20の物語 -週末を、劇場で- 公演情報 新国立劇場「20の物語 -週末を、劇場で-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    『ロング・クリスマス・ディナー』
    【作】ソーントン・ワイルダー
    【演出】宮田慶子

    1931年発表、否が応にも『わが町』を連想させる内容。『わが町』は1938年発表なので今作のアイディアを更に練り上げたのだろう。
    中央に長いダイニングテーブル。上手に無機質なドア枠、下手に花で飾られたドア枠。
    アメリカ中西部ベィアード家の90年間に渡るクリスマス・ディナーを書物をぱらぱらめくるように描く。

    ①ロデリック・ベィアード(前田一世氏)
    妻ルシア(浅野令子さん)
    ベィアード夫人(村中玲子さん)
    結婚して初めて迎えるクリスマス。張り切る新妻の浅野令子さん。家長の前田一世氏は工場経営で地元の名士。義母の村中玲子さんは惚け始めていてこの土地がまだ開拓中だった幼い日の記憶を語り出す。ミシシッピー川を渡る為に筏を作ったこと。
    村中玲子さんが車椅子で出て来るシーンで「これはちゃんと観なくちゃ駄目な奴だ」と思わされた。

    アラスカ帰りのロデリックのいとこ、ブランドン(中山祐一朗氏)がディナーに加わる。
    産まれた長男チャールズ(中西良介氏)
    そして長女ジェネヴィーヴ(岡崎さつきさん)
    乳母車に乗せた赤ん坊を運ぶ看護婦もしくは乳母(向井里穂子さん)

    ネタバレBOX

    上手のドア枠を越えると死の世界に去って行く。下手のドア枠からやって来るのが誕生。

    ②アルコールで体を壊していたロデリックが亡くなりチャールズが工場を継ぐ。
    結婚し、妻リオノーラ(美利さん)が一家に加わる。
    だが産まれた赤ちゃんはすぐに亡くなってしまう。
    更にブランドン、ルシアが続けて亡くなる。

    リオノーラが双子を産む。
    サミュエル(佐々木優樹氏)
    ルシア2世ベィアード(石川愛友さん)
    その後に三男が産まれる。
    ロデリック・ブランドン・ベィアード2世(森唯人氏)

    チャールズのいとこ、アーメンガード(中原果南さん)を家に呼び寄せる。

    軍に入隊したサミュエルは戦争で戦死。
    ロデリック・ブランドン・ベィアード2世は父と揉めて家を出て行く。
    ルシア2世ベィアードも結婚して家を出る。

    ジェネヴィーヴはこの家での暮らしに幻滅して外国へと旅立つ。
    チャールズは勘当したロデリック・ブランドン・ベィアード2世を許す手紙を書く。だが送る前に亡くなってしまう。

    ③リオノーラは娘、ルシア2世ベィアードの家へと去って行く。
    一人残されたアーメンガードはルシア2世ベィアードからの手紙を見付ける。彼女とその息子と娘の写真。

    前田一世氏は堤真一っぽい風格で神田正輝っぽくもある。
    中西良介氏は品川祐っぽい。

    時代が幾ら移り変わってもずっと繰り返されるものは人々の感情とその遣り取り。耐え難い苦しみを解決するものは時間だけ。他に何もない。
    七面鳥を切り分け、腿肉か胸肉かを何度も尋ねる家長。ワインを注いで勧める。
    今朝の牧師の説教に感動して涙が止まらなかったと言う妻。
    どの小枝も氷に丸く包まれていて、こんなの見たことがないとうっとり呟く若い女性。
    こんな可愛い赤ちゃん、世界で誰も見たことがない筈と浮かれる母親。

    1840年からの90年と考えていいのか。サミュエルは第一次世界大戦で戦死したのか?

    浅野令子さんの物語だと最後まで思わせることが不思議。この物語を始めた者に感情移入してしまうのか。
    ※ただ浅野令子さんのファンなだけかも。

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    2026/07/30 21:32

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