若干マヨの観てきた!クチコミ一覧

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さわやかファシズム(無事公演終了!ご来場まことにありがとうございました)

さわやかファシズム(無事公演終了!ご来場まことにありがとうございました)

INUTOKUSHI

王子小劇場(東京都)

2012/10/03 (水) ~ 2012/10/14 (日)公演終了

つくづく
自分はこういうのを楽しむセンスがないんだなと思いました。私自身の問題なのでしょう。不謹慎な内容云々というより単純に「笑い」として「コメディ」として面白さを感じませんでした。「爆笑レッドカーペット」でいう小笑いとか中笑い程度のネタを、ノリや勢いでごまかしている感じがしました。満足度は「評価しない」にします。

ネタバレBOX

ネタバレというか私自身の話。
最後のサイリウム、受け取らなければよかった。立たなければよかった。振らなければよかった。役者さん達が一生懸命やっていることは充分伝わったから、それに応えなきゃと思った。でも多分それは間違いで、自分は空気を読まず座っていればよかったのだと思う。サイリウムを振っている時、限りなく殺意に近い悪意みたいな感情が芽生えて、どうしようもない気分になった。この舞台を作った人間をぶん殴ってやりたいと思った。
作品としてあのような表現が許されるのなら、私がこの場でこういうことを書くのも許してほしい。作・演出家の方が「そういうことを言う奴もいるだろう」と理解してくれると信じて、分かってくれると信じて、敢えて書く。
私は、作・演出家の顔を、原型を留めなくなる位、殴ってやりたかった。そんなことを考えながら家に帰った。(もちろん考えるだけですぜ。実際にやるわけじゃない、当たり前ですけど)。
作品として有りか無しかと問われたら有りと答える。無しと言うのはよくない。
封じられるべきじゃないと思うし、続けばいいと思う。でも俺は嫌い。要はそういうことなんだと思います。
傘月(サンゲツ)

傘月(サンゲツ)

乞局

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/10/10 (水) ~ 2012/10/17 (水)公演終了

満足度★★★★

家。
「家」とは何か。住むとは何か。誰かと同居するとはどういうことなのか。重すぎもせず軽すぎもせず、適度な笑いを含めながら心の在り方、微妙な揺れ方、すれ違い方を織り交ぜ、ヌルッと駆け抜ける2時間。面白かったけど、観たあと、心に刻まれる何かがもうちょっとだけ欲しかったなぁと思います。ところで「15歳未満入場不可」の意味がよく分かりませんでした。内容的には何の問題もないと思うのですが…。

ネタバレBOX

「人」という字は人と人が支え合って出来ているというが、実際には片方が一方的に支えて、もう片方は寄りかかっているだけ。なんて笑いのネタでよくありますが、本当にそうで、そういう微妙な力関係で成り立つ人間関係の描写は好きです。
あと「家」特有の空気をぶち壊して乱入する「営業マン」は面白かったですね。
ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

おぼんろ

ゴベリンドン特設劇場(東京都)

2012/09/11 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

嫌いになれないよ。
場所は廃工場で、駅から遠くて、一週間くらい前まで暑いと言われて、今は寒いと言われて、それでも35人以上が評価して平均4.9。なんじゃこりゃ?ということで自分の目で確かめてきました。
 
着いた場所は本当に廃工場。「ここでやるんですか?」と思わず訊いてしまったほど。出演者たちが出迎えてくれて、しばし談笑。出入り口のシャッターが下りて、暗くなって、ちょっとの沈黙。目を開けると、先ほどまで気さくに語らっていた劇団員たちは「語り部」となり、目の前に広がる世界は「物語の中」となる。
 
あの日は風が強くて、開始から一時間くらい経った頃かな。シャッターを揺らす音が一段と大きくなって、少しだけ気が緩んだ。帰りの電車のことをちょっとだけ考えて、あたりを見回して、そういえばここは廃工場だったのだと我に返った。「語り部」が僕のすぐ横を駆け抜けて台詞を放つと、僕の意識はまた「物語の中」に戻った。あの日僕は物語を観てきたのではなく、物語の中に入ってきたのだと思う。
 
どんな物語かは観てのお楽しみだけど「一途な想い」の物語だと思います。これを観たらおぼんろを嫌いになれないですね。
 
ちなみに平日20時開演だと、帰りの電車は男の徒歩で歩いて木場駅に22時30分過ぎって感じでした。

ボクの四谷怪談

ボクの四谷怪談

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/09/17 (月) ~ 2012/10/14 (日)公演終了

満足度★★

手練手管
橋本作品、蜷川作品をある程度知っている人たちの間で、問題作、異色作、実験作、意欲作などと称して語られればよいのであって、単体としては評価し難いというのが本音。これが、ぽっと出の作・演出家の作品で、無名の劇団員が演じたら評価されないと思います。そういう意味では「名声ありき」の作品と言えるでしょう。副題の読みは(そうおんかぶき)の方がいいと思います。(ロックミュージカル)だとちょっと違いますね。

ネタバレBOX

ある劇作家は言った。四谷怪談は「誰かを想う」物語だと。岩は伊右衛門を想い、喜兵衛は梅のためを想い、小平は又之丞を想った。
この作品はそういう「想い」をことごとく切り捨て、憎しみや怨みといったマイナスの感情もばっさりカット。岩は毒を盛られず病死し、伊右衛門は人を殺さず、袖や直助は事故で死ぬという、どうにも素っ頓狂な内容になっている。
想いも怨みも無いのにそれでも眼前に現れたお岩の亡霊に伊右衛門は困惑し、「俺が何をしたのか」と問う。そして自分と、「ボク」と、向き合うことになる。「ボクの四谷怪談」。
 
本来なら感情面で盛り上がるはずの場面を軽くいなしているから、観る側の心も動かず、感情の波は終始真っ平らで盛り上がる所がない。それでも休憩含めて約3時間半、飽きないのだから不思議。
「ちっとも面白くないが、まったく飽きない作品」に仕上がっている。その点、ぽっと出の演出家には創れない作品と言えるでしょうね。それだけは間違いないと思いました。
無差別

無差別

柿喰う客

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2012/09/14 (金) ~ 2012/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

日本!
日本に生まれてよかったなーとしみじみ思います。森とか山とか神様とか、様々なことが喚起させられて、観ている時も観た後もジワジワと色々な想いが掻き立てられます。その辺に生えている木にも何かが宿っている気がして不思議な気持ちになりました。この作品を海外の方が観たらどう映るのでしょうね。作品を観て日本という国を改めて意識したのですが、逆に言うと(という表現が正しいのか分かりませんが)、観て思ったのは、平成という時代の難しさ、平成の今を画くことの難しさ、平成の中に日本を見ることの難しさ、ですかね。なんかそんなことを感じました。「言葉」に関するアフタートークも面白かったです。

フリル

フリル

アマヤドリ

王子小劇場(東京都)

2012/09/08 (土) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

たゆたう。
確かに静か。確かに「何が言いたい?」という感じ。でもよかった。例えるなら、インストゥルメンタル系バンドが気まぐれで歌詞付きの曲書いてみましたみたいな感じ。観客を目掛けて飛んでくるというより、あたりに放たれるような台詞たち。そんな風に散りばめられた台詞の中に、確かにはっきりと脳裏をかすめる台詞やシーンがあって、そうして心に触れたものが頭の中で散り散りになってしまわないように拾い集めたり、つなぎ止めたりしている内に上演時間が終わってしまいました。まったく飽きなかったです。

ネタバレBOX

でもまあ、飽きちゃう人は飽きちゃうでしょうね。私の近くにも退屈オーラを全身から放っているお客さんがいました。それはそれで正直な反応だと思うのです。個人的には、引っ張り過ぎもせずもの足りなさもなく、丁度いい長さだったと思います。明るさの加減も作風に合っていてよかったです。ヒラヒラしたカーテンのような物も綺麗でした。成河さんも言っていましたが、役者さんがあれを通り抜ける時の、一筋だけ計算されたかのように肩にかかる具合は見事ですね。
妄想ポルノ~胡蝶の夢・姫金魚草~

妄想ポルノ~胡蝶の夢・姫金魚草~

Marmoset

テアトルBONBON(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★

R-13
「今」を受け入れることができない男と女が、妄想に取り憑かれ取り込まれていく物語。エロに関しては、ムフフでワァオなシーンもあることにはありますが公式の指定通りR-13ですね。R-15には達していないという印象です。ちなみに観たのはBキャストです。

ネタバレBOX

ストーリーは「世にも奇妙な物語」や「笑ゥせぇるすまん」を見ているようで既視感が強かったです。
 
今を受け入れることができなくなった理由や過去の出来事が、こま切れの様に編集された映像に収められているので、エグさやキツさがかなり薄められていて、少し喰い足りない感じがしました。あんまりどぎついのも困りますが、心の負荷にフィルターをかけ過ぎているという感じ。
 
暗転の多さはCMの多いテレビドラマを見ているようでちょっと気になりました。ダンスや映像でイメージシーンみたいなものを作って、シーンが終わったらその後ろで役者のスタンバイも終わってるみたいにもう一工夫あった方が観やすいのではないでしょうか。
 
舞台には「この面白さは生で観ないと伝わらない」という面白さが大事だと思うのですが、その辺りのパンチがちょっと弱いと感じました。
 
観たあとにストレスが残らない終わり方はよかったと思います。
サイケデリック・ペイン

サイケデリック・ペイン

ヴィレッヂ

サンシャイン劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/09/11 (火)公演終了

満足度★★★★★

ロックです。
ストーリー的にはどうなんだろうと思うところもあるけど、バンド生演奏など演出がすばらしいので、そういうことはまったく気にせず楽しめました。自分はまだ大丈夫だと、上を向いていいのだと、手を伸ばしていいのだと言われている気がして、観た後に残った高揚感が次の日まで続いて気持ちよかったです。

CABARET ON THE SEA

CABARET ON THE SEA

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/08/08 (水) ~ 2012/08/15 (水)公演終了

満足度★★★★★

予想以上に面白かった
女性キャストが歌って踊って…、それなりに楽しめればイイかなぁ、くらいの軽いノリで観たのですが予想以上に面白かったです。ストーリーはベタですが、それだけにやりたいことがはっきりと、しっかりとしていて観やすかったです。観てよかったと思います。ネタバレ込みの感想は別枠で。

ネタバレBOX

船乗りが甲板で未来の夢とか語っちゃったら、死亡フラグっていうんですか。確定なわけですよ。でも、戦争モノに奇をてらう展開なんて不要なんだと強く感じました。凝った話なんていらないんですね。
時代に翻弄される。戦争で恋路が引き裂かれる。そういう哀しさ、やり切れなさは不変的なものなんでしょうね。
【13日(月)14:00追加公演ございます】父母姉僕弟君

【13日(月)14:00追加公演ございます】父母姉僕弟君

ロロ

王子小劇場(東京都)

2012/08/05 (日) ~ 2012/08/14 (火)公演終了

満足度★★★★

ハートウォーミング
始まり方が良い。終わり方はもっと良い。演出もストーリーも最後が良かったので結果オーライで★4にします。これで掴み所のない終わり方だったら★3にしていたと思います。本音を交えた長めの感想は別枠で。

ネタバレBOX

繋がっているのかいないのか分からないストーリー。存在しているのかいないのか定かでない登場人物たち。切り離してはいけないものが簡単に離れたり、くっついたりしながら物語は進むわけですが、やや散らかり過ぎというか、締まりがないという印象を持ちました。
 
雑多な中盤から何かを感じ取れるか、悪く言えば、耐えられるかがポイントでしょう。
 
例えば、家でゴロゴロしながら見るのであれば苦にならないでしょうが、劇場で椅子に座ってそれなりの緊張感を持ってあれを観続けるのは、ごめんなさいですけど、ちょっとしんどかったです。正直、ケツがやたらと痛く感じる時間帯がありました。
 
最後の、目の覚めるようなバットの演出はすごくよかったです。1時間から1時間半くらいにまとめたショートバージョンを観てみたいと思いました。
進化とみなしていいでしょう

進化とみなしていいでしょう

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/07/28 (土) ~ 2012/08/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

かっこいい!
個性的なキャラの目白押しで最初は面食らったが、次第に引き込まれました。音楽と、それに合わせた動きがカッコよくて、座席でじっとしているのがもどかしかったです。コメディタッチだけど、シリアスでありシニカルでもあり、笑えるんだけど、どこか物憂げで、カッコいいんだけど、見方によっては滑稽でもある。そのバランスが絶妙です。観る人によって感じ方の比重が変わると思います。

アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2012/07/21 (土) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

ウルウルしました。
最大の関心は「頭がよくなる前のチャーリイをどう描くか」だったのですが、変にオブラートで包むわけでもなく、かといって大袈裟に表現するわけでもなく、真正面から真摯にとらえているという印象を持ちました。全体的にやや急ぎ足の感もありましたが、逆に言えば息をつく暇もないほど濃厚で、あっという間の2時間ちょっとでした。

少女教育

少女教育

シンクロ少女

王子小劇場(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/23 (月)公演終了

満足度★★★★

よく出来ています。
そこはかとなく殿方をムラムラさせるタイトルではあるが、性描写はキツくないので、そういうのを期待している男子は鼻息を荒くしないように。また、そういうのが苦手な女子は心配しなくてよいでしょう。
内容的には、各ストーリーが収束して繋がりが見え始めてから引き込まれたが、逆に言うと、、以下、ネタバレを含めた本音の感想は別枠で。

ネタバレBOX

2時間飽きずに観ることが出来ましたが、タオちゃんが「やっちゃう」前あたりまで、個人的には、集中力を保てるギリギリのラインでした。途中、「この感じが最後まで続いたらしんどいかも」と正直、思いました。共感できるところも沢山ありましたが、心が揺さぶられることはあまり無かったので、二人のタオという「からくり」の回収や、結末へ向けての動き出しがあと少し遅かったら、終盤前に飽きていたかもしれません。面白かったけど、食い入るようには観られませんでした。
ところで、男と女が抱きしめ合う前の「チャラチャラチャッチャラ~~♪」「Ah~Yeah!」みたいなシーン。客席から失笑か冷笑に近い笑いが起きていましたが、あれは一体何なんだ?本当に必要なのか?その辺り、笑いのツボがよくわかりませんでした…。
カナヅチ女、夜泳ぐ

カナヅチ女、夜泳ぐ

悪い芝居

王子小劇場(東京都)

2012/07/10 (火) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

例えば走馬灯のように。
変わった劇団名と、中身が想像できないタイトルに惹かれ観劇。蓋を開けてみれば、「重力に逆らうような」ちょっとイイ話。ノンストップでフルスロットルで確かな熱量を帯びた舞台でありながら、走馬灯のように記憶を駆け抜けていく舞台でもあった。満点とは言い難いが、観てよかったと思います。

ネタバレBOX

ネタバレではないのですが、佐藤佐吉演劇祭2012のWEBページの写真(裸のヤツです)にインパクトがあったので、ちょっとだけ拍子抜けしました。あ、思っていたより普通だな、と。そういう意味で舞台の中身が「宣材写真負け」しているという印象を持ちました。
Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

王子小劇場(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

劇的じゃない演劇。
面白い。個人的には賞賛を送りたいです。絶賛したい。ある意味、衝撃的でさえありました。これでひとつの作品になるのか、と。意欲作、挑戦作だと思います。理由はネタバレで。

ネタバレBOX

いつもと違うメンバーが集まって、トラブルが発生して、送別会が開けなくなって…。
普通に考えたらこの後に何か一悶着あって、落としどころを見つけて「めでたしめでたし」で物語が終わる、そう考えるでしょう。しかし、この物語に劇的なことは起こらない。
 
登場人物はちょっと変わっているけど平凡な人ばかり。今まで自分一人で決めて実行して結果を出したことがどれだけあっただろう。「あの時ひとこと言ってくれたら」「あの時止めてくれたら」人生の局面で結論を誰かに委ねたり、先延ばしにしたり、何かきっかけを欲しがったり、誰かの後押しを期待したり、理解されない事を頑なにこだわったりしながら日々の生活を送る。そんな彼ら彼女らに、一夜で人生が変わるような劇的なことなど起こらないのです。
 
何の変哲もない日常に起きたささやかな非日常。それは、かつて時間を共にした誰かを思いながらエプロン(前掛け?ごめん。名前が分からない)をしめ直す時間かもしれなし、久しぶりに会う仲の悪い兄弟へ向かって電話越しに「大丈夫なのか?」と訊くことかもしれない。彼ら彼女らには、それだけで充分「いつもと違うこと」なのでしょう。
  
そんな「ちょっとだけ、いつもと違う日」を通して、成り行きといえば成り行きだけど何処か必然性を感じる「今の自分」を感じてみたり、いつでも戻れそうだけど決して戻ることができない「時の流れ」を噛みしめたりする。
 
その日を境に何かが大きく変わることもないのです。男は女に「飲みに行かないの?君が行くなら行くよ」と言う。明日、目が覚めたら何も変わっていないかもしれないし、ちょっとだけ何かが変わっているかもしれない。憎めなくて切なくてどこか親近感のある、男と女の物語です。
 
冒頭で衝撃的と書いたのは、派手なクライマックスや劇的展開をあえて削ぎ落としているように見えたから。意欲作と書いたのは、ボタンをひとつ掛け違えたら絶望的に退屈になるであろうこのシナリオで、勝負を挑んでいるように見えたからです。
たとえば「俺の人生、波乱万丈。昨日も修羅場があったばかり!」みたいな人が観たら退屈かもしれませんね。でも私はこの作品がとても好きです。
「ギブミーテンエン~昭和29年のクリスマス~」(6月)

「ギブミーテンエン~昭和29年のクリスマス~」(6月)

劇団6番シード

シアターKASSAI(東京都)

2012/06/13 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★

私が不真面目なのかもしれないが
劇団6番シードさん初観劇。よいシーンもあったし、グッとくる場面もありましたが、気になるところもあってやや辛口の評価にさせてもらいました。ネタバレを含めた感想は別枠で。

ネタバレBOX

とにかく気になったのがドンパチシーンのコント感。
例えば、頭を平手で叩いたら、相手はグーで叩く。スリッパで叩いたら、一斗缶で叩き返して、上から金たらいが落ちてきたら、最後は消火器を振り回してみんなで粉まみれ。往年のドリフのコントでよくあるシーンです。
乱闘シーン・銃撃シーンでどうもそうした面影を見てしまって、終盤、パン、パン、という銃声のあと「ズキューン」という銃声とともにライフルを抱えた男が入ってきた時には「おまえ、ソレどっから持ってきたんだ」と思わず心の中でツッコミをいれてしまった。ライフルを奪い合っている間、もし次にバズーカ砲を担いだ奴が乱入してきたら…なんて雑念まで芽生えてしまった。それくらい私にはあのシーンが軽く映ったのです。
せっかく戦争を生き抜いた人たちが一発の銃弾で命を落とす。それは、哀しくもあり、空しくもあり、時には滑稽でさえあるのかもしれないが、あのシーンに関しては、ベクトルが滑稽の方向に向き過ぎているという印象を持ちました。
ラストシーンで主要人物がみんな死んでしまう話は、気持ちが乗り切らないと付いていけないので、今回は、感動の半歩手前で振り落とされてしまったというのが正直な感想です。長文失礼しました。
無伴奏ソナタ

無伴奏ソナタ

演劇集団キャラメルボックス

東京グローブ座(東京都)

2012/05/25 (金) ~ 2012/05/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

泣いた。
魂がこもってます。原作を読まずに観た「無伴奏ソナタ」はとても新鮮で濃厚でした。
ストレスや負荷にはならないが、それでいて、ズッシリとした確かな重さを保ったままストーリーが展開されます。合間に笑いを入れる配慮も行き届いており、完成度の高い作品です。
重めのキャラメルボックスが観たいと思っていた私には「どストライク」でした。公演数が少ないのは本当にもったいないです。

ネタバレBOX

オープニングからして、いつものキャラメルボックスと違うという印象。今回は女性陣がよかったです。あと、喝采ってよい言葉ですね。
容疑者χの献身

容疑者χの献身

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2012/05/12 (土) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

心、のどうしようもなさ
キャラメルボックスが演じる悲劇。原作を読んでいても終盤は食い入るように見入ってしまい、涙腺が緩んだ。
 
理屈では分かっている。しかし、心が言うことを聞かない。一度芽生えた感情を押し殺すことが出来ない。そうした人間模様は生身の人間が演じることで更に重みが増すと思うので、原作を知っている方も劇場へ足を運ぶ価値は充分にあると思います。
 
ちなみに原作を知らない方は劇場でもらえる冊子の「観終わってから読んでください」は絶対に観終わってから読んで下さい。事件の真相が書いてあるのでご注意を。

ネタバレBOX

「それは、絶対に完璧だと信じていた数式が、予期せぬ未知数によって徐々に乱れていく時の感覚に似ていた。」(原作より)
 
違和感や物足りなさは全くありませんでしたが、湯川という「予期せぬ未知数」の登場に動揺・狼狽の色を見せる石神、という描写が原作より弱いと感じました。
オーシャンズ・カジノ

オーシャンズ・カジノ

北京蝶々

王子小劇場(東京都)

2012/04/18 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

束の間の泡沫感
最初から最後まで飽きずに観ることが出来ました。ただ、印象的なシーンはそんなに無いのでドタバタした泡沫感を楽しめるかどうかがポイントかと。

ネタバレBOX

役者さんが目の前で大きな声を出して、動き回って、汗をかいているのに、どこかアニメ映画を見ているような「温度の無さ」を感じてしまい、また、話の内容も「ひだ」の様なものが無く、ツルッとした掴み様の無い感覚が常に付きまとって、それは終始気になるところではあった。
 
しかし、時間を気にせず楽しめたのは本当なので、低く評価する必要はないと思い、★4にしてみました。
絶頂マクベス

絶頂マクベス

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2012/04/14 (土) ~ 2012/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

ぜんぶ観たい
楽しかったです。前作ハムレットを観て今作に「よりカオティック」な演出を期待するとやや拍子抜けするかもしれないが、女優さん達の弾けっぷりが板に付いており、物足りないとか喰い足りないという印象はなかった。

出演者ひとり一人の表情、一挙手一投足をすべてガン見できたらどんなに面白いだろうと思った。全体をざっくり俯瞰するか、どこか一箇所を凝視することしか出来ない自分がもどかしかったです。

ネタバレBOX

魔女にそそのかされ、嫁に尻を叩かれ、野心に火が付き前進あるのみ。「ここまで来たらやるしかない」という焦燥感に、「どうしてこうなった!?」という悲壮感をにじませながら、終局まで一気に駆け抜ける「社畜」サラリーマン・マクベスの悲劇は痛快でした。

良席だったので魔女・新良エツ子さんの御胸は大迫力。何度か七味まゆ味さんの美脚に浮気したのはちょっとした出来心だ。

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