最新の観てきた!クチコミ一覧

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て【北九州公演】

て【北九州公演】

ハイバイ

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2009/10/24 (土) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

自然なしゃべり
基本的にゆるい感じの口語演劇(とはいえ、段取りとかはすごく作りこんでいると思われるのだけれど)で、前半ちょっと退屈する場面もありました。しかし、後半になるとやはり興味深く、ぐんぐん引き込まれる感じがありました。

ネタバレBOX

自伝的作品というか、岩井さんの家族に起こった数週間を描いた作品だということでした。終演後にアフタートークというか、あらかじめ集められたお客さんからの質問に岩井さんが一人で答える質問コーナーあり。ああいう形式は珍しく、しかも岩井さんのしゃべりが大変面白かった。
サッちゃんの明日【松尾スズキ新作!】

サッちゃんの明日【松尾スズキ新作!】

大人計画

J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)

2009/10/23 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

なるほど
松尾スズキ作品は、けっこうたくさん見ているけれど、大人計画の本公演を見るのは実に久しぶり。やはり劇団公演はプロデュース公演とはずいぶん違うと思いました。もう一ランク深いところを掘っている感じがしました。北九州公演がある、ということをちょっぴり意識したのかなぁ、とも思いました。パンフレットの対談とかね。

ネタバレBOX

「演出の都合上、カーテンコールはありません」と、開演前にアナウンスされていたのだけれど、他の会場でもカーテンコールなかったのか?
甲賀の七忍

甲賀の七忍

劇団三年物語

ザ・ポケット(東京都)

2009/10/24 (土) ~ 2009/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった!
19時からの初日公演を観て来ました。とっても楽しかったです。
シリアスさとお馬鹿さが良い具合に混ざり合って、にんまりするお色気まで
散りばめてあります。アクションも凄い!あの舞台を縦横無尽に動き飛び
ながらの殺陣、是非、ご覧ください。ラストはお約束通り、感動へと導かれ
ます。明日の午後も観にいくぞっと。

沼袋十人斬り

沼袋十人斬り

THE SHAMPOO HAT

ザ・スズナリ(東京都)

2009/10/14 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

寿司喰いに行ったら美味しいケーキが出てきて吃驚
近年観た赤堀雅秋氏の脚本・演出作品
『 その夜の侍 』 ・ 『 東京 』 ・ 『 葡萄 』 が3つともよかったので
わくわくしながら観に行く。

結果、完全に予想を外れた展開におおいに驚く。



これまで観てきたシャンプーハットの作品と
味わいの異なる世界があった。

いつものお家芸である(と俺が思い込んでいた)
「静けさ」・「重さ」・「現実感」がほとんどない代わりに、
「怒号」・「スピード」・「仮想現実感」を前面に出した新演出。
まるでSABUやタランティーノの映画でも観ているかのような
爽やかな弾けっぷりだった。

旗揚げメンバー全員がショーレストランを拠点とした
パフォーマンス劇団の出身で、
「喜劇的であり続ける」のが身上というシャンプーハット。
旗揚げから10年以上もの長い歴史を考えれば、
今回はむしろ新展開ではなく原点回帰なのかもしれない。



魔夏の白昼夢を何故か10月末の秋深まる肌寒さの中で観る
という珍妙な逸品。
もちろん珍妙であることを狙っており、不自然でおかしなシーンが
次から次へとやってくる。
105分の上演時間の間、客席では随所に笑いが起こった。

物語の表面上は、いつものように「生活の苦味」や「犯罪」が
並べられるのだが、何故かとびきりファンキーに描かれている。
寒冷地のやってらんねー暮らしをウォッカでブッ飛ばすような、
主婦の覚醒剤や高齢者の万引きのような鬱屈した冒険を
インディージョーンズの冒険に強引に変換しちゃうような、
やけっぱちみたいな試み。(を意図的にやっていた)

そして、これまた珍妙なことに全体を通して観ると
大変ハートフルな作品だった。(これも意図的)



登板した役者は7名。
主将の野中隆光・中盤の要 黒田大輔を欠き、
客演も一切迎えなかった今回の布陣。
意外にも、近年で最も華やかな快作(怪作?)に仕上がった。

サッカーに喩えれば、赤堀雅秋をドンとセンターに置き
全てのボールを集めるという単純でダイナミックな戦術。
とても観やすく、安心感があった。

舞台上には安心感があるのに、物語や演出は今までにない
トリッキーな試みが多く、着地点が読めない。
そのバランスが絶妙だった。(もちろん意図的だろう)

赤堀氏を取り囲む劇団員一同、全くキャスティングに無駄がなく
その辺りもクールだ。
例えば、梨木智香は下着を見せるだけで十分ポジションを果たしていた。
いつも思うのだが、「完全に客観的に自分達のクルーを見つめる目線」
がなければ、創作ってあそこまでカチッと狙い通りにいかない。
狙いを外さないところに畏敬の念を抱く。

また、見終わってしばらくして、
「いや、そんなに明るい話じゃねえぞ…」
ってなるのも凄いところだ。



評価の☆を5つではなく4つにした理由は、
愉しみ方を理解するまでにしばらく時間を要したことと、
辻褄やリアリティーを削ぐと、いくら面白くても
心の底から揺さぶられるような感動はやって来にくいことから。

作品よりシャンプーハットそのものの魅力が勝った新演出だった。



目当てで観に行った先輩の吉牟田眞奈さんは、
顔芸・関西弁など持ち味を使い切ったスキルフル過ぎる好演。
ただでさえ忙しなくカラフルな展開に、さらに華を添えていた。

眞奈さん、お疲れ様でした☆

センポ・スギハァラ2009

センポ・スギハァラ2009

劇団銅鑼

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2009/10/21 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

7人のキャストで作った人間ドラマ
劇団初見。杉原さんの心理のよさもよかったけど、ほかの6人それぞれの人間ドラマであった100分の上演時間の中で思いました。

深情さびつく回転儀

深情さびつく回転儀

電動夏子安置システム

サンモールスタジオ(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

挑戦状?
公演時間は130分、休憩は無し。
面白いですよ。

思いつくキーワードは、
・パラレルワールド
・ケーブルスパゲッティを解く快感
・ちょっとホラーチックなサスペンスコメディ
・作家からの挑戦状(笑)
な感じでしょうか。

個人技も含め、小ネタは豊富です。
マルチエンディングで、結末は6パターン有るそうです。

ケーブルスパゲティ状態のまま、小ネタを楽しむも良し。
法則を見つけて、話を追いかけるも良し。

タイミングが多くて、舞監(酒巻未由来さんかな)さんは大変そう。
でも1ミスだけでしたよ。
ノーミスだったら帰りに握手しちゃおうと思ったくらい、忙しそうです。
一瞬たりとも気が抜けないから大変ですね。

劇場のレビューや、もう少し辛辣な?レビューはコチラをご覧下さい。
http://ameblo.jp/potes-impressions/

渡辺美弥子一人芝居:ある女4

渡辺美弥子一人芝居:ある女4

電動夏子安置システム

サンモールスタジオ(東京都)

2009/10/22 (木) ~ 2009/10/22 (木)公演終了

満足度★★★★

安い木戸銭に負い目を感じました(笑)。
いやぁ~、笑いました。
超が付く満員でした。
で、百円の木戸銭に負い目を感じて、10/24の本公演も観に行きます。
出口で『毎日やれば?』などと無責任な事を言いましたが、『劇団員日替わりで』といった企画なら可能かも…。
キャストの地力が付くと思いますよ。

映画「曲がれ!スプーン」【12月より舞台版全国ツアー開始!】

映画「曲がれ!スプーン」【12月より舞台版全国ツアー開始!】

映画「曲がれ!スプーン」製作委員会

※劇場情報は公式HPにてご確認下さい。 (東京都)

2009/11/21 (土) ~ 2009/12/31 (木)公演終了

派手ではないけれど....
出演者、話の内容も含めて派手なことはないけれど
たまにはこんな話で息抜きもイイかも!?、な感じでした
細かく散ってるコネタもあり、
監督の以前の作品を観てからの鑑賞で
よりいっそう楽しめると思います
肩肘張らずに観て楽しめる作品でした

ソビエト -マヤコフスキィ生誕116年-

ソビエト -マヤコフスキィ生誕116年-

双数姉妹

座・高円寺1(東京都)

2009/10/21 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

座・高円寺の広さを見事に使っていた!
まず、舞台の使い方に感心。座・高円寺は横に広い劇場だが、それを上手く使い、また舞台の前に楽屋のようなスペースを作り、奥行きも含めて舞台を大きく使っていた。

物語はロシア革命からソビエトが誕生する革命前後に、権力に翻弄されながらも闘う演劇の現場を描く。劇の中で劇が行われているという構造が面白く、芸術の現場の苦悩が伝わってきた。この舞台を16年前にやっていたということに驚く。

カカフカカBig2

カカフカカBig2

カカフカカ企画

アイピット目白(東京都)

2009/10/15 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

【大恋愛学園】こちらも楽しめた。
馬鹿馬鹿しい笑いを徹底的に追求している。深いことを考えずにただ楽しめばいい。仕事帰りに観るにはぴったりの劇団だ。

 カラクリヌード

カラクリヌード

演劇カンパニー”東京の人”

シアターブラッツ(東京都)

2009/10/23 (金) ~ 2009/10/27 (火)公演終了

満足度★★★

まとまりがないなぁ・・。
東京の役者と遊ぼう企画として始まって2回目。ワタクシは縁あって、1回目から観てるのだけれど、今回の芝居ははっきり言って間延びしたような舞台。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

まず第一に遅れてきた観客を桟敷席に座らせてスタッフが前列の特等席に座るという、あまりにも客思いのスタッフ。
なんだ、ソレ!客よりも良い席に座ってどーすんだよ!

物語は地下6000メートルで働く鉄モグラと地上6000メートルのクジラが運命の出会いをするという一見、壮大なお話。この物語、地球割りの前々作に似てる。
この物語に出てくるホットバッジというシロモノがいい。運命の人に出会うと光るというもの。楽じゃね?運命の人を教えてくれるのだから、どらえもんに頼まなくても良いって寸法!ワタクシ欲しいわ!笑
しかし、物語の軸はリコを愛していた権藤がリコのロクスケへの記憶を消したいが為に巻き起こす不条理劇なようなもの。キャストには発声が悪い役者もいたりして、イマイチ、演技力がない。それに輪をかけちゃって、キャスト全員でセリフるシーンでは言葉が噛みあってないもんだから、聞きづらい。練習不足なんだよねー。
間に休憩を10分間挟んだ公演だったけれど、この物語に対して長すぎる。
90分程度でまとめたほうが良かったような気がする。無駄が多かった。

そんでもって、最後のシーンでリコが吐くセリフは、仕事を一生懸命している権藤に対して、「貴方は私を構ってくれない。淋しかった!ロクスケなら、私を幸せにしてくれる。」なんちって、甘えた言葉を吐いちゃうわけよね。壮大な物語だったはずが、一瞬にして家庭のちっさな愚痴になってる。
引くわっ。物凄い勢いで遠ざかって後ろに引っ張られるように引いた。
自分を淋しくさせない相手が欲しかったら、仕事の出来ない相手を探さなきゃならんのです。お嬢さん!笑

笑わせようとアドリブらしきものもあったけれど、今回はウケナカッタ。
ストーリーにテンポが無いし脚本が甘かった。

次回に期待します。

深情さびつく回転儀

深情さびつく回転儀

電動夏子安置システム

サンモールスタジオ(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

残りの結末も気になります。
 私は記憶する。
 37つの部屋。
 15人の男女。
 9つの空間。
 6つの結末。
 5人の子供。
 4つの家。
 3人の娘。
 2つの虚像。
 1つの実像。

 そこに至る、無数にも見える物語。
 選ぶのは、どこかから聞こえる0の回転音だけ。

 私は記憶する。
 本物は一つ。あとは偽者。

電動夏子安置システムがお贈りする、“大人のための童話”。それは無数の偶然と必然が織りなす、あるひとつのロジカルコメディ(論理悲喜劇)。

この世界観をあれだけの笑いを散りばめながらもしっかり表現しているのは
さすがです。

ルーレットの出目により6つの結末が用意されているとか。
残りの結末も見てみたくなりました。

ナノ クライシス ポルノグラフィティ

ナノ クライシス ポルノグラフィティ

演劇集団 砂地

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2009/10/21 (水) ~ 2009/10/26 (月)公演終了

満足度★★★

えー
これが3500円かあ。

星屑とボタン

星屑とボタン

三角フラスコ

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2009/10/20 (火) ~ 2009/10/22 (木)公演終了

満足度★★★★

金字塔的な作品
今年のマイベストです。

初期の代表作が「ミカン」だとしたら、これはフラスコの金字塔的(あるいは現段階での代表作)な作品だと思います。もちろん個人的な位置づけですが。

初演から引き続きの役者たちのレベルアップもさることながら、若くもしっかりとしたスキルとセンスを持ったスタッフの支え、強力な客演、何より、作品が深く練り上げられていました。感動しました。

ウイングフィールドは舞台空間の広さがエル・パークよりも小さいため、仙台公演とは違った雰囲気になると思いますが、より繊細な役者の仕草や息遣いを感じられると思います。

手放しで賞賛するとためにならないと思うので敢えて注文をつけるとすれば、字幕表示の処理にもう少し工夫の余地があった気がすることと、前説のアナウンスの機械音が個人的に少し耳障りだったことかな。

ネタバレBOX

七海さんの夫としての、男としての内面の処理が見事でした。


二幕目の夫を藤原さんにするのなら、妻ももっと設定と実年齢が近いほうが良かったのではないか。役者同士の年齢のギャップに少々違和感を感じました。
smallworld'send

smallworld'send

時間堂

王子スタジオ1(東京都)

2009/10/21 (水) ~ 2009/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

珠玉の短編集
見事です。珠玉の短編集を堪能させていただきました。特に「熊」「工場でのもめごと」「星々を恐れよ」は絶品。観れて良かったなぁとつくづく感謝。たしかに4時間は長かったが,なんとか集中力も持続。休憩中の役者さんの発声練習やストレッチも,上演中の出番までの仕草や出番での出方もとても興味深かった。この空間ならではだろう。ただ,観劇環境としてはちょっと。観劇している自分たちが道路から見られることは全く気にはならないが,車の音や通行人のおしゃべりが邪魔に感じる。面白い劇場であることはたしかだが。

はちみつ

はちみつ

湘南テアトロ☆デラルテ

アトリエ湘南(神奈川県)

2009/06/22 (月) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

はちみつ
いつもと違い女性4人だけの舞台でした。見る前は出演者の少なさに寂しく感じましたが、実際はものすごいパワフル!
女の子4人のキャラが、それぞれしっかりと立っていてとても楽しく見れました!

黄色い湯気【25日まで上演中!】

黄色い湯気【25日まで上演中!】

らくだ工務店

シアター711(東京都)

2009/10/14 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★

まいどの
下町情緒というか人情味溢れる作品。

ちょっと前半、話が前に進まなくて説明しすぎだなあと
思いつつ、後半一気に落とし込む作り方は大好き。

らくださんのお芝居観ると「すべての人にそれぞれの人生」
って言葉がいつもよぎります。おもしろかった。

OH!マイママ

OH!マイママ

劇団NLT

博品館劇場(東京都)

2009/10/22 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

抜群の安定感
創立45年の劇団、初見。
老練の役者と実績ある脚本で、抜群の安定感。
安心して笑っていられる芝居。

映画「曲がれ!スプーン」【12月より舞台版全国ツアー開始!】

映画「曲がれ!スプーン」【12月より舞台版全国ツアー開始!】

映画「曲がれ!スプーン」製作委員会

※劇場情報は公式HPにてご確認下さい。 (東京都)

2009/11/21 (土) ~ 2009/12/31 (木)公演終了

満足度★★★★

細男!岩井さん!
面白かったが、
いかんせん喫茶点を舞台にした小さい話なので
映画であることに多少違和感。

エスパーたちウダウダやってる前半は楽しい。
特にハイバイの岩井さんははまり役だ。
でも、
後半は主人公ADの気持ちがいま1つ伝わってこず
感動まで今一歩。

ネタバレBOX

映画見た後に
舞台版2007年の「冬のユリゲラー」を見ました。

基本的にはストーリーは同じだが
映画では
女性ADを主人公にすえたことで
そのキャラクター設定もだいぶ代わっていた。
それで最後ちょっと感動に持っていこうとしたのか
展開に違和感を感じた。

舞台版はいい感じでオチ?みたいのがあって
笑いで終わっていたのでその方が自然だな。
ソビエト -マヤコフスキィ生誕116年-

ソビエト -マヤコフスキィ生誕116年-

双数姉妹

座・高円寺1(東京都)

2009/10/21 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

みせる力を見せつけられた
マヤコフスキィを借景にしたという側面も
伝わってきましたが、
何よりも「芝居」そのものへの
ぞくっとするほどの鋭さをもった表現に、
何度も目をみはりました。

劇場の大きさを味方につけて、
たっぷりと劇団の力を発揮していたように思います。

ネタバレBOX

私自身もあとでWebの検索をして得心がいったのですが
マヤコフスキィの知識を少しでも入れておくと
舞台の骨格がより鮮やかに浮かび上がってくるかと思います。
まあ、当日パンフにはフィクションであると明記されているのですが
「借景」を「借景」として利用するための一助になるような気がします。

前半の舞台の表裏を描くシーンにまず瞠目、
同一キャラクターの入れ替わりやプロンプトの扱いなどから
舞台という表現の構造や舞台が動いていく仕組みや
表現が時代を染めていく姿が
浮かんできます。
時代や表現の停滞や活性化、物語の整理、役者たちがどのようにして舞台上に物語を紡いでいくか・・・。さらには時代が物語を、あるいは物語が時代をどのように変えていくかまでが、舞台上に具象化されていきます。

最初の演劇が高い評価を得た後の演劇の停滞のシーンがなにか暗示的。

日本の小劇場の流れを示唆するような舞台表現が差し込まれるのですが、これも絶品。体制を納得させうるようなお芝居をさらっと具現化してみせるシーンの鮮やかさにも息を呑みました。

作り手側の苦悩や人生の顛末、さらに彼の作品が現代に残っていく感覚の差し入れ方もとてもしたたかに思えて・・・。

舞台空間の高さや間口の広さを生かした巨大なパネルの使い方や、劇中劇の表現がすごく効果的でした。また、また空間に負けないというか、空間をしっかりと使った演技をしている役者たちにも付け焼刃ではない芝居力を感じて。古い役者たちや客演陣の底力に加えて、数年前に入団してきた辻沢、浅田、青戸、河野、熊懐といった役者たちが、存在感をしっかりと作り分厚く舞台を動かしておりました。

一つずつの場面の秀逸さに目を奪われて、全体を貫くものがいまひとつ見えにくい感じはあるのですが、でも、一人の作家の演劇に対するかかわりを俯瞰するような感覚はあって。

劇団のみせる力がとても印象に残ったことでした。


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