Goodnight 公演情報 劇団競泳水着「Goodnight」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    劇的じゃない演劇。
    面白い。個人的には賞賛を送りたいです。絶賛したい。ある意味、衝撃的でさえありました。これでひとつの作品になるのか、と。意欲作、挑戦作だと思います。理由はネタバレで。

    ネタバレBOX

    いつもと違うメンバーが集まって、トラブルが発生して、送別会が開けなくなって…。
    普通に考えたらこの後に何か一悶着あって、落としどころを見つけて「めでたしめでたし」で物語が終わる、そう考えるでしょう。しかし、この物語に劇的なことは起こらない。
     
    登場人物はちょっと変わっているけど平凡な人ばかり。今まで自分一人で決めて実行して結果を出したことがどれだけあっただろう。「あの時ひとこと言ってくれたら」「あの時止めてくれたら」人生の局面で結論を誰かに委ねたり、先延ばしにしたり、何かきっかけを欲しがったり、誰かの後押しを期待したり、理解されない事を頑なにこだわったりしながら日々の生活を送る。そんな彼ら彼女らに、一夜で人生が変わるような劇的なことなど起こらないのです。
     
    何の変哲もない日常に起きたささやかな非日常。それは、かつて時間を共にした誰かを思いながらエプロン(前掛け?ごめん。名前が分からない)をしめ直す時間かもしれなし、久しぶりに会う仲の悪い兄弟へ向かって電話越しに「大丈夫なのか?」と訊くことかもしれない。彼ら彼女らには、それだけで充分「いつもと違うこと」なのでしょう。
      
    そんな「ちょっとだけ、いつもと違う日」を通して、成り行きといえば成り行きだけど何処か必然性を感じる「今の自分」を感じてみたり、いつでも戻れそうだけど決して戻ることができない「時の流れ」を噛みしめたりする。
     
    その日を境に何かが大きく変わることもないのです。男は女に「飲みに行かないの?君が行くなら行くよ」と言う。明日、目が覚めたら何も変わっていないかもしれないし、ちょっとだけ何かが変わっているかもしれない。憎めなくて切なくてどこか親近感のある、男と女の物語です。
     
    冒頭で衝撃的と書いたのは、派手なクライマックスや劇的展開をあえて削ぎ落としているように見えたから。意欲作と書いたのは、ボタンをひとつ掛け違えたら絶望的に退屈になるであろうこのシナリオで、勝負を挑んでいるように見えたからです。
    たとえば「俺の人生、波乱万丈。昨日も修羅場があったばかり!」みたいな人が観たら退屈かもしれませんね。でも私はこの作品がとても好きです。

    0

    2012/06/27 23:30

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大