花とアスファルト 公演情報 青☆組「花とアスファルト」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    異質者との距離感
    或る団地に、本物の「クマ」が引っ越してくることからはじまる物語。
    どうやら、世の中には、一定程度、本物の「クマ」が、言葉をしゃべり、人間と一緒に暮らしているようだ。

    ネタバレBOX

    田舎にあると思われる団地では「クマ」を見るのは初めてという人がほとんどだが、ニューヨークにはたくさんいるらしい。ニューヨーク帰りの娘は、「クマ」とルームシェアをしていたという。

    一見寓話の形を取っているが、この物語は、突然、入り込んできた異質者とのどのように接するか、それを観客一人ひとりに問いかけていたように思う。
    異質者とは、現在の日本でいえば、「外国人」と置き換えればわかりやすい。
    「外国人」を何の違和感もなく受け入れることができる者、外見だけで、危険と決め付け本質を知らずに拒否する者、同じような境遇にあることで親近感を覚える者。あなたはどうですかと聞かれている気がした。
    「クマ」が発する、”一見知らんぷりしながら、影でじろじろ見られるより、興味本位でもじろじろ見られるほうがいい”ということは、彼ら異質者の本音ではなかろうか。

    舞台は役者の台詞回しも美しく、ところどころ、笑いを誘うようなせりふもあり、全体としてほのぼのとした雰囲気をかもし出していたが、私のは今の日本を風刺するシニカルなストーリーのように感じられた。

    たいへん楽しめる舞台であった。

    0

    2009/08/02 23:01

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大