最新の観てきた!クチコミ一覧

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風景、あるいは壁の絵を窓と思い込みそこで目撃した物語を語る女の、幽かな震え

風景、あるいは壁の絵を窓と思い込みそこで目撃した物語を語る女の、幽かな震え

楽園王

タイニイアリス(東京都)

2009/04/04 (土) ~ 2009/04/05 (日)公演終了

満足度★★★

サスペンス風味の幻想譚
出だしから約30分間の(演出された)ウォーミングアップの間、まるで夕方から夜に変わるようなゆったりした速度で客電が落ち、現実界から虚構世界に潜行する感覚の後に繰り広げられるのはサスペンス風味の幻想譚。
少なからず比喩的な部分があり、8日前に観た劇団再生と同様に解釈の余地が大きい(終盤の紙袋と紙ヒコーキは911?とか)が、全体の手触りは、再生が「鋭角的」なのに対してこちらは「やわらかくてふんわり」みたいな?

蜉蝣峠

蜉蝣峠

劇団☆新感線

赤坂ACTシアター(東京都)

2009/03/11 (水) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★

「悪くはない(しかし良いとも言えない)」レベル
品のないネタ2連発の出だしで「あ、やっぱりハズレ…」と思ったものの 「観てきた!」コメントで「2作続けてダメ」のようなコメントを目にしていたことに加えて、クドカン監督映画のダメさ加減からほとんど期待せずに観たことといのうえひでのり演出だったことが幸いして、「悪くはない(しかし良いとも言えない)」レベルに踏みとどまったのは幸い?
で、幕切れは切なさもあって悪くないが、前日に「復讐の連鎖を断ち切る」系を観ているのでそれとの落差もあってストーリー全体の収束としては「安易なんじゃね?」な気が…。
あと、右近健一と木村了は出番が少なく、もったいないと言おうか何と言おうか…。

帰れない夜

帰れない夜

KAKUTA

ザ・スズナリ(東京都)

2009/04/04 (土) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

タイプの異なる「コワさ」5編
いわゆる「ドラマリーディング」と一般的な「芝居」の両方の特色を併せ持った「朗読の夜」シリーズ第5弾(かな?)で、今回はテーマがホラー。
それぞれタイプの異なる「コワさ」のある作品(原作もの4編+書き下ろし1編)をチョイスして、コワいばかりでなく笑いや感動と組み合わせたその構成・演出がとても見事。

トリプルグロス

トリプルグロス

東京モンスター

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2009/04/03 (金) ~ 2009/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★

アリ的娯楽活劇
「核戦争後の未来」との設定を免罪符に(笑)、ヴァンパイアや「加速からくり」などというムチャなネタ、「歴史は繰り返す」系の幕末ネタ、シリアス気味で好みでもある「復讐の連鎖を断ち切る」まで盛り込み、タイトルがタイトルだけに(客入れ時BGMも含めて)エンニオ・モリコーネヒットパレードな音楽で彩った(女ガンマンの名前も「ジャン子」だし(笑))「なんでもアリ的娯楽活劇(?)」、なかなかに面白い。

ムサシ

ムサシ

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2009/03/04 (水) ~ 2009/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

創作する者の使命
蜷川幸雄、井上ひさしの覚悟と創作家が背負っている使命をひしひしと感じた3時間半であった。

ネタバレBOX

シンプルイズベストはお能の世界。

劇構造もお能の型を踏襲したものでした。

なのでラストの幽霊落ちは予想の範囲。

演出もセリフも明らかに夢幻能を志向しており、
最初の廃寺を再建して・・・といいうようなあたりから、
夢幻能の形式を前提にすれば、
この幽霊落ちという展開は、物語の冒頭から十分予測されていた。

そして予測可能であることは全く傷ではない。

予測可能な範囲にありながら、
見事な現代的解釈を施されているからである。

とは言うものの、
もしも「がっかり」する余地があると言うならば、
幽霊のあの説得如きで、
武蔵と小次郎が決闘をやめてしまったこと、である。

今回の「ムサシ」ものすごいチャレンジをしている。

それは能という古典の形式を取り、
宮本武蔵という古き実話に材を取りながら、
911以降の中心的課題の一つである
「復讐の連鎖をいかに断ち切るか」
という現代的問題をみごとに取り扱っているということだ。

だから、
あのような幽霊の説得で、決闘をやめると言うのは、
このせっかくのチャレンジを、
子供だましというか、おとぎ話にしてしまっている。

そのようなことで
「復讐の連鎖が断ち切れない」
ことは誰でも知っているからだ。

その点を非常に残念には思った。

が、
役者のレベルの高さ、演出の素敵加減、脚本の妙。

これは、うなるに値する。

日本最高峰の演劇がそこにある。

しかし、だからこそもったいないのだ。

あそこで、決闘を辞めさせることが真にできるならば、
この作品は政治的な、そして哲学的な意味においても最高傑作となっていただろう。

エンターテイメントという装いをとりながら、
恐るべき破壊力を持った作品になったはずだ。

結局、
おそらく、井上ひさしさんにも、
まだ「復讐の連鎖を断ち切るための方法」について、
明確な回答がないのだろう。
だから、あのラスト、
能の形式としてはまっとうであるものの、
現代人の胸に刺さらなかった。
ということなのではないかと思う。

芝居後、金子監督とともに楽屋を訪れた。

そこで出演者の方たちなどから、
脚本が完成したのが、初日本番の3時間前だったとの話を聞いた。
通しを一回もできずに幕が開いたことが奇蹟だと言われていた。

本番の3時間前。

その時までの井上ひさしさんの闘いを思う。

世界と戦う。

今という時代と戦う。

人間と戦う。

その瞬間は世界のだれよりも人類のことを考えていた。

ボロボロになりながら、最後の一瞬まで戦う。

できれば、もう一週間ほしい。

いや一日でもいい。

しかし、

あと3時間後には幕が開く・・・

井上ひさしさんは決断をしたのだと思う。

幕を開けることを。



「復讐の連鎖を断ち切るための方法」

そんな難しい問題をいますぐに答えられるわけがない。

だが答えねばならない。

その答えを探す葛藤は幕を開けた今も終わってはいない。

だから井上さんはまた本を書かねばならない。

すべてに決着をつけるまで。

その答えが見つかったときに、
「ムサシ」は本当の意味で完成するのかもしれない。

そして、その答えを見つけるのは僕でもいいのだ。

それを知ったとき、ちょっとむふふと思った。

やる気が出た。

僕ら脚本家にはまだするべき仕事が残っているのだ。

http://alotf.cocolog-nifty.com/nikki/2009/04/post-19a2.html
ヴェニスの商人 ~逆襲のシャイロック~

ヴェニスの商人 ~逆襲のシャイロック~

あなざーわーくす

遊空間がざびぃ(東京都)

2009/04/16 (木) ~ 2009/04/19 (日)公演終了

やってきた
見てきた人も「やってきた」と書かざるをえない作品す。

その中でもとくに「やってきた」僕としては、
やっぱりこの人達はスゲーと思います。
そして、アフタートークも、スゲーと思います。

演劇は広いです。ホントに。

アントン、猫、クリ♥KR-14【篠田千明】

アントン、猫、クリ♥KR-14【篠田千明】

キレなかった14才♥りたーんず

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/04/16 (木) ~ 2009/05/04 (月)公演終了

はじまった、はじまった♪
動きで魅せるカワムラアツノリ(初期型)と、台詞で聴かせる中村真生(青年団)のふたり芝居。初日の段階では、前半はそれぞれの長所がぶつかりあい、後半になって融和しつつも互いの自由度が増していったように思えるのだけど、次回以降、どう完成に向かっていくのかまったく予見できず(こうなればいいなあ、というのはあるけど♪)。
なので、少なくとも、もう一回観ることは決定!

※初日ゆえ評価は控えさせていただきます。

アントン、猫、クリ♥KR-14【篠田千明】

アントン、猫、クリ♥KR-14【篠田千明】

キレなかった14才♥りたーんず

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/04/16 (木) ~ 2009/05/04 (月)公演終了

満足度★★★★

おもしろい!
必見。

義弟の井戸

義弟の井戸

黒色綺譚カナリア派

シアタートラム(東京都)

2009/04/10 (金) ~ 2009/04/15 (水)公演終了

満足度★★★

その空気はカナリア派のものなのか。
復讐をテーマとし、カナリア派らしいじめっとした人間模様を描く。
いじめ・引きこもり・魔性の母などなどパーツはかなり魅力的だ。
耽美な世界観においては、やはりカナリア派が突出していると言えよう。

しかしながら、劇場の空気を完全にカナリア派のものにできていない。
過去の作品では、完全に劇場をカナリア派の空気に染め上げていた。
ここのところの本公演2作には、それがほとんど感じられないのだ。

美術のスケールは大きくなり、手練の役者も揃った。
それでも、ザムザの緊迫を超える作品を、未だに観ていないのだ。
“豪華さ”がカナリア派にとって良い見せ方なのか。少し疑問は残る。

ネタバレBOX

井戸の底が、後方にあるという演出は諸刃の剣であった。
女の子が落ちるシーンは良いが、骸骨を引き上げるシーンは、
これから驚かすよという姿勢が見えて、興が冷めるものがあった。
うそつき【公演終了! ありがとうございました!】

うそつき【公演終了! ありがとうございました!】

ルスバンズ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/04/08 (水) ~ 2009/04/13 (月)公演終了

満足度★★★★

その留守番なら付き合いたい。
小気味のよいSF短篇に出会えたような気分がする。
まあ、広田戯曲は往々にしてSFであるとは思っているのだが、
今回は、「小気味のよい」というのがポイント。
広田戯曲に対するこの感覚は、正直なところ久々なのだ。

何をもって本当とするべきかという禅問答が、少しばかり
イライラとした雰囲気の中で行われる。
この全体的な苛立ちが、最後にすっと引く瞬間が素晴らしい。

4人のバランス感覚も見事なところ。
彼らの留守番に、またお付き合いしたいところである。

ネタバレBOX

「エレファント」という、コピー生物(?)の名前は秀逸。
広田戯曲の魅力の一つに、“物の名づけ方”があると思う。
すみれの庭

すみれの庭

芝居舎「然~zen~」

明石スタジオ(東京都)

2009/04/15 (水) ~ 2009/04/19 (日)公演終了

200904191400
200904191400@明石スタジオ

「BORN TO BONE ~ボーン・トゥー・ボーン~」

「BORN TO BONE ~ボーン・トゥー・ボーン~」

劇団Turbo

駅前劇場(東京都)

2009/04/15 (水) ~ 2009/04/19 (日)公演終了

満足度★★★

今回はちょっと・・・。
劇団Turbo の芝居というと、毎回、笑いあり~の、涙あり~の、感動あり~の!が定番だが・・・、今回はあまりにも物語の内容が稀薄だったような気がした。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

初日ということもあり、役者はセリフをカミまくり。
ちょっと・・・これ、ダメでしょう?(^^;)

今回は葬儀屋を舞台に、そこに勤める53歳の男性が自分の本当の年齢を偽って27歳の女性との恋愛のゆくえと周りの人達との関係を描いた人情劇。

いつもの教会を舞台にした芝居とはちと違う。
物語自体、どこにもありそうで、なんてことはない。
ニューハーフが登場するが、この空気感がまったく受けない。なんだか全体的に騒がしいだけで、いつものように号泣する部分もない。

山崎あかねの子供1.5歳くらいだろうか・・、この子が登場したことによって、可愛らしさと同時にほのぼのとした温かい雰囲気に包まれたが、それ以外はいつもと違う舞台だった。

期待が多きかっただけにショックだったのだ。


ヒッキー・カンクーントルネード

ヒッキー・カンクーントルネード

ハイバイ

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2009/04/10 (金) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

号泣…
ああ、お兄さんが○○○○た。
そうか、今年はこういうラストか…。
しみじみと、泣けました。
いい芝居だった。

偽伝、ジャンヌ・ダルク

偽伝、ジャンヌ・ダルク

アロッタファジャイナ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/04/07 (火) ~ 2009/04/14 (火)公演終了

満足度★★★

役者個人の色をたのしめた公演だったかな。
乃木太郎さんの王の演説に心を揺さぶられ、
加藤沙織さんのかわいらしいはじけた演技に「あんたはSDキャラか!」って突っ込みたくなり、
峯尾晶さん、菅野貴夫さん、若宮亮さんの変幻自在で多彩な演技に幻惑され、花音さんの美しい死に際に涙し、神か悪魔かというような感じで世界を一気に作りあげてしまうナカヤマミチコさんのストーリーテリング(個人的にはミッチさんが本公演のMVPだとおもいます。)にさまざまな感情を掻き立てられつつ、ジャンヌを演じた安川結花ちゃんとともに神の声に聞き耳をたててた。そんな感じでした。

炎炎炎炎(えんえんえんえん)

炎炎炎炎(えんえんえんえん)

劇団コスモル

OFF OFFシアター(東京都)

2009/04/02 (木) ~ 2009/04/06 (月)公演終了

満足度★★

表現方法に目を瞠る
「観たい!」コメントに「家族ネタ+戦時中の物語という弱点2点責めに耐えられるか?」などと書いたが、いざフタを開ければ泣けるどころかホロリともせず(爆)、ただただ表現方法に目を瞠るばかり。
その思いっきりポップで戯画化され、キッチュでさえある表現は独特で概ね面白く、125分という尺を感じさせないが、その反面「死」「戦争」「家族の縁・絆」といったものの重みが軽減されてしまった感が否めないのは残念。
が、これだけハチャメチャだと戦時中にS&W M29が出てこようが、アーマライト M16が出てこようが全く気にならず…(笑)

悪戦

悪戦

今井事務所

吉祥寺シアター(東京都)

2009/03/27 (金) ~ 2009/04/05 (日)公演終了

満足度★★★

程よくユーモラス
上海マフィアと繋がる結婚詐欺組織に騙された男2人がそんな背後関係を知らず抗議に事務所へ押しかけるところから始まる物語。黒を基調に主演3人のアップを載せたチラシからは重たそうな印象ながら、実際は程よくユーモラス。
特に渡辺哲がなんとも可愛らしいと言おうか何と言おうか、あのいかつい顔つきとギャップのある演技で大いに笑いを誘い、しかもオイシイ役どころで◎。

刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ

刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ

ACTOR’S TRASH ASSH

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/04/01 (水) ~ 2009/04/05 (日)公演終了

満足度★★★

マチソワで「我」「刻」を
ホムペの情報から伝奇系時代劇かと思いきや、裏歴史研所属究会に所属する女子大生とその指導教授が鬼伝説の真相を解明するという、ある意味社会派の人間ドラマ。が、鬼伝説のルーツたるものは現代社会にも依然として生き永らえている、という狙い・テーマは良いものの、性急な部分があり展開が唐突に感じられる部分があるのは惜しい。
また、「他人がどう見ているかを気にしながら行動する自分」というテーマがハッキリ提示されるのが終盤なのはちょっともったいない気がする。
なお、主人公・白狐丸とヒロイン・静の関係が「我」ではレオンとマチルダのように感じられ「刻」ではほぼ対等に見える(体格差もその一因か?)ことを筆頭にダブルキャストの面白さもアリ。

なお、座席はマチネがC列12番、ソワレがG列6番と、アップ&引手、引き+下手と2度観るのに理想的な位置。

女々しくて

女々しくて

ブルドッキングヘッドロック

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2009/04/10 (金) ~ 2009/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★

もじゃもじゃ。
あれもやってこれもやってそれもやっちゃうし、いろいろ登場して楽しいです。誰が何役をやるか、観る前に目を通しておくと楽。プリンの黒木絵美花さんが最高に可愛くて。にしても皆さん芸達者ですこと。藤原よしこさんとかほんとに細かいとこまで演じるので目が忙しくて楽しい。
一人だけ男性参加の岡山誠さんが嬉しそうです(笑)

義弟の井戸

義弟の井戸

黒色綺譚カナリア派

シアタートラム(東京都)

2009/04/10 (金) ~ 2009/04/15 (水)公演終了

時代の色を箍にして
舞台に統一された時代のトーンがあって
それはとても洒脱・・・・。


で、その色を箍のようにして
人間の本質にあるものが
見事に曝されていきます

特に後半、ひたすら見入ってしまいました

ネタバレBOX

頭巾で物語と市井の風情を切り分けるところもうまいなぁと思いました。

しかも頭巾組は舞台のトーンに隈取をするようなことまで・・・。

「・・・・の御成」で雰囲気を作る手法。こういう外連がすっと馴染む舞台、そうあるものではありません。
夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

アトリエ・ダンカン

東京グローブ座(東京都)

2009/04/03 (金) ~ 2009/04/15 (水)公演終了

まかふしぎな。
おもしろさ。
ちゃんと演劇になってて楽しかったです。
演技に一生懸命な主役二人を応援してあげたくなる。まるで親目線。
ただ、他の方も書いてらっしゃいましたが原作読んでないと楽しめないのでは、と思う箇所も少しだけありました。

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