゆるコロシアム型というか、観客が舞台を取り囲む形式の舞台。
音楽はベースのみ、あとは歌や踊りあり。

なんていうか、ポイントがどこにあったのかが
全くつかめずに終わってしまった。
母殺しをテーマにしているのに、怨念は説得力ないし
裁判は形式的なもので、どうも・・・
裁判を批判している劇ではないので、その部分も良く分からない。

そして、何より様々な細かい試みが、ことごとく邪魔になっている気がした。
カオスを表現したいものは陳腐に映ったし
コスモスもまたこれ然り・・・・

そして役者さんに目を向けることもなかった。
うーん、個性を発揮しにくい舞台だったかな。

かもめ

かもめ

TPT

上野恩賜公園・不忍池水上音楽堂(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/19 (木)公演終了

満足度★★

しんどかったのは暑さのせいだけじゃない
屋外での公演、異常なまでに暑い夏、上野という都会の騒音

そういったネガティブな状況は、とりあえず棚に置くとしても
もっと練れたんじゃないかと思えた舞台

ネタバレBOX

ラストシーンでトレープレフが死なないのは賛否両論だろうけど
もはや現代で自殺などというものはありふれた事象で
何の衝撃も与えないし、芝居で嘘をやるくらいならああいった終わり方でも
私は良いと思う。

以下、どこら辺が駄目だったのか
不快に思う人もいると思うのでネタバレに

まずトレープレフとニーナ。
恐らく2人ともハーフと思われる端正な顔立ちで、美しい身体つきだった。
しかし、台詞が全部同じテンポで、ただただひたすらに次から次に喋るだけ。
そのため観客の感情移入も出来ないし、どこを伝えないのか
何を表現したいのか、まったくもって届いてこない。

演出家は2人に何か言うべきだったんじゃないだろうか?
まだまだ若いし地力もありそうなので今後に期待。
テンポが速いのは良いとしても延々とテンポが変わらないのは改めるべきだったと思う。

マーシャ
これは彼女のせいではないかもしれないけれど死に間が多い。
なんで突っ立っているのか分からないところがあるし、
そのせいでやり場のない笑顔を見せるのだけど、それが場面にそぐわないところが見受けられた。とくに第4幕。

ポリーナ
いや若い人を使ったのはいいけど、マーシャと親子には見えない。
別に見えなくてもいいなら、もう少しドールンとの絡みをしっかりやらないと
せっかくの見せ場なのに、なだらかに終わってしまった。

ドールン
かもめの台詞に、「ホテルの部屋で台詞を覚えている時間が幸せ」というものがあります。

アルカージナ
登場する中で唯一と言っていいほど良かった。
ただ、トレープレフとの絡み、トリゴーリンとの絡みで相手が受けられてない
せいでかわいそうな気がした。

トリゴーリン
台詞があって、それを喋っている感じで
トレープレフやニーナもそうだったように
メリハリが無い。
特に作家としての使命を語る部分と、ちょっとした短編の題材を語る部分が
まったく同じ調子なのはいかがなものかと思う。
いま思いついたことと、考え続けてきたことが同じなわけがない。

結局、何か場面や状況に対して意志めいたものを持っていたのが
もしくは、それを表せていたのはアルカージナだけだった。
第4幕のニーナとトレープレフに見るべきものはあったけど
そこに到達するまでに問題がありすぎて、もっともっと良くなったはずだと思う。

そして、その状態で上演しているのは
全て演出家の責任。

音楽を使ったり
オバーザレインボウを歌ったり
そういった演出には好き不好きがあるだろうけど
もっと基本的なことが出来ているからこそ
そういった演出は映えるのであって
この状態では単に機をてらったと言われても仕方がない。

もっともっと個人の役者と向き合って
その個性たちを『かもめ』という舞台で活かしてあげて欲しかった。

そして、何のために『かもめ』をやったのか
それが分からなかった。
6号室

6号室

劇団黒テント

イワト劇場(東京都)

2011/02/02 (水) ~ 2011/02/06 (日)公演終了

満足度★★

飽和状態の台詞
六号病棟という建築物とビルを改築したイワトという劇場は
上手くマッチした空間だったように思う。

ただ、若手育成ということもあり
役者たちの演技はまだまだ改善の余地ありという印象。
もう少し稽古の間の演出などで、直せる部分はあったんじゃないだろうか。

ネタバレBOX

特に女優陣の台詞が、機能の違う言葉を全く使い分けられていなかった点が
あまりにも目立って拙い印象を受けた。
それを演出家は役者に意識させるなりして直さないと
役者のためにも舞台のためにもならない。
当然ながら勢いや声の強弱で演技は成り立たない。

また、小説から戯曲化をしているのだが
小説が戯曲になりきっていない。
戯曲はもっともっと無駄を省いて、観客の想像力や意識が入り込む隙間が
無いと(没入させるとかそういったレベルのことではなく作品として)つらい。

それが顕著なのが、台詞が飽和状態であること。
あまりに人々の語る言葉が説明的で長いため
演技の支障となっているし、聞くものはそれだけを追うしかない状態になっていた。
もっと、演出家は作品全体を自分のイメージした役者や観客と一緒に
舞台を考えるようにした方が
もっともっと良い作品が出来上がると思う。

ただ、後半に行くにつれ良くなっていたし
様々な試み自体は面白かった。

この経験を糧にした、次の舞台に期待。

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