最後の精神分析-フロイトvsルイス- 公演情報 最後の精神分析-フロイトvsルイス-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★★

    進化した演出
    英仏がナチスに宣戦布告しようという朝、頑強な無神論者フロイトと敬虔なキリスト教徒ルイスが存在をかけた大激論を戦わせる。その現代を照射するに絶妙な人物設定、状況設定の脚本を立ち上げるのに相応しい木場勝己と石丸幹二という2人の俳優。その輝くような素材を活かすため、「無味の味」という極意に到達した谷賢一の演出。永遠という時の中でたった9日間しか続かない奇跡。

    ネタバレBOX

    精神分析の祖であり頑強な無神論者と知られたフロイトと「ナルニア国物語」の作者で死後聖人に叙せられるほどの熱心なキリスト教信者であった小説家C.S.ルイスの激論90分。今まさに英仏がナチスに宣戦布告をせんとする朝の出来事。この大激論を演じる俳優は、知の巨人フロイト、ルイスに負けぬ人物でなければならない。選ばれたのは木場勝己、石丸幹二という日本演劇界最高水準の俳優たち。これ以上ないというキャスティング。だが最上級の食材といえども料理人の腕が悪ければ話にならない。で、その料理人。それは演出家の谷賢一。僕が最も敬愛する若い演出家のひとり。これまでの谷演出には色濃く谷色が出ておりそれが気持ち良くもあった。しかし本作品は違う。最上の素材を生かすための職人技。谷色は消え、魯山人が極上の味と伝える「無味」に到る。
  • 満足度★★★★★

    骨太かつ上質で芯のある舞台。
    初めて行った劇場、住宅地の一角にある劇場に入れば、座席100席程度だが整然と並び、程よく傾斜がついてどこからでも見やすい。少しだけ空調の効き過ぎはあるものの、話の深さと面白さに「なぜ、どうして」と没頭し、その難しさも楽しめるという奇妙さ、あっという間に90分間たった感じ。もし再演する事があるなら、今度は公演日程をもう少し長めに設定してほしい。役者さんは大変だろうけど(苦笑)

    ネタバレBOX

    第二次世界大戦が始まろうとしている時代、フロイト宅にルイスが(遅刻して)訪れてくる。
    無神論者と有神論者、争う事、道徳心、様々な欲、等、精錬された2人の一語一語が緻密なディベートみたいで、やはり外国人が好きそうな演目と思った。
    それを操る、谷さんの翻訳と演出は、言葉と行動の明確さがわかりやすく自分は好き。
    フロイト役の木場さんの存在感の揺るがない凄みと、巧みなユーモア。
    口蓋の癌に侵され、看護はほぼ妻にしか行なわせない。話が進むにつれ出血するに至ってしまうが、出血の仕方が、見ていて何とも痛々しくもそれすら社会や世界観を現しているようで、意味有りげに捉えられそうな感じだった。
    ルイス役の石丸さんのフロイトから受ける重圧にも似た会話から逃げない姿勢や、その会話の柔らかな物腰がまた魅力的。
    台詞で「考える事をやめる方が狂っている」(だったかな?)が、妙に心に残り、最後の握手の場面はしびれました。
    良い舞台を見せていただきました。
  • 満足度★★★★★

    「難解」って聞いてたけど
    難解だったのは芝居そのものじゃなくって舞台に立ちあがってくる「人間」や「この世界」つーもんのとてつもない「謎」のほうだったかと。

    死に物狂いで「哲学」する二人の登場人物が、なんかもうめっちょ愛おしく感じる、そんな面白さに満ちた90分。

    いいものみせてもらいました。ありがとうございます。

  • 満足度★★★★★

    頭がグルグル
    お互いに相手を尊敬していて、お互いに人間の幸福について思いを馳せている、二人の出てくる芝居。観ていて色んな感情や思いを浮かばせてくれる幸せな議論だったなぁ。3月に第一次世界大戦時の、ウィトゲンシュタインについて上演して、10月は第二次世界大戦時の物語。戦争という極限状態だからこそ、神の存在を強く思わされるというのは皮肉な話だなぁと思った。考える喜びがたくさん詰まった傑作だと思います。

このページのQRコードです。

拡大