ナノ クライシス ポルノグラフィティ
演劇集団 砂地
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2009/10/21 (水) ~ 2009/10/26 (月)公演終了
満足度★★★★
生々しさこそアート
なんともいえない高揚感で目が離せない。営みは日常であり非日常、当事者でもあり傍観者でもある。舞台を見下ろす形での客席だったが決して覗き見風ではなく、事例紹介されているような気分だった。
ともだちのいもうと
RONNIE ROCKET
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/10/20 (火) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
信じつつ、疑いつつ。
話が進めば進むほどぐいぐいと引き込まれました。前半、ややもったいぶった感じでなかなかどうなるやらわからず、もぞもぞしましたが。これ、お芝居よりも映像のほうが向いてるんじゃない?なんて思ったり。が、ふっとたぐり寄せるべき糸が掴めてから、するするっとこの世界にはまり込み、最後には不覚にも涙が出そうになりました。
リアルじゃない部分がとってもチープで、それが妙に心を惹く感じでした。
深情さびつく回転儀
電動夏子安置システム
サンモールスタジオ(東京都)
2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
脳みそフル回転で
がんばっても掬いきれないややこしさ。癖になります。でも深追いせずにさらっと観てもたぶんおもしろい。むしろその方が観終わった後すっきりするのかも。追いかけすぎると拾い切れなかったところが気になってもやもやしちゃうから。私は追いかけて追いかけて、謎は残ったけど、最初から最後まで夢中で観てしまいました。
追いかけたければ当パンをよーくよーく読んで頭に入れてからがいいかと思います。
これだけのややこしさの中で、見事にコメディに作り上げる俳優さんたちは見事。シリアス部門とコメディ部門と役割分担があるのかと思いきや、、、だし。
エンディングは偶然に任せて6通りあるそうです。気になってリピートしたくなりそうだったら早めに行っておかないと。
カムパネルラ
Oi-SCALE
SAI STUDIO komone(東京都)
2009/10/08 (木) ~ 2009/10/13 (火)公演終了
満足度★★★★
意外!
「残された人間/ジョバンニ」を観ました。Oi-SCALE は数作品観ましたが、今回が一番好き。どこかの片田舎の不良たちのその後、的な世界を描く劇団かと思ってましたから。まさか宮沢賢治の世界を描くとは。そしてそれがここまでしっかりきっちり出来上がるとは。題材の意外さと、Oi-SCALE らしい映像や照明の使い方がぴったりマッチして、一気に観ることができました。
て
ハイバイ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/09/25 (金) ~ 2009/10/12 (月)公演終了
満足度★★★★★
増席ですって。
どこのどの場面を切り取ってもハイバイはハイバイで、笑って泣ける。家族って普遍的に通用するもので、一見特殊な他人の家族なのに、登場人物の誰かは自分で、どこかに強烈に共感してしまう。不思議です。作品自体は吸引するよりも突き放してくる印象なのに。
来週末しか観られない方は今がチャンスのようで。また予約をうけつけてるみたいですね。
トラベリング・オン・ザ・シャーレ
カムヰヤッセン
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/09/02 (水) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
脚本の力。
開演前から始まってる芝居。俳優としての北川さんのもつ空気がすごく胡散臭くて思わず近寄って行ってしまいました。
タイムトラベルものでしたけど、設定や作品の中でのルールがきれいにまとまっていて、それが見えた瞬間に物語に引き込まれました。オチがすとーんと入ってきます。
切なくて温かくて、泣きながらなんとなく幸せな気持ちになれました。
花とアスファルト
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2009/08/01 (土) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
心地よく、そしてきゅんとくる。
この世界観はどうにも抗えないです。すーっと染み入ってくる不思議な説得力。団地の住人にクマがやってくるっていうのに。ありえないじゃん、嘘にも程があるじゃん、そんなメルヘンにだまされるほど純粋じゃないんだよ、って逆らいながらも、それでもクマと住人の交流に胸を打たれてしまうんです。うそっこやら作り物やらに飽き飽きしてても、ふんわり浮かび上がらせられちゃいます。
3人いる!
リトルモア地下
リトルモア地下(東京都)
2009/07/31 (金) ~ 2009/08/12 (水)公演終了
満足度★★★★
やっぱりいい。
けど、なんか思ったよりフツー。12バージョンあればオーソドックスな日もあるってことなのかしら。一幅の絵のような視覚的な美しさと、一匙のホラーテイストを感じました。
73&88【満員御礼!】
カニクラ
アトリエヘリコプター(東京都)
2009/07/15 (水) ~ 2009/07/19 (日)公演終了
満足度★★★
もう一息。
アイディアとしてはとってもおもしろい。俳優同士が会話を繰り広げる中で出来上がっていったという脚本は、どこまでが俳優本人でどこからが虚構なのかっていうのも探り探りでとってもそそられます。
ただ、それだけで終わってしまった感じも。もっとお話としても盛り上がりがあって登場人物4人ががっつり向き合うシーンがないと、もったいない。
ジプシー
ゲキバカ
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/07/11 (土) ~ 2009/07/20 (月)公演終了
満足度★
やっちゃった。
期待が大きかっただけにちょっと評価は厳しめです。ほんとどうしちゃったの?というくらいに私には合いませんでした。前回の劇団員だけの男芝居が好みだっただけに、すごく辛かったです。
ダンスシーンの切れはすばらしかったです。
キドクラッチ
MCR
中野スタジオあくとれ(東京都)
2009/07/08 (水) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
すっばらしい座組みでかわいいお話。
めっちゃお気楽に観に行きましたけど、こりゃすごいですわ。あたたかくてやさしくて暴力的でぶっとんでて。どの切り口をとってみてもいい。
あまりに好みの俳優さんだらけだったのでつい2回観に行きました。笑えればそれで満足、的な甘甘な目線でした。けど、そんな期待を大きく外して、笑わせながら物語として包み込んでくれるっていう、主宰櫻井氏のすごさを思い知らされる作品でした。
一言一句逃さずに楽しみたい。そしてそこに込められた想いを感じたい。
奇ッ怪
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2009/07/03 (金) ~ 2009/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★
さすがですっ!
七夕の夜にとっておきの怪談を楽しませていただきました。音や光の効果で客席から声が上がるほど。池田成志さんと小松和重さんのゆるゆるコンビはすばらしいです。
イヌ物語
劇団サーカス劇場
シアター711(東京都)
2009/06/24 (水) ~ 2009/07/05 (日)公演終了
満足度★★
入り込めるかと思ったのに。
サーカス劇場のテイストと思って観ているから、途中まではついていけました。俳優さんの味はかなりいいし。けど、どうにもアングラ色とリアルな背景のバランスの悪さをもてあましてしまいました。
ヨシザキ、カク語リキ
バジリコFバジオ
劇場MOMO(東京都)
2009/06/19 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了
満足度★★★★
相性が良い
福原さんとバジリコのテイストって意外に合っちゃってる。それは脚本の佐々木さんが苦労した結果なのかもしれないけど。ギャグマンガをそのまま舞台に載せたって言われてもそうだよね、って納得してしまうくらいのバカバカしさが、バジリコのいつもの雰囲気を壊さずに流れていく。爆笑じゃない変にこみ上げてくる笑いが楽しくってしょうがない。客演もキレイにはまっていて。
空耳タワー
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2009/06/16 (火) ~ 2009/06/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
観れども観れども。
飽くことなく。先がわかってしまうマイナスを差し置いてもこれはいろんな角度から何度も味わうべき作品。
いつもながら抜群の俳優さんたちの魅力を緻密にこつこつと積み上げた結果出来上がった、タワーの土台をこの辺叩いてみたらどう?くらいにこつっと叩いてみたら意外なほど大きな衝撃が生じちゃった、っていうのを、てっぺんでくらくらしながら味わう感覚。
「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』
コマツ企画
RAFT(東京都)
2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
傑作だったかと思います。
二度にわたって書くのもなんか気が引けますが、恐ろしくよかったので。構成、わかっていてもぞくぞくする。自分にしかできない作品を自分で書いて、すべて自分でっていうのはかなりの冒険でしょうが、これは成功。究極の自己表現。
LOVE2009 Fujimi preview
東京デスロック
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)
2009/06/10 (水) ~ 2009/06/10 (水)公演終了
満足度★★★★★
条件反射なのかしら。
このところデスロックを観ると、涙腺の緩み具合と笑いの噴出ぐあいが我ながらおかしくなる。ふとした瞬間に笑っちゃうし泣いちゃう。自分でもわからない部分でくすぐられる気持ち悪さがあります。今回も、LOVE自体初体験でしたけど、幸せなひとときになりました。愛を感じては泣き、感じられなくて泣く。どの部分をとってもデスロックの基本路線であり、集大成でした。
「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』
コマツ企画
RAFT(東京都)
2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了
満足度★★★★
セルフプロデュース力の高さにびっくり。
俳優・川島潤哉のおもしろさはコマツ企画を観ても、どの客演先を観ても明らか。だから一人芝居になっても当然キャラ押し、演技重視で来ると思ったら。。。見事な形で裏切ってくれました。構成・脚本・演出、ちゃんと自分の見せ方を知ってるからできる表現。当日パンフにもありましたが、一人芝居というよりは一つの表現の形として成立したおもしろい作品でした。
「リサイクルショップ『KOBITO』」
ハイバイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/06/05 (金) ~ 2009/06/16 (火)公演終了
満足度★★★★
混乱の具合が
すごくそそります。おもしろいもの、作りたいもの、みたいもの、みせたいもの、そのあたりのバランスの取りかたに少し迷いっていうのか、振れ幅があるように思います。だからどう転がっていくのかがひどく気になる。
全体を通して引っ張れられるっていうよりは、あ、ここ、っていうポイントがいろいろなところに散りばめられていて、どれだけ拾えたか、気になっちゃう。
花のゆりかご、星の雨
時間堂
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/06/02 (火) ~ 2009/06/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
ストレート過ぎるくらいの想いにほろり。
本当に素敵な空間。芝居を観に行ってこんなにもてなされてる感を味わえることはそうそうない。(椅子のすわり心地は悪いけど。)心からくつろぎたいと思いながらの開演。本当に素直にゆったりと空間に浸り、びっくりするくらい切なくもまっすぐなお話に心洗われました。
外部での演出も多い黒澤さんなので、どのあたりで差別化していくのかも興味があったけど、劇団としての再出発にあたってのあり方、作風、見せ方、しっかり考え抜かれてこうした、という感じの信念を感じ、これなら追いかけて行こうと思いました。さらけ出してこうなんだよ、って言われて、こっちも開かなくちゃいけないようなどきどきと、そうしても大丈夫と思える安心感、両方を感じることができました。
時間堂カフェがあるとは知らずに行ったのはちょっと失敗だったな。その気で行ったらもっと楽しめたのに。ビールやジュースだけじゃなく、お薦めワインや自家製梅酒、コーヒー紅茶まで揃っているのは素晴らしい。何度も観て毎度入り浸りたい雰囲気でした。