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「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』

「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』

コマツ企画

RAFT(東京都)

2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

セルフプロデュース力の高さにびっくり。
俳優・川島潤哉のおもしろさはコマツ企画を観ても、どの客演先を観ても明らか。だから一人芝居になっても当然キャラ押し、演技重視で来ると思ったら。。。見事な形で裏切ってくれました。構成・脚本・演出、ちゃんと自分の見せ方を知ってるからできる表現。当日パンフにもありましたが、一人芝居というよりは一つの表現の形として成立したおもしろい作品でした。

ネタバレBOX

もちろんキャラ使いもものすごく上手。4人でのトークしてみたり、はがきアーティストとして一人しゃべりしたり。女の子を口説いてたり、選挙活動してたり。個々のシーンでのしゃべり倒し、これだけ書けるのか、っていうのもびっくり。

キャラメインのショートストーリーの組み合わせかと思いきや、緩やかにつながり交錯する男たち。無理もあるかもしれないけど、照明をうまくつかった転換で妙な感じでつながっていく。後半での行ったりきたりのテンポのよさも。その飽きさせない構成力も見事なんです。

ただ、俳優さんとしての得意部分攻めばかりのようにも思えたので、どこか違う面が観たかったって意味で☆一つマイナスしてみます。
ガラスの家族

ガラスの家族

劇団朋友

俳優座劇場(東京都)

2009/06/04 (木) ~ 2009/06/10 (水)公演終了

満足度★★★★

王道にも作法がいる
こういうことを伝えたいという想いがあって、それを劇団全体で共有できているように思えました。皆が心血を注いでいる。
よくできた話でも、作っている人々の気持ちがちぐはぐだと作品に現れます。王道という言葉はありきたりという意味に捉えられがちですが、それをきちんと実現するにも作法がいるということを教えられた思いです。

いつも凝った話、刺激的な物語ばかり追い求めていると、こうした昔ながらの物語にほっとします。刺激に頭脳は楽しませてもらっていても、心は疲れていたのかもしれないと考えさせられます。

Family Trap ~コーンフレーク食べます?~

Family Trap ~コーンフレーク食べます?~

遊々団★ヴェール

SPACE107(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

いい感じの舞台でした^^
フライヤーから想像させられるのと全く違うかんじのストーリー。ちょっとドタバタのハートフルコメディーはとても良い感じに仕上がっています。芝居の始まり方もいいですね。自由席に座っていたのですが,ビックリしました。始まる前は全然気がつかなかったなぁ。ちょっとくさい部分もあったけど,大いに笑い,温かい気持ちにさせていただきました。謝謝。

流れ星

流れ星

東京セレソンデラックス

シアターサンモール(東京都)

2009/05/20 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

ラストに近づくにつれ 、、、涙
初セレソン。あの宅間氏=サクマ氏の舞台とのこと気になってふらっと見に行ったわけです。チラシのケロンパさまがすごくキュートでますます期待大。まずビックリしたのはロビーのお花と縁日ばりのにぎやかさ!!マニアがたくさんいるんだなぁ。C列はフラットでテーパーがないので前の席の頭の大きい男性で、、かなり観にくかったけれどガマン。前半はいまいち入り込めなかったけれど、ラストに近づくにつれ、、ずきんと胸にささって、、、で、、ぼろぼろ涙が出てきて号泣。泣かされちゃいました。最近疲れていた私にはいいリハビリになりました。

髪結う時

髪結う時

TOKYOハンバーグ

千本桜ホール(東京都)

2009/06/09 (火) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

どちらともいえない

仕事であれ私事であれ、何らかの形で介護に関わっている人にとっては、約1時間半の上演時間は、もしかすれば苦痛以外の何物でもないかも知れない。そう思うと、誰にでも手放しで勧められる作品ではありません。
たとえば介護の合間に、息抜きや活力を求めて芝居を見るとしたら、この作品は選ばない方が無難かもしれないと思います。

作家の志や、それに共鳴するような鬼気迫る芝居など、すばらしいところはたくさんあり、こういった作品を見せてもらえたことに感謝もするからこそ、こう書くことは非常にもやもやします。

チケットプレゼントで観ました。ありがとうございました。

ネタバレBOX

音楽で雰囲気を盛り上げるところに、少しテレビドラマっぽさを感じました。
そこらへんはもっと台詞の力や役者の力を信じていいと思います。
WORLDS

WORLDS

AND ENDLESS

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/05/29 (金) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

夜の3時間超えはちょっと・・・
前半は理解し難いままでの模索状態、後半はやっと呑み込めたって感じの
悲劇の舞台。内容的には悪くないが、2時間程にまとめてみてはどうだろう・・・間延びせずもっとハラハラドキドキの舞台を演出できるのでは?

ガラスの家族

ガラスの家族

劇団朋友

俳優座劇場(東京都)

2009/06/04 (木) ~ 2009/06/10 (水)公演終了

満足度★★★★

発声のよさで幕あき
表現力が素晴らしい、身体の動きと物語の進行が小気味いい。全体のまとまりと楽しさが自然と伝わってくる。タップダンスをもう少し長くやってほしかったというのは私だけの希望だろうか。

漂う

漂う

劇団T×T

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2009/06/05 (金) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

初めて
初めての演劇でどんな感じか不思議だった。

でも距離も近く臨場感たっぷりで小さな舞台でやりこなすのがスゴいなと思った。

裁かれません

裁かれません

カリフォルニアバカンス

アイピット目白(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです
テンポもよく勢いがあって、いっぱい笑いました。
始まる前から楽しくて、見終わった後も笑顔になる舞台でした。



裁かれません

裁かれません

カリフォルニアバカンス

アイピット目白(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★

乗れなかった!
毎回、評判のいい劇団なので期待はしていたが、あまり面白くなかった。

以下はねたばれBOXにて。。

ネタバレBOX

もっと勢いのあるコメディかと思いきや、案外、だるだる。
お笑い系の芝居は数多く観ているから、その分、評価も厳しくなるのかも知れないけれど、それにしても・・・あんまり笑えない。ってか、笑いの感性が違うのかも知れない。

普段、ワタクシが観るコメディに対する観客の笑いはあんなもんじゃあないし、ワタクシの観た回は、一部の観客の笑い声だけが妙に響いて、もしかしたらサクラでしょか?と思っちゃったほど!
多くの観客の反応もイマイチな感が。

これから観に行かれる方は多くを期待し過ぎると不満が残るかも。

鬼とか悪魔とか閻魔とか、発想は面白かったんだけれどね。
ストーリーの展開に無理がある。

みまもり刑事Z フラッシュ!

みまもり刑事Z フラッシュ!

おにぎりスキッパーズ

ザ・ポケット(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

今一つノリきれませんでした
観劇させて頂きました。この作品はあらすじに書かれているように、「なにか」に擬態して、事件を「見守ることしかできない刑事」の物語でした。ただ、これもあらすじにあるようにおにぎりスキッパーズでしか体験することの出来ない「変な演劇」でしたが、自分の場合は今一つ作品の展開にノリきれませんでしたし、笑いのツボも微妙にずれていたものを感じてしまいました。作品にある「なにか」に擬態してというものの感じを掴むまでに少し手間取ってしまい、作品の展開の仕方に部分部分では笑うことが出来ても、全体的な物語としてはその展開を味わうまでに時間がかかってしまいました。確かに「変な演劇」と思う部分もありましたが、自分自身がこのような作風の演劇作品に慣れていないせいもあったのか、物語の展開が妙にゆっくりしたものを感じてしまい、また非常にユニークな発想とは言えその特殊とも思える設定に慣れるまでに少し時間がかかり過ぎてしまったところがあります。また、笑いのツボとしても部分部分では笑えても、自分自身の「笑いのツボ」と微妙に違っているところもあり、作品全体の進行がゆっくりとしたものを感じてしまいました。今回の作品の評価は、その作品の設定のユニークさと「変な演劇」と記するだけある独特な作品は評価しますが、自分としては笑いのツボが微妙にずれていたことと物語自体に慣れるまでに時間が少しかかり過ぎてしまったことが、個人的な星の評価になっております。しかし、観劇されている方の中には絶えず笑っている方もいらしたので、ツボに嵌れば非常に面白く感じられる作風なのかもしれません。

みまもり刑事Z フラッシュ!

みまもり刑事Z フラッシュ!

おにぎりスキッパーズ

ザ・ポケット(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

おにぎりスキッパーズ2『みまもり刑事Z フラッシュ!』を観た
三宅裕司

プラス

飛び出しキャラ

みたいな感じだった。

ポケットの前の方のイスって長時間座ると痛いのだった。

過去に観た時は後ろの常設イスで痛くはなったけど狭く感じた。

2回目は出る側で。

今回3回目でイスのことに初めて気づいた。

最近心地よい劇場も増えてきたし、変えた方がいいんだろうなぁ。

ココロコロガシ[12日金曜日完売]

ココロコロガシ[12日金曜日完売]

カプセル兵団

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

漂う

漂う

劇団T×T

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2009/06/05 (金) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

~漂う~観ました(*^^)v
すもも様、メールありがとうございます。ダンス・お芝居・ミュージカル大好きなアラフィフの兼業主婦です。ママ友の奈緒さんに誘われて、観てきましたヨ。プロの味が出てとっても良かったです。力みすぎていない自然な表現が素晴らしいなぁ~って思いました。
そして、ここまでの過程がいかに大変だったのかも伝わってきました。
とにかく皆さん素敵でした(^O^)/

漂う

漂う

劇団T×T

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2009/06/05 (金) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

せつないけど・・
淡々とした現在の主人公の回想の語りが、色々あった激しかったり修羅場だったり迷いだったり喧騒だった過去の主人公の人生を受け入れてきた悟りの様に感じられてせつなかったけど感動しました。うまく表現できませんね。すみません。

ネタバレBOX

最後にドレスを着たサチがアキラと写真を撮ってもらうとき、若い頃お誕生日を祝ってもらって撮っていた首を傾げて肩にちょこっとのせるところと同じポーズで、なんだか涙がでました。
花のゆりかご、星の雨

花のゆりかご、星の雨

時間堂

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/06/02 (火) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★

私には合いませんでした
こりっちのレビューを見て気になったのと、
主宰さんの目的に共感したので初めて観に行ってみたのですが、
正直、残念でした。
隣の方やレビュアーの方々がなぜ泣いていたのかも自分には理解できませんでしたし、パンフレットの物語紹介以上のものがなかったのでは、という印象で
す。
演出点としても気になるところが多く、ルデコを活かせていたようにも思えません。
後半が盛り上がる場面かとは思うのですが、特に後半はないな、というのが私の感想です。

否定的な意見ばかりになってしまいましたが、良くなかったという評価が一つも無かったので書かせていただきました。

ネタバレBOX

はじめから効果音が気になってしまい、さらに役者がやるという必然性が感じられませんでした。小道具で扇子を用いていましたが、良かったかというとどうでしょうか。

横から見ていたのですが、それでも奥にハケたあとの役者さんには気になりますし、登場人物の感情の流れというか人間の反応が、嘘で演劇的で、どうにも好きになれませんでした。

ストーリーも、どうでしょうか。回想で必要な配役を現代で配置したのかと感じましたし、回想がメインでとにかく長いというのは、もう。うーん。

全体を通して、魅力的な部分はあまり感じませんでしたし、こんなに評価が高いのが信じられません。

レストランの店長役の役者さんには、独特の声といい、年齢設定は置いておいて好感がもてました。
裁かれません

裁かれません

カリフォルニアバカンス

アイピット目白(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった♪
『あの世』も大変な事になってましたね~何度も、笑わせて頂きました。皆さんのパワフルな演技によって、楽しく、元気になれる、舞台でした。
次回作も楽しみになりました♪

裁かれません

裁かれません

カリフォルニアバカンス

アイピット目白(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

痛快な地獄
劇団恒例の客いじり。今回はアレ(笑
おもしろかったです。個性豊かな役者と地獄の事情それぞれが。
地獄の人々もいろいろ大変なんだなあ、と。
最後のプロジェクター、まさかあのためだけにあるとは。
ある意味贅沢な使い方。

流れ星

流れ星

東京セレソンデラックス

シアターサンモール(東京都)

2009/05/20 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

観ました☆
好きなストーリーでした!!

実験シリーズその1 『境界』 【追加公演決定】~これが最後のチャンスです~

実験シリーズその1 『境界』 【追加公演決定】~これが最後のチャンスです~

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2009/06/05 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇はどこから始まるのだろう。つまり、その「境界」どこにあるのだろう?
観劇は、ふつうは客電が落ちて、幕が開いたりしてから始まることが多い。
ところが、今回のこの観劇(舞台)は、チケットが届いたところから始まっていた。

そういう意味での「境界」と「実験」を意識させる企てに、思わずにやりとした。

・・・いつもの通り。詳しくはネタバレにだらだら(恐ろしく長く)書いてます。

ネタバレBOX

チケットはなぜか大きな封筒で届いた。
「?」と思い、開封すると、なんと今回の舞台の企画書(!)と小さな手形のような木製の手作りのチケットが入っていたのだ。わざわざ私の名前まで入れて。

私は、とても愉快になったので、その労力に敬意を表して、チケットに麻紐を通して、首からぶら下げて会場を訪れた。
さらに希望すれば、前日に役者から電話までしてもらえると言う。私はスケジュールが不明確だったので希望しなかったのだが、前日にはメールが届いていた。

そして当日、チケットをぶら下げていたのだが、劇場はうっかり通り過ぎてしまった。なぜなら、白衣風の男が学習塾らしき建物の前に立っていたので、ここは当然違うだろうと思ったからだ。
これが、この奇妙な「境界」に踏み入れてしまった第一歩だったのかもしれない。
あとでわかることなのだが、舞台に立つ役者たちが観客を直接迎え入れていたのだ。やっぱり「境界」という舞台はすでに始まっていた。

なんでもOKの客席という設定も、観客&客席という空間の「境界」を意識させるのには十分だった。

「境界」について「実験」と称して行われるいくつかのエピソードは、それほど意外性もなく、特に最初のいくつかは、ちょっとガッカリした(例えば、鏡とか出所とか・・)。

とにかく気になったのは、そこここに、どことなく昭和レトロ的な匂いがするところなのだ。というか、なんとなく微妙なところがあるのだ。

例えば、「エレベーター」の話で、「シンドラー製」みたいな台詞が入るのだが、「今それを言う?」と思ってしまう。古くもないけど、新しくもない微妙な台詞。それを言うのはかまわないのだが、それに対してのフォローのひとひねりが足りない気がする。

「出所」のところでの「シャバ」から「ジャバダバシャバダバー」と歌うのには苦笑しか出なかったし、同じく出所のところの「政治家・・・」と言葉を濁すのも同様だ。
また、「男と女」のところでは、間にマットを敷いてそこを前転、後転、飛び込み前転などが繰り広げられるという、とてもナイスな展開があるにもかかわらず、締めの音楽が野坂の「黒の舟歌」(「男と女の間には〜」というアノ歌)が流れるのには、「残念」の言葉しか脳裏に浮かばなかった。「ベタすぎて、それはないよな〜」と思ってしまったのだ。・・・ま、若い観客には新鮮さがあるのかもしれないけど。

こうした匂いが、確信犯的に行われているのかどうかはわからないのだが、確信犯的な使い方ならば、なんとかフォローみたいなものがあったり、徹底してそのセンで責めてくれれば、言うことなかったのだ。

ひょっとしたら、この劇団はある意味「真面目」すぎるのかもしれない。真面目すぎる展開なのか?

しかし、退屈だとかつまらないという感覚はなく、結構楽しんだのだ。

一番面白かったのは、観客との「境界」がなくなった(客いじりとも言う)部分だった。
いいちこを注ぎにきたり、ピザのくだりなどだ。
たぶん、15人という少ない人数で役者に密接に向かい合うということから、こんなことを想像してきたからかもしれない。
というより、せっかくの、この接近性を活かさないテはないのだから。

その「境界」は、客席と舞台との間にある格子が示していたようだ。それが上がることで、舞台が少しだけ、こちら側にしみ出してくる。

「境界」という意味では、「眼鏡も一種の境界?」(実験を演じているとき以外全員が眼鏡を掛けている)という台詞を受けて、ラストは、観客との境界がどうなっているのかを含めて、眼鏡を掛けているのか、いないのかをはっきりさせて欲しかった(まちまちだったので)。

とは、いうものの、先に書いた観客との「境界」であった格子が元の位置に降りてくるときには、驚くべきことに、役者全員が格子のこちら側にいるのだ、つまり観客側に。
そして、観客にお尻を見せる形で舞台側に挨拶をする。
それはとても象徴的なラストシーンではないだろうか。

さらに、舞台での演技が終わり、客電が点いたところで、役者の皆さんが、ピザを勧めたり、ドリンクを注いでくれたり、お手拭きを持ってきてくれたりする。

これが本当に舞台と観客の「境界」が消えた瞬間である。
演劇そのものの「企て」として、「観客との境界を消すこと」を意識した上での、今回の「境界」という舞台を選択したのかどうかはわからないが、劇団の観客への真っ直ぐな想いは、確かに「境界を消しつつ」あった。

最後に、個人の名前が入った封筒を渡され、「実験のレポート」という名の「感想」を送ってくださいと、切手付きの返信封筒まで渡された私たちは、このレポートを書いて提出するまでも、今回の「舞台」の中なのだろう。

会場を出て、今体験した出来事を反芻しながら帰宅するのだが、そのときにこりっちに書くことが楽しくてしょうがない私は、やはり星の数を考えてしまう。
舞台の上で行われていたことだけを考えると、星3つかな、と正直思った。

しかし、飲んだリンゴジュースやピザの味を思い出してもう1つ増やすことにした(ある意味本当で、ある意味冗談)。
ホンネで言えば、その味に込められた、この劇団の真摯な、生真面目ともいえる姿、すぐ目の前で演じる役者のまなざしに打たれている自分がいたのだ。
そして、「境界」について演じている舞台の「境界」そのものが拡大して、観客をも包み込むという様は、愉快としか言いようがなかったのだ。

だって、木製の手形チケットの上に付いていた玉が割れてしまっていたのに気がついた受付の方は、「割れてしまっているようなので、お取り替えします」とまで言ってくれたのだから。チケットは、入場すれば終わりのはずなのに「修理」しようとしてくれるのだからね(ちなみに割れていたように見えた玉は、私がボンドですでに修理していた・笑)。この不思議な感覚は、今回のコンセプトが劇団の根底に流れるコンセプトとマッチしていたのだろう。

どうでもいいことだけど、お菓子や飲み物の用意をして待っているということに、童話の『泣いた赤鬼』を思い出してしまった。それって、鬼と人間の境界を越えて、人間と仲良くなりたい鬼の、泣けちゃう話なんだよね。

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