最新の観てきた!クチコミ一覧

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夜も昼も -Night and Day-

夜も昼も -Night and Day-

文月堂

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/17 (火)公演終了

満足度★★★★

その時間を描きだす力
観ているときにはややラフな感じがするにも関わらず
終演時に残る感覚がとても確か。

表層的な事象の肌触りが
その重なりが崩れるなかで醸し出される感覚を
しっかりと浮かび上がらせて。

観終わってからじわっと降りてくるものがありました

ネタバレBOX

寓意的な表現の使い方が
作品に風通しを作って
物語の質感を柔らかく作りあげていきます。

ふたつの場面が
ミルフィーユのように重ねられることで
生きていく人々の広がりと個性が
しなやかに醸し出されて・・。
劇団の雰囲気にしても、会社の有りようにしても
浸りきっていた雰囲気や空気が失われていく感覚は
ゆるく崩れるようにやってくる。
そのゆっくりと溢れだして瓦解していくものの
質感に息をのむ。

下世話だったり、生々しかったり、
ときにはなにか痛く滑稽だったり・・・。
都会のさまざまな側面を見せたり・・・。
それぞれのエピソードを素直に追っていくうちに、
むしろ突き抜けることなく、
どこか取り残されたような想いが
汐の引いた砂浜の貝殻のように残るのです。

志をもって上京したとしても
結局は突き抜けることなく、埋もれて、
その時々を場当たり的に過ごしてしまった10年の質感が
終演時にはしっかりと観る側に置かれていて。

田んぼで鳴く蛙たちや
飼われていて逃げ出した蛙の姿が
すっと物語の質感に重なります。

役者たちのお芝居には
線の太さが担保されていて、
ここ一番の腰の入ったお芝居も生きる。

時が満ち、
やがて腕からこぼれおちていく・・・。
どこかあやふやで掴みどころのない時間を
くっきりと描き出す
作り手の力に囚われてしまいました
「ひつじ」 Les moutons

「ひつじ」 Les moutons

TACT/FEST

東京芸術劇場ロワー広場(東京都)

2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

めへぃ~とけた外れの身体表現
とても秀逸な身体表現であり、
ウィットと遊び心に満ちた30分でした。

ネタバレBOX

最初、偶然にその場を通り過ぎて
後半部分だけを観ることができて・・・。

愕然として、
気が付けば、
翌日に再見しに出かけておりました。

大上段に構えることなく
あの、凄いものを目の当たりにした高揚が
とてもナチュラルにやってくる。

演じ手たちの身体の使い方のしなやかさや
30分を演じきる精神的な強さに瞠目したのですが、
それはパフォーマンスが終わった後のこと。
理屈抜きに、その場にいろことが
こんなにも楽しい・・・。

観ることができて本当によかったです。
かもめ

かもめ

TPT

上野恩賜公園・不忍池水上音楽堂(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/19 (木)公演終了

美しかったけど暑かった…
水のある風景を美しく使い、奥行きのある空間が幻想的でした。
そしてまさかあんなに素晴らしい歌声をたくさん聴けるとは。
役者さんがみな日本人離れした美しすぎるルックス。うっとり。

ただ、19時からでも30度以上あった気がする。
無風で不忍池近くだから湿度も異常に高く、ほんとに熱中症になりました。
まあそれは今年の猛暑のせい。これから行く人は気を付けてください。扇子・団扇必須。

15 Minutes Made Volume9

15 Minutes Made Volume9

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★

小劇場芸術の紹介として
よくできていました。
コメディ・ちょっと不思議ホラーテイスト・シリアス・やや不条理など。
バラエティに富んでいて楽しめました。
小劇場は、こんな感じですよという雰囲気はよく伝わった。が
観客サイドも、やはり劇団関係者など多くいそうで、
世間という広大な海に、どうサイン出して見てもらうようにするのか。
宣伝が重要なファクターになるのでは?
などとエラソーに考えたりもしました。
(アフタートークも見ていないくせに・・、すいません)

ネタバレBOX

■わるぐち:気の弱い弟が兄ちゃんにキレて、思ったことズケズケ言えるようになって。兄弟喧嘩で物別れと思わせて、絆の再確認。って感じで上手にまとめて。悪口のバリエーションが豊富で、放送禁止コードに引っかかってるところも、背徳的で楽しめました。兄の「毒のある言葉喋れよ!」で「トリカブト」とか言う台詞のセンスが光っていました。
■OCEAN:よくある(失礼)RPGの世界の実演劇でしたが、始めのナレーションで”こんなしょんぼりな劇団なのさぁ”と紹介された劇中劇コメディでした。芝居は練習足りなくて・・という出来で。小道具の伝説の剣は折れていて。主人公が舞台裏で怪我して、腕がもげても「役者ですから」と、とれた左手もって出演続けた姿は暑かった(^^)。一番受けたのが、この劇団見に来た観客の役の役者さんが。芝居のコシ折る台詞や登場の仕方が愉しかった。「僕は年に300本芝居観てて、今日は招待じゃなかったね。評価は辛くなるよ」と席案内の女性に絡んだ台詞は、大爆笑でした。その後は変な笛での応援でしょぼかったです。せめて観劇中にかかってきた電話に出て「今つまんない芝居観てる最中だから」とか喋らせれば良かったのに!(現実、私は映画館でホントに携帯で会話したおばちゃんに出くわした事あります。)でさらに、ビニル袋から煎餅でも出して食べ始めるとか(カサカサ盛大にノイズ出しながら)すれば良かったのに。そしてラスト、とってつけた様なエコ推進劇でしたと、まとめた所は笑いが締まって楽しめました。
■ジョゼたち:個性的な小学生の缶蹴りを、小学生らしからぬ風貌の方々が演じるスラップステック劇と、お見受けしました。性格の描写が上手に演じ分けられていました。
■性的人間:妻を、目をかけていた書生に寝取られた男の心理を3人の役者が、悲しみ・怒り・好奇心(であってるかな?)で表現してゆく心理劇かな。普通なら妻・間男・主人公の3人で演じそうな所を主人公3人で合計5人で演じてた所がユニークでした。(サザンクロスというアニメの敵役や、エヴァのコンピューターマギなんぞ思い出しました)で詰め寄っていた側が詰め寄られと。割とオーソドックスなオチでしたね。
■漫才:なんか場末のスナックでやってるような、しょぼい芸人さんコンビを上手に見せていました。でもオチがマネージャーのスケジュール調整ミスのみでは、しょんぼりです。DV女とかも楽しめたのに。ただマネージャーさん役の方は、本物みたくらしく見えました。化け方上手!
■僕を寝かさない:夏定番の王道ホラーでした。仲の良い良いグループが集まるも、実は二人だけが現実?であとは物の怪だったらしい。という話。自分としては、何か飲む?で持ってくる毎回異なるミネラルウォーターギャグが楽しめました。それと643ノゲッツーの伊藤さんは声といい、喋り方といい。印象に強く残る方ですね。朴訥とした雰囲気は得意でしたね。

とりあえず、全部の感想です。
芝居の詰め込み方に負けないように、つめて感想述べました(いいわけ)
お見苦しくて申し訳ありません。
TangPeng30 Bグループ公演

TangPeng30 Bグループ公演

TangPeng30 Bグループ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/08/17 (火) ~ 2010/08/24 (火)公演終了

満足度★★★★

刺激的でわくわくする三劇団の競演!
TangPeng30のBグループは、三劇団ともレベルが高かった。四方八方は導入部分の演出が魅力的で、すぐに引きつけられた。その後も役者の演技がうまく、作品全体を楽しむことが出来た。
劇場コミュニティは、マイムやダンスなど体の動きを巧みに取り入れて独特の世界を表現する劇団。今回も随所に斬新な演出が見られさすがだった。体が動く役者というのはやはり魅力的だ。
総合藝術会議は、シュールで幻想的な芝居。イメージが次から次へと飛躍していく美しい舞台。30分では物足りなかった。もっと見てみたい作品だ。
三劇団とも、本公演が楽しみになってきた。

『CHORIKO』 チョリ子

『CHORIKO』 チョリ子

anarchy film

新宿アシベ会館B1(東京都)

2010/08/12 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

演じるパワー
前回はダブルキャストだったので2回観ましたが、今回は「ミミクリ」で気に入った役者さんが出演している☆キャストを観に行きました。主役のチョリコを演じた、東京サギまがいの田中あっこさん、「ミミクリ」で萌え声DJ…そして衝撃の事件を起こした少女を演じた五つ子ニコさん、高橋孝輔さん、名雪佳代さんが出演しています。

やはりすごい世界観でした。演じている役者さんたちは、役が役だけにものすごい精神力もいるように思うのですが、ああいう特殊な役を長時間ブレることなく演じるパワーは素晴らしいと思います。

ただ、「ミミクリ」と違って今回はかなり観ていて辛いシーンが長く続いたので、重かったですね。登場人物の多さも同じだけれど、「ミミクリ」の時は存在理由がハッキリと理解できたけれど、「CHORIKO」ではこの人はなぜここにいるのかな?と思ってしまう人物が数名いました。もちろん全てをセリフ等で説明してほしいとは思っていませんが、ちょっと分かりにくかったです。

それにしても、anarchy filmさんの作品は誰かを誘って観るのには向かない作品ですね。でも1人で観るのもキツイけれど。衝撃度も話としても「ミミクリ」の方が好きだけれど、今後も作品はチェックしたいと思います。

精霊流し

精霊流し

(公財)可児市文化芸術振興財団

吉祥寺シアター(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/18 (水)公演終了

満足度★★★

しっとりとした良作
松浦を出て戻ってきた若い女と松浦を出ることがなかった年老いた女の会話が淡々と続く、落ち着いた作品でした。
二人芝居で吉祥寺シアターの空間は大き過ぎるかもと少し不安でしたが、全然そうは感じさせませんでした。

馬渕晴子さんの演じた役はあまり感情を露にする人物ではないのですが、芯のある品の良さを感じさせて素敵でした。

精霊流しのシーンでの美術が美しく、印象的でした。音響・音楽は説明的過ぎて観客の想像力を奪ってしまっている様に思いました。

作品には直接関係ないのですが、客が少し動いただけで客席の床がギシギシと鳴るのが気になりました…。

精霊流し

精霊流し

(公財)可児市文化芸術振興財団

吉祥寺シアター(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/18 (水)公演終了

繊細な会話劇
2人の女性の会話劇。
舞台上で大きくドラマが展開する種類の作品ではないので、
観客を選ぶとは思う。
美術はキレイ。
芳本美代子は大女優の品格。

夜も昼も -Night and Day-

夜も昼も -Night and Day-

文月堂

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/17 (火)公演終了

満足度★★★★

ベタな内容だけど
自分でも意外なほど素直に受け入れて楽しめました。一人一人の登場人物の持つストーリーにきっちり引き込まれたんです。みんなのバックグラウンドに興味をもてたし、もっと知りたいと思えた。それを思うと若干主人公の引きは弱かったかもしれないけど、群像劇としての見応えは十分でした。

ネタバレBOX

俳優さんも観た事ない方が結構いましたがみんなお上手で。一人二役も違和感なくしかも十分見分けられて、おもしろかったです。

人物造形が確かな上、それぞれが生きるコールセンターや劇団がリアルに思えたから集中できたのかな。
「ひつじ」 Les moutons

「ひつじ」 Les moutons

TACT/FEST

東京芸術劇場ロワー広場(東京都)

2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★

めぇぇ~めぇぇ~
結局、2日間で3回観てしまった…。なのに四つ星なのは、ほんとなら、なにも情報なしに観たかったから。でも、ツイッターで何人かがつぶやいていなかったら観なかったかもしれないのだけど…。なにも知らずにエスカレーター降りたら羊とすれ違った、みたいな出会いを希望(笑)

バラシて終わりと思うなよ

バラシて終わりと思うなよ

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2010/07/28 (水) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ピンからキリの
キリの方にいる劇団の解散公演のバラシ風景は、さすが劇団が演じる劇団、思ってたよりもハードな演劇舞台裏に頬が引きつる。
終始「観客」の立場から観ていたが、公演を打ってもトントンでなまじ劇団として継続できてしまうという状況が、劇中のダメ劇団のようなダメ劇団を、現実にも数多産み出してしまうんだろうなと思うとムカムカする部分もあった。
前半のハードさを中和する構成上のバランス感覚として、また劇中の劇団の「表現者」としての慰みとして後半20分のファンタジーは必要だったと思うのと同時に、その甘いファンタジーの中に小劇場演劇という円環型のやさしさ共同体の虚像が見えるようで気持ち悪くもあり。
一番のびっくりは箱馬の収納場所だったかも。
OPの音楽が非常に好みで心地よかった。

あなたに似た人

あなたに似た人

mitsudomoe

SIMスタジオ(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/16 (月)公演終了

満足度★★★

脚本に胸キュン
読みきれるかなって思いつつ臨んだ公演でしたけど、脚本読み始めたら止まらなかった~!すっごいドキドキして止まらない!想像力が膨らんで切ない。

ネタバレBOX

って脚本の素晴らしさを考えると、俳優二人は堅実な演技なんだけどいつも観ている以上に何かっていうとちょっと普通に思えてしまいました。

3人の登場人物のうち、妻であり不倫相手であり被験者でもある女性が登場しないのは想像力の膨らみとしては楽しいんだけど、その切なく痛々しい姿を実際に観られないのは物足りないし、そういう女性が混ざらないことで男性二人が沸点に達しなかったのでは、とも思ってしまいました。

ただ、だからこそリーディングじゃない公演をやるなら必見!
夜も昼も -Night and Day-

夜も昼も -Night and Day-

文月堂

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/17 (火)公演終了

うぬぬ苦手
椎名林檎つかうのはあかんと思う。

夜も昼も -Night and Day-

夜も昼も -Night and Day-

文月堂

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/17 (火)公演終了

満足度★★★

東京・・・
客入れの音楽チョイスでこの劇団苦手かもと思っていたら案の定。
時間の長さの割に、含みを予感させないでただ拡散していくだけの脇道が多く残されていった様子があり、ことばもキャラクターも展開も、古さすら感じる数多のベタなもののコピペの域から出ているとは思えずに、結局何がしたいのかよくわからないままに、気がついたら終わっていたという感覚。

01272125★たくさんのご来場ありがとうございました。★

01272125★たくさんのご来場ありがとうございました。★

ソテツトンネル

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★

暗号がタイトルこれは観なきゃ
と思って観た。当日パンフレットに暗号表が載っていたがそれでも解読できない。暗号問題は脇役でメインのストーリーはまあまあの出来。それにしても……

ネタバレBOX

暗号が「継子立て」という結末でよかったのでは。毎回同じ暗号が卒業文集に載っていると別な解読をき期待させておいて、電話番号でしたは無いよね。それに電話番号ということに皆が気づかないの方が不自然なのでは。
狂騒パレード

狂騒パレード

メッテルニッヒ

明石スタジオ(東京都)

2010/08/05 (木) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

狂騒しすぎかな
いろいろと詰め込みすぎてストーリーがとらえづらかった。主軸となれる筋が多すぎたのではないか。作品としての完成をめざすなら削る勇気を持て。

夜も昼も -Night and Day-

夜も昼も -Night and Day-

文月堂

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/17 (火)公演終了

満足度★★★★

W配役がテーマを象徴
初見です。あらすじにある「地方出身者から見た東京を描く、青年&中年青春群像劇」から思い浮かべた印象とは異なっていましたが、作風にとても好感が持てました。
もともと劇団ものが好きなのですが、なかなかいいと思う作品に当たりません。昨年、最悪の劇団ものコメディーに出合い、拷問のような2時間20分を経験してからはトラウマになっていましたが、これはそのトラウマを忘れさせてくれました。1時間50分、まったく長さを感じなかった。
青春が描かれているけれど気恥ずかしくならないし、もちろん自己チュウの要素も無い。けっこう笑えたけど、わざとらしい笑いではなく、人物描写の中で笑えるのがよかった。焦点を絞りきれていないとのご意見もありますが、私はW配役でテーマを巧く生かし、無駄も少なかったと思います。焦点を絞ればもっと締まった作品になりそうで、実は逆にテーマがかすみ、妙味も失われる気がするのです。今後も観てみたい劇団です。

ネタバレBOX

俳優たちが扮した蛙の合唱で始まるのが意表をつかれた。主人公の青年長岡(青木柳葉魚)が世間の狭い田舎を飛び出し、上京。大学へは進まず、働きながら「まほろば」という劇団で活動を続けている。アルバイトの職場である通販の育毛剤メーカー、ネイチャーカンパニーのコールセンターと、劇団の人間模様が交互に描かれ、興味深い。主人公長岡の青木を除いて、俳優はそれぞれ2役を演じている。特に青木岳美と、藤原よしこはまったく違う印象の役で楽しませてもらった。青木はエキセントリックな劇団女優として、アングラ劇の台詞のようなタンカを切って、劇団を去るが、そのステレオタイプな雰囲気が後輩女優に地位を奪われる説得力にもなっている。反面、知的で落ち着いた副センター長・佐竹役にも、抑えた演技の内にも存在感が光る。藤原は長岡のしっかりものの恋人と、オペレーターのベテラン教育係を鮮やかに演じ分ける。
劇団の場面では、古川(石田けんいち)が、他劇団で男4人芝居の中の重要な一役での客演が決まったので本公演を降りたいと訴える。チャンスの掴めない劇団員にとって、この客演がどんなに大きなチャンスかと思うと胸を打たれた。石田はコールセンターではゲイの青年古田丈治で、こちらもなかなかけなげな感じが良く出ていた。丈治の相手であるセンターのリーダー中島勉を演じるにわつとむは、リーダーとしての頼もしさと、丈治の話を聞くときの優しい表情、一人の人間の二面性をきめ細かく表現していた。石田と中島の場面はちょっとフライングステージの芝居を思わせる。
長岡は夜も昼も職場と劇団を往復しながら懸命に生きているのに、自分を見失いかけ、恋人にも去られてしまう。過労から勤務中の居眠りも頻繁だが、「夜も昼も余裕のない」生活の中で、彼には、劇団でも職場でも、そこにいる人間がまったく違う人たちであるにもかかわらず、渾然一体と見えているのではないだろうか。彼自身、生活に焦点を絞りきれていないことが、この芝居のテーマであり、W配役はそれをうまく表現しているようで感心した。 
社長が飼っている8匹の食用ヒキガエルの世話を命じられていた恵(辻久三)との引継ぎの会話の中で、「井の中の蛙」という言葉が出てくるが、長岡は恵の結婚指輪にも気づかなかったのだ。職場の人間模様を詳しく描くことで、長岡は部外者という位置を印象付け、劇団のことが表層的であるのもあえて狙ったように感じる。長岡は「毎日顔も知らないハゲと会話して、劇団の稽古して」という不満ばかりで、人間をよく見ていないのだ。恵がメグミと名づけた蛙が排気口をつたって逃げ出すが、最後は職場を辞める古田が佐竹と協力し、パレードに着たドレスと同じ虹色のパラシュートをつけて、蛙たちを屋上から逃がしてしまう。
蛙に始まり、蛙に終わる。そして、リストラを受けて恵は司法試験をあきらめ、故郷に帰ると長岡に告げる。主人公の長岡の今後は?と思ってしまうが、「夜も昼も」の生活に答えを出すのはこれからなのだろう。
一点だけ気になったのは、長岡の恋人・藤原よしこが長岡に三行半を突きつける場面、藤原の熱演はよしとして、音響の具合か、声が大きく割れ鐘のように響き、耳が痛かったこと。



あなたに似た人

あなたに似た人

mitsudomoe

SIMスタジオ(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/16 (月)公演終了

満足度★★★★

戯曲の可能性と演ずるパワー
一応戯曲をプリントアウトして
持参したことが効を奏して、
作品の枠組みにのって鑑賞することができました。

戯曲のいろんな可能性に思いを馳せることができました。

ネタバレBOX

3人芝居のうち、一人のロールを観る側に委ねるという企画が
成功していたかというと、そこはなかなか難しく・・・。

というのも、二人の役者の圧倒的な切れが
観る側をぐいぐいと取り込んで
そのロールに観る側が浸る暇を与えてくれないのです。

しかし、だからこの企ては失敗かというと
そうも言えなくて・・・。
二人のお芝居が、
本来観る側が作り上げるべき三人目のキャラクターを
その切れの中に浮かび上がらせてくれる・・・。

よしんば10分で台本を追うことを放棄しても
終演時には、物語の持つニュアンスが
鮮やかに伝わっておりました。

もっとも、最初の10分に台本を持つということは
意外と重要なことだったのかもしれません。
時間を遡ってシーンが積み上げられるその戯曲の構造は、
その10分間の台本なしだと理解するのに時間が掛かっただろうし、
もしかしたら、物語自体を見失ってしまったかもしれない・・・。

一方で、一旦内容がわかると、
この戯曲、いろんな見せ方が出来るのだろうなと感じました。
実際に女優のロールが演じられるだけで
ずいぶんとニュアンスが膨らむお芝居になるような気がするし、
その役のキャスティングでも、舞台上のトーンが
かなり変わりそう・・・。
今回二人の男優が務めたロールを女優で演じるのも
おもしろいかもしれないし・・・。

今回は、素の空気の中に
役者の演じる力が際立ったリーディングでしたが
いろんな工夫とともに
様々なバリエーションで
再演されるとよいなと感じたことでした。
express

express

PLAT-formance

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★

溢れるパワー
脚本の言葉選びや構成の巧みさはもちろん、役者二人のパワーにも圧巻。今後の活躍にも気期待せざるをおえない。ただ個人的には15 Minutes Made のときのような短い作品のほうが好みである。

『ロマンス』(作・つかこうへい)

『ロマンス』(作・つかこうへい)

モウムリポ(ポップンマッシュルームチキン野郎課外活動)

こった創作空間(東京都)

2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★

暑苦しいが題材的にピッタリ
急逝したつかこうへいの作品をポップン・マッシュルーム・チキン野郎内ユニットで上演する企画。
この暑苦しい時期によりによって暑苦しい芝居(爆)をしなくても…な気もするが、夏だし新宿二丁目だし題材的にピッタリな上にPMC野郎の(吹原主宰の)原点の1つということで大いに納得。
また、後半の二人芝居の迫真の演技はさすが。
しかし「もう無理ぽ」なるユニット名ってどーよ?(笑)

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