満足度★★★★
リアルさ・説得力
黒い空間に白い円形のテラスが組まれている。テラスの上には白いイスがひとつ。
下は白いイスが円形に置かれ、舞台左手には太さの違う白い円柱が何本もそびえていた。
白と黒の空間に青と緑の照明が落ちている。
抽象舞台っぽい。
客層は若い人(20代前半)が多い印象。
春風舎はキャパ少ないんですね。小さいハコでびっくりしました。
春夏秋冬と時の流れがあり、舞台上で団地の人々の日常が進んでいく。
それぞれ家庭に抱えているものがあり、互いに関わり合い、時に遠ざけ合うリアルな距離感と関係性。
その中での「異質さ」や「陰」という「甘い毒」の描き方が印象的だった。
確かにそこにある何の変哲もない日常を見ているのだが、
痺れ薬を飲まされてずっと弱い毒におかされたまま見ているような印象。
役者たちの演技が丁寧で、安心して見れた。
そこには確かに会話があったし、説得力がある。リアルだった。
「くま」というファンタジー感あふれる存在を交えてなお、現実的に見せる演出が見事。
それでいて「くま」と人間とかかわる中で発生するリアルな笑いが良かった。
常に全裸ですけど、あ、そうですよねーwという笑いとか。
思わずあるあると頷いてしまう。そういう笑い。
見終えた後になんだか心地よくなってしまう、
それでいて考えさせられる芝居でした。私はすきです。
これからも青☆組に期待しています。
ご招待ありがとうございました。