満足度★★★★
小さな波紋
ある団地を通り過ぎるある季節。
小さなさざ波が立った時、人はその波をどうするのか?
受け入れること、拒むこと。
同調すること、反発すること。
見つめあうこと、見ぬふりをすること。
小さなコミュニティに引っ越してきた、よそ者をめぐるあるお話。
満足度★★★★★
花とアスファルト
初めて舞台を観ました!
正直メチャ面白かったです。
リアルにクマを想像すると、あの空間にいること自体が面白かった。
クマを演じる役者さんの動きも時々クマそのもので笑えました^^。
舞台特有だと思ったことは、複数の人がそれぞれ出てきて、バラバラな動きをしているときに一人が主役だと他の人が背景になるんですね。そして、また主役が代わって・・・これって、映画とかじゃ有り得ないから面白かったなぁ。
あと、一人の子共に対して3人のお母さんが出てくるシーン。
少しずつ表現の仕方が違って、印象的でした。
それから、暗転したかと思ったら、いつの間にかシーンが代わっていたのも驚きました。真っ暗な中、どうやって役者さんは自分の位置を確認できたんだろう???
舞台って面白いんだなって思えた作品でした。
また、観てみたいです。
また作品を生み出してください。応援しています。
満足度★★★★
森はどこにある
種のものがたりなんだろう。
物語が進むにしたがって、なんだかクマに妙に肩入れしてしまい、涙が出てきた。
さみしかったガキの頃のこと思い出しちゃった。
この作品は道祖神のよう。
やさしい顔で笑っているけど、土地のかなしみを吸い込みすぎて、少し顔が欠けている。
満足度★★★★
楽しめました
食べたり、合唱するシーンが必ずあるシリーズもの、というのは冗談ですが、自然な会話の中で、ベースに流れる「静かな違和感」がうまく表現されていました。
そこに「強烈な異物」が乱入しても、「静かな違和感」の延長線上で描かれているところは、演出に工夫されていたところを感じました。
途中、少し眠たくなりましたが、全体として楽しめました。
満足度★★★★
会話劇を楽しめました
久しぶりに観た会話劇(静かな演劇)で、その会話に集中して
楽しめました。
熊が出てくるんだけど、これが、どのように団地生活に
絡んでくるのか、劇場で確かめてみて下さいね。
役者さんも、皆さん上手なので話に集中できます。たまには、
このような会話劇もいいなぁというのが感想です。
満足度★★★
繊細すぎて苦手かも…
特に起伏のある物語が発展・展開していくわけでもなく、日常の中の小さな変化といった、そんな空気感を楽しむような淡い感じの作品でした。
演劇よりも、絵本とかアニメとかで表現したほうが良いストーリーなのかもしれません。
趣味や感受性の問題でしょうけれど、あまり、自分向けの演劇ではなかった。続きはネタバレボックスへ。
間違ってなかった。
かつて青☆組の長編を観た際に「もっとディフォルメやファンタジーに偏るのもありかも」という趣旨の微妙なコメントした事がありますが、外れていなかったかなと。未見の方は『じゃあ今回はファンタジー色が強かったのか』と思うでしょうが、むしろハッキリとしたヒューマンドラマでした。大事なのは人と接する「クマ」の存在をよく見る事。このクマは誰の身の回りにも必ずいるはず。
老若男女の誰が観ても何かしら通じると思います。子供に観てもらいたいですね。とはいえ子供向けという意味ではありません。むしろ大人がその身に置き換えて実感する物が多くあるはず。自分自身がもう大人になってしまって後戻り出来ないので、まだ間に合う子供には今の内に観ておいて欲しく思うのです。
『普段仕事で疲れてるから休日に演劇なんか観て余計に疲れるのは嫌だ』と思ってる方にオススメします。これは疲れません。
満足度★★★★
心地よく、そしてきゅんとくる。
この世界観はどうにも抗えないです。すーっと染み入ってくる不思議な説得力。団地の住人にクマがやってくるっていうのに。ありえないじゃん、嘘にも程があるじゃん、そんなメルヘンにだまされるほど純粋じゃないんだよ、って逆らいながらも、それでもクマと住人の交流に胸を打たれてしまうんです。うそっこやら作り物やらに飽き飽きしてても、ふんわり浮かび上がらせられちゃいます。
花もアスファルトも
いとおしい
私はそう感じます。
チラシから想像される、繊細で優しげな雰囲気を纏いつつ、日常に潜むきしみや毒が時折あらわれる、なかなか好みの舞台でした。
音楽や効果音は極力排されており無音の場面も多く、いい意味でけっこうな緊張感を強いられました。
満足度★★★★
ほんわかしました
確かに川上弘美っぽいかんじですが「くまやまださんとわたし」という童話のほうがイメージ的に似てた気がしました。
くまがちょっとホロニガですが、とても寂しげ爽やかなかんじで癒されます。白いポールと椅子しかない舞台もなんだかシンプルで面白かったです。
いつのまにか群像になってたりとか面白いです。
ハイホー
川上弘美の『神様』をモチーフにしつつ、アーヴィング、さらにはヴォネガットを感じさせる文学的な作品。クマの丁寧な口調だけですぐさま涙してしまったのは、こちらの過度な感情移入もあっただろうか。できることならば、対比としての必要性は認めるも、俗なるものを極力排した、純化した物語であればとてつもなく好みだったのだけれど。
満足度★★★★
リアルさ・説得力
黒い空間に白い円形のテラスが組まれている。テラスの上には白いイスがひとつ。
下は白いイスが円形に置かれ、舞台左手には太さの違う白い円柱が何本もそびえていた。
白と黒の空間に青と緑の照明が落ちている。
抽象舞台っぽい。
客層は若い人(20代前半)が多い印象。
春風舎はキャパ少ないんですね。小さいハコでびっくりしました。
春夏秋冬と時の流れがあり、舞台上で団地の人々の日常が進んでいく。
それぞれ家庭に抱えているものがあり、互いに関わり合い、時に遠ざけ合うリアルな距離感と関係性。
その中での「異質さ」や「陰」という「甘い毒」の描き方が印象的だった。
確かにそこにある何の変哲もない日常を見ているのだが、
痺れ薬を飲まされてずっと弱い毒におかされたまま見ているような印象。
役者たちの演技が丁寧で、安心して見れた。
そこには確かに会話があったし、説得力がある。リアルだった。
「くま」というファンタジー感あふれる存在を交えてなお、現実的に見せる演出が見事。
それでいて「くま」と人間とかかわる中で発生するリアルな笑いが良かった。
常に全裸ですけど、あ、そうですよねーwという笑いとか。
思わずあるあると頷いてしまう。そういう笑い。
見終えた後になんだか心地よくなってしまう、
それでいて考えさせられる芝居でした。私はすきです。
これからも青☆組に期待しています。
ご招待ありがとうございました。
満足度★★★★
たとえクマが来ても日常は繰り返され、続く
吉田小夏さんの、というか青☆組の雰囲気は肌に合うようだ。
やっぱり、前作と同様に「品の良さ」を感じた。
そういう視線で観ているから、そうとしか見えないのかもしれないが、生成りの衣装や木材そのものの装置の色合い、役者の会話、立ち居振る舞いなどにそれを感じる。
ゆるやかな、日常の時間が過ぎていく。
繰り返しで満ちる空気が揺らいで
団地の空気の表現が
すごくしなやかで秀逸。
新しい住人たちからやってくることでのゆらぎが、
ゆるやかに沁み入るように団地のなかに伝わっていくなかで、
変わらずに流れる時間が浮き彫りになっていきます。
新しい住人たちの感覚がみずみずしく伝わってきて、
舞台上の非日常や
そこから垣間見える日常の世界にまで浸りこんでしまいました。
満足度★★★★★
異質者との距離感
或る団地に、本物の「クマ」が引っ越してくることからはじまる物語。
どうやら、世の中には、一定程度、本物の「クマ」が、言葉をしゃべり、人間と一緒に暮らしているようだ。