国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~ 公演情報 国家~偽伝、桓武と最澄とその時代~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-20件 / 32件中
  • 満足度★★★★★

    奈良平安
    丁度、高校日本史の教科書の検定が話題になった頃なので、歴史について考えるという意味でタイムリーな上演かもしれません。源氏物語や幕末、戦国、太平洋戦争などはよく演劇の題材になりますが、桓武天皇、最澄は前代未聞? シェイクスピアの悲劇に優るとも劣らない血なまぐさい権力闘争があった時代なので、今まで盛んに作品が作られなかったこと自体が不思議なくらいです。時代考証に忠実な演出でないどころか、衣装など極めて国籍不明でしたが、この作品が提示した日本という国家観や思想史に大いに刺激を受けました。

  • 満足度★★★★★

    再観劇
    見逃した部分もあったのと、解らない話しもありましたのでまた、観ました。
    プレビューと違って、演技力がアップしていました。
    後ほどネタバレします。

    ネタバレBOX

    2度観しましたので、もう相関図がなくても完璧に解りました。今回は前の席に大男がいなかったので、物語と役者さんを追うことができたのは嬉しかったです。大柄な男性はなるべく後ろの席にという配慮は難しいのでしょうか?

    今回もオサベ役の演技力が目立ちました。あと、最澄役の仏道に入りながらも世情を鑑みる苦悩の表情が見事でした。そして桓武天皇とのからみは、何度観ても泣けました。

    小日向さんは、初日と同じように滑舌が課題でした。冷静に観ているとご本人は一生懸命、演じていられたのが解り、好感を持ちましたが、重要な場面で嚙まれると、ハラハラしました。
    全体的に役者さんたちが自分の役柄にノッテルようで、見応えがありました。
    この分だと、千秋楽が期待できると思います。


  • 満足度★★★★★

    人間を演じるということ
    前回の新国立劇場での「ルドンの黙示」のようなエンタメを勝手にイメージしていたので、それとは違うベクトルでの演出にしばらく戸惑ったものの、見慣れてきたら驚くほど役者さん達の表現力に引き込まれて休憩なしの3時間超を夢中になって観てしまいました。

    見目麗しい役者さんや実力のある女優さん達の役者力を見せつけるかのような素舞台で、人間が人間を、特に一生に渡る生の重みを演じるということの凄まじさをこれでもかというほど堪能。

    中でも遠藤雄弥くんは、最澄という僧侶の思想そのもので舞台の上を生き、肉体は死しても思想を世に残すほどの人間を演じきる表現力は私が今までに観た役者さんの中でもトップに並ぶ鮮烈さ。厳かな佇まいのなか、背負うものの多さや重さをストイックに表現していたのですが、そのストイックさが逆にセクシーで、この役を演じられるのは彼の他には考えられないほどの唯一無二の存在感が素晴らしかったです。

    彼の他にも、良い役者さんが目白押し。中でも、桓武天皇の母と石塚を演じたさいたまネクストシアターの周本さんは若さに似合わない貫禄の演技で圧巻。そして安殿を演じた真山くんの魔性の色気にも戦慄。芸能界の第一線で活躍している方たちの魅力に圧倒させられっぱなしでした。

    色々初日らしい部分もありましたが、すっごく面白いと素直に思わせていただきましたので☆5つ。ちなみに、より舞台を堪能するために、桓武天皇と最澄をwikipediaで予習することをお勧めします 笑

    ネタバレBOX

    ・最澄の一生とは肉体の一生のみらなず。肉体は死しても思想を残し、長い長いときを経て世を変える力、その思想を伝える人間達を育てる力。そんな力・思想を持つ人間を演じきり、終幕後も魂が舞台の上に浮遊している確かな余韻。それが遠藤雄弥くんが見せた稀有な表現力。

    ・最澄と桓武天皇の友情はかなりフェティッシュで萌えますね(笑)

    ・主役なのでその二人に思いを馳せがちですが、安殿と薬子の悲恋に目を移すと途端にロマンチックなファンタジーに心を奪われます。安殿役の超絶イケメン真山くんに手を取られてキスをされる薬子役のナカヤマさんに思わず感情移入。そう、薬子ではなくナカヤマさんに感情移入(爆) あんなに乙女なナカヤマさんを観たのは初めてです。

    ・信念を演じた山田くんの、遠藤くんの最澄とは対を成す炎のような僧侶にも目を奪われました。

    ・殺陣の振り付けは三元雅芸さん。キレキレでカッコ良かったです。

    ・観ていて「終わらないでほしい」と思いました。長さがとても心地よかったです。

    ・初心者にオススメの理由は、一流の役者さんの凄まじさを観れるから。

    また思い出したら追記します*
  • 満足度★★★★★

    おもしろいけど、スターが欲しい。
    歴史に弱い僕としては収穫だった、前半は多少キツイけれど途中から自分の中での理解が深まってくると、どんどん面白くなって来た。
    ただ、活躍するシーンが主役級にちょっと足りない気がした。
    最澄にはもうちょっと活躍して欲しかったなあ。
    最澄の隣にいつもいる女性がとにかく美しくて見とれていた。
    衣装も素晴らしかったなあ、、
    もうちょっと演出でスターが作れたようなきがするんだけど、
    演劇とはこういうものなんだろうか。
    最後に、最澄が作りたかった良い坊主を作り世界を良くするシステムは
    未だに成功していないのは残念。お金好きの生臭坊主がほとんどでしょう。

  • 満足度★★★★★

    「国家」観ました!!
    初日から全部で3公演観劇させて頂きました。
    一番印象的だったシーンがあります。

    最澄が自分の死期を悟り、嵯峨天皇に願い出るシーンです。

    天に召された桓武天皇が、息子嵯峨天皇と共にその願いを聞き
    嵯峨天皇の肩にそっと手をやる・・・。
    その気配を感じる嵯峨天皇。

    このシーンは何度観ても号泣でした!!

    DVDに是非映して欲しいところでもあります!!

    3時間ノンストップと言う舞台ではありましたが、もう一度観たいと思わせてくれる作品でした。
    ありがとうございましたm(--)m

  • 満足度★★★★★

    大作
    内容も時間もそんな感じでした。 志を持ったヤマベとサイチョウ、今の政治家にも見習って欲しいですね!? 客席も使ったセンターステージの演出も良かったです。合間合間に入る小日向えりさんの説明もよかったのですが言葉に詰まるところがあったのは残念でした。最後にアテルイ役の藤波心さんが存在感のある予想以上の好演でした。

  • 満足度★★★★★

    えっ?うそ。
    上演時間が3時間越え。
    まさかの休憩なし。
    でもそんなことを感じずあっという間でした。

    男くさく
    泥くさく
    男の友情が詰まってました。

    芝居はハートです。
    ハートがあふれるアツく、
    暑苦しいほどアツい芝居でした。

    観て本当に良かった。
    こんな素晴らしい芝居は久し振りです。

    ありがとうございます!!

  • 満足度★★★★★

    若者の光と挫折を骨太に描く
    周囲を観客に囲まれた、隠れることないステージの上で、若者たちの火花が散る。
    舞台はシンプルなのに、どのシーンも、どの一瞬も見事に「絵」になる。
    3時間超の作品なのに、ずっと息を呑んで観た。

    ネタバレBOX

    国家がどう生まれ(変わっ)ていったのか、ということよりも、「こうしたい」という熱く目標を掲げ、それに邁進していく若者たちの姿が印象的であった。
    熱い若者たちの舞台だった。

    連綿と続く古びて腐り始めた体制を、自分たちの手で変えたいという若者はいつの時代も現れてくる。
    しかし、当然それに対する反感も旧体制側にいる人たちから起こってくる。
    新しいことをしたいと思う者が、どうやって現れて、どうやってそれを成し遂げようとするのかは、桓武の時代であっても今の世であっても同じだ。

    異端の天皇として誕生した桓武天皇は、正統な系統から見れば、しがらみが少ない。だから思い切ったことを実践できるのだろう。「変化したモノが生き残れる」というのは、生物の世界にあっても真理だ。
    ただし、だからと言って、傍系からやって来た者が新しいことをしようとすれば、その出る頭は叩かれる。

    どんな時代にあっても通用するリーダーというものはいない。
    「変革の時代」には、「変革の時代のリーダー」が必要だ。

    桓武天皇は、まさにその時代に呼ばれてきたリーダーだ。
    人間力とビジョンが人を牽引する。

    リーダーを精神的にサポートしたのが、最澄だ。

    桓武天皇の「理想」「ビジョン」に最澄が共鳴しただけなのではなく、最澄の思う仏教のあり方(国家の精神的背骨となり得る)に桓武天皇も共鳴したのだろう。
    互いの熱き心が共鳴し合う姿が、舞台の上でも輝いていた。

    若者の熱き血潮の舞台と言えば、蜷川幸雄さんのさいたまネクストシアターを思い浮かべてしまう。
    蜷川さんは、力技で若い役者の熱さを引き出しているように思う。
    そして、無理矢理とも言えるような、独自の外連味的な演出で、観客をねじ伏せてくる。
    老人だからこその、手練れであり、その力は凄いと思う。

    翻って、アロッタファジャイナ、つまり、松枝佳紀さんの描く若者は、単に勢いや力だけではない。
    「誰にでもわかりやすく、いつの時代も同じな、若者の苦悩と生の迸りを描く」のが蜷川さんだとすれば、松枝さんは「今、目の前にいる若者の痛みと不安を含めての、若さを描いて」いると思うのだ。

    そして、蜷川幸雄さんがトップダウンであれば、松枝佳紀さんはボトムアップで舞台を作り上げているというの印象だ。

    演出家もまた座組のリーダーである。
    ひょっとしたら、松枝佳紀さんは密かに桓武天皇に自分を重ね合わせて演出していた、と思いながら観ると面白いのだろう。

    リーダーは決断をしなくてはならない。なので、孤独である。
    公式・非公式のパワーを使って、権限と人間力で組織を動かす。
    ビジョンや価値観を組織内でどう共有するかが課題だ。

    そして、目的に向かうときに邪魔になるものをどう遠ざけるかも大きな問題である。
    桓武天皇にとってのそれは蝦夷であった。
    この作品で、桓武天皇側が彼らをどう排除していくのかを見ると、逡巡が感じられる。

    アテルイを藤波心さんに配役したことで、福島がアテルイの背中に見えてきてしまった。
    この選択は、松枝さんがどういう思考回路で行ったのかはわからないが、主人公である桓武天皇と対抗する蝦夷(アテルイ)を両立させるわけにはいかないのだ。

    蝦夷を徹底した「異物」として扱わなかったことが、史実との折り合いとしての演出の苦悩と、作品中の桓武天皇の苦悩が重なっていくという、フィクションならではの面白みが見えた。
    そして、そのことへの逡巡が作品にも現れていた。
    個人的には、もっと非情であってもよかったのではないかと思うのだが。

    ストーリーの進行には、歴史アイドルの小日向えりさんが「小日向えり」本人で登場し、その間の歴史を語る。
    これはスピード感を殺すことになるのだが、全体のいいリズムになっていたと思う。
    ただ、「偽伝」と言っているのであれば、「偽伝」のまま突っ走ってよかったと思う。

    話を少し戻すと、この作品と蜷川幸雄さんのさいたまネクストシアターを比べたのだが、もう1点比べるところがある。

    蜷川幸雄さんは、ネクストシアターに限らず、何かを仕掛けてくる。
    例えば、『2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」』では、こまどり姉妹が登場し、嘆き悲しむハムレットを前に「幸せになりたい」と歌わせた。これに限らず、舞台の奥を開けて舞台の後ろを見せたりと、力ずくで演出し、それがいい意味での外連味となっていることが多い(少々ワンパターンだったりするが)。

    松枝佳紀さんにも独特の外連味がある(外連味とは悪い意味で使う言葉なのだが、フィクションを見せるときに、観客をハッとさせる瞬間があってもいいと思うので、私は外連味はいい意味で使っている)。
    それは、もっとポップな外連味だ。
    演劇企画「日本の問題」のような企画力に代表されるような、「今」をつかんだ上での、ポップさがあるのだ。

    今回で言えば、配役にそれがある。
    例えば、仮屋ユイカさんの妹・本仮屋リイナさん、反原発を掲げるアイドル・藤波心さん、さらに歴史アイドルの小日向えりさん、評論家の池内ひろ美さん、映画監督の荒戸源次郎さんたちを俳優として舞台に上げたのだ。

    これが外連味でなくて何であろうか。
    彼らの配役は、話題性もさることながら、そのポジションの位置、使い方がうまいのだ。

    先に書いたアテルイへ藤波心さんを配したことなど、彼女を使うことで意味がさらに増してくるし、「今」につなげてくる。
    歴ドルの登場も、まさに観客を現代へ一気に連れ戻す。

    荒戸源次郎さんの起用も、ある程度の年齢の俳優を使うことよりも、この人だったから出せたという雰囲気と、若者たちとのマッチ感があったと思うのだ。
    この人の役が、うますぎる老練な俳優であったとしたら、その俳優が飛び抜けてしまい、バランスを欠いただろう。なので、「あれぐらい」(笑)がよかったのだ。その点、池内ひろ美さんはうまくなりすぎていたかもしれない(笑)。

    こういう使い方は、悪い意味での外連味になってしまう可能性もあり、諸刃の刃でもあるのだが、そこに留まらせない見せ方のうまさが、この作品を含め、アロッタファジャイナにはあると思う。

    ラストに空海がきらびやかな印象で登場する。
    これって、ハムレットのフォーティンブラスじゃないか、と思ってしまった。
  • 満足度★★★★★

    よかったです
    国家はほんとに最初から最後まで時代の力強いエネルギーを感じさせてくれた!新鮮な切り口にたやすく扱えないであろう人々 一人一人が輝かしかった!素敵でした!
    ただ個人的には時代解説があったのはよかったと思うけれど少しぶちっと舞台の流れが断ち切られてしまったかなと思う時がありました けれど小日向さんは悪くないと思います!偉そうに申し訳ないです…

  • 満足度★★★★★

    走りきってます
    遠藤君の最澄さん!ストイックすぎる!それが美しい!!
    藤波さんの見せ場?にひきつけられました!その周りにいた方たちの表情をよく見てたんですがう~ん。
    山田君にはいろんな意味でビックリしました!
    歴史苦手ですが、楽しめました!

  • 満足度★★★★★

    長丁場を感じさせない熱量のある舞台でした
    あらためて説明読むと、凄いキャストの勢ぞろいだったんだなぁと更に感心。
    眠気まったく起きなかったし、
    タイトルに相応しい話のまとめ方であることも納得です。

    <3時間15分(休み無し)→5分休憩後アフタートーク20分弱>

    ネタバレBOX

    本舞台が、お神楽のように舞台中央に配され。
    客席が前後(左右かな)で2階席が1列ぐるりと取り囲んだ劇場でした。
    黒い舞台に、白を基調にした役者さんの服が映えました。
    (1字漢字が書かれている作務衣のような感じの服です)

    話は最澄中心に国のあり方が描かれていきます。
    また歴女である小日向えりさんは、青い服で上手に合間合間に説明を加えて話の理解を手助けしてくれるので、話に?となるようなことは無かった(^^)。

    偽伝とはいえ、史実には即しているので。
    見知っている歴史の知識と合わせてみると面白い展開でした。
    使い勝手の良い家臣や悪い奴に、権力もって狂うとこや。
    血生臭い謀略や家族の愛憎などなど。
    歴史は繰り返すなぁとしみじみ思いました。

    比叡の森に暮らしていた”ひろの”と”ひざし”のカップルが、
    当時の戸籍の無かった”センニン”である”ひざし”に戸籍を家族ごと与えようと画策した”ひろの”であったが。請け負った下級役人が”ひざし”をものにしようとして、結局誰も救えず悩んだ”ひろの”は僧の”ギョウヒョウ”に弟子入りし、諸行を救うようにと弟子入りを許され、”最澄”と命名される。

    桓武天皇との邂逅、天台法華宗の確立、遷都、唐への遠征、空海との出会い、さまざまなエピソードが順を追って語られてゆき。まったく飽きさせずに観劇できました。

    アテルイが女性だったり、和解できそうな状況が開戦に至るドラマ性や。
    空海の凄さなどが上手に解説されていてわかりやすかった。
    (でも1年で密教習得とか凄いなぁと昔は思っていたが、以前読んだ文献では。密教本部さんがいろいろ策を弄して仏教の布教用に1年で渡す努力したらしいと読みました。→それ考えると国としても「仏教とか経典など欲しいから用意して」とか伝達したはずだよなぁと思いますね。結構裏のいろいろある話と勘ぐります。)

    漢字の説明や、服に表記の字とか。
    いろいろ人間ドラマは、ようの東西・今昔などは変わっても。
    そんなに変わらないなぁと思った長丁場でありました。

    ちなみにアフタートーク「桓武天皇と家族」では、
    河合さん平子さん坂口さん真山さん神木さんが出演し。
    究極の歴女である歴史アイドルの小日向えりさんが司会でした。
    実際は桓武天皇は30人くらい子供がいた(劇中は代表の2名ほど)とか、
    藤原薬子を笑わせるトコの他バージョンなどの再現で盛り上がりました。
    トークでも言っていた通り、最澄メインの話は少なく。
    けっこうタメになったです。



  • 満足度★★★★★

    心に残る舞台でした!
    先週の30日土曜日、アロッタファジャイナさんの「国家ー偽伝、桓武と最澄とその時代ー」を新国立劇場にて観劇しました。舞台の雰囲気に始まる前からドキドキしてました 。始まってからは一気に舞台に引き込まれ気がつくと自分もその舞台にいる様な気持ちになるくらい感情移入していました。
    最澄と桓武天皇の国づくりに対する思いだったり友情だったり最澄が最澄になった理由や桓武天皇が天皇になるまでの道のり。どの場面も役者さん達の迫力や熱意がこもった演技に圧倒されると同時に沢山感動して何度も泣いてしまいました
    国家、1日だけの観劇となってしまいましたがもっと観にいけたらよかったと思いました。 こんなに素晴らしい舞台と出会わせてくださった役者の皆様、松枝さん、スタッフのみなさまに感謝です。また舞台を観に行きます‼人生で二度目の舞台だったけど心に残る作品です。またひとつ楽しみが増えました♡

  • 満足度★★★★

    壮大で
    なかなか濃い内容で、歴史の裏側を知ることができたし、
    センターステージでの演出だったので
    役者さん達の熱もとても伝わって来ました。
    男達の熱い情熱と必死さ、それに繋がる女達。
    考えさせられる事が沢山ありました。

    ただ歴史が苦手なので、所々ナビ的なものはありましたが、
    約3時間の公演は正直ちょっと辛かったです。

  • 満足度★★★★

    色んな意味で、大作でした。
    そして、私の前の席はブロック一の大男でした。もう慣れました
    大作すぎます…終演は21:45でした。

    ネタバレBOX

    人物の名前が分かりにくかったので、パンフレットに相関図があると助かると思いました。

    舞台装置を用いず、布や役者の動き、照明で、朝廷から蝦夷の村まで場面展開していたのは良かったです。客席通路の使い方も、大きな動きが感じられました。場面ごとにストップして解説が入ったので、とても良く分かりました。

    和睦の狼煙をあげる兵士に矢が刺さる場面などで音響がズレたり、最後の場面で話しているグループに照明が入らなかったり、少し残念な場面もありましたが、大半は良かったです。特に、朝廷の場面は照明の効果が素晴らしいと思いました。

    役者さんは、何役もこなす人が多く、演じ分けが見事でした。特にオサベ役は髪型や衣装だけでなく、演技も分けていたので素晴らしかったです。前の役に戻った場面も見事でした。全体では、やはり最澄役が印象的でした。陽射に出会った頃と仏道に入った後の立ち居振る舞いが変わる様子が見事でした。

    桓武天皇も良かったです。死後に嵯峨天皇の肩に手を置く場面が印象的でした。陽射は本当に綺麗でほれぼれしました。泰範役との演じ分けも良かったです。種継?と薬子の高い高~いの場面が面白かったです。アテルイが、堂々としていて立派でした。処刑の場面は涙を誘われました。

    小日向さんは、滑舌が課題だと思います。言い辛い名前や名称が多く、言い回しも難しいと思いますが、iPadを持っているのでしっかり見て話しても良かったと思います。解説頼りの場面が多いので、下手でもしっかり伝えてくれた方が助かります。

    行表役は大御所のようでしたが、あまり役に合っていないような気がします。話し方がぞんざいで、徳を感じませんでした。また、陽射の発音が他の役と違い、変に聞こえました。

    スタッフワークは良かったです。ただ、席への通路が独特で席の振り方も分かりづらかったので、劇場内かドア・通路脇に案内スタッフが欲しかったです。あと、ホール全体の座席表に現在地が書いてあると、分かりやすいと思いました。

    大舞台を拝見できて、楽しかったです。最後列でしたが、すぐ側で演じる場面もあり、役者さんの熱を間近に感じられました。


  • 満足度★★★★

    3時間
    長さは感じたが面白かった。最澄と桓武天皇にもっと焦点を当ててほしかった、手広くやりすぎた感がある。あと所々に熱は感じるのだがそれを歴ドルの人が冷ましてしまうのが残念。構造的に観にくいののもあるし、いいシーンなのに舞台横でスタンバイしてる歴ドルを見ると冷めてしまう。

  • 満足度★★★★

    範囲が広い
    事前情報からてっきり休憩ありの3時間だと認識していましたので、一気にお終いまで行ったのには驚きました。結局休憩なしの3時間10分でした。

    ネタバレBOX

    桓武天皇の皇子の頃から、彼の亡き後彼の子息が天皇になって薬子の乱が起き、また別の子息が嵯峨天皇になった頃までを描いた大河ドラマ。桓武天皇が天皇になれた経緯、最澄が僧を志すきっかけや桓武天皇との関わり合い、結果的に蝦夷征伐になってしまった蝦夷との関係、天才的空海の出現、そして最後、最澄の念願だった新しい戒壇が死後認められ、そして鎌倉仏教に繋がっていくというところまででした。

    歴史アイドルというだけあってとても可愛い小日向えりさんの解説で進行しましたが、歴史を追っかけているという感じがしました。

    澄んだ心の最澄を描こうとして、その背景を、関係した人々を、そうしたらこんな事件があったなどとどんどん話が膨らんでいって、何かを省略すると歴史ファンからツッコミが入るかもしれませんし、結局こうならざるを得なかったのかと思いました。しかし、こうした中では堕落した奈良仏教を立て直したという歴史的事実は説明できても、人間の苦悩故の仏教のあり方を描くのは大変だなと思いました。

    実際はどうだっか知りませんが、まじないの嫌いな桓武天皇という設定には好感が持てました。医者と僧侶は違うなど、祈祷で病気が平癒することなどあり得ないと認識しつつ、また人が救われるまじないなどあり得ないことが分かっていながら、そういうものを求めてしまう人間の弱さが表現できていたことも良かったと思いました。

    本公演終了後すぐ名古屋に向かわれるという本仮屋リイナさんなど話題性はありますが、年配の方の演技は申し訳ないのですがちょっと棒立ちっぽく見えてしまいました。
  • 満足度★★★★

    まるで大河を観たような
    ここまで描き切った歴史物の舞台は初めて観た。
    桓武と最澄、このふたりがどう生き、どう出会い、どう死んでいったのか。
    まるで大河を一本観たかのような重厚な観劇後の気持ち。
    悠久の時の流れを、若き役者の皆さんの脈動が板の上に甦らせる。
    血潮のうねりのようなものを感じた。

    主演の遠藤雄弥さんがとても素晴らしかった。

    ただ3時間休憩なしはちょっと大変でした。

  • 満足度★★★★

    遷都の彼方に見えるもの
     最澄、桓武の改革を縦軸に、改革に反対する旧勢力との角遂を横軸に、時代の現実と理想実現の困難を描いて見せた。役作りは役者自身の掘り下げ、関係の把握を基本にしており、為り為りて成った形が、舞台上の表現というわけだ。色々な意味で力業である。

    ネタバレBOX

     演出の技術レベルに対して、未だ若い役者達の自然な演技を引き出す為には致し方の無い方法であったかと思う。最澄役の遠藤 雄弥、桓武役の河合 龍之介は上手い。高い理想を理解せず、己の利害得失に腐心し俗世の権力に拘泥する墨染の衣を纏った衆生、我執や恩讐の頸木を逃れられず、他者を不幸に巻き込んで行く修道僧、遷都を巡る改革者と旧勢力。力無き民と統べる者。生きる苦難を前に、人は他者を救うことができるか? という難問。この問いに応える為に立ち上がった二人の人物、最澄と桓武。
     為そうとして為し得ぬ理想同様、思惑通りに実現できた部分は少ない。然し、だからこそ、単に国家変革というのみならず、理想実現の為には深い知恵と忍耐、揺るぎの無い志と同志、そして意思を継ぐ人材を生み出す為の時が必要であることを描きだし得たのではないか。その為に作・演出の松枝が取った方法は、芋である。最澄を描く為には、桓武を、桓武を描く為には、旧勢力を、という具合に芋づる式に時代を描いたのだ。その為、最澄と桓武が出会い、生涯の盟友として、互いの真価を認め合うシーンは、圧巻である。然し乍ら、この方法が持つ拡散というベクトルは中盤以降、劇的な収束力を弱める結果にもなった。
     劇的効果という側面に絞って言えば、ホメロスの叙事詩、“イーリアス”のような強烈な個性を中心に据えたままで、最後迄引っ張るか、時代を牽引する何か絶対的なものを最後迄隠しておくようなテクニックが必要であろう。秘すれば花なりだ。或いは、演出で役者の素を出させることと同様に、T.P.O.に応じて自ら持って生まれた自然の性(男なら男、女なら女)を殺すことによって滲みだす男の中の女性性、女の中の男性性というレベルを要求しても良かったのではあるまいか。もとより、生き残りは至難の技というのは、舞台に関わる者総ての認識であろう。高いものを目指さねばならない。それも一時ではなく生涯に亘ってである。
  • 満足度★★★★

    熱が伝わってきました。
    フィクションだとは分かっていても、歴史の可能性をワクワクした思いで楽しみました。休憩なしで3時間を超える舞台だと聞いて、少なからず不安を感じていましたが、全く飽きることなく、足腰の痛みを忘れ(終わってから思い出しましたw)、集中して観ることができました。
    最澄の生涯を清廉に鬼気迫る迫力で演じた遠藤くんと、純粋で弱いゆえに鬼に転じる僧を演じた山田くんが印象に残りました。剛毅でセクシーな桓武天皇・河合さん、蝦夷のリーダーアテルイの藤波さん、最澄を傍で支え続けた江定役の縄田さんなど、他にもたくさんの素敵な役者さんが、熱く力強く、舞台で生きていました。プロの役者さんとそうでない人が同じ舞台にいる違和感を感じたのも事実ですが、別にそれが悪かったとは思っていません。ただ、セリフの噛み過ぎ(挙句に笑ってしまう)、掛け合いのテンポの悪さ(順番が前後して言い直す)など、稽古が間に合ってないのかな?と思わされる部分があり、残念でした。もう一つ残念だったのは物販です。パンフレットが間に合っていなかったこと。夜公演ではDVDの予約も開演前にしかできず、内容を見てからの予約が不可能だったこと。盲目ファンしか買えませんよね?

  • 満足度★★★★

    見応え有り!!
    確かに明るい話ではないが、若い出演者が多いせいか、エネルギッシュで生命力を感じる。パワーのある若手に、ベテラン組の味のある演技。予想外にいい舞台だった。難を言わせて頂ければ、あのガイド役はなんとかならないものか?暦ドルなどと浮いた存在はいらない。歴史の人間関係は難しいだろう。説明役は必要だ。その歴史の中にいた道化回し、そういう存在はいなかったのか?出来れば登場人物の台詞だけでそういう関係図がわかるのが一番いいのだが・・・・・・・もうひとつ藤原薬子、娘の婿である天皇に愛された女性。悪女の代表的に言われているが、美貌と才のあった女性とも言われている。そういう部分が全く削られていたのは残念だ。とはいえ舞台上の薬子もまたあれはあれでなかなかの存在ではあった。











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