花とアスファルト 公演情報 青☆組「花とアスファルト」の観てきた!クチコミとコメント

  • 間違ってなかった。
    かつて青☆組の長編を観た際に「もっとディフォルメやファンタジーに偏るのもありかも」という趣旨の微妙なコメントした事がありますが、外れていなかったかなと。未見の方は『じゃあ今回はファンタジー色が強かったのか』と思うでしょうが、むしろハッキリとしたヒューマンドラマでした。大事なのは人と接する「クマ」の存在をよく見る事。このクマは誰の身の回りにも必ずいるはず。
    老若男女の誰が観ても何かしら通じると思います。子供に観てもらいたいですね。とはいえ子供向けという意味ではありません。むしろ大人がその身に置き換えて実感する物が多くあるはず。自分自身がもう大人になってしまって後戻り出来ないので、まだ間に合う子供には今の内に観ておいて欲しく思うのです。
    『普段仕事で疲れてるから休日に演劇なんか観て余計に疲れるのは嫌だ』と思ってる方にオススメします。これは疲れません。

    ネタバレBOX

    人と人のコミュニケーションに希望と絶望の両方を抱いている自分にとっては、とてつもないバッドエンドでした。出会うから別れがあり、お互いに育んだものだけ残して相手がいなくなるから喪失感がある。心を閉ざした人々は出会っている様で出会っていないし、相手と何も育んでいないから別れても喪失感がない。クマはあの後きっと言葉を忘れて、いずれは喋れなくなる気がしました。森で幸せに暮らせば街で人と暮らした事も過去として薄れていく。経験談ですが、久々に実家に戻ったら飼っていた犬が老齢で自分を忘れたらしく吠えられた事があります。しばらく撫でていたら尻尾を振ったけど思い出してくれたのかどうかは分かりませんでした。初めて会ったけど優しくしてくれる人、と思われていたのかもしれないし。クマはいつまで鈴木さんの温もりを覚えていられるのかな。
    それとは別に、都会での生活に夢やぶれた人のIターンを重ねてみたりも。こちらの場合は下手に覚えているからこそ捨てきれずに新たな生活へ移行出来ないもので。クマが森でちゃんとやっていけるのかが心配になります。
    主婦が三人になるところ。初めはダルカラの「15分しかないの」みたいに見えたけど、意図はきっと別物。「あの妻は夫の三倍の勢いがあるのか」って感じたので、それで良かったはず。

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    2009/08/08 06:14

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