20の物語 -週末を、劇場で- 公演情報 新国立劇場「20の物語 -週末を、劇場で-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    『軽塵』
    【作】秋元松代
    【演出】須貝英

    かなり味わい深い戯曲。戦後、三好十郎の弟子となり1947年に発表した秋元松代の処女作。その後、三好十郎とは訣別する。秋元松代は横浜生まれ、父親が早世し母親が必死に家計を支えた。口先だけの社会主義にかぶれた兄達を憎悪し二十歳で家を出る。今作は三好十郎に促されて記した、「書いて置かなければ一生後悔する自分自身の核」。

    昭和20年夏、空襲が毎夜繰り返される横浜。家長である猪野学氏、妹の堺小春さん、妻の横山友香さん、妻の妹である小口ふみかさん、叔父(亡父の弟)のまいど豊氏が暮らす。隣に独りで住む女学生、きし朱紗(あかしゃ)さん。小口ふみかさんは嫁いだ先で旦那と揉め、帰って来ている。堺小春さんは東京で夜学校の教師をしていたが空襲で焼け出された。

    父親を14で失い、その日から家長となった猪野学氏。根津甚八っぽい風貌で表情は國村隼。
    モデルとなったのは秋元松代の兄、俳人・秋元不死男。

    きし朱紗さんの側転。凄く当時っぽい喋り方。『青い山脈』みたい。

    秋元松代の自己を投影したであろう堺小春さん。

    MVPは小口ふみかさん。オーバーアクト気味だがここまでしないと作品が盛り上がらない気もする。

    空から爆弾が降り注ぐ日常。“死”がすぐ傍にある毎日。そんな状況だからこそ、人は自分の“生”と真剣に向かい合う。今、自分自身にならないと自分の人生は一生送れない。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    8世紀の唐の詩人、王維の有名な漢詩である「送元二使安西(元二〈げんじ〉の安西〈あんせい〉に使いするを送る)」。朝降った雨が細かな土埃を潤し、宿の前の柳は青々と鮮やかだ。さあもう一杯飲ってくれ。君が旅立つとここに親しい友はいなくなる。
    これは現在も中国で送別の際の定番となっている詩だそうだ。これが今作のタイトルの由来。

    堺小春さんと小口ふみかさんの対峙がドラマを生み、猪野学氏との互いの存在を賭けた対話がクライマックス。犠牲にした物の数を競うような生き方ではなく、誰も犠牲にさせない生き方を。

    ※FUCK OFF!

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    2026/07/25 16:02

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