公演情報
「20の物語 -週末を、劇場で-」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
本企画には結局二演目のみ観劇が叶った。どちらも人気だったのか、客席も埋まり(3週間の週末限定20演目という催しにも関わらず)、新国立の動員力も中々と恐れ入った次第。
観る事の出来たのは「不毛ドライブ」「煙草のハイ(high)について」。
個別の感想はネタバレ欄にて。
実演鑑賞
満足度★★★★
ロング・クリスマス・ディナー
当然だが『わが町』に何となく似ていて、ここでは描かれる時間が90年に引き延ばされ、上演時間は3分の1ぐらいに凝縮され次々と時が移る。短編にもかかわらず登場人物がたくさんいるのに、俳優の役がひとつも被らない。
ラスト・ヤンキー
上演時間がたった20分で、ひと山来たところで終わってしまう。この20分の中にも見事に社会の矛盾が提示されるが、もう少しこの二人の会話を聴いてみたいと思わされた。
実演鑑賞
満足度★★★
ボーナスプログラム
リーディング公演『タバコの害について』
【作】アントン・チェーホフ
【演出】小川絵梨子
有名な作品だが初めて観れた。1886年、売れる前のチェーホフ26歳のユーモア戯曲。1902年に一部書き直したのか?書籍化?下総源太朗氏は綾小路きみまろの恐妻家漫談風に観客を盛り上げる。喋りはマギー司郎っぽいか?学校のパンフレットを一部1000円で叩き売り。一人の観客が「買った!」と本当に買う。(終演後、スタッフが頭を下げお金を返し引き取りに来た)。タバコの話などせずずっと妻への愚痴を並べるネタ。
『煙草のハイ(High)について-吸煙對身體有High-』
【作】鴻鴻(ホンホン)
【演出】小川絵梨子
作者はエドワード・ヤンの名作『牯嶺街少年殺人事件』の脚本家!台湾の超大物。
かんのひとみさんはいつもながらに面白い。妙なユーモアの味がある。煙草をプカプカ吹かせながら、話はあっちこっちへ飛ぶ。同じ名前の女友達の話が面白い。性格真逆、学校出て即結婚出産の子といろいろ遊んでアメリカに出産しに行った子。「どちらの子の話か分かりますよね。」中国とアメリカに挟まれた台湾人自虐ギャグも。この辺、日本人にはイマイチ感覚が掴めない中国への複雑な感情。今まで吸ってきた煙草を彼氏に擬人化した遍歴ギャグ。チェーホフへのオマージュとして、はなっから喫煙による健康被害を訴える気などさらさらない。そもそもあんた達何でこんな講演、見に来てんの?
実演鑑賞
満足度★★★★
パッシング・バイ
半分リーディング公演+半分普通公演のような印象で、二人の俳優は途中から台本を全然読まずに、手に持つこともほとんどなくなり、普通に演技していた。なぜリーティング公演にしているのだろう。
見ていてずいぶんイライラさせられるカップルだが、彼ら自身もほぼ常にイライラしているが、その彼らの関係が終わるまでの数ヶ月を淡々と描いている。
ナディア
これもなぜリーティング公演にしているのかよくわからない。短編なのがもったいないような宗教絡みの重いテーマと思うが、短い作品の中に振幅のある展開がある。ムスリムの中にもいろんな立場があること、家族関係の変化、娘の葛藤など、もっとじっくり観てみたかった気もするが、なかなかの佳作。やはり年配二人の俳優の味わい深い演技が印象に残る。
実演鑑賞
満足度★★★★
リーディング公演『ナディラ』
【作】アルフィアン・サアット
【演出】小山ゆうな
小山ゆうな作品は何かどうもイマイチだったがこれは傑作。今企画、最大の収穫。きちんと作品化して広く上演すべき題材。インドとパキスタン、敵対する二国間、国境も宗教も越えて人間を描く『バジュランギおじさんと、小さな迷子』、イスラエルとパレスチナの間を右往左往するリアルな人間模様、『テルアビブ・オン・ファイア』といった傑作に連なる作品。今を生きる若きイスラム教徒から見えている世界。用語解説の紙が配られるなど難解な印象を受けるが観れば痛快。作家の世界の見方が面白い。
シンガポールのマレー系作家・アルフィアン・サアットの2010年の作品。シンガポールに元々暮らしていた住民はマレー系のイスラム教徒。そこに中華系、インド系、ユーラシアン(欧州とアジアの混血)、プラナカン(中華系かインド系とマレー系かインドネシア系の混血)が加わり多民族国家へとなっていく。現在、公用語とされる言語も英語、中国語、マレー語、タミル語の4つ。宗教も仏教、無宗教、キリスト教、イスラム教、道教、ヒンドゥー教など多種。多民族多文化共生国家なんて本当に可能なのか?
主演のナディラ役渡邊真砂珠(まさみ)さんは木村佳乃っぽい美人。大学のムスリム・ソサイエティの副代表。表情が時折、蓮舫になる。MVP。
お母さんサヒラ役は小島聖さん。声が鬼頭典子さんに似ていることに気が付いた。歌も印象的。
田中亨氏は随分痩せた印象。大学のムスリム・ソサイエティの代表役。マンチェスター・ユナイテッドのウェイン・ルーニーのファン。
ユーリック永扇(えいみ)さんはダレノガレ明美っぽい。ムスリムから無宗教に揺れ動く大学生役。
中村まこと氏は流石の味。クリスチャンの医師役。リヴァプールの熱狂的サポーター。
凄く面白い。全く異なる宗教(価値観)を信じる者達との共生へのヒント。
いずれはこの作家の特集上演など大きな流れになるであろう。日本人もこの現実から目を逸らしてはいられない。
実演鑑賞
満足度★★★
リーディング公演『パッシング・バイ ー通りすがり』
【作】マーティン・シャーマン
【演出】山田由梨
ゲイであることを公言している作家の1974年の作品。1972年夏、ニューヨークの名画座で『突然炎のごとく』を観ていた二人の男性が一夜を共にする。アトリエ兼用のトービーのアパートで。トービーは画家を目指すワインショップの店員。サイモンは1968年メキシコシティ・オリンピックの飛び込み銅メダリスト。スポーツキャスターを目指してオーディションを受けている。
トービー役、長井健一氏は近藤春菜風のフェミニンさがユーモラス。清潔感がゲイっぽい。※オープンリーゲイの俳優だと後で知った。
サイモン役、森かなた氏は垣原賢人のような肉体美が健康的。
実演鑑賞
満足度★★★
『ラスト・ヤンキー』
【作】アーサー・ミラー
【演出】蓬莱竜太
1991年、アーサー・ミラー晩年、2005年に逝去するまでの最後の作品群の一つ。精神病院の待合室で妻を見舞いに来た二人の男の会話。実業家として成功した男(石母田史朗氏)が腰掛けていた大工の男(本折最強さとし氏)に話し掛ける。20分。
本折最強さとし氏。正統派の面構え、ナイツ土屋系統。台詞の噛みが少々。
石母田史朗氏。音響のせいなのか前半部、台詞が聴き取り辛かった。浦沢直樹の描くキャラ顔。
実演鑑賞
満足度★★★★
『ロング・クリスマス・ディナー』
【作】ソーントン・ワイルダー
【演出】宮田慶子
1931年発表、否が応にも『わが町』を連想させる内容。『わが町』は1938年発表なので今作のアイディアを更に練り上げたのだろう。
中央に長いダイニングテーブル。上手に無機質なドア枠、下手に花で飾られたドア枠。
アメリカ中西部ベィアード家の90年間に渡るクリスマス・ディナーを書物をぱらぱらめくるように描く。
①ロデリック・ベィアード(前田一世氏)
妻ルシア(浅野令子さん)
ベィアード夫人(村中玲子さん)
結婚して初めて迎えるクリスマス。張り切る新妻の浅野令子さん。家長の前田一世氏は工場経営で地元の名士。義母の村中玲子さんは惚け始めていてこの土地がまだ開拓中だった幼い日の記憶を語り出す。ミシシッピー川を渡る為に筏を作ったこと。
村中玲子さんが車椅子で出て来るシーンで「これはちゃんと観なくちゃ駄目な奴だ」と思わされた。
アラスカ帰りのロデリックのいとこ、ブランドン(中山祐一朗氏)がディナーに加わる。
産まれた長男チャールズ(中西良介氏)
そして長女ジェネヴィーヴ(岡崎さつきさん)
乳母車に乗せた赤ん坊を運ぶ看護婦もしくは乳母(向井里穂子さん)
実演鑑賞
満足度★★★★
命を弄ぶ男ふたり
奇妙なシチュエーションで、短い中に目が離せない展開があって面白く、引き込まれる。
口に花を持つ男
こういう役は、渡邊りょう氏は実にうまい。
不毛ドライブ
訳ありで腹を探るように核心部分の周囲をぐるぐる廻りながら微妙な感情の揺れ動きが顕されていく流れが面白い。金髪男の、ただヘラヘラしているだけではなくて、どこか腹に一物ありそうな不気味なしつこさの演技が良い。
実演鑑賞
満足度★★★★
『軽塵』を観劇。
古い戯曲なので、どうかな?って思っていたら、睡魔に襲われることもなく引き付けられました。
戦時下の時代背景ですが戦争が主題というわけでもなく、極限状態における人間性の発露、叫びみたいなものを描く装置かなって。
自立っていうかね。こういうテーマって現代は多く描かれてるけど、古いはずのこちらの戯曲のほうが進んでるような、腑に落ちる感覚をおぼえる。
周囲への敬意と、それでもの覚悟が強く響いた。
須貝英さんの演出は派手さこそないけど、確かで平均点が毎回高い印象で。
今までハズレだと思ったことは無く、今回も良かったです。
戯曲の選択も役者の選択も、間違いないですね。
実演鑑賞
満足度★★★★
『不毛ドライブ』
【作・演出】蓬莱竜太
体調も天候も悪くて一日中気が滅入る。けれど今作は面白かった!関口アナン氏は竹下景子さんの息子であることと『青春、絶望を笑う』のイカれたお笑い芸人のイメージしかなくて、特殊な役専門だと勝手に思っていた。今作はズバリの適役。職場のムカつく嫌な年下の先輩が朝5時に電話してきて家までの送迎を頼んでくる。糞、何で俺が!?居酒屋「呑兵衛ちゃん」に入って3ヶ月の濱仲太氏。8年いるヤンキーが抜け切れない偉そうな関口アナン氏。
誰もが似たような実体験があるであろうバイト先の人間関係。イライライライラしながらハンドルを握る濱仲太氏に横柄な態度の関口アナン氏は横浜に向かえと指示。え?家に帰るんじゃねえのかよ!
松本大洋の描き下ろしみたいな味。
是非観に行って頂きたい。
実演鑑賞
満足度★★★★
ストロンガー
この二人芝居ではしゃべらないほうの役の演技がやはり難しいと思われる。本舞台では、何を考えているのかわからないというか、迷走しているような印象。以前観たものはスタンスが一貫していて心理がわかりやすかったが、しかしそのため単純すぎるというか陳腐な芝居になってしまっていた。やはりこの作品はなかなか難しいらしい。
トライフルズ
まさに佳作。短編のために青年座の津田さんを使うのはもったいない気もするが、そのおかげで短編ながらしっかりした重い作品になっていた。
実演鑑賞
満足度★★★
『命を弄ぶ男ふたり』
【作】岸田國士
【演出】大澤遊
三上陽永氏演出、串田十二夜氏&中田春介氏ヴァージョンを観たことがある作品。話は知っているのだが顔中包帯ぐるぐる巻き男・渡邊りょう氏の解釈と喋りに驚いた。パーフェクト。渡邊りょう氏の包帯はルチャドールのマスクのようになっているのだろう、良い出来。耳まで塞いでも聴こえるように工夫されている。
眼鏡をかけた男・寺内淳志氏は田島亮っぽくてカッコイイ。涙を拭き洟をかむハンケチが重要なアイテムに。岸田國士の1925年発表の戯曲。101年前の作品とは思えない軽妙な遣り取り。少し弄っているのだろうと思ったがオリジナル通り。
『口に花を持つ男』
【作】ルイジ・ピランデルロ
【演出】大澤遊
深夜、駅近くのバー。最終電車に乗り遅れた寺内淳志氏がやって来る。先にいた渡邊りょう氏が彼の様子を窺って話し掛ける。
ルイジ・ピランデルロはイタリアのノーベル文学賞作家。1922年初演。原作では渡邊りょう氏の妻が登場するようで、そこをテキレジか?
実演鑑賞
満足度★★★
『チョコレート・アンダーグラウンド』
【原作】アレックス・シアラー
【脚色・演出】鈴木アツト
元は2002年にイギリスBBCの子供向け連続TVドラマ『Bootleg』として全3話で放送。それを原作者アレックス・シアラーが小説化。日本の出版社である求龍堂がタイトルを変え、『チョコレート・アンダーグラウンド』として邦訳。コミック化アニメ化『チョコレート・アンダーグラウンド~ぼくらのチョコレート戦争~』として配信&劇場公開。更にミュージカルにまでなった人気作品。健全健康党が政権を握り、「チョコレート禁止令」が発令されたディストピア社会。チョコを愛する中学3年生二人組が密造&密売で立ち向かう。
6人でこれを演るのか。一体何役を兼ねるのか数えられない程のチームワーク。開演前から客席をチョコレート警察が巡回している。
スマッジャー役國崎史人氏。松村雄基系。
ハントリー役仁木祥太郎氏。表情が時々、片岡愛之助。
バビおばさん役佐乃美千子さん。流石に美人、中学生から老婆までこなす。
チョコレート警察隊長役柳内佑介氏。古坂大魔王や坂本ちゃんっぽい。ボイパのように環境音を音マネ。
フランキー役斉藤悠氏。凄腕。どの役も薬味が効いている。
スマッジャーの母親役篠原初実さん。大忙し。
国でも企業でも知性の欠けた連中に好きにやらせておくとさっさと滅びる。マトモな奴等は相手にせず皆黙って去って行く。それが世の理。
「リンゴしゃきしゃき気分を、同志」
「オレンジじゅくじゅく気分を」
是非観に行って頂きたい。
実演鑑賞
満足度★★★
『軽塵』
【作】秋元松代
【演出】須貝英
かなり味わい深い戯曲。戦後、三好十郎の弟子となり1947年に発表した秋元松代の処女作。その後、三好十郎とは訣別する。秋元松代は横浜生まれ、父親が早世し母親が必死に家計を支えた。口先だけの社会主義にかぶれた兄達を憎悪し二十歳で家を出る。今作は三好十郎に促されて記した、「書いて置かなければ一生後悔する自分自身の核」。
昭和20年夏、空襲が毎夜繰り返される横浜。家長である猪野学氏、妹の堺小春さん、妻の横山友香さん、妻の妹である小口ふみかさん、叔父(亡父の弟)のまいど豊氏が暮らす。隣に独りで住む女学生、きし朱紗(あかしゃ)さん。小口ふみかさんは嫁いだ先で旦那と揉め、帰って来ている。堺小春さんは東京で夜学校の教師をしていたが空襲で焼け出された。
父親を14で失い、その日から家長となった猪野学氏。根津甚八っぽい風貌で表情は國村隼。
モデルとなったのは秋元松代の兄、俳人・秋元不死男。
きし朱紗さんの側転。凄く当時っぽい喋り方。『青い山脈』みたい。
秋元松代の自己を投影したであろう堺小春さん。
MVPは小口ふみかさん。オーバーアクト気味だがここまでしないと作品が盛り上がらない気もする。
空から爆弾が降り注ぐ日常。“死”がすぐ傍にある毎日。そんな状況だからこそ、人は自分の“生”と真剣に向かい合う。今、自分自身にならないと自分の人生は一生送れない。
是非観に行って頂きたい。
実演鑑賞
満足度★★★★
ラッツォクの灯
途中でまったく別の劇が挿入されることもあり、短編では少々もったいないテーマとも言えるが、ショックからなかなか立ち直れずネガティブになりがちな主人公の不安定な心の有り様を永嶋氏が巧く演じていて、短編でも心情と雰囲気が良く伝わる。ところでランナーが登場するのはあの場面だけ?
実演鑑賞
満足度★★★★
トイレはこちら
不条理劇というよりはコントに近い感じだが、演者が本職の俳優なので舞台作品として手堅く纏まっている。ロープがはるか上空から垂らされている、という感じで面白かった。
或日の一休和尚
武者小路実篤がこんな戯曲を書いていたとは知らなかった。前劇に続きコント風のストーリーと演出なのかなと最初は思ったが、なかなかの佳作で唸らされた。
実演鑑賞
満足度★★★
『トイレはこちら』
【作】別役実
【演出】西沢栄治
森の奥、首吊り自殺を決行しようとする女、そこにやって来た妙な男。
浅野令子さんは凄腕。『無頼の女房』でも圧倒されたが今作もパーフェクト。室井滋っぽい。
佐野陽一氏はタカアンドトシのトシっぽい。
二人の計算がズバリ当たり、戯曲の芯を突く。自分の観た別役実作品で一番納得させられた。観客はどっかんどっかん沸いていた。
コントのように観ていたが、これは落語なのかも知れない。目的が笑いではなく別にあるようだ。価値観をずらす狙い?
『或日の一休和尚』
【作】武者小路実篤
【演出】西沢栄治
土器(かわらけ)売りを脅して追い剥ぎするなどギャグ漫画のような一休。気違い坊主のようでいて彼には彼の哲学があった。ポップな衣装。
一休(原金太郎氏)、寺男(佐野陽一氏)、土器売り&葬式の依頼主&野武士(石原由宇氏)。
二本で55分。
是非観に行って頂きたい。
実演鑑賞
満足度★★★
リーディング公演 『マクベス』
【作】ウィリアム・シェイクスピア
【翻訳】小田島雄志
【構成】小田島創志
【演出】鵜山仁
あるのは四脚の丸椅子のみ。展開に合わせ、中央天井から吊り下げられたジョーゼット幕がドレープをくねらせて上下に舞い踊る演出。
岡本健一氏、中嶋朋子さんとビッグネームが並び、リーディングとはいえ今企画の看板のような作品。
『マクベス』はロマン・ポランスキー・ヴァージョンが一番印象的。後はやはり『蜘蛛巣城』か。平蜘蛛で手を洗う山田五十鈴の妖気。
マクベス岡本健一氏とバンクォー木下浩之氏が荒野で魔女・一柳(ひとつやなぎ)みるさんと邂逅するシーンからのスタート。手紙で予言を知るマクベス夫人・中嶋朋子さん、城に逗留する国王ダンカン木下浩之氏。客席通路を大きく使う。
やっぱり『マクベス』は面白い。リーディングを逆手に取ったシーンもあり、65分でも味わえる。
是非観に行って頂きたい。
実演鑑賞
満足度★★★
『水のほとりの女』
作 田中澄江
演出 小林七緒
凄く成瀬巳喜男を感じたが、やはり彼と組んでいだ脚本家の作品だった。1955年(昭和30年)、NHKのTVドラマとして単発放送された作品。演出の小林七緒さんは流山児☆事務所!台本を持って女優が現れ、ト書きを読み上げ、役を演じ始めてのスタート。
戦後の未亡人漫才のようなテイスト。戦死したとされる旦那を未だに待ち続ける貞淑な妻(町田マリーさん)とさっさと死んだ旦那なんか忘れてダンサーとしてさばさば生きる鹿野真央さん。対照的な学生時代からの友人の会話劇。「主人が、主人が、」と繰り返す町田マリーさんに痛烈なツッコミを入れる鹿野真央さんで観客がどっと笑う。
町田マリーさんは初めて観たと思うが鄭亜美さんっぽく感じた。
鹿野真央さんは『無頼の女房』で観た。さばさばして非常に魅力的。
ワンシーン登場の笹野美由紀さんの喋りは市川崑の『あなたと私の合言葉/さようなら、今日は』を思い出した。早口ざーます言葉の応酬が卓球の高速ラリーのように延々続き観客が酔っていく作品。
2回しか演らないのは勿体無い。
45分。
是非観に行って頂きたい。