満足度★★★★★
進化した演出
英仏がナチスに宣戦布告しようという朝、頑強な無神論者フロイトと敬虔なキリスト教徒ルイスが存在をかけた大激論を戦わせる。その現代を照射するに絶妙な人物設定、状況設定の脚本を立ち上げるのに相応しい木場勝己と石丸幹二という2人の俳優。その輝くような素材を活かすため、「無味の味」という極意に到達した谷賢一の演出。永遠という時の中でたった9日間しか続かない奇跡。
満足度★★★★★
骨太かつ上質で芯のある舞台。
初めて行った劇場、住宅地の一角にある劇場に入れば、座席100席程度だが整然と並び、程よく傾斜がついてどこからでも見やすい。少しだけ空調の効き過ぎはあるものの、話の深さと面白さに「なぜ、どうして」と没頭し、その難しさも楽しめるという奇妙さ、あっという間に90分間たった感じ。もし再演する事があるなら、今度は公演日程をもう少し長めに設定してほしい。役者さんは大変だろうけど(苦笑)
満足度★★★★★
「難解」って聞いてたけど
難解だったのは芝居そのものじゃなくって舞台に立ちあがってくる「人間」や「この世界」つーもんのとてつもない「謎」のほうだったかと。
死に物狂いで「哲学」する二人の登場人物が、なんかもうめっちょ愛おしく感じる、そんな面白さに満ちた90分。
いいものみせてもらいました。ありがとうございます。
満足度★★★★★
頭がグルグル
お互いに相手を尊敬していて、お互いに人間の幸福について思いを馳せている、二人の出てくる芝居。観ていて色んな感情や思いを浮かばせてくれる幸せな議論だったなぁ。3月に第一次世界大戦時の、ウィトゲンシュタインについて上演して、10月は第二次世界大戦時の物語。戦争という極限状態だからこそ、神の存在を強く思わされるというのは皮肉な話だなぁと思った。考える喜びがたくさん詰まった傑作だと思います。