最新の観てきた!クチコミ一覧

161661-161680件 / 189887件中
NEXTREAM21 in Rikkoukai vol.9

NEXTREAM21 in Rikkoukai vol.9

NEXTREAM21 in RIKKOUKAI 事務局

六行会ホール(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/05 (水)公演終了

ゲスト:はむつんサーブ
2002年から毎年、GWに開催されているという創作ダンスのコンテスト。見るのはこれが初めて。というか、このコンテストの存在自体を最近まで知らなかった。踊りのジャンルはいろいろ。出場者15組はすべて初めて見る。プログラムに書かれている数行の紹介文をのぞけば、目の前で行われるダンスが自分に入ってくる情報のすべて。カーテンコールもなく、一組が終わって暗転するとすぐに次の組が踊りだす。10分前後の短い作品だったが、全体的にレベルが高くて、最後まで飽きずに見ることができた。コンテストなのでいちおう審査員がいて(山田うんもその一人)、その結果発表もあったが、受賞者を選ぶことよりも、出場する15組を選ぶほうが大変な作業だろうし、面白い催しだと感じられたのもそちらの選考をした人の功績が大だろうと思う。

HIPHOP系の踊りでは、和風とか東洋風の味付けをしていたのが印象に残る。
バリ島の伝統舞踊をベースにした作品がひとつ、珍しさで目を引いた。機会があれば本場のものも見てみたいと思った。眼球を左右に激しく動かすところでは、目玉の動きも振付の対象だというのがおかしかった。
コスプレ的な雰囲気の作品も多かった。「死神」「魑魅魍魎」といったタイトルや、攻殻機動隊という名前のグループだとか。
歌手のプロモーション・ビデオを彷彿とさせるような、バックダンサーっぽい群舞もいくつかあった。PVの影響って意外と大きいのかもしれない。
抒情性とかポジティブさとか、そういうものをテーマとしている作品が結果的には評価されたようだ。あくまでもコンテストの審査においては、だけど。
個人的な好みで、自分ならどの作品を選ぶかと考えたりもしたが、審査員が選んだものとはかなり違っていた。
このコンテストでは最優秀賞に選ばれると、同年秋にこの会場を4日間無料で使って自分たちの公演を行なえるという特典がある。
今回は作品の長さが10分前後だったので、もし最優秀賞に選ばれて、1時間くらいの長さになった場合、どのグループの作品がいちばん見たいかという基準で考えると、私個人としては「ごく小さな生物-40億倍の世界から覗いてみたら・・・」という作品を踊った「いだくろ」という女性二人組が好みだった。「いだくろ」とは井田亜彩実、黒田なつ子の二人の名前をくっつけたもの。二人の絡み合う動きをミクロの世界の生き物として眺めてほしい。作品のタイトルは観客にそう語っているわけで、最初からそういう見立てへと誘導するところがちょっとユニークな気がしたのだ。

ネタバレBOX

出場15組、また見る機会があるかどうかはわからないけれど、とりあえずグループと作品の名前を記しておく。

刹那舞踊団 「怒」
KAMI-NARI 「LANAG-WADON」
矢島みなみ 「shin-getsu」
chairoiPURIN 「market」
攻殻機動隊 「クロコダイル」
mystique 「grounding」
HIROKO MINION 「Women in the factory」
グレン(Bodypoet) 「pneuma」
AMM 「run」
いだくろ 「ごく小さな生物-40億倍の世界から覗いてみたら・・・」
FLY&STONE 「死神」
Ryo-chan 「魑魅魍魎」
EVOROOTS 「ひかりのしずく」(最優秀賞)
Yoko oh yes! 「Yokoso~!Yoko’s world!」
Caju Caju 「あら あらら あらわ」


アンポテンツ

アンポテンツ

劇団チャリT企画

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/04/28 (水) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★

塀際の門外漢
この劇団を最初に見たのは7年前。あのときはまだ吉本菜穂子が在籍していた。2本見たところで彼女が退団し、そのあと続けて何作か見たあと、しだいに足が遠のいた。なのでやや久しぶりな感じがする今回の観劇。
舞台全体に塀が広がっていて、その手前で話が展開するというのは、かつて「ドウニモタマラナイ」という作品で使っていたアイデア。
出演者の顔ぶれはだいぶ変わったけれど、長岡初菜や小杉美香という私にとっては新顔の劇団員をはじめ、演技のレベルは昔よりも上がった気がする。

「アンポテンツ」というタイトルを見て思い出した話。
昔、テレビの対談で三宅裕司が学生時代のことをしゃべっていた。彼が明治大学の学生だったころがちょうど70年安保をめぐる学生運動の盛んな時期で、周囲では連日デモ隊が安保粉砕を叫んでデモ行進をしていた。落語研究会に入っていた三宅はそうした政治運動に好意をもっておらず、むしろ苦々しく思っていたという。ある日、デモ隊をからかってやろうと思い立ち、デモ隊の「アンポ反対」という掛け声のあとに、「インポ治せ」という合いの手を入れながら、仲間といっしょにデモ隊の横に並んで行進した。「アンポ反対!」「インポ治せ!」「アンポ反対!」「インポ治せ!」・・・そんな息の合ったシュプレヒコールがしばし巷に響いたという。

この芝居でも似たような話がちょこっと出てきたが、要するにアンポとインポという語呂合わせは当時からすでにあったということだ。
とはいえ、この芝居はじかに安保闘争を扱ったものではない。デモ行進からはぐれた3人組のデモ隊は登場するけれど、職と住まいをなくしたホームレスのカップルはどちらかというと、最近の話題である派遣村の若者を連想させる。塀の向こう側ではなにか危険なことが起こっているようすで、塀から連想されるのは今はもうなくなってしまった東西冷戦の象徴であるベルリンの壁。
塀の中央には観音開きの門扉があり、いつ開くかわからない門のそばで待つ人たちがいる。若いカップルはコンドウだかゴンドウだがという人物が門の向こうから現れて仕事を斡旋してくれるのを待っているが、結局芝居の最後まで門は開かない。この辺はベケットの「ゴドーを待ちながら」がモチーフなのかもしれない。また門の向こうに危篤の知り合いがいて、必死に向こう側へ行こうとしている人物には太宰治の「走れメロス」が重なってくる。さらにまた塀には門番がいて、彼と門外の人々とのやりとりからは、隣国に脅威を感じるかどうかという認識の差、そこから生まれる軍事力は要不要かの議論、そんな問題にも触れているようだ。

一つのテーマを掘り下げるというよりは、塀と門のある架空の場所を舞台にして、いくつかのモチーフを重ね合わせた作品だろう。

In The PLAYROOM

In The PLAYROOM

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/04/27 (火) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

前回も
観てるのに、引き込まれる。
狭い空間のせいなのか、凄い臨場感で。
最高ですね!

キマズゲ

キマズゲ

劇団たいしゅう小説家

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/05 (水)公演終了

満足度★★★★★

楽しかったです
笑いのツボがたくさんしかけてあって、ぶっとんだ場面では大爆笑の連続。それでいてハートフルなお芝居でした!
さすが坪田塁さん!
客席と舞台が近いので、役者さんの表情がはっきり見えて、よかったです!

ネタバレBOX

野久保さんと富田さんのシーン、リアルに泣きそうでした。
「おかえり」「ただいま」…一番聞きたかった言葉をありがとう。
LOST CHILD

LOST CHILD

謎のモダン館

西鉄ホール(福岡県)

2010/05/01 (土) ~ 2010/05/01 (土)公演終了

西鉄ホール
演劇人なら誰もがめざすであろう西鉄ホールで、必要以上に
気負った場面がなかったとは言えないかも。早口なセリフや
大声でどなるところは広い会場に対しての対応だったかもしれない。
再演なので新鮮だとは言えないが、思いの詰まった作品だと思う。
私も長崎の大洪水は知っているので、胸につまるものはあるのだけど、
他人へその思いを伝えることの難しさ、それを作品にする厳しさを実感する。
演劇として何かを訴えるものを作る方向性もいいけど、
演者と観客が一緒に楽しめるものもまた手がけていってほしい。

ネタバレBOX

追記
セリフで訴えようとする部分が多いのはラジオドラマでは有効かもしれない。
普段演劇を見ていない人には親切だと思う。
会場に年配の人や子どもがたくさんいたのは、
ここが愛されている所以だと思った。

夏の砂の上

夏の砂の上

Pカンパニー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/04/28 (水) ~ 2010/05/03 (月)公演終了

満足度★★★★

静かな中に大きなうねり
松田正隆さん&高瀬久男さんコンビは矢張り鉄板!!

ネタバレBOX

一見、淡々とした中にも、役の心の動きがみてとれる。
磯貝さんの居方、ん?ってひっかかったところが序盤あったのだが、終盤謎が解明♪すごくバランス感覚にすぐれているお方だなぁと感動しました。
全体的に嘘がなく、すぅ〜っと心にしみわたるものがあり、よい時間をすごせました。
BLUE/ORANGE

BLUE/ORANGE

シーエイティプロデュース

ワーサルシアター(東京都)

2010/04/22 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★

凄まじい集中力
役者さんの集中力、溜め込んだ力の解放。そのエネルギッシュなこと!!
芝居の内容はほぼ申し分ないのだが…

ネタバレBOX

客席は超満員。見る側にも熱が入る。
…が、しかし
客席パイプ椅子のうるさいことうるさいこと。
ギィギィギシギシあちらこちらで音がなる…
余計な装飾がない対話劇なので集中したいのだが、あまりの騒音に耐えられない。
おそらく劇場備品なのであろうが、制作側はこの点を問題にしなかったので、あろうか?
気付かなかったとしたら、感性が鈍っている。気付いていたとしたら怠慢である。
せっかくの芝居がそれがもとで、感動も半減。
お金を払い、時間をささげ、足を運ぶ観客に対し、また演じ手に対し、これは失礼ではなかろうか。

芝居自体はチョウさんとしゅうさんの居方に特に目がいった。チョウさんの心身の柔らかさ、自由さには驚嘆すべきものがあった。
しゅうさんの飄々としたところも役柄にマッチし心地よく見られた。
ただ、休憩開け後半から、各々の状態が変化していき、感情の吐露が見え初めてから、表現方法が日本人的になってきて、戯曲の世界の間に溝が見えはじめ、違和感が出てくる。
千葉さんに特に顕著にそういった傾向が見えはじめる。こういった作品をこういった形で上演することは素晴らしいことだとは思うが、出演するとなるとご自分のことは?
少人数の芝居は特にそう感じられ、演出に専念していただきたかった。

ただ、全体としては矢張り面白かったのである。
だからこそ前述した点が惜しい。
アメリカン家族

アメリカン家族

ゴジゲン

吉祥寺シアター(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★

千秋楽 安藤聖さん目当てで観劇,初ゴジゲン。なぜアメリカン?ぎこちなく不器用に、家族の混沌を描く。
なぜアメリカン?
たぶん家族それぞれが自分勝手だから、自分の家族の過去を皮肉って作者がつけたのでしょう。

毎年必ず家族だけで全員そろって誕生日を祝うことを以上に大事にしている家族の話。
しかしその実際は、母は父に暴力で追い出され、父と3男1女の子供たちも引きこもり、非行など、問題だらけなのが現実。
今年は、長女の夫、息子の中国人カウンセラー、息子の年上の彼女と友人、なぞの男らが訪問しなかなか帰ろうとしない。
ケンカ、暴力、殺人、麻薬、いつしか、いくつものいさかいや混乱が起き始める中、、
みえみえの「サプライズ」ハッピーバースデーの歌とケーキの時は刻々と迫る…。

安藤聖さん出演をきっかけに、劇団「ゴジゲン」の初観劇。

皮肉たっぷり、冷たくてシニカルな視点。
だけれど日常のなんでもないところだけは少し温かく。
全体にはぎこちなく、ナンセンスな笑いもあり。

表現されたものは、一見わかりにくそうでいて、
そうでもない。
実はシンプルでストレート。

すべては、作者の不器用で照れ屋という複雑な胸中を、
そのまま投影したものではないか。

In The PLAYROOM

In The PLAYROOM

DART’S

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/04/27 (火) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★★

興奮
臨場感がたまりません。

R.F.D

R.F.D

PLAT-formance

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★★★

磨きがかってた
以前にほぼ同じ内容の観劇しました。が、そんときよりも内容も鋭さもパワーアップしていて、まさにコントを観させていただいた気がします。
まだ進化過程の真っ只中にいるプラホに期待し、次回も是非観に行きたいと思います。

ビヂテリアン大祭

ビヂテリアン大祭

ピーチャム・カンパニー

シアターPOO(東京都)

2010/04/30 (金) ~ 2010/05/03 (月)公演終了

満足度★★★★

素晴らしい大祭!!
思わぬ展開にびっくりしたり笑ったり、しんみりしたり。

終わるのかと思うとまだまだ続く素晴らしい大祭でした。

ネタバレBOX

大祭に参加している気になって私も拍手していましたが、コメディ劇団員の紹介のときは本当にラストかと思って一生懸命に拍手しました。ちょっと恥ずかしい!

犬歯の件はうんちくがありました。現状を肯定していては先に進めない…、陥り易い論理だとか。人類の知的能力は人類の生物学的進化を超えています。

ベジタリアンの海老蔵さんを観てよく激しい動きができるもんだと常々感心していますが、私は森光子さん派で一日60グラムでしたっけ、お肉を食べて元気になる派です。

宮沢賢治に親鸞が出てきたのには驚きましたが、色々な人が意見を述べておられました。生物は他の生物を食べて生きているということを認識して、残虐にならず、謙虚に生きようと思いました。

ところで、大僧正の帽子がエンゼルスの帽子だったのが最高に受けました。それらしく見えるのがなんとも不思議です!
インテレクチュアル・マスターベーション

インテレクチュアル・マスターベーション

パラドックス定数

シアター711(東京都)

2009/03/27 (金) ~ 2009/04/01 (水)公演終了

満足度★★★★

もっと光を!
理想に生き、己の思想と周囲との狭間にもがき
時代と権力に葬られていった男達の物語。

ネタバレBOX

日本人が『個』として脳味噌を動かし軋轢が生まれて・・・。
軋む時代に敢然と自分の口でモノを言うことの怖さ。

濁流にのまれて散っていったモノの姿が
彼ら自身から語られるセリフによって
どんどん輪郭を現していくところに凄くゾクゾクした。

野木さんの描く世界は本当に好みです。
コトに対してヒトを惹き付けていく、切り取り方光のアテ方が絶妙。

ムサシ

ムサシ

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2009/03/04 (水) ~ 2009/04/19 (日)公演終了

井上作品・・・・う~ん・・・
友人曰く

若い、これから子を為す世代に向けて
井上×蜷川が発したメッセージであるとの説。

ネタバレBOX

なるほど、そういうメッセージなのかと。
それにしては他の方が書いておられるように、あのオチはどうなんだろう。
正直あのオチにはガッカリした。
そこに至るまでの示唆している部分が大事だと思えば尚のこと残念。

しかし友人が思うように
若い人、次の世代を産み育んでいく世代
その女子層に伝えるためには小栗旬という配役は有効なのだろうと。
夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

アトリエ・ダンカン

東京グローブ座(東京都)

2009/04/03 (金) ~ 2009/04/15 (水)公演終了

満足度★★★★

飛び出す絵本
原作本の表紙の世界観が3次元になっていたので楽しく観劇。
ヒロインの可愛らしさがピッタリだったと思った。

ネタバレBOX

乙女が歩く、とにかく歩く。
タイトル通り、想像通りに歩き続けるのだが
街並みの過ぎ去る景色の表現や群衆が背景になる感じが
まるで飛び出す絵本のようで楽しかった。

ヒロインは、たどたどしい演技が乙女の初々しさとして受け取れて
それもまたアリなのではと感じた。

先輩がちょっとイマドキな風貌なので浮いて感じたけど
まぁ、ソレには片目を瞑ります。

シュート・ザ・クロウ (イギリス)

シュート・ザ・クロウ (イギリス)

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2009/04/10 (金) ~ 2009/04/26 (日)公演終了

満足度

滑舌は大事・・・・
他の方も挙げていましたが・・・・

今回の作品達はホン自体に引力が薄いような気がする。

それとも翻訳によっては違うのだろうか?

ネタバレBOX

役作りではないでしょう?


柄本君、他の芝居でも感じたケド、とにかく滑舌悪いです。

舞台の奥で呟いても通る発声というのを頑張って身につけて欲しい。

期待している魅力的な役者なので残念でたまらない。


それにしてもタイル、どうしろと・・・(苦笑)
犀(さい)

犀(さい)

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2009/04/14 (火) ~ 2009/04/29 (水)公演終了

満足度★★

イヨネスコの作品ですが
コチラでは高評価で・・・
イヨネスコだから観に行きました。
ホントにその一点だけで充分な動機です。

ネタバレBOX

他のイヨネスコ作品も、もっと観たいと思いました。

正直、個人的にはそんなに面白くなかったです。

役者さん達は上手いのでしょうが、
丁寧に具象画を描いて見せられても
感動とい感情の波が必ず湧き上がるとは限らないということです。

そういえば自分はセザンヌの絵に感動しない方ですし
この戯曲ならルオーとかクレーとか
彼らみたいな絵でも充分伝わるのではないか
むしろソチラの系統で観たかったと感じてます。






帰れない夜

帰れない夜

KAKUTA

ザ・スズナリ(東京都)

2009/04/04 (土) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

贅沢な空間
「帰れない夜」。

タイトルは在る意味自分の気持ちを表していました。

ネタバレBOX

作品選びが素晴らしいのか、演出のチカラなのか、

板の上に立ち上げた時、こんなにも行間がクリアに
劇場の空気に変換されるのかと嬉しくなった。

演劇は演劇でしか出来ないことが在る。
勘違いした駄作にもかなり多く出会ったけれど
今回はわざわざ演劇にしたことが素晴らしかったと思います。

もともとリーディングが好きな自分ですが
このシリーズ、楽しかった、すっごく面白かった。
再演希望します。
大好きです。
淫乱斎英泉

淫乱斎英泉

東宝

あうるすぽっと(東京都)

2009/04/02 (木) ~ 2009/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

逆だとばかり思っていた
浅野さんと山路さんの役、逆だとばかり思っていました。

ネタバレBOX

才能在るものの業と、憧れ支えるものが抱く嫉妬と充足とのバランス。

浅野さんと山路さんの対比がヒリつくような感覚で描かれていて面白かった。

更にはそんな男達に女として関わってしまった田中美里さんの
堕ち汚れながらも理屈抜きに生きている、生きてしまう雌としての業の深さ。

その3人の依存と同調、理想や愛情だったものが変質していく様が
痛みを伴う哀しさ、憐憫と恍惚とも重なって見えて凄みさえ感じた。

矢代さんの作品はいくつか観ましたが、今のところコレが一番好きです。

富士見町アパートメント

富士見町アパートメント

自転車キンクリーツカンパニー

座・高円寺1(東京都)

2010/02/27 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

好きな作家×信頼してる演出家
4種4様の舞台。
面白く拝見しました。

ネタバレBOX

A,Bの純で観劇して個人的には正解でした。

どこか緊迫感と混乱のAプロ。
情と優しい解放に満ちたBプロ。

「魔女の夜」と「ポン助先生」がお気に入り。
思っていたよりずっとステキな俳優さんになっていて嬉しかった山口さん。
軽やかで憎めなくて色気もあって、更に更に好きになった山路さん。

贅沢な企画ですがまた是非やって欲しいです。
泣き虫なまいき石川啄木

泣き虫なまいき石川啄木

ハイリンド

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/03/27 (土) ~ 2010/03/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

絡め取られる個としての存在
本当に苦しい時、哀しい時にヒトは泣きながらも笑う。

井上さんの戯曲、苦手なモノもあるけどコレは好きでした。

ネタバレBOX

個人的に、啄木と言えば『一握の砂』のイメージからか、
よく知らないにも関わらず「貧しさ」をすぐに思い浮かべるほど。

しかし今回の観劇まで、その由について詳細には知らなかった。
井上さんのことだから史実に基づいたフィクションなのだろう。

おそらく今回舞台上に立ち現れたエピソード、
自分の家族、特に母親の愛情という名の執着に振り回され続けたこと。

加えて、いやだからこそ
常に生活に追われ、観ているコチラが気の毒になるほど
芸術家という個の部分を周囲に絡め取られ侵害されつづける啄木。
すべてがそのせいだとは言えないけれど。

そうして日々積もっていく啄木の行き場のない怒りや焦燥、
それでも切り離すことが出来ない情等々・・・。

ラストのこれでも足りないかとばかりに巡り来る不遇。
その底に這いつくばる啄木一家の姿。
苦しくも切ないような感情を抱かずにはいられなかった。

わずか4人のユニットに客演が2人。
本当に達者な彼らに心底引き込まれ楽しませて貰った。

勢いや自分の想いを構築してみせる団体の多い中、
彼らにはこれからも自分達に合った戯曲、
組みたい演出家を選んで欲しいと思いました。

このページのQRコードです。

拡大