カエルの魔女とネズミの王子【閉幕御礼!】
劇団やぶさか
相鉄本多劇場(神奈川県)
2013/01/19 (土) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
ぶれない
女性ばかりの劇団なのだが、人間が人間として生きる為に必要な価値観のブレが無い為、作品自体に収束する力があり、メインプロットに対するサブが、自然にコミットしてくる。小気味の良い舞台である。個々の役者のレベル差は無論ある。所作にも、未完成な点はある。然し、これらの欠点をカバーする一所懸命な姿勢と、細かい動きや小道具、誰もが育つ環境の中で感じてきた悔しい思いなどを丁寧に紡いでいて好感を持った。衣装にも随分工夫を凝らしている。今後も精進して、良い舞台を創って欲しい。
【ご来場誠にありがとうございました】桜が散るために降るような雨
東京ポップシップ
戸野廣浩司記念劇場(東京都)
2013/01/18 (金) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
満足度★★★
センチ
舞台美術に関して、もう少しシンプルにすべきだろう。カメラマン志望のライターという設定であるにしても、話の展開で、舞台は彼の部屋にもなれば、彼女の実家にも、ロードにもなる。その間中、写真が至る所に貼ってあるのは、想像力を削ぐ結果になりかねない。センチメンタリズムを描いた作品の完成度としては、まずまずだ。引きずらないジョークも面白い。一方、センチメンタルレベルでとどめるのであれば、シーンによってGパンではまずいとの判断を働かせても良い。
この辺り、若い人が多い劇団の割に、既存の演劇に挑むでもなく、徹底して大衆路線を歩むという決意でもないことが出てしまった。新たで、明確な姿勢が足りないように思われる。
追想の穴
劇団破戒オー!!!
シアター風姿花伝(東京都)
2013/01/18 (金) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
女のほむら
ピープルシアター
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/01/16 (水) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
カルマ
黒一面の舞台は至って簡素で、上手下手にシンメトリカルに竹が据えられ、中央奥には、扇の骨状に孟宗竹を配し、其々の骨に絡むように半円、或いは螺旋に殺がれた竹があしらってある。無論、これは、焔のシミリだ。更に床面には、各々二組ずつ観客席側を除く三方に、孟宗竹を丸太状に切り、枕に竹をあしらったオブジェが並ぶ。実にシンプルな舞台だが、役者陣の演技や存在感を高めて効果的である。音響も一工夫が為されている。通常の人工的に作られた音以外に、原始的な楽器や、動物の鳴き声を真似た狩人の発する音のような声が、観客に不思議な感覚を目覚めさせる。
主人公、高橋 お伝は、明治政府の道徳政策によって”毒婦”のレッテルを貼られ、仮名書 魯文作「高橋阿伝夜刃譚」で一躍、悪女として有名になったが、本当に人口に膾炙した俗説は正しいのか? ファーストシーンでは、この俗説を真っ向から否定するように、快活で利発、判断力の非常にしっかりした意見のハッキリ言える女性としてお伝は登場する。因みに今回の舞台でお伝を演じる女優は三人。一人の女の中にある様々な要素を身体化する方法としてのキャスティングだ。
【舞台版】絶体絶命都市 ー世界の終わりとボーイミーツガールー
劇団エリザベス
ワーサルシアター(東京都)
2013/01/13 (日) ~ 2013/01/16 (水)公演終了
満足度★★★
引用
初中盤での安易な引用が、折角の作品をだめにしている。ゲームのヴァーチャルリアリティーを演劇的に処理できていないということである。舞台版と言う以上、そういった点にも丁寧な演出と脚本化が必要だろう。ファーストシーンの空間が歪むような感覚を引き起こすシーンはとても良いのに残念だ。
全体的に、頭でっかちで、役者の身体性をどう捉えているのか疑問である。最低限、「風姿花伝」くらい読んでおくべきだろう。当然のことながら、関係者全員である。更に突っ込んだ隙のない舞台に仕上げて欲しいのだ。
何となれば、我々の生きている時代は、情報過多な時代だ。その情報を如何に絞り込んでゆけるかということ自体、既に一種の才能を要する。このようにして選択された素材を用いて緻密なシナリオを創り、想像力に訴え得るだけの仕掛けを施した後、役者の身体に落とし込む。これができて初めて舞台の入り口に立ったというべきなのである。従って、この過程で安易な引用や他人の手垢に塗れた「表現」は慎む方が良い。持ち込むならば、それが作品の全体構造の中で、新たな意味を獲得するようでなければなるまい。それが、引用する者、後から来た者としての先達への礼でもあろう。
骨相学第三章~恐怖~
劇団メリケンギョウル
荻窪小劇場(東京都)
2013/01/18 (金) ~ 2013/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
工夫
役者のレベルはまちまちだが、そのことを充分認識しているのだろう。本番を含めて、舞台裏を明かして見せる手法を取り入れ構成自体も良く考えて、
オムニバス形式を纏めている。その知性と向上心が良い。自分の好みでは、二本目、三本目は、シナリオ、演出、演技それぞれに楽しめた。
FACE
NAT
戸野廣浩司記念劇場(東京都)
2013/01/11 (金) ~ 2013/01/13 (日)公演終了
満足度★★★★
パスカルの悩んだこと
中々、緻密なシナリオである。人という生き物の中間性に着目し、その位置を確定しようとした作品と見た。従って、ヒーローもヒロインも登場しない。普通の人々の中にドラマ性を見出そうとするTV番組「face」の取材によってKの生い立ちが明かになってゆくが、市井の人々の中間的あり様の苦しさが、苦しさとして理解できないと、作品との出会いが無いだろう。宙吊り状態を悩むことのできるポジションの方々にお薦め。
パブリック・リレーションズ
JACROW
OFF OFFシアター(東京都)
2013/01/07 (月) ~ 2013/01/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
創業・操業戦国時代
こういった状況の中でこれまでのしきたりと新しい価値観や倫理観の対立を、男女関係の微妙な綾や、社内の人間同士の野心、傾向の差、利害関係に絡む謀略などと絡み合わせ、アーサー王の円卓の騎士よろしくラウンドテーブルを囲み、夢を同じくし、理想にすら燃えたはずの新会社の理念を破綻させてゆく展開は、スリリングでリアルだ。日々、社会で体験していることの裏にあるであろうと皆が感じていることを、きちんと想像力で紡いで見せた力作。
シナリオも役者のキャラが立っていた点も、ふっと見せる目つきの寂しさなど、細かな点にも注意の行き届いた舞台であった。惜しむらくは7カ月以上の時を扱っているのに、衣装が基本的に変わらなかったことだ。予算にめどがつけばこういう点は、改善してほしい。内容的には、隙のない、だが、こせこせせずに本質をぐっと掴んだ良い舞台であった。
ALICE in Wonderland
STUDIO D2
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/01/05 (土) ~ 2013/01/06 (日)公演終了
満足度★★★
読み込み
出演者の身体能力は楽しめたが、いかんせん。原作の読み込みが浅い。テーマが、”苛め”であるならば、その辺りをもう少し深く追求すべきであった。その為に、原作に出てくる芋虫の登場は割愛すべきではなかった。なぜなら、アリスは伸び縮みしたり、首が蛇のようになって、自分の変化に耐えられなくなり大泣きして、涙の海を作ってしまったりするわけだが、問題は、そんなことではない。アイデンティティの崩壊にある。苛めが、やはりアイデンティティそのものを他者が否定するという本質を持つのであれば、芋虫が伸び縮み後のアリスに対して投げかける”Who are you?"の質問こそ、この作品の中心的テーマであったはずである。ドッジソン自身、弱々しい人物であったようだから、己自身もアイデンティティ問題では随分悩んだであろう。このような点に気付いていないとしたら、演出は、非常に問題である。
『第三世代』
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
上野ストアハウス(東京都)
2012/12/29 (土) ~ 2012/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
同化 異化
流石、中津留 章仁。パレスチナ問題の本質を良く理解し、日本の演劇状況も理解した上での演出である。この作品はヨーロッパ各地とイスラエルで上演されてきたが、この時の参加俳優は、総て実名。作者ヤエル・ロネンは第三世代に属するイスラエルのユダヤ人。夫はパレスチナ人である。ヤエル自身は、「プロント」を書くまで、政治的には、メディアの流す情報を信じていれば良いと考えていた。殆ど、ノンポリのスタンスであった。が、イスラエルの第三世代の側から描いた作品(プロント)を執筆するため、占領と戦争、コントロールがいかなる意味を持つのか、リサーチを行った。結果、自分が学校で教えられたことと、事実が異なることに気付き、この作品に到達したわけだ。曰く、「一度目を開いてしまえば、戻れない」。作家自体が本物である。
ただ、ヨーロッパ、イスラエルの公演では、この作品(第三世代)は、英語、ドイツ語、イディッシュ、ヘブライ語、アラビア語の五ヶ国語を用いて演じられた。当たり障りのない内容であれば英語を用い、ちょっと憚られる表現については、それぞれの言語で演じられるという形を取ったのである。こうすることによって、俳優たちは、自らの本音が外在化され、異化されることによって、自らを茶化し観客に考えさせるという異化効果を狙い得たのである。
然し、日本での上演は、日本のガラパゴス的特性を考慮し、たった5日間しかない稽古時間を勘案して反対の方法、即ち同化で作品を創った。中津留は、リーディング公演であるにも関わらず、俳優たちに科白を入れることを命じ、俳優たちも食事を抜くような状態で、科白を総て覚え込んで、原作に仕組まれた様々な状況、関係、人間の尊厳と差別、暴力を恣に振い、嘘のプロパガンダで隠蔽する強者と、えるほかない弱者の内実を内面化することに成功した。無論、これだけではない。彼らにこのようなことを強いる原因を作ったヨーロッパ人をも巻き込んで八方塞がりの状態を正確に描いたのだ。
異化効果を狙える文化圏とは異なる文化圏で、この作品を演出する重責を担った中津留の演出の完成度の高さを表す例をもう一つだけ書いておこう。
パレスチナ人俳優の一人が、ドイツ人から椅子を貸してくれ、と言われて自らの椅子を取られ、その後、またすぐにイスラエル人からも椅子を要求されて、開演中90%以上の時間を床に直接座らなければならない状態に置かれるのだが、これもパレスチナ人が置かれている被差別状況の寓意である。分かる観客には分かるような形でさりげなく、細かい点まで配慮した演出が為されている。見事という他ないではないか。役者陣が、この演出に応え、見事に本質を内面化したことは既に書いたfが、今一度、彼らの労をねぎらう為に、その事実を此処に記しておく。
幻想音楽劇『ジャンヌダルク-聖なる穢れ-』
東方守護-EAST GUARDIAN-
SPACE107(東京都)
2012/12/28 (金) ~ 2012/12/29 (土)公演終了
満足度★★★
憑依
ジャンヌ役の女優、楽日の舞台を拝見したが、登場の際、憑依されているという気配が微塵も無く、何らのインパクトも無かった。全体の流れは、政治というレベルで歴史が動くことを描いていたと解釈したが、それならば、ジャンヌの起こした事象は、もっと神に憑依された状態で表現すべきであっただろう。この点で演出は、登場の時点で役者にしかと注意を喚起しておくべきであった。途中から良くなったとはいえ、登場は学芸会レベル。登場時点でインパクトがあり、今後、活躍できる可能性を感じたのは、ジル・ド・レイ役であった。衣装は豪華であったが、本来、演劇は、幕が上がって以降、役者のものである。その役者が、憑依を含めて内面と身体を神々とないまぜになった空間、舞台に昇華させるには、個々の役者の持つ本質を、外部即ち作品の齎す亜空間、亜時間と不即不離の関係に保たなければならない。ジャンヌの歴史的役割も其処にこそあったはずである。もう少し、本質を見る目を鍛えるべし。
無垢なもの
ENGISYA THEATER COMPANY
シアター風姿花伝(東京都)
2012/12/28 (金) ~ 2012/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
小道具なし
素の舞台でもたいてい小道具は使う。然し、今公演ではそれも無い。場転は暗転により、佳境に入るまでは、ちょっとした転換でも暗転するので、ややナーバスな感じさえしたが、この演出も徹底すると一つのポリシーとして機能し新鮮でさえある。
話を元に戻そう。小道具を用いないということは、形態模写だけでリアルを感じさせるだけの力量があって、初めて成立する。それが、できていた。レベルの高い役者陣である。海外で研鑽を積み、事実を透視する視座とそれを身体に定着させるやり方は、流石に舞踏にも踏み込んだ大村 正康ならではの内容である。
舞台美術も特異でありながら、邪魔にならない。
『SHIT AND LOBSTER』
覇天候
明石スタジオ(東京都)
2012/12/26 (水) ~ 2012/12/30 (日)公演終了
埋める日
スポンジ
OFF OFFシアター(東京都)
2012/12/26 (水) ~ 2012/12/30 (日)公演終了
満足度★★★
アンチ ドラマ?
ドラマツルギーが成立しそうになると、土台から吸い取って箍を外してしまう、というのが、この劇団の”スポンジ”という名の由来なのだろうか? それを意識的にやり続けているのだすれば、もう少し、シャープな批評性を持って欲しい。音響や装置、場転だけで興を削ぐというなら、その向こうに何を見据えているのかが無いと、観客は満足できまい。
このまちのかたち(再演)【多数様のご来場誠にありがとうございました!】
机上風景
タイニイアリス(東京都)
2012/12/20 (木) ~ 2012/12/23 (日)公演終了
満足度★★★★
被害者
殆ど裸舞台なので、役者の力量が問われる作りだが、その辺り、被害者の不自由な体んお動きなども、何ができる、というのではなく何ができない、という形で表現できていてインパクトがあった。宮崎方言で科白が語られるのもリアリティーを加える演出で中々効果的であった。
よく聞く
劇団あおきりみかん
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2012/12/21 (金) ~ 2012/12/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
必見の舞台
ただでさえきらきらしている才能が、深みを獲得している。設定も抜群だ。舞台上には、カウンセリングルームが設けられているが、カウンセラーの机の前の壁には、緑がかった中間色で描かれた抽象画が掛かっている。お椀型の物体が数個描かれているのだが、見ようによっては乳房ともとれる。下手壁面の前には、スライド式のガラス戸が設えられ、レースの白いカーテンが引かれているが、そこには、柔らかい光が射し込み、硝子の向こうには、青空を連想させるような優しい青が感じられる。中央に置かれた応接セットのソファ、座布団、床や壁面の色合いまで、実に調和のとれた、人を安心させる雰囲気を作っている。更に中央奥にも、具象画が1枚。こちらは暖色系の絵だ。上手が、この部屋への出入り口。総てのセットが、物語を先取りし、サポートし、役者や観客と一体になって躍動しているのである。
無論、脚本、演出、演技、舞台効果、どれをとっても相乗効果が表れる作りになっている。今回、拝見した作品は、心理サスペンスという風合いの作品だが、鹿目 由紀は、心理というものを複合と見ている。これまでの作品でも、彼女はこの問題を孕みつつ仕事をしてきた。自分が、”あおきりみかん”の作品に初めて触れたのは、3年ほど前だが、以降の作品でこの点、彼女にブレは全くない。そのような彼女の本質に根差した心、魂、肉体、身体を持つ主体を、矢張り同じように心、魂、肉体、身体を持つ他者との間にある距離(感)が、恰も人間達を操ってでもいるように作用するのである。舞台上に展開するのは、それ、つまり距離を取り巻く状況との関係で千変万化する人間である。心理学的なサスペンスなので、具体的な筋などは一切、ここでは明かさない。然し、演劇としての完成度の高さは見事という他は無い。更に、隋所に取入れられた笑いや、箍外しを観る楽しみも満載、必見の舞台である。
劇場への案内やスタッフの対応も頗る感じの良いものであった。
弔いの鐘は祝祭(カーニバル)の如く
天幕旅団
劇場MOMO(東京都)
2012/12/20 (木) ~ 2012/12/24 (月)公演終了
満足度★★★
象徴表現
かなり象徴的な表現を用いた演出であった。だが、この作品は、やはりリアリスティックに作る方がインパクトは強いのではあるまいか。スクルージを改心させる為に現れる霊的存在もそれでこそ、活きてくるのではないだろうか?
【緊急再演】つぎとまります【王子小劇場】
劇団肋骨蜜柑同好会
王子小劇場(東京都)
2012/12/14 (金) ~ 2012/12/15 (土)公演終了
満足度★★★★★
オデュセイア+銀河鉄道の夜
属国で現在を生きる若者が喘ぐ閉塞感にも拘わらず、なお踏み止まろうとする覚悟と同時にエスケープへの憧れ、と、殆ど自己投棄を通しての飛躍への意思が、鮮烈である。自らを塵と同一視しても尚、己の内側から芽吹いてくるものから逃げることは出来ない。
泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2012/12/13 (木) ~ 2012/12/25 (火)公演終了
満足度★★★★
ひまわり
ラストでハジメが歩き始める時、それ迄ずっと傾け続けていた首を昂然ともたげ、冷たい冬の大気の中を出掛けてゆく姿にこの作品の要が秘められていよう。母の愛したひまわりのように、例え踏みつけられ泥まみれになろうとも、太陽のようにいつでも笑っていようという覚悟が人の心を打つ。
マペットのクリスマスキャロル
巴プロデュース
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了
満足度★★★★
素敵なXマスプレゼント
マペットが初めて用いられたのはセサミストリートに於いてである。教育番組として作られたTV番組であったが、人気を博し、“アベニューQ”というタイトルで劇化されることになった。当然、大人も対象になるので、教育番組より内容的にも複雑で大人びていた。そのように高度化した作品の要請から、マぺティエ自身が人形だけを観客の目に晒していたそれ迄の形式から、文楽のように人形と共に演技をする形に変わったのである。この変化で、より複雑で高度な内容を無理なく表現できるようになったと言えよう。今回の演目はクリスマスキャロルであったが、マペット、マぺティエ、役者が登場しコラボレーションで舞台を作ってゆく。マペットでは顔の表情などを役者の演技ほど上手にこなすことが出来ないとの思いからか、マぺティエが、手指を用いて情況を、或いはメンタリティーを適切且つ雄弁に演じていたことには感心した。