最新の観てきた!クチコミ一覧

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月並みなはなし[2010]

月並みなはなし[2010]

時間堂

座・高円寺2(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★

爽やかな修羅場
比較的物語性のある会話劇を観ながら時おり考えるのは、「せりふ=本音なのかどうか」ということ、また、「嘘は前提とされているのか」ということ。

限られた月への移住権をめぐって、議論し、対決し、揺れる人々。
希望者自らが挙手制で他の候補者を一人ずつを落選させていく――という身もふたもない状況には当然、大きな感情の起伏が伴います。
しかし、そこで不思議だったのは俳優達の佇まいが、どこかさっぱりと明るいようにも見えること。それはごく自然に舞台に立とうとする俳優のあり方で、意図しないことなのかもしれないけれど、彼らが「自然さ」「明るさ」をまとえばまとうほど、その裏には想像もつかないほど生々しい感情が隠されているようにも見える。このズレはとても面白いと思いました。

舞台美術や衣裳、チラシなど、ビジュアルのセンスにもこだわりが感じられ、気持ちのよい空間づくりがされています。それだけに、個人的にはこの気持ちよさの裏にある「生」の方へ針が触れる瞬間がもう少しはっきり見えてもよかったというか、分かりやすかった気もします。





ネタバレBOX

「月の移住」という夢は一見ファンタジックですが、この作品を見る限りでは、人びとは月に行っても、地球に居るときと同じ生活を営むのかもしれません。いや、もしかしたら、この選ぶ/選ばれないという一種の「修羅場」は彼らに傷を残しさえするかもしれません。
では地球に残された人は不幸だったでしょうか。落選した男が恋人と寄り添って立つラストシーンには、「生活していくこと」の現実と幸福をじっくりと噛み締めたくなるような美しさがありました。
『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

劇場MOMO(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★★

ハチャメチャコメディ!!
それぞれの登場人物には強烈に個性的な性格付けが施されていました。役者さんもとても良かったと思います。

特に帝劇にも出演されたことのあるという方など、思い込みの激しいバカ丸出しで最高でした!

話も伏線に導かれて次から次へと予期せぬ(ある意味予期された)方向へ展開し、ハチャメチャでとても面白い内容でした。

ネタバレBOX

馬券は二つに裂けると無効になるのですか?!JRAの規定とか知りませんが、きちんと証明できれば有効のような気もするのですが…。先生と生徒の会話を最後まで腑に落ちないまま見ていました。

教育実習生の説教臭い話が長すぎました。あんなにテンポ良くドタバタやっていたのに、急に藤山寛美の頃の松竹新喜劇のようで、そんな幸せ論議なんて要らないやと思いました。

ビンタが2回ありましたが、コメディの一部とはいえもう止めませんか!DVや弱いものいじめを助長するようで不快な気分になりました。

手前でのビンタシーンは、没収したカバンの中に宴会用の大きな蝶ネクタイがあったので、同じように大きなハリセンボンを入れておき、ビンタの代わりにハリセンボンを使って叩くとかしては如何でしょうか。

奥の方でのビンタシーンは、金子が騒いで後藤がパンと打ち、ものすごくタイミングが良いので難しいのですが、やはりビンタは止めるか、小さなハリセンボンを隠し持っていてそれを使うとかにして欲しいところです。

それにもう一つ、橋口先生の最初の頃の発言で、「生徒が全然減少している」というのがありましたが、「減少」の「げ」が鼻濁音になっていました。名詞の冒頭にある「が行」は濁音です!気になりました。
新羅生門

新羅生門

せんがわ劇場

調布市せんがわ劇場(東京都)

2010/03/13 (土) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

もはやクラシック
キャストの中には伴美奈子さんや新井純さんのような一流の演劇人もいれば、アマチュアの技量しかない人も混ざっている。それが不思議なアンサンブルを奏でるから不思議。
横内謙介の不滅の傑作は、こうした小空間で楽しめるのが嬉しい。

Bench Time

Bench Time

年年有魚

新宿眼科画廊(東京都)

2010/03/13 (土) ~ 2010/03/24 (水)公演終了

満足度★★★

時間を作る手さばき
時間を作る手さばきが上手ですね。これを楽しめる人ならファンになるはず。

『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

劇場MOMO(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

コメディ好きにお薦めの舞台
 8割世界お得意のワンシチュエーションコメディ。再演だけあってストーリーが細部までよく練られていて完成度が高い。

 学生の数が減って、いつ廃校になるかもわからない学校の職員室で1枚の馬券を巡って繰り広げられる大騒ぎ。慾がからむと人間とはかくもあさましくなるかという物語だが、その物語を鈴木雄太は素敵にまとめあげている。

 役者は皆芸達者。ミュージカル好きの松永先生役の鈴木啓司や、うざったさで群を抜く安田先生役の岡本陽介らは、飛び道具のように面白いが、やはり喜劇役者としては小林守が一段レベルが高い。その小林守の出番をわざと抑え、後半の切り札として使ったことが成功している。

 個性派の喜劇役者がそろっている中で、落ち着いた演技を見せた北村先生役の川久保宏之、控えめな演技で存在感を示した三浦さん役の倉田春香らがかえって輝やきを見せた。また教頭役の宮沢ちさ恵が老け役をかわいらしく演じたことも特筆ものだ。

 誰にでもお薦め出来る作品だが、特にコメディ好きにはたまらない作品だろう。

ネタバレBOX

 しっかりとした演技と、練られたストーリーで、会場は最初から最後まで笑いの渦。その中で人生の負け組に対し、今が最悪ならこれからよくなるばかりと希望のメッセージを与えてくれた。この不況の時代、生きる勇気を与えてくれる物語である。

 演出面では特にロッカーの使い方が絶妙だった。
将門

将門

劇団BOOGIE★WOOGIE

イマジンスタジオ(東京都)

2010/03/08 (月) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★★

ファッションショー?なステージだけど…
自分的には歴史ものとても苦手です。でも、観て良かった!将門の一生を解説付きで旅できました。小劇場とは違った舞台でしたね。演奏はもちろん生。でしたし、(アコギの響きがなんとも良かった)ガラス越しに映る姿との対話とか、衣装も黒が基本で研ぎ澄まされていました。へぇ。やはり3,800円の価値はありました。

月並みなはなし[2010]

月並みなはなし[2010]

時間堂

座・高円寺2(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★

つきなみ
全てがつきなみだった。始まりから終わりまで起伏がなく、退屈だった。

ゼロからはじめる

ゼロからはじめる

東京タンバリン

アトリエ春風舎(東京都)

2010/03/10 (水) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★

なかなか
楽しかったです

 Y時のはなし 【Vacant公演終了!Y時は次 5月に山口県YCAMとシンガポールにいきます!!!YCAM公演チケットは4月3日より発売!!!山口で会いましょう~~ぜひ】

Y時のはなし 【Vacant公演終了!Y時は次 5月に山口県YCAMとシンガポールにいきます!!!YCAM公演チケットは4月3日より発売!!!山口で会いましょう~~ぜひ】

快快

Vacant(東京都)

2010/03/04 (木) ~ 2010/03/06 (土)公演終了

満足度★★★★★

美しい時間
過去を、その美しさや醜さも含め、どのようにビビッドに記憶し、記録していけるか――。それは、芸術にかかわるものにとって、中でも「時間」を扱う演劇にかかわるものにとって、非常に重要なテーマだと思います。この作品にはそのことへのとても真摯な取り組みがあると感じました。

学童保育を舞台にした、ささやかで繊細な人間模様を再現していく舞台は、にぎやかでポップなおふざけや遊びにあふれているのですが、決してアイデアの面白さだけに終始しているわけではありません。
「ある時、ある場所、ある人びとのあいだにしか共有され得ない時間」を扱うという(普遍的テーマ)の前では、その遊びさえ、輝かしい1回性を持つのでしょうし、実際、劇場ではそれを媒介に多くの人が「繋がっている」感が演出されていました。(対面の客席の笑顔の多さにはちょっと驚きました)

人生には美しい瞬間があります。しかし、人はその時、それを自覚することはできません。
ですが、この芝居のラストのような輝きを通じて、その瞬間を思うことはできるのだと思います。





ゼロからはじめる

ゼロからはじめる

東京タンバリン

アトリエ春風舎(東京都)

2010/03/10 (水) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

らしさを感じつつ
実験的な匂いも強く、かなりわくわく。表面的な人間関係を、通じない言語をうまいこと振り回して想像しない方向へと導いてくれました。

これ、ゼロからはじめるシリーズとしてenfantsでシリーズ化希望です。

ネタバレBOX

タンバリン的動きによる場面転換と俳優さんの個性は存分に味わえた上、言語を利用したオチとかすごくよかったです。

ミギタさんの悪女ぶり、上品でいい。
月並みなはなし[2010]

月並みなはなし[2010]

時間堂

座・高円寺2(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★

不思議な感覚でした。
ストーリーの起伏に同調してしまうことはよくあるけど、この作品ではちょっと違う。物語の中の登場人物に対しては冷静に観ていられたのに、それを演じている人間の感情にふわっとさせられたっていう感じ。

人間が物語の中で生きているっていう感情ではなく、俳優が物語の中に立ってその場で出てくる気持ちって言うのが伝わってきた気がします。俳優の身体を通して、物語人物の感情を受け取ったって言うような。

ネタバレBOX

おそらく、ある言葉に対して当然あると予想されるリアクションがここにはあるわけじゃないっていうのが、そんな感覚が生まれた元じゃないかと。言葉尻を捕らえたらこういう言葉にはこういう反応を示すであろう、っていう思い込みをどこまでも排除したやり方をしているから、ほんとにその場でそういう言葉を言われた俳優の感覚が如実に現れているってことなんでしょうね。

月に行ける、行けないが本当に判明した瞬間の反応にそれが現れてた。

だからある意味自分の感覚とはずれを感じたりもするから冷静に観ていられる。そこでその俳優の反応に吸い込まれるかってところ。

今回、クライマックスでコウドウが月に行けない理由を明確にしなかったってことで、そういう感じが強まったような気がします。理由が示されるとそれに対してみている客側も反応が生まれる。そういう観客の反応を生み出さないようにして俳優の感覚が伝えようとしていたようにも思います。

他では感じられない不思議な感覚だったのでおもしろかったです。

マクベス

マクベス

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2010/03/06 (土) ~ 2010/03/20 (土)公演終了

満足度★★★★

アフタートーク付でした
前作の『国盗人』に引き続き観ましたが、今回の方がお芝居自体もシンプルだった事もあり、原作にかなり近い感じのお芝居で、一般のお芝居と変わらない感じで観ることが出来ました。『マクベス』のような短い芝居は、狂言との親和性もいいように思います。秋山さんはじめ、魔女?の三人もとても良い感じでした

ネタバレBOX

今夜の公演は終演後、出演者5人全員参加のアフタートーク付でした。萬斎さんは、司会者役でしたが、かなり面白い内容でタップリ30分強もやってくれたので、とてもよかった。
シューマンに関すること

シューマンに関すること

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

作り手の愛を感じる
東京イボンヌ第四回公演は、ついに有名な作曲家シューマンと向かい合うということで興味津々でした。

シューマンの人生は楽曲同様、多彩で劇的であるので、ネタは豊富だけれどそれだけに一捻り何かがなければ、その他大勢の中に埋もれてしまう危険があります。

ただ、東京イボンヌが見せてきた劇――練りに練った、しかし決してマニアックに偏らないストーリーと、クラシック音楽が劇を包み込むという独特なスタイル――には、目を見張るべきものがあるので、今回も何かやってくれるはず、という期待がありました。

私もそこそこクラシック音楽は聴いてはいますが、劇の要所要所で音楽が鳴り出すと、その使われ方に改めて心地良さを感じるのです。

もちろん知らない曲もありますが、観劇後それらの曲を追いかけるのも楽しみの一つとなるのです。


今回の「シューマンに関すること」

一つに絞らせて頂くとすれば、最後、シューマンに忠実なまでに自分の人生をなぞった芦屋小太郎の頭に交響曲第三番「ライン」が流れたところ。

「ライン」はシューマンが不遇だった一時を経て幸せを感じた頃に作られた曲で、精神病院に入院した芦屋のタクトがこの曲を奏でた時は、一瞬鳥肌が立ちました。

ここに作り手の思いを特に感じました。
あの重厚で壮大な第一楽章が鳴り響く中、幕を閉じるのです。

心地良い余韻を感じました。

ついに狂って精神病院入院で幕、と聞くと悲劇的に感じるものですが、音楽の力というか効果というか、劇中でも触れているように、シューマンの晩年は哀しいものだったということへのアンチテーゼにもなっていると受け取れました。

東京イボンヌの作る劇には、題材への温かな思いが感じられます。それが今回はシューマンへ存分に向けられていたのです。

しかし単なる持ち上げではなく、取材した中での結果であることは、シューマンを語る台詞でも実感出来ること。

シューマンという題材を現代風にアレンジし、よりドラマチックに生かしたことは、劇作の醍醐味ともいえ、作り手の技を感じさせました。

多少、マニアックなネタもありましたが、そこは飛ばしても、緻密でありながらスッキリする仕上がりだったと思います。

そして、役者は簡素なセットに耐えうる力を持った人ばかり。

道具は最小限に、あくまで、人間の表現力で劇を語る。

第二回公演からこれが顕著になってきている感がありますが、今回はセットは最後の場面以外はそのままで、舞台の前後を別空間と見做しての展開。

違和感なく観ることが出来たのは、やはり舞台に立つ役者の上手さですね。

これも東京イボンヌの魅力の一つです。

『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

劇場MOMO(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

これはかなり面白い!!
8割世界を観るのは、これが4作目ですが、今回が一番面白い、よくできたコメディ作品だったと思いました。
やはり再演だけのことはあります。よく練られていて、いつも感じた終わり方のイマイチ感がなく、大変秀逸な気持ちのよいコメディに仕上がっていました。
それに、今回のキャストは皆芸達者揃いで、バランスの悪さもなく、皆が適材適所の役で、魅力的でした。
もしかしたら、先日テレビで観た、東京サンシャインボーイズの「ショー・マスト・ゴー・オン」より面白い気さえします。
役者さん、皆好演の中、特に、岡本さん、鈴木啓司さん、嶋木さん、倉田さん、川久保さん、橘さん等の客演陣が大活躍で、常連神原さんのいない穴を見事に埋めていました。本多さんも、いつもとは違った、腹に一物ある役、なかなかお見事でした。巧い役者さんだなと再認識しました。本多さん以外の8割メンバーが脇に回っていたのも、今回はむしろ新鮮な印象でした。
初めて8割世界に☆5つ付けられる舞台でした。
コメディ好きな方には満足の行く舞台ではと思います。

ネタバレBOX

いつも終わり方が何となくスッキリせず、一瞬今回もまた?と思ったら、見事な着地で、秀逸でした。
「ユーリンタウン」の博士役で美声を聴かせてくれた、鈴木啓司さんの歌声、思う存分堪能させて頂きました。(笑)大西ライオンよりずっと面白い!看板俳優小林さんはいつ登場するのかと思ったら、最後に、なかなか味わいのある役で再登場。冒頭シーンで、話の導入を請け負った川久保さんは、最後の場面でも、人間性を感じさせる先生を好演され、癒しの先生役がはまっていました。
笑いのネタを一つに絞ったところが、構成としても、緻密なコメディを成功させた起因ではと思います。職員室がまさかの地下3階の設定も絶妙でした。
それにしても、川久保さんが、三谷幸喜さんに激似でした。何だか、好きな役者さんが、今日だけで、何人も増えてしまいました。

鈴木雄太さん、作劇の才もあるけれど、キャスト選びの才がずば抜けていますね。
リズム

リズム

643ノゲッツー

OFF OFFシアター(東京都)

2010/03/10 (水) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★★

赤組
赤組を拝見しました!
店長さんの、白川さんに対する接し方が面白かった♪
始め、少しわかりにくい所がありましたが展開が良かったです☆

ネタバレBOX

最後、白川さんは死んでしまったと思っていたら最後に出てきたのでビックリ!
暗転の時に踊っているのも何気に好きでした!
店長さんの体の張り具合が良かったと思う(笑)

あ~白組も見たかった★

パンフ?(椅子の上においてあったやつ)に書いていた
主催一言の中で「お尻が痛くなると思います」とありましたが
痛くなりませんでした(笑)
私のお尻のお肉が分厚いだけ??

またぜひ東さんの作品を見てみたいです!!
Bench Time

Bench Time

年年有魚

新宿眼科画廊(東京都)

2010/03/13 (土) ~ 2010/03/24 (水)公演終了

満足度★★★★

平日午後のほのぼのした話
お茶やおかしを食べ飲みながらの芝居はほのぼのとした風景でしたね。表現や、演出もよかった80分でした。

ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

三角フラスコ

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★

作家独自の美意識が息づく三人芝居
 太宰治の短編小説「燈籠」をモチーフにした三人芝居。原作があるとはいえ、セリフに「コンビニ」「週刊少年ジャンプ」などが出てきますし、設定も大幅に変わっているようで、現代を舞台にした新作と受け取ってもよさそうな作品でした。全編に作・演出の生田恵さんの美意識が息づいており、エンディングに静かな思索の時間としての余韻が残りました。

 ただ、美術や照明などの空間全体の演出にはまだ上が目指せる余地があるように思いました。劇場の舞台の横幅が広いので、客席との緊密な関係が生まれづらいのもあると思います。東京でいえばアトリエ春風舎(約50席)のような劇場で拝見したかったですね。

 生田さん、プロデューサーの森忠治さん、福島の劇団満塁鳥王一座の作・演出家である大信ペリカンさんの3人によるポスト・パフォーマンス・トークで、色んな謎が解けて大変助かりました。生田さんは「別役実研究会」という名の会を開き、月2回、別役戯曲を読んでいるとのこと(もう13本は読まれたそうです)。作家さんはお2人とも別役さんやイヨネスコなどの不条理劇に興味があるそうで、貪欲に戯曲を研究されているのが素敵だなと思いました。

ネタバレBOX

 咲子(瀧原弘子)は種を植える、石を置くなど、何かを象徴するような行動をしますが、果たしてそれが何を意味したのかがわかりませんでした。努(小濱昭博)との関係も私にはよくわからず。2人が口にした“マコトくん”とは彼らにとってどんな存在だったのかしら。物語が立ち上がるための布石というか、ヒントが足りないように思いました。

 鉢を頭に被り、はおりを着た奇妙な男(真田鰯)が登場します。彼の役名は作家。でも作家らしい振る舞いや言動はなく、その役名も何かを象徴しているのだろうかと想像しましたが、私にはヒントが少なすぎました。作家が立ってぐるぐる回転しながら長いセリフを言う場面は面白かったです。

 色とりどりの照明が家(?)の白い壁を裏から照らすのが美しかったです。詩的情緒あふれる無人のシーンでした。

 ※終演後のトークで話してくださったのでわかったことですが、原作の咲子は両親のもとで暮らす25歳の女性とのこと。でも今作では両親は亡くなったとされていましたので、『ことりとアサガオ』は生田さんが創作された新作と解釈していいだろうと思います。
マハラジャモード

マハラジャモード

*pnish*

サンシャイン劇場(東京都)

2009/10/29 (木) ~ 2009/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★

よかったです
重いテーマも固い筋書きもなく、ハロウィンの夜にのんびりと何も考えずに見る舞台としてはとてもよかったです。
説明に『暴れて踊って』とあるように、見ていてとても元気になりました。
役者陣がしっかりしているので、何でもありのドタバタコメディがさらに面白く感じられます。
私は特に*pnish*ファンではないですが、ファンサービスも満載で、楽しませる舞台作りが徹底していたので、舞台を楽しみたい人には嬉しい舞台です。
ちょっとした内輪ネタ(?)はよく解らない箇所もありましたが、満員で客ノリもいい楽しい舞台でした。

ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

三角フラスコ

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★★

刺激的で、美しい芝居
感覚を揺さぶられるというか、撫でられるというか。
視覚では見ることのできない何かを感じることができた気がします。

実に刺激的な芝居。
そして美しかった。

役者の強度が高かったですね。
登場人物が言葉を発するまでの力、動くための動力、そういったものが意識的で力強く感じました。

余白というか、物語の奥行きを感じさせる劇構造も素晴らしい。

LIVE雅咆2010~FINAL!

LIVE雅咆2010~FINAL!

the CRAZY ANGEL COMPANY

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2010/03/13 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

和と洋の融合
1部では「生命感を感じさせろ!!」の合い言葉の通り、生命が生まれる暗闇から生きている喜びが、ダンスや演奏で表現されていてパンフレットの解説でさらに分かりやすく観る事ができた。

一見舞台セットが工事現場のような鉄鋼に見えたけれど、それが動かせたり演奏や照明で何にでも変化して見ていて面白かった。

二部のガホウは観て聞いて面白いし、観客に配られた鳴子で自分も一緒に参加している気分になった。

マーチングで使われてるフラッグやダンス、楽器などは「洋」。
衣装や演奏(ソーラン節など)殺陣などは「和」 。
うまく混ざって「和風テイスト」になっていて見ていてあきなかった!!
観客を楽しませようとしているんだとわかるし、出演者の自己満足で終わっていない。

観ている私も楽しくて体を動かしてしまいたくなりました。
(動いてたかも?)

出演者と観客の境目を感じさせない!!

説明はいくらでもできるけどやっぱり、実際に観て体験してもらうのが一番だと思う♪♪

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