花とアスファルト 公演情報 青☆組「花とアスファルト」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    心地よく、そしてきゅんとくる。
    この世界観はどうにも抗えないです。すーっと染み入ってくる不思議な説得力。団地の住人にクマがやってくるっていうのに。ありえないじゃん、嘘にも程があるじゃん、そんなメルヘンにだまされるほど純粋じゃないんだよ、って逆らいながらも、それでもクマと住人の交流に胸を打たれてしまうんです。うそっこやら作り物やらに飽き飽きしてても、ふんわり浮かび上がらせられちゃいます。

    ネタバレBOX

    団地の自治会っていう妙に生活に根付いた場を舞台にしているのも鍵なんでしょう。そこに出席している人々の生活は群像として生々しく描かれます。新参者としてクマが参加するようになって、少しずつ意識や関係性が変わっていくのが、クマがいるっていう突飛さを超えて伝わってきました。

    さらにそこにクマさんの、メルヘンでありながら異形としての存在っていう心理がかぶってきて、切なくなるんです。人間社会に溶け込もうとする努力やそれが叶わない孤独、関わってくれる人をとても大事にして、でもやっぱり自分の元のコミュニティも大切で。そういう気持ちが実直な表情からじんじん伝わってきます。変装すらしてないのにちゃんとクマに見えるマジック。

    黒澤世莉さんと吉田小夏さんのアフタートークを聞いて、私がこの作品を好きだと思った理由がおぼろげながらわかった気がしました。
    交流する人間の密度というかコミュニケーションの濃さっていうか。そういう部分を重視した見せ方をしてらっしゃるとのこと。だからなのか、クマを演じた荒井志郎さんとクマと親しくなる住人役の羽場睦子さんの印象がすごく残る。設定や会話の中身ではなく、そこにおける俳優同士のあり方に引きつけられてたのね。

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    2009/08/07 23:24

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