最新の観てきた!クチコミ一覧

158581-158600件 / 189910件中
暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

ろりえ

nakano f(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

暑く、溶けだしてくるように
確信犯的にタイトルがとても謙虚に思える場内でしたが、それがキャラクター達の閉塞感やいらだちを観る側に押し込んでもいて・・・。

不思議な立体感とともに物語が伝わってきました。

場所をしっかりと味方につけて、4人の女優たちがしたたかに物語のテイストを作り上げていました。

ネタバレBOX

4人の女優達の個性が
物語にしたたかに取り込まれていて。

比較的ラフな物語の骨組みなのですが、
逆に、だからこそ、
役者の色が絶妙な抑制をもって生かされていく。
役者達それぞれに
他の役者のよいところを生かしながら
自らの色を出していく手練があるのです。

4人で暮らすその場所を
守ろうとする想いと失われていく感覚・・。
それらが、細線で緻密に描かれるのではなく、
太い線で描かれ、はみ出していくことで、
供された飲み物の甘さや、
息が詰まるほどの熱に見事に重なりあっていく。

よしんば、常ならぬデフォルメされたキャラクターであっても
役者たちがぶれずに衒いなくそのロールを貫いていくことで、
観る側の視座や感覚が変容し
不思議なリアリティが生まれていく。

カタストロフ的な展開も、
チープな夢も、喪失感も
ミュージカル仕立てのエンディングから、
その場所に積もった時間にしみこんだ
暖かさとペーソスも、
すべてがその場の暑さにとろけて
ひとつになって・・・。

終演時、
汗をぬぐいながら
通り過ぎた感覚と残されたテイストに
しばし浸り込んでしまいました。

☆★★★○○















猫目月

猫目月

ゆめいろちょうちょ

シアター風姿花伝(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

優しさと切なさ満載のファンタジー
ツッ込みどころもいくつかあれど、優しさあふれる切ないファンタジーぶりにホロリとさせられては文句は言えまい(笑)。
…ってか冒頭の「今ある幸せを当たり前のことと思っちゃいかん」という老人の言葉から心をワシ掴みにされていたと言っても過言ではないってくらいで。
また、宮嶋みほいのナチュラルな優しさ(あるいは包容力)と三輪友実の10歳ぶり(!)が特に印象的。

ネタバレBOX

しかしやはり作中人物の死で泣かせるのは反則かなぁ?(笑)
『女探偵 vs 怪奇探偵』~Case File:鬼~

『女探偵 vs 怪奇探偵』~Case File:鬼~

しゅうくりー夢

ザ・ポケット(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/26 (月)公演終了

満足度★★★★

期待通り。
なかなか楽しいお芝居でした。
オールスター感謝祭的な要素もありつつ、深い物語も盛り込まれた内容。

今回は島田さん演出という事で、松田節を感じさせた新しい感覚がありました。
残念だったのはちょっと暗転が多いこと。
場面転換多いので仕方ないのですが、やっぱり集中力が途切れがちでした。

エーデルワイス

エーデルワイス

feblaboプロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/07/30 (金)公演終了

満足度★★★

誰か全員か
とは思ったが、彼だったのですね、ラスト。

JUDY

JUDY

グーフィー&メリーゴーランド

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

惜しい!
さすがに再演を重ねてきただけあって,ストーリー,構成などよく出来た作品であると思う。単なる反戦ものと違う見せかたであるが,考えさせられる内容であることは間違いない。それだけに「カチュゼチュ」に若干不自由な方がいたこと,ときどき現代口語のようないいまわしがみられたのは残念。気になってしまった。観劇の回は冷房も効き過ぎでちょっと頭痛も。リーフレットに役者の顔写真と名前は記載されているが,配役表がほしかった。とはいえ,総評としては十分見応えのある良い芝居であった。

誰ガタメニ金ハ成・・・ル?

誰ガタメニ金ハ成・・・ル?

劇団あかぺら倶楽部

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑いのDNA
初見の劇団ですが、レイ・クーニーの息子、マイケル・クーニーの作品ということで、フライヤーに書いてあったあらすじを読んだら面白そうだったので観にいきました。親から子へ、笑いのDNAをしっかり受け継いでいるのが素晴らしい。
上演した劇団あかぺら倶楽部は創立20周年ということで、アフタートークを聞いていると、長年劇団員たちで笑いを練り上げてきたというアンサンブルの強みを感じた。アフタートークも今回初めて実施したそうで、私が観た回は翻訳の小田島恒志さん(こちらも親子で翻訳者)がゲストではなくて残念だったけれど、また企画してほしいと思う。
場内は平日昼にもかかわらず、サポーターが詰め掛けて満席御礼となっており、人気の根強さが伺われる。中にCoRichに情報が載っていたから来た、と話していた人もいたので嬉しかったですね。
公演直前、劇団員の父とも言うべき座付き演出家の水鳥鐡夫氏が亡くなられたそうで、ロビーに遺影と花が飾られ、記帳や寄せ書きコーナーが設けられ、皆さん熱心に書き込んでおられた。劇団の「笑いのDNA」も受け継がれていくことだろう。

ネタバレBOX

電力局のリストラで失業してしまったことをエリック(高木渉)は妻のリンダ(岡田佐知恵)に内緒にしている。また、社会保障省にいろんな手当ての申請をしたら、本来無関係なものまで次々申請が通ってお金が振り込まれ、結果的に多額の金を詐取していることも妻には内緒。ある日、社会保障省の調査員ジェンキンズ(中村伸一)が裏づけ調査にやって来る。新たな関係書類には家主のサインがいるとジェンキンズが言ったことから、エリックは何とかごまかして追い返そうとし、間借り人のノーマン(大西健晴)に協力を仰ぎ、叔父のジョージ(山口登)を巻き込んでいろんな架空人物をデッチ上げて演じる羽目に。エリックは社会保障省から支給された健康器具や妊婦服、カツラ、授乳用ブラジャーなどを病院の清掃員をしているジョージに渡し、ジョージが転売していた(手厚すぎる福祉も考え物ですな 笑)。この女性用品を室内で見つけた妻は夫に女装趣味があると誤解して医師チャップマン(押田浩幸)に相談していた。社会福祉事務所からやって来たサリー(綾倉朋子)がノーマンの父が死んだという嘘を信じ、葬儀会社の社員フォーブライト(池上高史)を呼び、たまたま気絶して寝ていたジョージを死人と勘違い。エリックが伝染病で亡くなったと口から出任せを言ったため、規則で司法解剖をしなくてはとフォーブライトとサリーはジョージを担架で運び出そうとする。部下の調査の遅さに業を煮やした凄腕上司クーパー(今泉文乃)やノーマンと明日結婚式を挙げる予定の婚約者ブレンダ(上之薗菜緒子)がやってきたことから事態は大混乱に陥る。進退窮まったエリックはすべてを話し、刑務所行きを覚悟するが、クーパーは彼こそ「詐取の手口を見抜く調査員に最適」とエリックの雇用を決め、ハッピーエンドに。
3つのドア、2階、屋根と複数の場所に人々が移動するドタバタコメディー。
舞台美術が本格的で、位置によっては観客からはまったく見えないドアの中のチェストがきちんと配置され、終盤に登場する壊れて勝手に動き出す洗濯機までよくできている。
フライヤーのイラストが、話の全容を表現しているのにも感心した。
きっちり作りこんだ笑いで、俳優が役を忘れて独りよがりのウケ狙いの芝居に走ったりしない品の良さに好感が持てた(小劇場系シチュコメ専門劇団の中には品のない笑いで芝居全体を安っぽくしてしまうところをときどき見かけるので)。何度も再演している十八番の演目をいくつも持っているようなので、今後も観ていきたい劇団だと思う。
イチマツ・タエコ

イチマツ・タエコ

みかんピープル

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★

ありがとうございました
謎解き、お笑いの2つが基本構造。
 ストーリーは奇抜と言えば奇抜なのでしょうが・・・
 お笑いを軸にしていこうとするために、謎の部分が単純なものになってしまった感じがしました、


 劇中劇、とくに「エチュード」とはいいながら、謎解きの寸劇はあまりに安易なものに思えました。
 無理矢理、笑いをとろうとする役者さんの熱意ある演技が、逆効果になってしまったかもしれません。

 マイナス批評ばかりでスタートさせてしまいました。
 ここからは褒めます。

 まず、コメディーでは多くの劇団が頻繁に採り入れる「下ネタ」に依存していなかったこと。
 これは誇っていいものです。

 それから、スーツ姿のメガネ青年(すみません名前がわかりません。アドリブがだめという役の方です。熊谷?西村?)の演技は光っていました。
 1人1人の役者さんの個性はそれぞれにあり、まだまだ伸びる余地大、といった印象でした。

反重力エンピツ(再演)

反重力エンピツ(再演)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

オススメです!!
国道五十八号戦線の火を消してはいけない(by 手塚さん)

僕はこの作品の初演に出演していて、この作品に個人的な思い入れがかなり強いので客観的な感想ではありません。

公演1週間前の通し稽古と初日と2回見させてもらいました。

まず、通し稽古を見た段階での正直な感想「ダメだな、劣化してる」と思ってしまいました。
その時の思ったのは、9人の出演者の内、5人が新しい人で、また見事に初演時の5人と芝居のアプローチが180度違う役者が配置されていた。
元々、完全に当て書きされていた本なのもあってか新しい5人の動き、立ち方、セリフ等、全てに違和感しか感じれず、物語に集中もできずにガタガタって感じ。(俺はこの作品に出てたから人より細かく見ちゃうし初見の人はそんなに感じない違和感かもだけど)
再演ってそーいう問題が常につきまとうしねー。

まーでも5人もそれなりにキャリアもある人だし下手な役者はいなかったから初日までには僕の感じた違和感も調整できるだろうと実際、楽観的に考えてました。

しかも今回は再演目的で集められた役者じゃないからキャラが違うけどそこをどーするか?
これを、まとめなきゃならない福原さんは本当、大変な日々だったと思う。マジでおつかれ。

そして2回目。
肝心の初日。勿論5人は皆さん上手な役者さん達なので僕が感じた違和感はウマい事、調整されていて、脚本は面白いし楽しめました。
逆に再演目的で集められたメンバーじゃないからこその面白さが溢れていました。
大抵、再演って元のキャスト+本に合った役者でやるから普通に最初から再演目的で始まった公演だったらこういう面白さは生まれなかったんだろう。
だから役者の方は、こういうのは、やり甲斐あるんじゃないかな?
この状況だからこそ生まれた反重力エンピツ。
けっこーいいですよ。面白いです

全く別物の反重力エンピツとまでは言わないけれど、役者のアプローチの仕方が全然違うからチョコチョコ見せ方が変わってたりして初演見た方も楽しめる内容になっていると思います。
例えば、例えば僕の役を演じてる藤尾くん。初演時、僕がシリアスモード全開で叫んでたセリフを彼はヘラヘラ笑いながら、しゃべっていたりします。
初演見た人はこういう違いが面白いかも
勿論、初見の方は全然、楽しめるハイクオリティな作品となっております。

友寄の脚本、ハマカワ、イガミ、カガミの芝居が特に素晴らしいのでそれを見るだけでも価値はあるかと(あと冠の前説がカワイイですw)

わー長くなりすぎたな。最後まで読んでくれた方ありがとうございます。と、ロングランでまだまだやってます。

オススメです!!

僕も多分、もう1回くらい見に行きます。藤尾にダメ出しする為に、、、





ネタバレBOX

ラストシーンは赤い照明。
アームストロング・コンプレックス

アームストロング・コンプレックス

劇団ショーマンシップ

甘棠館show劇場(福岡県)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/29 (木)公演終了

満足度★★★★

最前列でがっつきました。
芝居が始まったあと、最初は、役者が普段「どこに気をつけて演技を行っているのか」ということが気になりました。
なにせメンバーは、それぞれ、普段は別の団体で創作活動を行っています。
クセ、といいますか、それぞれの劇団に色があります。
それが、ゴチャゴチャです。
見ている側としては、とりあえず、持ち帰れるものがあったので、良かったです!

見やすい、分かりやすい、でもコアな人のためのネタも散らしてあって、
楽しかったです!

ネタバレBOX

照明に関しては、談義したい。常に。。
あそび

あそび

山田ジャパン

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/20 (火)公演終了

満足度★★★★

芝居の中で
劇団ネタがあるとテンション上がります(笑

前回に続いての観劇ですが2度目にしてもう安心して観て居られます。

お母さん役の玉手さん、演技も良くて素敵でした・・・

・・・が、キレイすぎて老けきれてなかった。(笑



暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

ろりえ

nakano f(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★

初見。
でした。

ネタバレBOX

劇場というよりは店(笑 に入るといきなり4人がお出迎え。

学祭の模擬店みたいで雰囲気がフレンドリー。

初めてなのにいきなり和む。

開演に向けてのコンセントレーションとかいらないのかしら?

はじめのうちの4人の会話は所々ツボで楽しかったけど

中盤からの暑さで集中力が落ちてきた。

エアコンを止めるのは演出なのか?

演者と近すぎて扇子も大げさに扇げないし、

着いて早々に飲み干した謎のドリンクを後悔した。

もう公演も終わるけど途中で改善しないのかなぁ?

スペースや設備の制限が多すぎてお互いが大変。

劇場選びは重要ですね。

暑さを除けば概ね楽しめました。

志水さん、スゴイですね。

次回、本公演を楽しみにしています。





お茶を一杯【当日券若干枚数あり!開演の45分前から販売開始!!】

お茶を一杯【当日券若干枚数あり!開演の45分前から販売開始!!】

浮世企画

APOCシアター(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

お茶を飲みたい
誰もが一度は経験しそうでしない人間関係と日常風景の切り取り方に独自のセンスがある。
細かな人間描写も上手い。シニカルビターな群像劇だった。
今城文恵、なかなかの手練だ。美人だしね。
役者粒揃い。
堂に入ったダメ男ぶりの信國輝彦。
見るからにレズ(バイ)な長島美穂。
ブスカワ炸裂の鈴木アメリ。
次は来年夏らしい。もっと短いスパンでやってほしい。

ネタバレBOX

元カレと同じ柔軟剤の匂いに惹かれるシーンは実感。
匂いで思い出すことあるもんなぁ。
ひとつ難をいえば、岩田裕耳が凶行に走る展開はありきたりかな。
幸福な職場

幸福な職場

劇団 東京フェスティバル

小劇場 楽園(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

まさに、心に優しいお芝居でした
この芝居が、コリッチで、とても高評価でしたので、当日券で行って来ました。

本当に、素敵なお芝居でした。
私に、こんな素敵な芝居の存在を教えて、楽園に導いて下さった、サーコさん、雨模様さん、みささん、たけさん、バートさんに、心から感謝致します。

今日、観に行こうかと思って、検索し、5月の公演も好評だった劇団だったとわかり、それならと、急ぎ、下北沢に向かいました。

本当に、観られて良かった!!素敵な心温まるお芝居でした。
脚本も良いし、役者さんもいい!!
なかなか、ない劇団です。

それだけに、ちょっと残念に思ったのは、この劇団関係者のお身内と思われる方達の観劇マナーの悪さ。と言うより、普段小劇場観劇などあまりなさっていないので、子どものピアノ発表会等のスタンスでの御観劇だろうとは思うのですが、始まりのアナウンスの後、音楽がF・Iしても、大きな声で私語を止めず、舞台が終わっても、観客の余韻を阻害するように、すぐさま、舞台と関係ないおしゃべりを始められるのには、やや閉口しました。
終演後も、一般客の足を止めるように、出口を塞ぎ、「○○ちゃん、良かったよ」なんて嬉しそうに話されていましたが、この劇団、こんなに素敵なお芝居をなさるのですから、もう、これからは、一般のお客様もどんどん増えるのでしょうし、是非、お身内のお客様に、観劇マナーをそっと、囁いて頂きたい気がしてしまいました。

ネタバレBOX

この会社のドキュメンタリーを観ていない私には、もう始まりから、全ての展開が興味深く、本当に、ドキュメンタリーを観るかのように、舞台に、全神経が集中し、特に、大森専務が、知的障害者である、聡美の色の識別はできる点に注目しての、実験場面では、どうか上手く行きますようにと、祈るような気持ちで、舞台の成り行きを見守ってしまいました。

聡美役をやった古地香織さんの、嘘を感じさせない秀逸な演技には、心から敬服しました。私の周囲には、とてもたくさんの障害者の御家族を持つ家庭があり、私自身も、役員をした幼稚園や学校で、度々、知的障害者の作業所訪問をして、一緒に、作業をした経験が数多くあるので、古地さんは、本当に障害がある方なのかと見紛う程に、障害者の特徴を、ご自分のものにされて、生きた聡美を演じていらっしゃるのがわかり、彼女がいたからこそ、この舞台が、嘘でない世界の構築を成し得たのだと、思います。

大森さんも、久我さんも、原田さんも、住職さんも、キャスト全員、まるで、本物のようで、本当に、素晴らしい劇団だと、ただただ感服するばかりでした。

脚本も、奇をてらったりせず、ストレートで、実に、清々しい展開。暗転も、前場面の余韻を感じるのに、程好い時間で、とても効果的な転換でした。
ストーリーにはそれ程関係のない住職を登場させた点も、この芝居に、人情話的な、温かみのある奥行きを与え、観客のクスっと笑いを誘う意味でも、とても成功していたと思います。

それだけに、惜しいと感じたのは、聡美を雇用しようと決めた後、大森が、養護施設の佐々木先生に電話して、その旨を伝える場面。あそこだけ、舞台空間を、会社と、養護施設とWで使ったのですが、これは不必要だったと思います。その前に、観客は雇用を決めたことを知らされているので、暗転後は、すぐ、聡美の正式雇用後の場面で良かったのでは?
終始ドキュメンタリー的だったのに、あの場面だけが芝居じみて感じられ、興を殺いだ感じがありました。

サーコさんも書いていらしたように、創意工夫をする人がめっきり少なくなってしまった、今の日本社会の現実をちょっと悲しく感じたりもしましたが、今でもこういう人間的な職場が実際に存在することがわかっただけでも、嬉しい体験でした。
何度も、目頭が熱くなる、本当に、様々な方に目にして頂きたい上質な、温かい舞台作品でした。おススメ下さった方にも、この舞台の関係者の皆さんにも、本当に、感謝したい思いでした。
ヒロコ

ヒロコ

テラ・アーツ・ファクトリー

d-倉庫(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

リアルを再構成する時間。
個人史に依拠する土着性から史実を遡り、虚実交えて時間軸をクロスオーヴァーさせながら『リアルを疑う』ことに照準を定めた作品。
映像として纏めると回想シーン+ナレーションで終わってしまいそうなところを現代口語演劇的なダイアローグから能をモチーフにしたような動き、そして内省的なインタビュー形式のモノローグに至るまで様々な手法を用いた実験的で複雑な構成。
どちらかといえば素朴な語り口がソリッド感のある空間美に浸され演劇的な生々しさから遠ざかり、最後には無に帰化するような、観念的な一面もある。
あまり大衆的であるとは言えないものの、皮膚感覚で観るアート作品としては秀逸。

ネタバレBOX

黒い箱がいくつか雑然と並べられているだけの舞台装置。
物語の表情は照明で魅せる。舞台は3場に構成。

一場は、女性キャストが4名登場する。途中でひとり誰かが誰かの名前を呼んでいたが、基本的には匿名性が重視され、演者自身の個人史を生まれ育った『土地』ベースに記憶を掘り起こし、その時代の『史実』とリンクさせた『即興ダイアローグ』として作業を行った成果の発表であり、一貫して2人同士の会話劇として成立していた。
会話の内容は練馬には有名マンガ家が住んでいる、やさいを栽培する、立川の阿波踊り祭り&町内ソングについて、等世間話程度のものが中心で『オチ』は見受けられないまま雑然としたなかで終わる。

二場は、男性キャストが5名。ひとりは浮浪者のような体であとの4人はスーツ姿で全員客席に向かって正面に立った状態の『インタビュー形式』で行われた。
通常、回答者は質問者に視線を向けてこたえるものだが、ここでは隣同士に座っている状況が提示されてはいるものの、対面することとアイコンタクトはほぼ皆無に等しい。
最初はその人『個人』を知ろうとする質問が雑然と交されているが、時間が経過していくうちに内省的なモノローグにかわり、ある者は教師として20年以上勤めたという事実を、ある者は自身の生活について誰に語りかけるのでもなく、まるでひとりごとのように繰り返す。
そのことばが、青年団でみられるような『台詞のアンサンブル』となって聞こえてくる。
そのなかでとりわけ目立つのが浮浪者のような出で立ちの男のモノローグ。
彼は立川の米軍基地拡張に反対した『砂川事件』のメンバーと思わしき人物で、仲間のことや伊達裁判長の審判について、また、未来の日本についても言及している。

過剰なモノローグが続くなか、舞台の後方からひとりの女性がはいってくる。
連合赤軍の大槻節子と思わしき女は、ひたすら自身の日記を精読していて、彼女には彼の姿は見えないようだ。

彼女と彼の頭上に白い霧(スモーク)が十字架を切るように覆われると、黒づくめの女たちがぞろぞろと舞台にあらわれ、能のようにゆっくりとした動きで辺りを徘徊する。
女たちは、大槻節子と思わしき女の声に耳を澄まし、悲痛な表情を浮かべる者もいれば、ひたすら無に徹している者もいる。

突然、辺りは暗くなり、航空機が旋回する音が鳴り響く。
その音はだんだん過激になり、空爆する瞬間の轟音のように聞こえたところで終幕。
祈りが絶望にひれ伏すようなこの一連の流れがおそらく、三場の『もうひとつの地層』だったものだとおもわれる。

その戦いで失われたものとは。戦うことは何のためのものだったのか。
この作品は、自問自答を繰り返していた。
何となく毎日をすごしているわたしたちがこれからすべきことは、
認知することだけでいいものだろうか。危機感が募る。
暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

ろりえ

nakano f(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

不快指数MAX
第二の性とか言い出した頃を思い出してみればかなり遠くまできたもんだなとしみじみ思うような女子像の新鮮さは興味深いし、ちょっとしたセンスもツボに入るもので好み。
けれど、時間が経つにしたがって増す暑さにイライラが募って舞台どころじゃなくなったので全部台無し。一番暑い時間帯の公演だったので余計に不快だった。
不快感からの連鎖イライラかもしれないが、なぜ演出を直前になって知らせるのか、なぜビールが割高なのかという所をもやもやハラにためながら帰宅。
内容だけでの評価だと結構高く付けたようなものだっただけにがっかり。

席のブロックによって最終体感温度がけっこう違ったように見えたので、これから行く方は涼しい所を探してみたらいいんじゃないかと。

私のSM [公演終了!御来場ありがとうございました!]

私のSM [公演終了!御来場ありがとうございました!]

青ひげマシーン

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

うぶな恋心と狂気
個性的な俳優がちょっとした仕草でガンガン笑いを取っていましたが、だからといって性欲の暴走や殺人といった狂気を中和しているわけではない。普通の高校生のうぶな恋の話と思って油断してたら大変なことに...。

昼の部を見たので、終わったのは午後4時ちょっと前。炎天下の帰りの上り坂は辛かった。

猫目月

猫目月

ゆめいろちょうちょ

シアター風姿花伝(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★

直球!
手堅い演出と脚本。
至極まっとうで好みではないが、泣いている観客の姿を見ると直球はやはり力強い。
無国籍な世界観というか、
平たくいえばファンタジーになるのかな。

ネタバレBOX

宮嶋みほいがひと月しか生きられないという宇宙人(?)的なヒロインをしっかり。
ここがブレなかったのがキモかな。
コンパイル

コンパイル

劇団無名

ぽんプラザホール(福岡県)

2010/07/24 (土) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★

スマッシュ&スマイル!
あまりにも手の内を知り過ぎているので、いつにも増して純粋な観劇評にはならないかも。
どっちかっていうとダメ出しに近く。
(またそういう身分でもないクセに)

ネタバレBOX

まず、はばからずに言わせてもらうと、安倍祐馬氏は僕が尊敬する脚本家の一人です。
氏の作品は今までにも沢山観てきたから、随所に「らしいな」って部分があって、それだけで楽しめました(過去作品のタイトルが出てきた時なんか、周りの観客を尻目に一人で笑わせてもらったりして)。

その構成力、文法が分かっているからこそ、脚本と演出・演者の仕事を切り分けて観る事ができたと思います。
本に書かれている事をきちんと描けているか。補完できているか。
…結論としては、もう一歩。

シチュエーションコメディって、ありえない事が起こり続けるからこそ、その舞台のディテールが細かくなければいけないと思うんです。

例を上げれば、作家の安倍祐馬(えっと、登場キャラクターの方です。ややこしいな…)が「サウスポー」って設定があって、その安倍だと勘違いされて右腕に手錠をかけられた不倫男・藤原が「サウスポーだから大丈夫でしょ」と言われ慌てるシーンがあるんですが。
冒頭に登場する小田泰嗣氏演じる実際の安倍は、TVのリモコンを操作するのも、置き電話の受話器を取るのも、自殺しようと薬瓶を手にするのも、それを流し込むウイスキー瓶を持つのも、全部右手だったんですね。
もっと言えば、仕事用デスクの配置も右利き用のレイアウトだったし、棚の中のゲーム機の配置も本体が右側、コントローラーが左側にありました。
(取り出す際には利き手で本体を持ち、その逆手でコントローラー、というのが自然だと思います)

別に、本編に深く絡む設定じゃないし、藤原を慌てさせるための一回きりのキーワードなので、そこまで辛辣なツッコミを入れるような事ではないんでしょうけど、そういう小さな要素が重なることで興冷めしてしまう観客もいるので、注意した方がいいのではと思いました。

演出面では、BGMの使い方にも違和感。
あまり効果の無い場面で、しかも頻繁に流れる上、選曲に統一感がない。
シチュエーションコメディならば、よほどの重要性(音楽に絡んだネタとか)が無い限り、役者の演技だけで流れを作って欲しいところです。
一方で、ホイットニー・ヒューストンの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」をラブシーンで流すのなんかはもう定番を通り越して古典的ですらあるんだけど、うまく使えていれば当然、面白いはず。が藤原と花田のキスシーンのみにしか流れず、その後のキスシーンである藤原と吉田、藤原と良子(藤原、キスしてばっかだな…)の時は無音。これはこれでおいしい流し所だったんじゃないかと。

役者では花田役の花田嬢が惜しい。以前に比べればだいぶ器用な女優さんになってるんだけど、この役はさらにそれ以上の、狂気レベルのものが垣間見えないと成立しないと思う。いきなり手錠とか引っ張り出してくるのだし。
(狂気と言えば、ローラのキャラは凄かったな…)


そして、星一つ引いた理由にもなるんですが、パンフレットの表紙の誤表記(【場所】ぽんポンプラザホール と書いて「ポン」に×印)は、上演会場に対して失礼なのでは?と思いました。
このサイトも含め、ネットに載せているチラシ画像はきちんと修正されているのに、なぜそれを使わなかったんでしょうか。
LOVE YOUR LIFE

LOVE YOUR LIFE

readymade foundation

pit北/区域(東京都)

2010/07/21 (水) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★

絶対的な正義と悪
弱者が居て強者が居る。
戦争はいけない事で、人を殺すのも絶対悪。
なんてことは通常の教育を受けた人間ならば分かっている事だが、
ただ『分かっている』事と『実感できている』事とは違う。
どれだけその伝えたい相手(今回の場合は観客)に実感させるか、
その相手と共鳴する所までもっていけるか、
それを動きも少なく言葉でのみ訴えかけるには、
相当な技術がいるのだと思った初朗読劇でした。

ネタバレBOX

フリートークで感想を聞かれたので、直接お話しさせて頂いた事もありますが、
台詞が言葉として伝わってこず、ただ音として耳に入ってきてしまい、
戦争の悲惨さや恐怖、世の中の理不尽さや虚しさが実感できない部分があった。
それは”単語の意味を知らないから”という事ではなく、意味のあるものとして
言葉や文章がただ伝わってきませんでした。

今回の題材が題材だけに、仕方が無いのかもしれないが、
全てに於いて物凄く”負”の部分だけを繋ぎ合わせたストーリーになっており、
共感できない部分が多々ありました。
例えば派遣をきられた息子や、仕事が見つからずホームレスになるか
自殺するしかない等、話す若者達。
如何にも社会や会社の理不尽さだけをクローズアップするかの様な件があるが、
仕事が何ヶ月も見つからないなんて事は、その本人にも何かしら問題があるのではないかと思ってしまう。

あと主催の方が進行役として出ていらっしゃいましたが、音響に負け(爆撃音など)
活舌もあまり良くないように思われました。
ジャーナリスト役の方は良かったですね、感情の出し方や抑え方が上手いと思いました。

主催者の方の演劇に対する熱意や人間性が伝わってきたので、
終演後のフリートークには参加して良かったです。
若さ故のがむしゃらさには、かなり好感が持てました。
多分劇だけ観て帰っていたら、良い印象は残らなかったと思います。
ただ、お金を取って観せる以上、その方の熱意や人間性の好感度は
評価には加算しませんでしたので★は二つとさせていただきました。
暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】

ろりえ

nakano f(東京都)

2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

はるばる、
関西から観に行きました。
そして、、良かったです。

小ネタが、所々に混じってて、個人的に好きな感じでした。
女優さんが、それぞれうまいなぁと思いました。

関西にも、またきて欲しいです。


ただ、、、
あの暑いのは、もういいです。

このページのQRコードです。

拡大