最後の精神分析-フロイトvsルイス- 公演情報 DULL-COLORED POP「最後の精神分析-フロイトvsルイス-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    骨太かつ上質で芯のある舞台。
    初めて行った劇場、住宅地の一角にある劇場に入れば、座席100席程度だが整然と並び、程よく傾斜がついてどこからでも見やすい。少しだけ空調の効き過ぎはあるものの、話の深さと面白さに「なぜ、どうして」と没頭し、その難しさも楽しめるという奇妙さ、あっという間に90分間たった感じ。もし再演する事があるなら、今度は公演日程をもう少し長めに設定してほしい。役者さんは大変だろうけど(苦笑)

    ネタバレBOX

    第二次世界大戦が始まろうとしている時代、フロイト宅にルイスが(遅刻して)訪れてくる。
    無神論者と有神論者、争う事、道徳心、様々な欲、等、精錬された2人の一語一語が緻密なディベートみたいで、やはり外国人が好きそうな演目と思った。
    それを操る、谷さんの翻訳と演出は、言葉と行動の明確さがわかりやすく自分は好き。
    フロイト役の木場さんの存在感の揺るがない凄みと、巧みなユーモア。
    口蓋の癌に侵され、看護はほぼ妻にしか行なわせない。話が進むにつれ出血するに至ってしまうが、出血の仕方が、見ていて何とも痛々しくもそれすら社会や世界観を現しているようで、意味有りげに捉えられそうな感じだった。
    ルイス役の石丸さんのフロイトから受ける重圧にも似た会話から逃げない姿勢や、その会話の柔らかな物腰がまた魅力的。
    台詞で「考える事をやめる方が狂っている」(だったかな?)が、妙に心に残り、最後の握手の場面はしびれました。
    良い舞台を見せていただきました。

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    2013/10/08 00:53

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