最新の観てきた!クチコミ一覧

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ロッシーニ・オペラ・フェスティバル『オテッロ』

ロッシーニ・オペラ・フェスティバル『オテッロ』

朝日新聞社

Bunkamuraオーチャードホール(東京都)

2008/11/20 (木) ~ 2008/11/22 (土)公演終了

イマイチ
とてもつまらない美術と演出で。あれならコンサート形式で全然いいのになあと思いました。ロッシーニで3時間半は長い。この作品が世界的に受け入れられていない理由が分かりました。

ロッシーニ・オペラ・フェスティバル『特別コンサート「ロッシーニ・ナイト」』

ロッシーニ・オペラ・フェスティバル『特別コンサート「ロッシーニ・ナイト」』

朝日新聞社

Bunkamuraオーチャードホール(東京都)

2008/11/21 (金) ~ 2008/11/21 (金)公演終了

オトク感ありました
コンサート形式とはいえ、これだけ粒ぞろいの歌手でS1万円!満足感がありました。

ロッシーニ・オペラ・フェスティバル『マホメット2世』

ロッシーニ・オペラ・フェスティバル『マホメット2世』

朝日新聞社

Bunkamuraオーチャードホール(東京都)

2008/11/18 (火) ~ 2008/11/23 (日)公演終了

満足度★★★★

ロッシーニ!
セヴィリアの理髪師やシンデレラ のロッシーニとは思えない重厚な作品で面白かった。もちろんロッシーニのメロディやリズムが見え隠れするのだけれど。美術も衣装も演技も良かった。歌手もアンナ役を中心に良かったです。

ウィーン・フォルクスオーパー2008年日本公演 オペレッタ『ボッカチオ』

ウィーン・フォルクスオーパー2008年日本公演 オペレッタ『ボッカチオ』

公益財団法人日本舞台芸術振興会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2008/05/30 (金) ~ 2008/06/01 (日)公演終了

面白かったけれど
美術が安っぽく、一部の歌手が声が出ていなかったりとあったけれど、見て良かったです。珍品ですから!

ウィーン・フォルクスオーパー2008年日本公演『マルタ』

ウィーン・フォルクスオーパー2008年日本公演『マルタ』

公益財団法人日本舞台芸術振興会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2008/06/06 (金) ~ 2008/06/08 (日)公演終了

とても分かりやすい
とても楽しく拝見しました。

愛の力コブ

愛の力コブ

キングマサカツとザ・モンキース

明石スタジオ(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

面白かったです。
達者な役者さんがいいアンサンブルを作り、渾身の舞台美術。よく練られた台本。ピチチ5を6年くらい前に見た時に受けたときのそれに似ている。

死んだ赤鬼/戦争に行って来た(反転)

死んだ赤鬼/戦争に行って来た(反転)

MU

ギャラリーLE DECO(東京都)

2008/11/25 (火) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★

描きたいことが多すぎるのでは?
パンフの設定含めプロットやらストーリーやらが自分で決めた枠に収まりきれずに溢れてしまっているよう。もっと削いでもよい気が。111分。

ネタバレBOX

キャラの人数分だけ物語を描いてしまっているようで、そのせいか結局ドコに落としたいのか、誰に焦点を当てたいのかが発散してボヤけてしまってる気がする。おかげでどう終わるのかが分かりにくく、観終わった感覚がスッキリこない。

また、人に対しての描写や台詞の比重が高いせいか、物語自体の求心力がちょっと弱く、提示しなきゃ伝わらないものと想像させて足るものがアンバランスになってしまっている。

演出的も二話目の「死んだ赤鬼」は設定上激情型の演技が合っているが「戦争~」の方はシーンのメリハリと大げさな演技のマッチングが悪いのか観ていてなんか居心地悪い感じも。

いっそ出演者を二~三人に絞って90分ぐらいの中編の物語をつくってみるとスタイル的に意外と合っているように思えるんだけど・・・。
死んだ赤鬼/戦争に行って来た(反転)

死んだ赤鬼/戦争に行って来た(反転)

MU

ギャラリーLE DECO(東京都)

2008/11/25 (火) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度

げきだん=閉鎖的な存在?
悪意とかは全くないのですが、劇団というのは、もしかしてとても閉鎖的な空間なのかな、とか自己評価の高さに周りもひきずられているのかな、とか思ったので、こういう意見もある、という一例になればと、投稿しました。この為にここに登録したんで、あー素性不明だからこの意見は重視しないとか切り捨てよう、とかもあるかもしれませんが、一応他にもこういう意見はあるだろうと確信したので。きっと表現者である限りは今のものに満足!!ってことはないだろうと期待しつつ。正直な感想は『未熟』、扱おうとしているテーマが”狙ってる”だけに強烈に『ださい』と感じさせてしまう。二本とも、きっと作者なりのオリジナリティはあるのだろうけれども完成レベルまでに達していないが為に(役者の未熟など)テーマ的にも陳腐に感じてしまったり、ああまたかもう飽きたな、とか思わされた気がしました。多分こんな風に展開するのかな、とか、こんな風にオチつけるのかな、とか雑念がはいり早く終わらないかな、とか。次は?わくわく!もっと見ていたい!という魅力が全くなく、短編なのに長く感じて辛かった。ドラマになっていない、それこそ台本形式の本にすれば、と。別に自然な演技とかだけを求めているわけではないんですよ、戯画化されていてもそれがそれなりのぼくらの生きている世界の描き方であれば。ただ分裂したものを詰め合わせただけみたいになっていて、もう、後味もとても悪い。出来の悪い芝居は、出来の悪い映画より何倍も体力使うし、落ち込みます。特に終わりが『赤おに』だったんで…。自己満足的な言葉遊びやメタファーのちりばめではなくて、『伝わる』芝居にして欲しかったです。

ネタバレBOX

『戦争~』のほうがまだ面白みを感じる可能性はあるのかもしれません(設定にちょっとわくわくっとしました、バンドが出てくる前)が、後半はもう『写真は嘘だ』とか『もうひとつの世界』とか、きっと難しいセリフなんだろうけど、セリフがセリフ負け、言葉負けして”鳴って”いなくて、あーもう痛々しいなと。『飽きちゃったんですよね、世界に』とかがちゃんと響くキャラでもないし。そんなに暴露しないでしょう、今時の若者って。ぶつけてこないでしょう特に東京では。ものすごく熱い青春大学生以外は。リアルでなくてもいいんだけど、あまりにあまりな、ふたりでした。そんな感情の流れも盛り込みすぎで全く唐突な空中分解した脚本に、乗り切れていない役者を見て、なんで客が気まずい思いをしなければならないんだ、と。拳銃はなんなんだ、と。戦争がなくなるかなくならないかというのは全く別のそれはそれの問題で、詰め込みすぎかと。舞台上舞台なんだからさ、見せかたに気を配ってくれと。それは『赤鬼』の暴行のあとのあえぎシーンとかびんたシーンとか、見てて赤面というか辛いです。緊迫感もなく、だるい。『痛くない』というのもべただなー!!!!という感じ。
God Save The Me!

God Save The Me!

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/12/01 (月)公演終了

満足度★★★

印象に残る舞台だが・・・
ん~、なんと評価すればよいものやら。全編を通じてまったく笑いがない。かといってシリアス一本やり、というわけでもない。

ネタバレBOX

凡人にはちょっと難しい演目かな!? 最初は動きがなく、幕が開いたときは????がいっぱい頭の中に浮かんで、観に来たことを後悔しそうになったが、ストーリー展開そのものは観ているうちにだんだんとわかってきた。とくに難解ではない。だが、何を言いたいのか?何を目指しているのか?脚本家の狙い、それがわからない。・・・・・・・クセにはなりそうだが・・・・・。
マクベスがいっぱい!

マクベスがいっぱい!

CAPTAIN CHIMPANZEE

ザ・ポケット(東京都)

2008/11/26 (水) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

知ってますか?
僕の隣の席のサラリーマンが途中から最後にかけてずっと泣いていたことを。
ときおりこらえきれずに『うぐぅ・・・』と嗚咽を漏らしながら・・・。

そして実は僕も・・・。


と、まぁ中年男達が泣いちゃうくらい、
それくらいにいいお芝居でした。

とてもあったかい気持ちになれました。

ネタバレBOX

それにしても最初は少々やばいかな・・・と思ったのも正直な感想です。

というのも・・・・


ほんとひどい話ですけど、
なんだか役者さん達に華がなくて。。。

けど、
どんどん皆さんに味が出てきました。
そして引きつけられていきました。

特に主役のワタナベ?さん。
マクベス役のとき、すごくかっこよかったです。

それと、
小関役の人と・・・えーっと、江川さん、懐中電灯の人・・・なんかはほんといい味出してました。
キャラが笑いの対象でしたね。

ただちょっと気になったのは・・・
ビデオ撮影に集中し過ぎてるせいなのか、後ろの方のテープチェンジの音や、なんだかガサガサとしててなにかとうるさかったことです。

とはいえ、なんにしろほんとうまいことまとめられてました。
懐中電灯の伏線なんかは最高によかったです。

そしてレイちゃんと菊姫との絡みはほんと泣き所でした。

新衛門と田吾作?のフレーフレーのところも好きですね。


次回も機会があれば必ず観に行きたいと思いました。



鳥のまなざし

鳥のまなざし

ポかリン記憶舎

シアタートラム(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★

とても上品な怖さ
動きや台詞や衣装まで、なんか上品なのである。
照明も音響もかなり上品。
でも、舞台の上では辛い思いをしている人がいる。
そこの怖さを感じた。
黙って見つめる観客の眼の怖さも。

いろいろな場所で発せられるコトバの位置や、大きさなど、耳が敏感になる舞台だった。

とてもとても個人的な感覚なのだが、集中が途切れてしまうところがあった。
それが残念。

ネタバレBOX

舞台の周りにコの字のように座席が配してある。そこにはすでに役者さんたちがいるのだが、気になってしまうのは、自分の正面に座るお客さんたち。

芝居が始まれば、(照明の効果もあったりして)そのお客さんの気配も自然と消えていくと思ったのだが、気配が点いたり消えたりして、完全に集中できなかった。
もちろんこれは人が気になってしまうという、私の個人的な感覚のせいなのだと思うが、それが最後まで尾を引いてしまった。

ついてない女性と自分の記憶が正しいのかどうか不安になっていく男が並行して出てくる。この2人が、どうやって交錯していくのかということに興味を持ったのだが、結果的には「え?」だった。
その先にこそストーリーが待っているのではと思った。
沈黙の感じはとてもよかったのだが。

いろいろ刺激的だったのだが、劇場に足を踏み入れたときの期待はやや燻ってしまった。

入口付近は、客席や舞台よりかなり上の位置にあり、その位置から、客席の様子を含めて観劇できたら(まさに「鳥のまなざし」で)、たぶんもっと楽しめたのではないだろうかと思った。
鳥のまなざし

鳥のまなざし

ポかリン記憶舎

シアタートラム(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

明日も観てみようと思う
シアタートラムは2回目だったので、なんとなく前観た舞台装置をイメージしてしまっていたようだ。劇場内に足を踏み入れた途端、そのことに気づく。

座席があるはずのフロアの中央に、ぽっかりと浮かんでいる空・・・のような丘・・・のような舞台。
その上を、脇を、ぐるりを、縦横無尽に役者が動く。そして、まどろむ。ささやく。

日常の誰にでも経験のある一コマ一コマが、実は生きているのか死んでいるのか極めて曖昧な空間を作り出しているのだと気づかされる。
浮かぶ空の上(もしくは下?)で繰り広げられる情景の中に、誰もが一度は自分を見つけるのではないだろうか。

明日も、違う角度から眺めてみようと思う。鳥のまなざしで。








マクベスがいっぱい!

マクベスがいっぱい!

CAPTAIN CHIMPANZEE

ザ・ポケット(東京都)

2008/11/26 (水) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

これぞ真に迫る!?演技
役者の声が、自身の本音?ともシンクロして、真に迫ってきた。
守護霊の設定は、前半要らないなと思って見ていたが、
エンディングにかけ生かされて、納得。
ポケットのハコを縦横無尽に使った、盛りだくさんな演出も面白かった。
もう少しコンパクトにした方が、引き締まったかもしれない。

冒険王

冒険王

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/11/15 (土) ~ 2008/12/08 (月)公演終了

すでに、歴史物なおもむき。
ただ、それゆえ、たとえば江戸時代の若者が江戸若者群像を描いたとしても、それをいま舞台でそのまま忠実に再現されても若者っぽくみえないように(たぶん)、この作品はあまり若者の話には思えなかった…。
いまどき忠義とかお家再興とかを熱く語らないよね、という感じ?

ネタバレBOX

もちろん、それを普遍的ないまの物語として敷衍させるための工夫や配慮は施されてはいたけれど、最終的にはどうしても役者の年齢が足を引っ張っていたような(想像力不足ですいませんね…)。なんだろう、それはおそらく見た目だけの問題ではなく、怠惰で自堕落な登場人物が多かったせいもあって、余計、生命エネルギーが感じられなかったからかなあ。正直、前半はドヤ街とか刑務所みたいだったし(笑)。


反対に、木引優子&鄭亜美の女子大生コンビが登場したあたりから違和感が減ったので、やはり役者の若さは重要な要素だったのだろう。個人的には、彼女たちにくわえて大竹直・石橋亜希子・二反田幸平あたり(じつは年齢差あるのかもしれないけどw)での『冒険王』を観たかった、なんて思いも。
ひとんちで騒ぐな

ひとんちで騒ぐな

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

ぽんプラザホール(福岡県)

2008/10/22 (水) ~ 2008/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しい芝居
舞台上どこを見ても「ひとんち」になっている舞台装置も、抜け目のないギャグも、芝居の作る空気感も最高でした。
また観たいと思わせるものがガラパの芝居にはいつもあります。

ネタバレBOX

襖の中に4人?が隠れるシーンが一番好きでした。
後から考えると、アレ、稽古大変だっただろうなぁ。
鳥のまなざし

鳥のまなざし

ポかリン記憶舎

シアタートラム(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★

あざやか
センス良く、スリムに構成されている
無駄なく、舞台を縦横に使っている

いいものを見たという感じが後味良く残る

ただテーマ性や、
話の作り上げ方は
別に目新しいところはない

半年後に覚えているかどうか、自信がない

冒険王

冒険王

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/11/15 (土) ~ 2008/12/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

東京の、地域演劇を思う
最近観た、青森の劇団、弘前劇場の舞台「いつか見る青い空」が、頭から離れない。はっきりとしたスジのない、津軽の日常を淡々と描く、同時多発会話劇だ。洗練されているとは言いがたく、むしろ、泥臭いその舞台では、生身の役者の人生が、生き生きと、はっきりとした輪郭をもって迫ってきて、僕は、圧倒された。

青年団の、12年前の作品の再々演である今作は、目的なく世界をぶらぶらする、日本人旅行者たちのたまり場となっている、イスタンブールの安宿が舞台。総勢18人の旅行者たちの日常を、複雑な同時多発会話によって、淡々と描く作品。

これを観て、僕は、完璧な作品だ、と感じた。本当に面白かった。見方によっては重いテーマを、受け止め易いものにしている、全編にちりばめられたユーモアのセンス。複雑な会話を、とても分かり易く伝える、巧みな構成。しっかりと訓練されて、自らの役を、過不足無く演じる役者たち。どれをとっても、完璧で、洗練されつくしている。

そして、僕は、弘前劇場を、また思い出すのである。両者が、とても似ているのに、全く、正反対のものとして、映る。そしてそのとき、青年団の舞台が、とても、東京的なものとして、みえてくるのだった。すこし、そのことを、考えてみようと、思った。

ネタバレBOX

冒険王は、一見すると、とてもとりとめのない作品として映る。観終わった直後、僕は、そう感じて、ナマで観ることでしか体験できない、言葉の論理を越えた作品だ、と思っていた。

でも、じっくりと思い返してみると、意外にも、しっかりとした、物語としての流れを持っているようだった。どうも、それを僕は、流れとしてではなくて、エピソードの積み重ねとして覚えているみたいなのだった。つまり、この作品は、しっかりとした、重厚なテーマを扱っていながらも、それが、重厚なテーマとしてではなく、観客の目には、面白エピソードのあつまりとして映るように、とても周到に、計算されているようなのだ。まるで、作中の旅行者たちの合い言葉、「がんばらないように、がんばっている」みたい。

この舞台には、いろんな人が出てくる。みんな、それぞれ、物語的に、かなり重いテーマを背負っている。たとえば、こんな人たちだ。

・ 日本の社会に対して不安を抱え、正面から向かうことができない若者たち
・ 他者を、ゆるやかな家族のような、なれあいの関係でしかみることができない日本人
・ 自らはみだそうとするひとたちをみて、理解に苦しむ、あらかじめ疎外されたものとしての、在日韓国人
・ 社会からはみ出した人たちを、正視することができない人
・ 社会からはみ出した他者たちを、動物園の動物をみるみたいに、おもしろがって見物する人

こういうひとたちが、同時多発的に、登場する。そこに、それぞれの立場の、摩擦が生じて、ひとつひとつの面白エピソードをかたちづくっていく。

こんなふうに、たくさんのものを抱える、個性豊かな登場人物たちなのだけれど、どうしてか、存在感に、ゆらぎがある気がする。弘前劇場の舞台の、あの、役柄を越えて滲み出てくるような、匂いたつ、人間としての個性が、希薄である、という感じがするのだ。ひとりひとりの生活感だとか、行動のクセだとかは、とても細かく書き込まれているのに、それらは、役者から生まれているのではなくて、戯曲の必要に応じて、精密に、創りだされているような感じがする。

非常に、システマティック。自発的に生まれるのではない、必要に応じて書き込まれる個性。『2001年宇宙の旅』のラストに出てくる、真っ白な部屋みたいに、静かで、人工的。そして、だからこそ、強烈に、この舞台は、「東京」としての印象を、浮かび上がらせる。東京に住む、僕らの姿を、映し出す。

10年以上も前、弘前劇場が、東京公演を、定期的に行おうとしたとき、積極的に受け入れて、サポートしてくれたのは、平田オリザと、こまばアゴラ劇場だけだったという。平田オリザは、青森の「地域演劇」をつくりだそうとする弘前劇場の立場に、共感していたのだった。

青年団は、「日本」ではなく、「東京」を代表する、地域の、劇団で、こまばアゴラ劇場は、「東京」の、地域劇場。そう、考えてみることにした。
死んだ赤鬼/戦争に行って来た(反転)

死んだ赤鬼/戦争に行って来た(反転)

MU

ギャラリーLE DECO(東京都)

2008/11/25 (火) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

両A面と冠を付与するにふさわしい2作品
サバイバル・ホラーと不条理なサスペンス、両A面と冠を付与するにふさわしい2作品でした。

2作品とも上演時間はそれぞれ約45分。あいだに休憩時間が約15分あります。両方観てだいたい2時間弱ぐらい。ちょうどいい時間。ストーリーも理路整然とまとまっているので観やすい。

まずはじめに『戦争に行って来た(反転)』からスタート。
掃いて捨てるほどあるウソと現実。
よくある日常の風景のはずなのに、人質となった恐怖体験を経た彼女達には異質な世界に感じている。
ルポ写真の向こう側、喫茶店の窓ガラスの向こう側では戦争がある。
生き残るか、殺されるか。
物語を観て、不条理なサバイバル・ホラーだなと感じました。

『戦争に行って来た(反転)』で印象に残ったシーン。
「現実をなめんな!」というセリフ、恐怖におののいている件(くだり)が鮮明に記憶に残っています。


休憩の後に続いて『死んだ赤鬼』がスタート。
物語はサスペンス。
弱い人間は、誰とでもなかよくしたいと思っている。
『泣いた赤鬼』の童話になぞられて赤鬼と例えている。

強い人間だって皮一枚はがれると、か弱い。同じ人間、赤鬼。
強い人間が赤鬼を死なせてしまった。
強かったはずの人間が、あっけなくもろくなる。
物語の結末は意外なものでした。

『死んだ赤鬼』で印象に残ったシーン。
男二人が、ある小物を鼻と口の上にあてて呼吸するシーンがあります。
実は二人とも病室にいるらしい。実際はよくわからない状況なのです。
まるでベットの上で酸素吸入器で生きるか死ぬかもがき苦しんでいるような姿に見えました。

ネタバレBOX

『戦争に行って来た(反転)』

掃いて捨てるほどあるウソと現実。
男女それぞれのグループでカネと恋愛の駆け引きを始めていたはずなのに、知らないおじさん(怖いお兄さん)たちとの戦争になっていく。
窓ガラスの向こう側は戦場。生き残るか、殺されるか。ボールペン1本で立ち向かっていく。現実をなめんな。

濡れたジーンズ。毎回、水風船かなにか仕込んでいるのには大変な労力がかかっているだろうなと思います。乾かすか、他のジーンズを複数用意していたりするのではないかと思います。

反戦家のリーダーの女性より、バンドのマネージャーの男が一枚上手だった。
バックマージンをより多くもらうよう仕向けたはずなのに、利益を100パーセント全部もっていかれた。

他の方のコメントで「誰が被弾したのかわからない」とありましたので、僕が観た記憶を話します。

フォークバンドのデュオが、撃たれた由季(あがさ)が車の中に押し込まれたのを、喫茶店の窓ガラス越しに見ていた、と思います。

圭(カメラマン)が改造モデルガンだったから役に立たなかったのではというセリフを言っていたように記憶しています。
由季(あがさ)が改造モデルガンを撃ったときに暴発したようです。
印宮(ヤクザ)にはあたらなかったのではと思います。
外の銃撃戦では返り討ちにあったと思います。
銃声は1発か2発。聞こえにくかったのが原因の一つかもしれません。

(舞台裏ではクラッカーか銃のおもちゃの火薬を鳴らしていたと思いますが)

逆にヤクザに命中して、女の車に乗せたと仮定すると、喫茶店の外から様子をうかがっていた「知らないおじさん(槇原組のヤクザ)」が黙って見過ごすとは思えません。

状況的にリーダー、マネージャーを含め3人ともやられた。
カメラマンとバンド・デュオの3人がボールペンで目つぶしを狙って玉砕する。

こういう結末を迎えただろうと思いました。

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『死んだ赤鬼』
物語の結末は夢オチだったけど、話の展開や演出が素晴らしかった。
先を読ませない。

切多摩湖のほとりに死体を遺棄する、完全犯罪を狙う展開が、エンディングで実は夢・まぼろしだったとわかる。
殴り殺してしまった元・彼氏が、2度も言ったセリフに納得、合点がいくようになりました。
「足にボールペンを刺しても痛くもなんともないんだ。これは夢にちがいない」

物語の冒頭、警棒で殴らないでからエンディングまでのわずかな時間に、元カレの頭には、妄想をふくらませる何かが分泌されていたのです。

2作品とも不条理ながら、体と脳がぞくぞく震えてしまう、両A面級の作品でした。
いまさらキスシーン(玉置玲央一人芝居)

いまさらキスシーン(玉置玲央一人芝居)

柿喰う客

インディペンデントシアターOji(東京都)

2008/11/19 (水) ~ 2008/11/24 (月)公演終了

太腿が異常に鍛えられていても、侍でも、
とても美しい女子高生だったと思います♪

「熊野」「弱法師」

「熊野」「弱法師」

三条会

三条会アトリエ(千葉県)

2008/11/22 (土) ~ 2008/11/28 (金)公演終了

満足度★★★

なんとなく、
三島台詞の心地よさに騙されてか、いい話っぽく感じていた「熊野」の虚飾が剥ぎ取られ、金満体質な男とベッドに縛りつけられる女の関係性がくっきりと。

「弱法師」の前半、演出過多に思えたけど、戯曲自体が退屈だから仕方ない? もちろん、それがあったからこそ後半の「橋口」との呼び掛けが生きるのだろうけど…。

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