なしかの観てきた!クチコミ一覧

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怪人21面相

怪人21面相

パラドックス定数

SPACE EDGE(東京都)

2014/09/19 (金) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
アジトのような場所で扉に鍵が掛かった瞬間から、彼らの共闘を目撃し、途中からは清張+栗本+阪本映画を見ているような硬質感もあり。
登場人物は4人、劇場と言えない芝居小屋から見える、演者達の足音や闇、4人の男達の背景を思ったら、この舞台は本当にフィクションの話なのかと考え込み、外の騒音すら効果音みたいに聞こえてくるようで、その世界に入り込んでしまった。
面白かったです。約115分。

ネタバレBOX

退場時、一斗缶に捨てられた、破かれた写真も覗き込んで見てしまったw

今回の劇団チケット特典は某製菓のチョコボールでした。
久しぶりに食べたが美味しかった、食品に毒を仕込むなんてやっぱ卑劣行為だよなー、と空き箱見ながらぼんやり思った。
地を渡る舟 ―1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち―

地を渡る舟 ―1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち―

てがみ座

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/10/23 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

最終日観劇
側でみれば知の道楽のようなお屋敷でも、そこは研鑽を積む学舎でもあり家庭でもあり。農耕、風習、戦時下の正義、唇噛み締め大地を踏みしめて生きてく昭和の日本風土記のよう。身分や立場は違えど、みな市井の人々。戦争により失ったもの、奪われたものは人命以外にもたくさんあるが、女中の志野さんがお国言葉で漏らした本音に涙止まらず。世の中的に自分にとって無駄なモノは簡単に淘汰しようとする流れは誠に不憫な考えだと思ったりして。
澁澤の妻と宮沢の妻が相対する場面の毅然とした真摯さ、その澁澤妻の選択肢のない生粋の生き方、苦悩の日々を過ぎ、それを受け止めた澁澤の気持ちにも憂う。シンプルだけど印象に残る舞台セット。
いい舞台でした。

コクーン歌舞伎第十三弾 『天日坊』

コクーン歌舞伎第十三弾 『天日坊』

松竹/Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/06/15 (金) ~ 2012/07/07 (土)公演終了

満足度★★★★★

衝撃的で面白かった!
現代口調と歌舞伎口調が殺伐とした話になりそうな箇所を上手い事中和し、妙にマッチしていた。
衣装がアメフトみたいな肩パットで、歌舞伎演目らしい徹底したデフォルメぷり。お六の髑髏柄着物カッコ良い。
コクーンで見る萬屋さんは誰よりも歌舞伎役者らしい立ち振る舞い、アンコールのはしゃぎっぷりは盛り上げ役に徹してて◎
巳之助、新悟の大和屋の凛々しくて愛嬌ある活躍も楽しい。
真那胡さん、白井さん、近藤さんの小劇場チーム?も歌舞伎芝居に最後まで違和感なく溶け込んで見えた。

コクーン歌舞伎、もっと安い席増設するとか、リピーター割引作ってくんないかな。
折角の面白い舞台なのに、見に来る人が限られているのは惜しいと思う。

ネタバレBOX

歌舞伎演目特有の、偶然から来る因縁と複雑さのハイブリットスピード展開話。
法策、お六、自分を証す事の喪失、価値の消失。
法策を問いつめる久助としての感情と廣元の切なげな表情。

何も置いてない黒い壁に囲まれた中での壮絶な大立ち回りとトランペットの演奏は、格好良過ぎて鳥肌立った。
追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

追憶のアリラン【ご来場ありがとうございました!】

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

思いつく言葉がすぐには見つからない
終戦間際の日本統治下にあった国。今回も展開は重い。
真面目に生きているだけなのに、それを粛々と受け入れる覚悟に、こちらは見守るだけしか出来ず、結審後の行く末から噎び泣きだった。
何も気にせず明日の事を考えられる世の中は良き時代なんだよなぁ。
役者さん全員素晴らしかった。階段の組み合わせのセットも面白い見せ方でした。

約135分。

無頼茫々

無頼茫々

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2015/09/12 (土) ~ 2015/09/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

世の情勢
劇場の外側では世の中がひっくり返るかもしれない法が生まれようとしている中、なんともタイムリーな舞台を見る事に。
信念があれば人の思考はそう簡単に操作は出来ない、と思う。
いつの間にかネットでニュースを読む事が浸透し、そのままネット購読者に変わり、家庭での新聞紙購読は停止してしまった。
言論統制へと矛先が向こうとしている瀬戸際で、きな臭い雰囲気が漂う中、「ジャーナリズム」のみを考えて見てるとしんどくなるのが陽気な場面転換に気が紛れ心弾む。桑原さんのその時代のキャリアウーマン役がよく似合ってた。
一歩外に出ると容易に予想できない現実が待っているが、舞台は面白かった。

ミュージカル「わたしは真悟」

ミュージカル「わたしは真悟」

ホリプロ

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2016/12/02 (金) ~ 2016/12/03 (土)公演終了

満足度★★★★★

プレヴュー初日観劇。
エイゾウ コミック ダンスミュージック、フクゴウエンタメステージ、ハジマルマエカラ シカケガアリ、エイガミタイナスクリーン ニ スミマデミテネ。

ロビン ノ ヘンタイコウイモ ウタッテシマエバオッケー、ゼロワンノセカイカラ アイ ヲ ミツケル。 ソンハクン ハ ウタッテオドッテ デゾメシキマデ、リアル ハツネミクサンカ、イヤ ホリプロナラバ ダテキョウコサン ト イウベキカ。
ジツニオモシロカッタ。

カタカナで感想書いていくのムズイわー。原作未読。
ダンサー含め演者さん、皆さんお怪我なく駆け抜けられますように。
大変面白かった。

原作ファンの方も多かったのか、これまで舞台観劇とは無縁そうな男性客もちらほら目に。
また映像など、かなり活用されるため、舞台前方席だと少し見えづらい箇所はあるかも。来年の新国立公演では演出に多少変化があるかもしれないが。
私事だが、この劇場では初めて2階から観劇したが、案外見やすいことがわかり、今後の観劇時の座席選択が広がったのも良かった。
一幕約70分、休憩20分、二幕約60分。

ネタバレBOX

80年代の作品なのに、まるで現在の日本や世界を見ているよう。
脚本は谷賢一さんだが、ダークファンタジーぽい構成ながら物語に入り込めて興味深かった。ミュージカルと音楽劇の違いはよくわからないが、挿入歌も聞いてて心地よい。無意識に「♪さんさんさんの〜」は一緒に口づさんでいた。
男の子、女の子、淡く幼い恋愛とそれに区切りをつける一因となる真悟と名付けられた産業ロボット。機械ならば感情ない故、無機質な行動で騒動起こしそうだが、真凛と悟からプログラミングされて生まれた真悟の多彩で細やかな動き、事件の果てに見せた行動の結末。ラストシーンで、互い違いのブランコで無邪気に遊ぶ悟と真凛、そのブランコの動きを合わせる真悟。真悟の姿は2人の目に見えないが、真悟はずっとそれ見たかったんだろうなー。

照明から電気系統が大活躍で、演出力って凄いんだなーと先日見た某舞台との違いを改めて思い。
エトランゼ

エトランゼ

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

初見
東作品は他の舞台ばかり見て、今回初桟敷童子。
東作品見てると大正琴楽曲のような古賀メロディーをついついイメージしてしまう元九州人。
70年代後半に流行したアイドル歌謡曲が陽気に聞こえる小山麓。
山師の人たちも「あーこんなピュアでかわいらしいルックスのおばちゃんに見えないおばちゃんおったわー」と童心に返り見てしまいました。
噂に聞いてた壮大な舞台装置も面白かった。
客席に中高年の男性が多かったことに驚き、劇場の冷房が効き過ぎだったのは難点かな。面白かったです。約110分。

ネタバレBOX

山の神聖さ、不浄を忌み嫌う因習の仇、子の無邪気さ、童女のような老婆、女の挑発、正直でありたいが故の逃げ場ない思いと追い込み方に、喪黒福造の「ドーーーン!」って迫ってきそうな迫力を思い出してしまったが。その土地の田舎で暮らす人々と女の世界観が垣間見え、その図式に自分が疑似体験しておるかのような錯覚を覚えた。

好きな男の言葉だけを生きる希望にした女の一途さに、物の怪のような感情が湧いてしまったのは「俗」の部分が勝っていたのか。結末に案外悪い人ではなかったのかも、と思った。こう考えるのはやっぱ甘いのかな。
バカロックオペラバカ「高校中パニック!小激突!!」

バカロックオペラバカ「高校中パニック!小激突!!」

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/11/24 (日) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

休憩込みで3時間近い舞台だったが
全く苦にならず、出演者全身全霊の馬鹿全開の悪ふざけを終始楽しむ事が出来た。
劇場を出た後、道玄坂を歩いている時に、はて肝心の話は?と振り返ろうにも笑いっぱなしであんまり内容はなかった、と思いだしつつ楽曲ともにノリの良い舞台。満足。
でも今後、渋谷以外の公演場所では、地理的な事とかあのロボとかノリが伝わるんだろうか、と心配になったりして。

近未来、渋谷にある高校が舞台、前作の「R2C2」と繋がっている箇所もあり。
パルコ劇場では珍しい中央通路大活躍。セクハラスレスレの男性観客いじりありw 演者のバンド演奏が更に上手くなって驚いた。
道玄坂クリステルさんはどう見ても、×ッチーだろw
今後、舞台に出る時の勝地さんは前髪クネオに改名してもいいんじゃないだろうか。

ネタバレBOX

坂井真紀さんの吹っ切れっぷり、さすが歴代の馬鹿舞台をこなしている素晴らしさ。
結構お馬鹿キャラだが、他のキャストの役柄が荒まし過ぎて佐藤さんがかえって清涼感ある役柄に見えた。
川島さん、やっぱアイドル!かわいかった。
β太、ではなく、永山さんの細い体型ながらも華があって一途な馬鹿さが面白かった。
翔さんやよーかいくんは音楽耳の良さが芝居にも活きているかのような舞台運びの上手さに思えた。
今回の三宅さんの活躍ぶりに目を見張る、本当に達者な役者さんだ。
皆川さんや少路さんは文句なしの出方。
宮藤さんは舞台だとやっぱイキイキして見えて良かった、個人的には単発でいいから、脚本執筆とは切り離し単独の役者としても活躍してほしいのだが。でも舞台楽しかった。
30才になった少年A

30才になった少年A

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2014/01/09 (木) ~ 2014/01/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

観に来てよかった!
前回公演で気にはなっていたが、都合つかず今回初見。

小さい新聞販売店の作業場と事務所、2階には六畳一間?の和室。
ほとんど初めてみる役者さんばかりなので、出だし、どういった役割か探りながら見ていたが、男の日常を取り巻く環境と心情の揺れ動くさまに次第に重い気持ちになったり、他愛ない話で一瞬表情が崩れる時もあったけど、その後の展開にやるせなくなったり。
彼と周囲の人の関わり方、揺れ動く感情につい舞台の世界に入り込んでしまった。

彼等90年代のアイドルはやっぱりあの人たちだよな、選曲ですぐにその時代背景がわかってしまう。
出演者にそれぞれ出番があったけど、笑いの要素を入れようとしたバイト面接のやり取りは特に必要とは感じなかったかな。
定時制だったかな、あの学校の先生はどこまで彼の事を知っていたのだろう。
隣のバイト君の笑わせ方が、早口、がなる、リフレイン、で、いかにも関西のノリの笑わせ方だなーと思った。
役者陣、全員素晴らしかったけど、新聞屋店長と元担任教諭の千葉さんが特に良かった。

明るい話ではない。
彼は全部受け入れて、誰にでも謝って、それでも生きて行かなきゃ行けない。罪の十字架を背負ったまま、彼の赦しの時間は果てしなく長い。あんなに重苦しい歓喜の唄を聞いたのも初めてだ。
あり得ない話でもない所にまた気が重くなったが、熱のこもった素晴らしい舞台に惹き込まれた。約2時間。

ネタバレBOX

主役のかつて少年Aと呼ばれ、服役、改姓し出所。知人宅にひっそり暮らす30男の世間との葛藤、生活、罪滅ぼしから来る希望の行為、ルーチンワークのような日常にしたくても、どこからか綻びと噂は湧き出る。
確かにあんなに興奮して怒鳴られちゃ、パニック障害の既往がなくてもビビる。
彼の事件で自身も職を辞する事になった元教諭、彼女も暮しが一変するが、改姓前の彼を見捨てようとしなかった行為がやっぱり教育者だったんだなと、感心した。
新聞屋の店長も時に荒ぶるけど、根は気弱でバカ正直さが出てていい人ぷりが伝わる。
店長と彼の選択は、時間はかかるけどきっと報われる日が来るのではないかな、と希望を持たせたくなるような人柄とラストと受け止めた。

今年最初の観劇にとても良い舞台を見せて戴き感謝。
最後の精神分析-フロイトvsルイス-

最後の精神分析-フロイトvsルイス-

DULL-COLORED POP

d-倉庫(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/10/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

骨太かつ上質で芯のある舞台。
初めて行った劇場、住宅地の一角にある劇場に入れば、座席100席程度だが整然と並び、程よく傾斜がついてどこからでも見やすい。少しだけ空調の効き過ぎはあるものの、話の深さと面白さに「なぜ、どうして」と没頭し、その難しさも楽しめるという奇妙さ、あっという間に90分間たった感じ。もし再演する事があるなら、今度は公演日程をもう少し長めに設定してほしい。役者さんは大変だろうけど(苦笑)

ネタバレBOX

第二次世界大戦が始まろうとしている時代、フロイト宅にルイスが(遅刻して)訪れてくる。
無神論者と有神論者、争う事、道徳心、様々な欲、等、精錬された2人の一語一語が緻密なディベートみたいで、やはり外国人が好きそうな演目と思った。
それを操る、谷さんの翻訳と演出は、言葉と行動の明確さがわかりやすく自分は好き。
フロイト役の木場さんの存在感の揺るがない凄みと、巧みなユーモア。
口蓋の癌に侵され、看護はほぼ妻にしか行なわせない。話が進むにつれ出血するに至ってしまうが、出血の仕方が、見ていて何とも痛々しくもそれすら社会や世界観を現しているようで、意味有りげに捉えられそうな感じだった。
ルイス役の石丸さんのフロイトから受ける重圧にも似た会話から逃げない姿勢や、その会話の柔らかな物腰がまた魅力的。
台詞で「考える事をやめる方が狂っている」(だったかな?)が、妙に心に残り、最後の握手の場面はしびれました。
良い舞台を見せていただきました。
白鯨-Moby-Dick-

白鯨-Moby-Dick-

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2015/12/08 (火) ~ 2015/12/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

文学座名作劇場みたいな
セットらしいセットはほとんどなく、全ての視覚は船上の役者に注がれる。そこには気温を感じる灯りや靄がかかったり、宿になったり酒場になったり。フレキシブルな白い幕引き使いや生声や小道具を楽々と扱いながら奏でる音楽。
海上で他の船と遭遇して白鯨にまつわる情報を得た後の船長の自尊心に巻き込まれた先の結末まで、最後まで飽きさせない展開に童心に戻って楽しめる演劇でした。
正面座席からの観劇だったので、強大なアレの迫力も体感でき、とても面白かったです。

鎌塚氏、すくい上げる

鎌塚氏、すくい上げる

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2012/08/09 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

おしゃれなコメディ作
倉持さんの舞台セットはよく廻る。そしてよく動き回る(特にアカシ氏)
歌の場面では思わず拍手喝采、気持ちよく笑えて劇場を後にすることができる。楽しかった。

ネタバレBOX

前回は指輪と首飾り、今回はティアラがキーワード。
モトキとセンリの成長を見守るアカシ氏。といった感じかな。
次回作あるなら、また別のご主人に仕えて、月刊執事のBestバトラー死守してほしい。相手のメイドさんを想像するのも楽しいかも。
そん時はタヅルさん、スミキチさんにも登場して貰いたいものだ。
そのタヅルさんとスミキチさんは二人一緒だと、小狡くって小悪人ぷりがより一層際立って良いコンビ。

六角さん、だた万能だけのキャラじゃない、裏側の事情を明らかにする時の迫力良かった。
満島さんの声は舞台だと、もともとかすれ声になってしまうのかな?歌の挿入場面は楽しかった。
田中さんの出演舞台で、あそこまで砕けた楽しいお坊ちゃん役ははじめて見た気がする。
今回も役者さん全員はまり役でした。
有馬の家のじごろう

有馬の家のじごろう

劇団AUN

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/08/20 (水) ~ 2014/08/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

よか舞台でした。
普段はイギリスの王様やローマの貴族的な役柄が多い劇団なのに、今回は近代日本の薩摩の一家族の物語。
元九州人(非・薩摩)としては祖父母の昔話として、親戚が集まるとその手の話をよく聞かされていて、朧げながら馴染みある内容だったので、なんだか遠縁のご先祖話を見ている感覚に。
舞台連投の鋼太郎さんの出番の多さにも驚きだけど、その時代の優しいけど、ひ弱でない薩摩隼人のその性格がいかにも次男坊らしい態度の谷田さんや大塚さんの器の大きさが引き立つ役がまた似合う。今では偉人の類いの西郷さんも、武勲挙げた立場とはいえ、その当時はまだ巷の有名人扱いに、今だったら誰に当てはまるんだろうとよけいな事考えたり。
日本、薩摩という地に蓄積された戦の歴史は、この話で完結の願いもあるのでは。最後の場面で涙腺崩壊してしまった。
いい舞台でした。休憩込み約3時間。

鑪―たたら (残席僅か)

鑪―たたら (残席僅か)

劇団青年座

青年座劇場(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった。
山路氏山本氏が早船作の舞台に出るという事で、かなり期待して見たら予想を上回るええ舞台でした。
最後のあの場面はとても美しく、まるで名画を見ているみたいで終わった後もしばし見とれてしまった。
息子役、石母田さんの2役変わり身も巧みだわ、横堀さんのおっさんなのに弟的な可愛さとか。「鑪」ってそういうことだったのか、と理解。昭和のお茶の間劇では各自、適役すぎて笑った。
約2時間。

英介とやっかいな仲間たち vol.1

英介とやっかいな仲間たち vol.1

英介とやっかいな仲間たち

吉祥寺スターパインズカフェ(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/07/30 (土)公演終了

満足度★★★★★

お酒飲みながら見る小芝居の面白さよ。
出演者4名がやりたい事(歌、コント芝居、演奏やら)を出しあって、見事やりきってました。
タイトルは篠井さん先導だけど、山中兄弟、草野さんが突っ走っていたような印象がなきにしもあらず。各自、普段の舞台やドラマで台詞を喋っている時とはまた違う別の表情が垣間見えて、それもまた素敵に楽しめました。
お酒飲みながら見る芝居って、限りなくフリーダム!って感じで見ていてお気楽で面白かった〜。多分小ネタは日替わりで変えていきそうで、それだけでも毎回見てみたいw。
そして、あの三人の中で篠井さんのミスマッチの絶妙さにもお値段以上に楽しませていただきました!
是非vol.2開催して欲しいです。

笑いすぎていたので、内容をちゃんと把握してないけどかなりネタバレしてます。
ご注意を!!

ネタバレBOX

サブタイトル〜小芝居四種盛り〜の通り、それぞれの作品の責任者となり4つ演目あり。

1:ブリティッシュ皇太子殿下 by山中兄
Vo:山中兄演じるレオナルド=デカチンチン G:パンティーストッキングナイスの山中弟 B:トマトスキー=イヌギライの草野 D:ポニーの篠井さん 他、志村さんという女性のジャーマネ
それにしてもなんちゅう名前だ‥

楽器弾けないエアバンド、その名も「ブリティッシュ皇太子殿下」結成20年で解散ライブ!パンティ(以下略)はそばが好き、トマトはうどんが好き、ポニーは暴威の狂介と名乗っていた時代のヤツと絡んだ経験有り、代役で熊になったジャーマネと格闘したり、てんやわんやのうちにレオ一人残され絶唱ライブを始めるがいつの間にかメンバー戻って来るがその傍らで、トマトはうどんこねるわ、ポニーは扇子持って舞っているわ、パンティは全員の頭にストッキング被せるわ、そんな中奇跡的にそのストッキングがメンバー全員を繋げる事になり歌終わり終了!
馬鹿馬鹿し過ぎて笑いまくっていたので、正直ちゃんと覚えてない!
なんだか、山中兄の楽しい頭ん中に入り込んだようだった。

次の準備のため一旦小休止。
その都度、素に戻った篠井さんが「すいません」の平謝り。

2:友達 by篠井さん(作のみ、出演はせず)
男1:山中弟 男2:草野 男3:山中兄
男1と3が町を歩いている。男3は男1に他愛のない話を喋り続けている。知り合いに会うと普通に挨拶しまた喋り続ける。そんなやり取りを微笑みながら聞いている男1。途中、男1と顔なじみの自転車に乗った男2に出逢い、ようやく話し始めるがそれは手話だった。その内容も「今度おごれ」とか、何の変哲も無い男3と同じような他愛無い会話。また今度と別れ、終わり。
男1は男3の話を聞いていたようなので、聴力はある聾者なのかな。
自分が多少手話経験があるのでその当時の事を思い出したりしたけど、ま、そんな事はどうでも良い。男性の場合、手話で会話する時、腕の動かし方加減でちょっと力強さが出たりするけど、この話の内容が何気ない日常会話だったので、当たりが柔らかく優しい動かし方で伝わり易かった。
短編ながら穏やかな気持ちになれる良い話でした。

篠井さんによる謝罪の小休止はさんで
3:ガラスのお面 by山中弟
まあや:山中弟 あゆ:草野 月影ちぶさ:山中兄 その他の人たち:篠井さん
タイトル通り、あの漫画です!大作でした!篠井さん以外まんまあの格好で美しく憑衣してました!
月影先生スパルタ!デカイ!まあや(13歳だけどね!)先生に認められたくて実の奥さんに実家に帰られたり、裸ん坊のお子さんにお昼食べさせたり自転車で遊び連れてったり、涙ぐましい努力で劇団月影に入る。あゆも負けじと梅の木になりきったり、もー大変。ほぼガヤ衆と化した篠井さんも面白かった。
次回作は、紅天女を是が非でもやって欲しいですわw!
山中弟一家の手作り手ぬぐいとDVDは完売したんだろうかw

次も大作という事で約15分休憩。
休憩中草野さんのウクレレ演奏ありでした。
途中、演奏に怪しい箇所もあったけどw、聞き易く楽しい気分にさせてもらいました。

4:天狗裁き by:草野さん
八五郎:山中弟 お光、家主:草野 六兵衛、天狗:山中兄 奉行:篠井
女房のお光のそばで八五郎が昼寝している。ふとその表情を見てみると何か夢見ているようで鼻ちょうちんがでたり、非常に楽しそうな面白そうな表情をしている。これは起きたらどんな夢を見ていたのか知りたいと、八五郎が起きた時に聞いてみるが見ちゃいないと言い張る。そのやり取りにカチンと来て大騒ぎの夫婦喧嘩勃発するが、隣の六兵衛が仲裁に入り、お光をひとまず隣家に追いやる。喧嘩の原因はなんでぃと聞くとかくかくしかじか、夢なんか見ちゃいねぇ、ほんとは見てんだろのループに突入。ここでまた取っ組み合いになるが今度は家主が仲裁に入る。ホッとしたのもつかの間、ここでもお約束の教えろとなるが、見てないものは教えようが無いと頑なに口を開かない。しびれを切らした家主、こうなったら奉行所で裁いてもらおうと奉行所出頭。お白州に出ても今までのやり取りを正直に話し、見ていないものは言えないと八五郎申し、その実直さに感心したお奉行、店子と家主はいわば親子の関係、ここで八五郎を裁けば家主も同罪と諭し、納得。一件落着となりようやく安堵する八五郎、しかあし、お奉行が「で、わしだけでも教えてくれ」と。またもや八五郎ピーンチ!と思いきや突如、突風が吹き高野山まで吹き飛ばされる!窮地を救ってくれたのはなんとサングラスでうさん臭いヒゲはやした股間に天狗のお面被った天狗様だった!空を飛んでたらなんか面白い話してるから〜と飛ばしてみた、でどんな夢見たの?と問いつめられ、苦悶する八五郎。だがそこはいつもの自分の寝床‥それを微笑ましく見ているお光。あらあら、なんか夢でも見てんのかしらねぇ‥。終。
古典落語のようで話の筋はだいたい読めたけど面白かった。
和服姿は姿勢がもろに出るけど、みんな姿勢がきちっとしてその姿にもほれぼれしてしまいました。しかし、アメリカンな天狗様反則だっ!あの姿が夢に出そうだw。

カーテンコール1回、山中兄弟と草野さんが挨拶。軽い雑談と明日はまたどうなるかわからない!と。そのやり取りを見ている篠井さんのお顔が保護者のような顔つきで妙に可愛らしかった。
拍手鳴り止まず、2回目はTシャツ姿で篠井さんが挨拶。
1階と2階の客席の(内容の)温度差を気にする。東北の皆さんすいません。客席に向かってまた暑気払いにでもお越し下さい。で〆。

客席でお酒呑みながら、ゆる〜く見ていたので非常に楽しませてもらいました。これを見られた事に感謝!
仕事で初日観劇だったけど、歌舞伎みたいに一幕観劇でも良いからもう一回見たいな〜。ああ、面白かった!

劇団東京乾電池の月末劇場 総集編

劇団東京乾電池の月末劇場 総集編

劇団東京乾電池

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2015/10/02 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

受付 Eの回 観劇
帰宅前、ぶらぶら街を歩いてたら月末劇場総集編をやってて演目に惹かれフラリと立ち寄り。
不毛な会話からガーン‼︎という効果音に至るまで、気楽に見るには十分過ぎる演目でした。面白かった。
約45分。

ネタバレBOX

雑居ビルの一室で精神科、今なら心療内科というのが一般的か。
その受付で机の上の事務用品を整理している女の元へ仕事の休憩時間を利用し、診療希望の男がやってくる。
女は男の家族構成をきっかけに世界各国の飢餓状況から募金を勧め、アイバンク、臓器提供、安楽死協会と、各階の受付嬢が全員独身であるなどとプロフィールなど話し、なかなか受付をしない。その発言内容に男は、クリニックなんて嘘だろ!と悟り、部屋の奥へ突進し確認する。
「この建物には36(?)の受付があって、36人の女が待っています。」と言う女の平然とした発言に、男は逃げ帰ってしまう。その叫び声を別室で聞き、受付に飛び込んできた医師だったが、受付嬢から「誰も来ていませんよ。」とやんわり否定される。宣伝しているのになぜ患者が来ないんだろうと不思議がる医師に対し「こんなにチラシも出して宣伝しているのだから待っていましょう。」と、受付嬢は悠然と構え医師を自室へ引き帰らせる。そして再び「では、次の方どうぞ!」と受付業務を再開するのだった。

行きすぎた善意の行為に受け止められた受付嬢の行動から、とりあえず受付嬢を変えなさいよ〜、なんて単純に笑って見ていたけど、医師が登場したあたりから究極の人生を選ばされていたのではないかと、どこか薄ら寒い思いも生じてしまった。

今のお笑いコンビのネタって別役作品感覚と思って見ればいいのかな。
面白かったです。
雨

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2011/06/09 (木) ~ 2011/06/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

東北弁に馴染みが無くても面白さは伝わる。
ロビーで山形キャンペーン絶賛開催中でした。

江戸っ子の金くず拾いから東北の平畠の紅花問屋の旦那に成り済ます羽目になり、成りきろうとするが…。
とある場面の亀治郎さんの二役と最後のシーンは流石歌舞伎役者、思わずかけ声掛けたくなる迫力で。何でも出来る人なんだな〜。
最後のドキドキするような気の利いた展開から、ドンデン返しが皮肉な幕切れまで計算された話でした。
井上作品ではおなじみの洒落っ気のある踊りと歌は牧歌的に聞こえ、優しい印象。舞台中央席で見ていたので、ラストのステージ一面に広がった紅花畑は見事な風景でした。

ネタバレBOX

御城代の為、紅花栽培は必須。紅花屋の女房おたかさんが策士!紅花のようにとげのある一枚上手な女性だった。でもって家老や識者達も結構残酷。江戸っ子風に言うならば「上手い事やりやがる」って言いそう。

大店の亭主になりきろうとする徳。釜六と花虫殺しから、ほころび加減が加速し、味方に付けたかった手代や百姓達にも疑われる。
結局、自分を殺したのは自分という結末が何とも哀れ。

今更ながら井上作品の素晴らしさに感動。
ジョビジョバ

ジョビジョバ

U-1グランプリ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/04/25 (金) ~ 2014/05/06 (火)公演終了

満足度★★★★★

懐かしくも新鮮なコントばかり
大半の観客含めメンバーも同様に歳を取ったけど(^^;面白さは変わらず。
旬なネタから懐かしのネタまで2時間近くずっと笑い通し。
福田さんのジョビ愛がよく伝わり、ご自身も箸休めみたいな立ち位置で出演。ハセ、坂田さん、六角さん、マギーの柔軟な役まわりが素晴らしく、ここでも出るのな、相棒ネタw
石倉さんのいじられっぷりに明水さんのラジオネタにツボったw
約2時間。面白かった。

キネマと恋人

キネマと恋人

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2016/11/15 (火) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

プレヴュー公演2日目観劇
基ネタである映画のほうは未見だが見てなくても無問題。
台詞の方言使いや出ている人達の段取りも大変そうなんだけど、流れるような転換が見事。映像は相変わらずカッコイイ。
この舞台の妻夫木君はケラさん流のスターシステムな役割みたいだったけど、それが似合ってて良かった。そして緒川さんが美しくも可愛い!
映画館で見る映画への愛が溢れる、ケラさん流ニューシアターパラダイスといった感じ。
野蛮な人物も出ては来るが、気持ちがあったかくなるビターエンド舞台、だけどそれも良し。

約3時間15分、休憩15分あり。
トラムの座席で長丁場の観劇は体に悪そうだが、90分の面白い公演を2本続けて見た、といった感じで、それほど苦にならず。

逆鱗

逆鱗

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2016/01/29 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

海と水族館
怒濤の言葉遊びは健在、毎回よくあんな発想が湧くもんだ。
日本語を話す日本人ならわかる話。序盤笑って、後半になるうち真顔になって見ていた。
約135分。

ネタバレBOX

昔々のその昔、沈没船の窓越しに交わした人魚と人間の約束。
その約束を果たすため、人形ショーをやっている水族館にオーディションが開かれることを知り、人魚は人間のフリをして、人々の前に現れる。
深夜の海中水族館、「そこ」に運び込まれた「モノ」と一緒に、深い海の底へ潜り込んでいき、「底」で見えたものは人と魚が一緒になった「もの」それは人間魚雷。ファットマン、リトルボーイ、鱗の暗号文…人魚の心の底から絞り出した悲鳴に反戦という言葉を強く思い出した。

上演が発表された直後、「赤いろうそくと人魚」をモチーフに書いた作品との記事を読んだ記憶があったが、勝手な想像だが、お子さんたちに読み聞かせしているうちにこうなったのだろうか。
久しぶりに野田さんの舞台を見たなーと嬉しくもあり、また内容に重苦しさもあり。骨身に沁みた舞台でした。

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