2番目、或いは3番目
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2010/06/21 (月) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★★
面白いけど
なんか物足りなさがあるような、客席がファンで満ち過ぎているような、多分この回のお客さんだけなのかもしれないですが、不思議な雰囲気でした。
内容自体は「わかる」「わかりやすい」お話でした。
ネタバレBOX
なぜに大倉さんが登場するたびに笑いが起こるのか!??確かに大倉さんすごい存在感あるけど、それぞれのメンバーさんたちがベテランになっているし…泣きたいところで醒めてしまった時が何回かありました。
THE TRUTH OF PALM
super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船
ブディストホール(東京都)
2011/07/06 (水) ~ 2011/07/11 (月)公演終了
満足度★★★★
RED CLIFF でした・・・
知った話をうまく演じられていて、
長丁場ながら飽きずに一気に見せていく手腕は見事ですが。
「つづく」になるとは思わなかった・・・。
続編:未来への最終決戦に期待します。
ネタバレBOX
主人公の信乃が呪われていて、女性が演じるところは斬新でした。
だけどもせめて八犬士が揃うところまでは、やって欲しかったかな。
まっ106冊分ですものねー、これだけかけても無理でしたかねぇ。
殺陣とかは、私はよくやっていたと思います。
具足などもしっかりしてたし、着物も豪勢に感じられました。
浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★
舞台装置が凝っていた
ふすまが横にスライドする時と、観音開きに開く時で。
舞台の場面設定を変更する演出は楽しかった。
引き合いに「浦島太郎」の話は出てくるのだが、
基本的には個性的なキャクターたちの織り成す、
ハリコミの話でした。
笑える「キメ台詞」が要所に散りばめられた、
クスクス笑えた芝居でした。
ネタバレBOX
自分の行動に見返りを求める新人くんのオチが、大変気になりました。
明確なヒントの無い終わり方で、とっても消化不良を感じてしまいました。
女上司と植毛さんの絡みは、ものすっごく楽しかった。
皆さんの「えっ!誰?」といった表情と演技が、なんともいえず笑えました。
ハリコミする部屋での話しながら、
対象者の説明や関係についての解説が薄くて理解がしにくく感じられました
山さんが足を拳銃で撃っちゃったらしい話は、
もう少し広げて、突っ込んでも良い気がしました。
いろいろ個性的な登場人物を上手に見せてくれました。
タイトルに即した、いろいろな個人の解釈も出て話されて、
上手く繋げられていたと思います。
亀の中身が出る話と、実は恩返しにきた亀なんです。の
告白は、オチの田舎についてゆく話しに合わせて、面白かったのにー。
そこで現れた新人君の格好が、すさんでいて・・・。
(最初の行に戻る)
浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
くすくす笑いをしながら、台詞を楽しむ
よく組み上がっている話。
役者もいい雰囲気。
どうなるんだろう、と楽しむ。
そして、「亀は甲羅を脱ぐのかどうか」を、帰宅してから、真っ先にネットで調べることになったのだ。
ネタバレBOX
話の中心にある張り込みは、実はそれほど重要ではなかったのではないだろうか。実のところ、まったく膠着したままで、何事も起こらない彼らを取り巻く、さまざまな人々のほうに、ちょっとしたドラマがある。
例えば、本筋とは関係ないと思っていた、若い刑事の十勝が、ラスト近くに見せる、何ごとかが起こりそうな予感をさせる雰囲気や、クリーニング店の店長と従業員の恋物語、さらに、大村の頭髪や上司との関係など、周囲では物語が進行しているという皮肉的な話が効いている。
(大村は、植毛お試し期間が過ぎて、もとに戻るのだが、で、あれば、もっと・・・な頭のほうがよかったような気がする。あれだとちょっと中途半端かな。でもかえってリアルか)
犯人もまったく別の場所で逮捕されてしまうし。
ここには無理をすれば「浦島」的な要素が隠れている。
つまり、竜宮城である張り込み現場では、時間は止まったままのようなのだが、その周囲の現実では、いろいろなことが進行しているということだ。
張り込みを終えて、彼らが現実に戻るときには、どんな玉手箱が待っているのだろうか。
それは、例えば、ただ事ではない様子の十勝の表情からうかがえる、イヤな出来事だったりするのだろう。
まあ、あとは、十勝が吹き込まれた「助けてあげても、いいことだけが起こるわけではない」という言葉のとおり、助けてもないクリーニング店長に「恩返し」というか、お礼参り的な展開というものも考えられる(「何か見返りがあったのか」と店長に聞いたことを上司に告げ口されたので)。
さらに、クリーニング店の店員の「玉手箱を渡した乙姫の気持ちがわかる」と言った、ちょっと恐ろしい言葉もかかっているのだろうか(帰るんだったら、酷い目に遭わせるかもしれないと)。
まあ「教訓」という意味は、それほど深く考えなくてもいいのだろう。だって、もともとフライヤー等の説明にも「教訓はあるのだろうか」なんて書いてあるし。
「教訓」なんてなく、「助けたら恩返し」されるということと、理由のわからない「玉手箱」というブラックボックスのみを現代に残しているのだろう。
そんなフレーバーが散りばめられていたのだ。
細かい台詞がなかなか面白い。クリーニング店での会話の、染み抜きや亀の様子にかけた下ネタちっくな会話や、方言と標準語、そして、それによる女性刑事の反撃。
それに合わせての、ちょっとした表情などの演技も巧みだ。
また、店長が携帯でする会話から、不倫を想像するのだが、同居しているのは、実は母親だということが後でわかる。こういうシカケが実に楽しい。
澤木がかつて、山下のせいで足を怪我してしまうのだが(それも誤射されて)、それについても、「だって急に出てくるんだもの」であっさりと流すあたりも面白い。換気扇のヒモが取れちゃうとか。
こんな、ちょっとしたくすぐりが山盛りなのである。
それに気がつけば、くすくす、としてしまう。
現場のリーダー山下を演じた服部弘敏さんの、独特でひょうひょうとした感じがよかったし、別のルートから犯人を追っている鍋島を演じた板垣雄亮さんの不気味で、恫喝チックな刑事もなかなかだった。
ただし、いくつかのエピソードが、最終的にうまい具合に絡まっていかない感があり、もうひとつすっきりしないのが少々残念(ま、絡まりあっていかず、玉手箱も開けることのない、っていう話なんだけど)。
それにつけても、殿様ランチは今回で3回目だが、いつもなんか暗い陰がちょっとだけある(ガンで死ぬ話だったり、劇中劇ながら無慈悲に殺されたりとか、今回は十勝刑事だ)。
そして、亀はどうやら甲羅を脱ぐことはできないらしい。
不滅
鵺的(ぬえてき)
「劇」小劇場(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★
強引な展開ではあった
が、なかなかに問題定義や訴えるところがあり。
深く印象に残る話ではありました。
ただ「殺人」というテーマを掲げるには、
もう少し、さまざまな配慮や細かな工夫が必要ではないだろうか?
とも思い至りました。
ネタバレBOX
役者さん達、演技上手かったー。
特に妻を殺されて、嫌な男になってしまったストーカー男さんは印象深かった。
興信所の方・・・。オチで死んでしまいましたが、
もう少し仲間呼んでるとか、安全策を考えてる話しが無く、
話的には納得できはしたが、リアルさに欠けた気がして今ひとつでしたね。
シリアルキラーになってしまった女の子は、
そうならざるを得なかった理由が軽いとは言えませんが。
説明不足か、表現が追いつかなかったのか。
ちょっと理解は出来なかったです。
もう少し、いや。かなり追い込まれた状況を展開すべきと思われた。
ただ殺人サポート集団があるという設定は、
なかなか着眼点がユニークで興味出ました。
寒い国から来た魔女
羽生一家玉組
ザ・ポケット(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
アネットがカッコよかった
旧時代的・牧歌的な話ながら、結構アクションやサスペンスがあり。
アーモンドの花の話しなど、なかなか楽しめた。
衣装も凝っていて。なかなかスキ無く作りこまれた作品といえました。
ネタバレBOX
暗転後の時間経過の説明を、
もう少し分かり易くしたほうが良い気がしました。
後は、逃げ延びる事になった国での人間関係など。
設定が深く出来ている事思わせているので、
表現の時間や台詞のバランスを、もう少し観客に説明するのを多くしては?
上手にアネットを中心にすえて、
アクションやコスプレ、「ヒキガエル」にしますよのせリフが上手く生きていた。
エピローグも、なかなか感動でき。
〆かたが見事であった。
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
「運命/未完成」・「真夜中の訪問者ほか」
ブラジル
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/06/29 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
6月29日(火)S
初日観劇。「運命/未完成」編。暑苦しい会話劇。苦笑系。
夕焼けとベル
カムヰヤッセン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/04/03 (土) ~ 2010/04/11 (日)公演終了
満足度★★★
柱邪魔
二組の家族単体のエピソード、テロリスト達の単体エピソードは面白かったと思います。
展開もなかなかスピーディーでよかったです。
が、それぞれが絡んでくるエピソードを急ぎ描きすぎてるというか、描ききれてなかった感じを受けた。
また、島の西側に昔から残る風習?(宗教的なものか?)の設定が活かしきれてなかったような。
まあ、描きすぎるとグロくなりすぎる感があったので、あえて抑えてる可能性もあるが。
後、真ん中の柱は邪魔。鐘鳴らすロープを繋いでおくだけなら、奥側の柱で代用できると思うのだが。
ネタバレBOX
役者陣はどの方々も公演でした。
特に、甘粕さんは、前作とは全然違った役でしたし、今城さんは実年齢より相当上の母親役でしたが、その年齢に見える母親だ役ったし、久しぶり見た重実さんは、動きが面白かったです。
春の海
世田谷シルク
シアター711(東京都)
2010/04/08 (木) ~ 2010/04/11 (日)公演終了
満足度★★★★
ダンスはやはり癖になりそう(笑)
前半どういう方向に進んでいくのかわかりにくかったですが(名前だけは出てくるが、演じる役者はいなく、他の役者の演技と字幕などで表現してるので、一瞬ホラーかとも思えたしww)、子供時代とその子供たちが大人になってからの物語を描いてるとわかってくてからは俄然面白くなってきました。
しかし、子供と大人を一瞬の内に切り替える役者陣の演技力は凄かったです。
後、世田谷シルクのダンス、派手に見せるなどとは違うのですが、なんか癖(虜にか)になりそうです(笑)
Reverberate【御好評頂き終了いたしました☆】
岩☆ロック座
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/06/26 (土) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
上演順は、なるほどね
Bebe⇔ビビバージョン
Bebe⇔ビビがメインとするダンスの世界観(説明は難しいのですが)を壊すことなく、また本の持つ世界観をこれまた壊すことなく、2つの世界観が見事に融合された作品を見せてくれました。
よかったです。(噂ではダンスのみで表現すると聞いていたので、台詞があったときはビックリしましたがww)
岩☆ロック座バージョン
こちらは会話劇となる。いやーしびれるような見事な会話劇でした。
面白かったですし、オイラが座った側からだと、堀奈津美さんの表情がよく見えるようになっていたので、台詞と共に表情からも目が離せなかったです。
ネタバレBOX
ネタバレではないが、
で、両バージョン観終わってすぐに感じた事は、元の作品を観たことない人は順番が逆でもよかったのでは?と思いましたが、暫く余韻に浸りながら考えると、Bebe⇔ビビバージョン観終った時は、「出会い→結婚(的な感じ)→別れ」と思いましたが、岩☆ロック座バージョンを観終わると、Bebe⇔ビビバージョンで感じた事にプラスして補完される感じになったので、上演順はこれでよかったのだと思い直しました。
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
面白い
前半部分は少し世界観を説明する的な感じになってように感じたかな。
中盤以降は、物語の世界に連れて行ってもらったので、自然と笑いも起きるようになってましたが。
面白かったです。
ネタバレBOX
セットを動かしながらセットの死角を利用する役者陣の動きはお見事でした。
とりあえず寝る女
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2010/04/02 (金) ~ 2010/04/06 (火)公演終了
満足度★★★★
ラストの状態には・・・
いつもよりの箱庭さんより上演時間が長かったですが、そんなことは感じさせないぐらい素晴らしく、また面白い舞台でした。
各役者陣も、当て書きじゃないのか?と思わせるぐらいびったりはまってました。
また、今回も舞台セットの作り込み、なかなかお見事でした。
最初の雪を降らす場面なんて、本物の雪かと思ってしまいましたし。ビックリしました。
しかし、終わりと思って暗転になって、なんか長いなあー、役者の準備に手間取ってるのかなとおもっていたらまだ場面があり、暗転した後の舞台上の状態には、ほんと驚かされたと同時にやるなあ箱庭さんと思わされました。
乱反射ドロップ (出演劇団) こゆび侍・本田ライダーズ・てがみ座・シンクロ少女
みきかせworks
ワーサルシアター(東京都)
2010/04/01 (木) ~ 2010/04/04 (日)公演終了
満足度★★★★
体表現でのリーディング
リーディングと言いながら、ただのリーディングではなく、声だけでなく体での表現も見せるリーディングとでも言ったほうがいいのかな?
ネタバレBOX
こゆび侍「網膜火傷」
この前はフンコロガシでしたが、今回は蟻と蟻地獄とのお話でした。
蟻と蟻地獄、蟻同士、はたまた女蟻同士のやり取りが、役者の台詞の喋り方、顔の表現で見事に表現されてました。
しかし、佐藤みゆきさん、ちょっと嫌味な女役(蟻ですがww)、最近なかなかよいです。
本田ライダーズ「二匹のマシンガン」
こゆび侍のシリアスから一転、なかなかのコメディタッチになってました。
なかなか面白かったですし、笑わせてもらいました。
こちらのほうが舞台として観たくなりましたね。
しかし、デカイ台本だ(笑)
マクベス-シアワセのレシピ-
THEATRE MOMENTS
シアターX(東京都)
2010/05/20 (木) ~ 2010/05/23 (日)公演終了
満足度★★★★
幸せになりたい
「マクベス」は何作品も観てきましたが、今までの中で一番見やすくわかり易い「マクベス」でした。きっと初めて「マクベス」を観る方でもよく理解できたのではと思います。役者個々人のレベルも高く、稽古もしっかりできている感じが伺えて安心して観ることができました。
とてもシンプルでスタイリッシュなのに親しみのある舞台で、遠い国の大昔の話なのに、とても身近に感じることができました。要点をマクベス夫婦にしぼっているので既婚者としては色々と考えさせられることもありました(苦笑)
「幸せになりたい」誰もが思うことだけれど、二人は身の丈以上のものを求めてしまったのか。二人の「幸せ」がどこかでずれていってしまったのか。
ともかく満足のいく舞台でした。今後の舞台も期待しています。
ネタバレBOX
シェイクスピアに詳しい方にとっては、カットしてある部分があるので「あれ?」と思う方もいるかもしれません。でも要点を絞ったおかげでずいぶんすっきりと観やすい舞台になっています。
恋十夜
鮭スペアレ
遊空間がざびぃ(東京都)
2010/06/17 (木) ~ 2010/06/20 (日)公演終了
満足度★★★
うつつをぬかした初夏の夜。
何かを強くおもう気持ちを『恋』になぞらえて描かれる10編。
夢とも現ともつかない摩訶不思議な世界に飲まれました。
音楽劇とあって浪曲、ロック、民謡、ワルツなどバリエーションが豊富で、生演奏も迫力満点でした。
また伝統芸能を取り入れつつアレンジしている一面があり、文化的な観点から作品作りをされていることが伺えます。
団体の演劇に対する姿勢や、中込さんの言葉の感度、物語の紡ぎ方が抒情的で素敵です。今後は海外での公演を視野に入れて活動して頂きたいですね。
ネタバレBOX
ぐるりと取り囲む360度、楕円形の客席の内側が舞台。
第一夜「一夜限り」
夢のなかで出会った男と会話をする女の妄想を、
決して会うことのできなくなった、ロミオとジュリエットのように悲劇的になぞらえたり、四ツ谷怪談のお岩さんのように、毒殺され幽霊となった女とその夫にあてはめてたりしながら小気味よく小唄風の音楽に乗せて台詞を言う。話者(唄うひと)はふたりの後方におり、当の男女は、発話せず音楽に合わせてゆっくり動く。お能のスタイルをアレンジしているようなその動きを時折ぴたりと停止してポーズを取るのが何だかシュールで滑稽だった。
第二夜「四つ葉のクローバー」
原っぱで遊んでいたあの子はいっつも四つ葉のクローバーを見つけられたのに私は全然見つけられなかったあの頃の追憶(夢)。
私、お友だちの心のなか&私の心のなか、お友だちと2役を4人に振り分けるアイデアが斬新で私が手を振ると、対角線上の下手側に位置するお友だちが手を振ったり、上手側にいる私が考えるポーズをとると、平行線上にいる擬人化された私の『心のなか』もポーズを取って、更にその心のなかをナレーションで被せる3重構造がかなり面白い。
第三夜「初夜の愉しみ」
新婚夫妻の初夜。ふたりの胸は高鳴る。入浴中の妻への、夫は妄想に事欠かない。その内容は、キュートなショーツが宙を舞い、風船を乳房に見立てた女性が夫の周りをふるふる踊る。というお粗末なもの。これらふたつをまざまざと見せつけられて場内がドッと笑いに包まれたところでお風呂から上がった新妻の、巨乳とイチャついている夢でも見ていたんでしょ?とトドメの一言。
夫は頭があがらない。・・・という夢を夢見ている男の話。ミュージカル調のポップなビートに乗せて紡がれていく台詞が最後、妙な哀愁を醸し出していた。
第四夜「腹の中」
妊娠した女性のお腹のなかには赤子という希望(夢)がある。
生まれてくるその子への、短いモノローグ。
第五夜「飛ぶ」
空を飛ぶひとは、想像するひと。そしてそれを見守るひと。ふたりとも大空をスイスイ泳ぎながらリズミカルにラップ調のことばあそびを繰り返す。
「くれよんをくれよん!」には笑った。
まだまだ夢が描きたりないよ、ってことだったのかな。
第六夜「二階から粉薬」
浪曲、ワルツ、ロックへと華々しく転調し、音楽に合わせて役者が踊る。
歌詞はよく聞きとれませんでした。
第七夜「出番待ち」
誰かの夢のなかに登場することを望んでいる夢のなかの住人だが、誰も彼らを必要としておらず、いつまでも”出番を待っている”という状態。待っていては何もはじまらないことに気がついた彼らは、思い切って誰かの夢のなかへ飛び込むが・・・。
第八話(序)終わりの始まり
そこは実体を失った夢のなか。真っ暗で音と呼吸しかない暗闇だった。ここで、客席の後方部を全面的に覆っていた暗幕が開き、なかから生演奏をした楽器隊があらわれる。不協和音がはじまって、アルトの声が響く。そして、このまま第九話(破)宴へもつれこむ。九話に入ると、演奏はより一層激しさを増し、地響きのような怒号にかわる。猫の悲鳴も聞こえてくる。そうした中でミレーの落ち穂拾いに出てくるような農婦らが、地に崩れ落ちる。そして第十夜「夢の果て」にて鈴木清順の映画、陽炎座の如く桜飛沫が舞い、華々しく終演。
オムニバスで10話を上演した団体を未だかつてみたことがなかったのでかなり驚きました。この公演に至るまで、気の遠くなるような準備や苦労が多々あったのではないでしょうか。
実は私の見た回は、第ニ夜の終盤でブレーカーが落ちてしまい、20分くらい物語が中断されてしまったのですが、最後までやり遂げたのは素晴らしいとおもいます。ただ、全体を通してみると、やや詰め込み過ぎてしまった印象を抱いてしまったのも事実です。
これは誰の、誰から見た物語だったのか。その視点を定めたり、所々で沈黙を演出すると、尚よかったかもしれません。
暗転が多かったのが、少し気になりましたね。暗転中にも音楽に合わせて踊る、手拍子を打つなど、なるべくシームレスに繋いでいくと、もっと物語にうねりが出たように思います。
あと、劇中歌がすごくよかった!
親しみやすくて、どこか懐かしくて、ユーモラスがあって・・・。
サントラが売っていたら、買っていたと思います。
大奥
明治座
明治座(東京都)
2010/06/02 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
美味でございますぅ~。豪華絢爛な衣装。愛憎・謀略渦巻く女の牢獄。時の流れの儚さ。チーム大奥,浅野座長!
2003年のドラマは、総集編ぐらいしか観なかったのですが、
2007年の同じく明治座での初演も楽しんで、今回再演。
「大奥総取締役瀧山」は浅野ゆう子さんの転機にもなった
あたり役。颯爽としていて気持ちがいい。
数少ない可笑しい場面が楽しい。
名コメディリリーフ、大奥スリーアミーゴスも健在。
安達祐実ちゃんも28歳なのに、初々しい。
『舞台』といっても肩肘張らずに、
ドラマ同様にみんなで楽しめればいいかも。
豪華絢爛な衣装に、愛憎・謀略渦巻く女の牢獄も、
時代の大きな波に流されて、かつての幾多の出来事も
ただ夢のように消えてしまう儚さ・・・。
江戸城無血開城のとき
「大奥で初島とこのまま歳をとるのを楽しみにしていた」
という瀧山のセリフがいいです。
本日は明治座東京公演千秋楽のため、特別カーテンコールでは、
入口でもらったペンライトをみんなで振りました。
舞台上には、出演俳優、チーム大奥51名が並んで
浅野座長がひとりずつ名前を呼んで、
メインキャストはひとりずつごあいさつ。
浅野さんは、「プラチナ何とか打ちかけ」をご披露。
(衣装とはいってもカテコで見せるだけ)
初日は、1億円でしたが、この日は、ダイヤ80個が増えて
1億2千万になったそうで!!
良く取れて落ちたりしないなぁと・・・。
終了後も、舞台の奥から何本締めかコールか何かが
聞こえてきて、座長を中心にチームワークの良さが
伝わってきた楽しい舞台でした。
黒蜥蜴
パルコ・プロデュース
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2008/04/18 (金) ~ 2008/06/01 (日)公演終了
満足度★★★
回顧
健全でした。
あまりにも真っ当な芝居だった。
頽廃的耽美世界のスタンダード…なのかな。
ごめんなさい、美輪先生。
ハイ!ミラクルズ
劇団ダンダンブエノ
青山円形劇場(東京都)
2008/06/20 (金) ~ 2008/06/29 (日)公演終了
満足度★★
唐突で失礼
これ観てた!
けっこう恐ろしい芝居だった。
なんやら楽しげな様子ですけど、救いのない話だったように記憶している。
南野陽子は変わらないなぁ、なんてぼんやり思いながら観ていた。
タイムカプセル
劇団活劇工房
明治大学和泉校舎第二学生会館地下アトリエ(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★
伝わってくる。
非常に荒削りではあるけれど、ちゃんとやりたいことが伝わって来る。メンバーが変わってもそこは変わらないところが感動的で、活劇工房にはついつい足を運んでしまいます。
今回の公演はクライマックスの復讐のシーンの演出が非常に美しかったので、そこに向かうまでの「薄皮一枚で繋がるような」演出の統一感があればよかったなと思います。コメディの部分が滑りまくってましたが、そこが完成されれば悲愴感に拍車がかかったかも。
コンパの部分は非常に楽しくて、ずっと爆笑してました。混ざりたかったです(笑)ダンスシーンに照れが見えたのはご愛嬌。可愛かったです。