満足度★★★★
本物の言葉
本物の言葉というのはすごいですね。会話を聞いていると公判記録が取られた時代の背景が浮かび上がってくるようでした。
資料を積み上げて作ったフィクションでは出せないノンフィクションの魅力を教えてもらいました。
役者の熱演と女優の美しさも印象的。
満足度★★★★
実験公演ということで
裁判記録を元に作成されたということでしたので、法廷舞台かなと思っていたのですが、違っていましたね。
演目は
1.秋葉原無差別殺傷事件
2.結婚詐欺・連続不審死事件
3.日本社会党委員長浅沼稲次郎刺殺事件
4.226事件
5.ジャンヌ・ダルク異端審問裁判
お話の性質上、観る舞台というよりは聴く舞台という印象が強かったです。
特に1の秋葉原の演目の際は。ただ、独白させるなら独白させるで貫いた方が良かったかも知れません。審問する人はいらなかったかも…
2の結婚詐欺事案については物語の様になっていましたが、どうしても脚色が入ってしまう危ない演目ですね。特に係争中の事案の取り扱いは要注意に思いました。但し、製作者に意図の有る脚色で、観る側に意図を理解させた上での演目なら良いかと。全体的には演目過多な気もしましたが、実験公演ということでしたので。
無題807(13-236)
14:00の回(晴、暑い)。13:10会場着、受付(チケットに整理番号あり)、13:30開場と聞いたのでその時間に戻ったらすでに開場していました。4面客席、パイプ椅子といつもの後方パイプ段席、この会場で一番の大人数だったかも。13:56前説(120分)、松枝さんの解説、14:08開演〜16:00終演。5演目(現行刑法3、旧刑法1、海外1)。上告中、控訴中、被疑者自殺、軍法会議、異端審問。異色の取組でしたが、すみません、個人的にはもうひとつでした。先月みた、同じように実際の事件を題材とした法廷ものもダメでしたので、あわないのかもしれません。
満足度★★★★★
拍手喝采。
私が一番最初に観た劇団であり、これからも一生観続けるであろうアロッタファジャイナ。最近の、様々なものが削ぎ落とされ且つ特有のフェティッシュ感は失わずにシンプルに人間の力を伝える作劇スタイルがなんだかとっても好きで、3月の新国立劇場での「国家」同様、観ていて終始ワクワクしっぱなしでした。
今回は実験公演とのことでしたが、裁判記録そのままかと思いきや、その被告人たちの言葉を伝えるために実に効果的な演出が施されていて・・・父を殺された娘の復讐や士官学校の先輩後輩の邂逅、実際にはありえないであろう被告人と面会者との抱擁等々がこの上なくドラマチックに観る側にその心を伝えてきて。役者さんの誰もがその人物の思想を自らのものとして心身に取り入れて発する力を持つことの凄み、そんな演劇の魅力とともに実に力強く濃密な2時間を体感させてくれました。どうやら実験は大成功のようですね♪
満足度★★★★★
Don't think. Feel!
120分。とても楽しめた。
直近のあまりに残虐な事件についても触れられているので
楽しいという表現が適切かどうかはわからないが、、、、
特に”連続不審死事件”についての公演は、
笑いたくなる場面も多数あったのだが
会場内の雰囲気に押しとどめてしまった。
”実験公演”という意味でいえば、
我々観客も一幕20数分間
物音ひとつさせずに椅子にはりついて、
舞台に集中できるのだなぁ~~
と妙に感心した。
千穐楽に至っては
”咳払い”をする為にわざわざ廊下にでられたお客さんもいらっしゃったが、
緊張感を持って観覧するという マナー?実験?という観点も含め、
キャスト・観客・スタッフ が一体となり素晴らしい舞台空間であったと感じた。
満足度★★★★
オムニバス
どんな内容になるか期待して見に行ったが思ったより観やすくというより普通という印象(もちろん面白いが)
しかしこれを裁判記録を基にとか実験企画ということを聞かされずに観たら普通だなと感じたと思う。
素人目からすると一からなにかを作るよりテキストがありしかも現実に起こったという話題性やリアリティもありそこに自分のイメージでちょっとストーリー性を加えた会話や演出にするほうが楽そうと感じた。
もちろん膨大なテキストや情報を取捨選択し1本あたり20分にまとめ上げる手腕に評価されるべき
満足度★★★★
裁判を入口に
記憶に新しい裁判から歴史の一ページとなった裁判まで、
実存した5編の裁判記録をベースに
5本の二人芝居が編まれて。
単純に裁判自体を再現するのではなく、
それぞれの裁判から垣間見える人や世界が
しっかりと作りこまれていて、
しかも、それぞれから切り出されるものの色が
異なる方向性や表現を持っていて見飽きることがない。
舞台に紡ぎだされた世界を、
漏れなくたっぷり楽しむことができました。
満足度★★★★
被告に何を見るか
一緒に観た友人が「写真のような芝居だった」と感想を述べました。
まさに、言いえて妙。
物語があって「こうしてこうしてこうなりました」という明確なオチがあるのではなく、ポンと切り取った場面で、観る人の思いに任せる絵画的な芝居だったと思います。
被告人たちの言葉から感じるものは、観客によって大きく違う(そのあたりはネタばれで)が、だからこそ面白いと思いました。
開演前に当日パンフの「事件概要と演目の内容」を読むようにと再三アナウンスがあり、私もしっかり読んでしまいましたが、読まない方が良かったと思いました(笑)
色々な想像力をかきたてられてから見ても遅くない。
絵画の解釈も、自分が鑑賞してから教えてもらいたいし。
満足度★★★★★
裁判記録が芝居になるということ
27日の初日に続いて30日も観劇しました。
裁判記録から取り上げられるエピソードは、芝居にするだけのセンスあるものでした。
迫真の演技が、単なる裁判記録を再現したものとは言わせない価値あるものにしている。
226事件は、独壇場の名演技を見せてくれる。必見です。
そして客演される女優陣のなんとも美しいこと。
満足度★★★★★
好き!
雰囲気とか見せ方とか凄く私好み。
心理を丁寧に表現してくれてて観ててドキドキした。
番外公演じゃなくて本公演も観てみたい。
どれも好きだけど②③④が特に面白かった。
満足度★★★★
演目1と2は、テレビのニュースではメインに取りあげられていなかった部分をメインに取りあげていて、衝撃を受けた!
劇団アロッタファジャイナの新作「被告人〜裁判記録より〜」は、実際の裁判記録を台詞にするという実験公演で、①秋葉原通り魔事件、②連続不審死事件 (被告人:木嶋佳苗)、③日本社会党委員長刺殺事件、④226事件、⑤異端審問裁判 (被告人:ジャンヌ・ダルク)の5つから成るオムニバス。
実際の裁判記録を使っているのに、①で使われた部分が、私は知らなかった加藤被告に同情できる部分ばかりで、もはや加藤被告が死刑になって当然とは思えず、衝撃を受けた!
②も、テキストは実際の裁判記録なのに、舞台を裁判所から変え、相手の役柄を弁護士/検事から変えるという面白い演出をしていて、興味深かった!
③-⑤は、リアルタイムでは知らないし、国家を変えるだとか、現代の私達は諦めてしまっていることをやろうとしていた人とかの話で、あまり興味が持てなかったけど、④が1番面白かったとおっしゃっていた方もいたので、人それぞれ。
満足度★★★★★
題材の選択・アレンジと構成が巧みな二人芝居集
現代のものから歴史的事件まで全5編から成る二人芝居短編集。
次第に過去の事件へ遡る構成で、進むにつれて虚構度も上がるシカケ。
1編目は法廷での弁護人による尋問シーンで、弁護人の意図するものが手に取るようにワカるのが快感。
巧いところを切り取ったモンだ。
2編目は法廷での尋問を別の状況に置き換えてあり、どこが創作部分か想像しながら観る楽しみアリ。
3編目以降は歴史的事件で「記憶」ではなく「知識」の範疇に属す分、元々馴染みが薄い上に裁判記録以外のテキストも使っており、まさにドラマや映画を観る感覚に近いか?
そんなことから「芝居としての見せ方」に目が行く。
そして、結果として「アロッタファジャイナ流(あるいは松枝流)二人芝居」を観た感覚となり、これまたそれはそれで満足度大。
それぞれタッチが違っており、最終編など照明が…(ネタバレ自粛)…だし、空調まで切っていたし。
なお、2編目あたりから松枝さんの狙いがワカるような気がして、以降頬が緩んでしまい、真面目な顔でご覧になっていたお客さんの中で浮いていたような気が…(爆)
さて、次はどんな「実験」をしてくれるのかな?
満足度★★★★★
情報の取捨選択!
この実験公演を表現として形創るのには、相当な時間と労力を費やしたと思われる。情報の取捨選択により第三者の見方が大きく変わることを十分感じられていると思います。そしてそのチャレンジに敬意を表します。
さて、この舞台、とは言っても舞台らしい舞台はありません。6〜8畳ぐらいのスペースを部屋の中央に取り、コンクリート丸裸の床の上で実験演目5つを2人ずつで、役者は皆白装束に裸足の出で立ちで演じます。最前列の観客との距離50cmから1mなので動きなどほとんどないにも拘らず桁外れの臨場感。本番中の役者の顔や表情、そして言葉をこんな近くで見聞きしていいのだろうか。被告人が本当に訴えたい事や真実の姿というものを少なからず感じ取ることが出来たと思います。
役者さん皆さん見事でした。ぜひ、続編お願い致します。
満足度★★★★★
知的しかもラディカル
出演者全員が裸足という演出は、裸の人間を示唆して興味深く、衣裳も白っぽい木綿系統の素材でナチュラルで飾らない在り様を示している。このような演出からも明らかなように、扱われた5つの事件で被告人とされた者は総て、人間的に描かれている。この視点が、肝要だろう。また、5件のうち4件を日本の事例で残り1件をフランスの事例で描くことにより、洋の東西を比較対象せしめ劇的効果を高めている。
演じられることを前提としない文章を演劇化するという難題は、無数のシチュエイションを可能にするが、それを意味在る形に切り出す作業だけでも気の遠くなるような時間と労力を必要とし、己の立ち位置の自覚を促す。否、立ち位置が決められないようでは、形にさえならない。そのような知的煩悶を経て選ばれたシチュエイションは、時間的制約もあり、無駄が削ぎ落された言わば骨格である。最終的判断は、観客と作品の関係を通して、各々の腑に落ちる所にしかあるまい。つまり、客観など無いのである。それが、裁判。人が人を裁くことの根底にあるアポリアなのであろう。
(追記2013.8.31)
満足度★★★★★
被告人
あの空間の中で、間近に感じられる。引き込まれる!ただ、寒かったです。
椅子に置かれている演目の内容を読み、入っていけました!
役者さんが、その人になってる?っていうんですかね?すいません、文章にするのは難しいです。。
満足度★★★★★
被告人の「生の声」とはいかなるものなのか
「実際の裁判記録」を舞台化した作品であり、「実験公演」ということなので、てっきり、リーディングか、それに近い法廷劇になるのではないか、と勝手に思っていた。
しかし、そうではなかった。
約120分の上演時間だったが、面白く、あっという間に時間は過ぎた。
<個人的にオススメする見方>
どれも有名な事件なので、ある程度知っている人はそのまま劇場に行き、当日パンフレットに目を通さずに観劇したほうがいいと思う。
もし、よく知らない事件があったとしたら、ネットで軽く検索して、事件のあらましと被告人についてざっくりと知っていたほうがいいと思う。もちろん、当日パンフレットには目を通さないほうがいいと思う。
なぜ。当日パンフレットに目を通さないほうがいいと思うかと言えば、それぞれの事件のどの部分を、どうやって見せてくれるのかを、直接自分の目で楽しんだほうがいいと思うからだ。
つまり、自分がなんとなく知っていた事件の内容と被告人のことについての知識と、実験主(松枝さん)が見せたい内容との違いを楽しむことができるからだ。
<ネタバレ>は、つい調子に乗って書いてしまったので、もの凄く長文です。
満足度★★★★
公判記録
日本語であっても何が書いてあるのかよく理解出来ないのが法令集、判例集、契約書の類。きっと公判記録もそうでしょう。実を言うと、戯曲、台本も同じくらい分からない。あらゆるところから面白いネタを探し、それをうまく翻訳してステージ化してくれる演劇人てスゲー!
満足度★★★★
実験というほど奇天烈(偏見ですね(-_-;)な感じは受けませんでした
それよりもオーソドックスなオムニバス劇に思えました。
大体2時間ほどで5本ですねー、
なので小劇場的にも正統派みたいな感じまで受けてしまったです。