幸福な職場 公演情報 劇団 東京フェスティバル「幸福な職場」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    まさに、心に優しいお芝居でした
    この芝居が、コリッチで、とても高評価でしたので、当日券で行って来ました。

    本当に、素敵なお芝居でした。
    私に、こんな素敵な芝居の存在を教えて、楽園に導いて下さった、サーコさん、雨模様さん、みささん、たけさん、バートさんに、心から感謝致します。

    今日、観に行こうかと思って、検索し、5月の公演も好評だった劇団だったとわかり、それならと、急ぎ、下北沢に向かいました。

    本当に、観られて良かった!!素敵な心温まるお芝居でした。
    脚本も良いし、役者さんもいい!!
    なかなか、ない劇団です。

    それだけに、ちょっと残念に思ったのは、この劇団関係者のお身内と思われる方達の観劇マナーの悪さ。と言うより、普段小劇場観劇などあまりなさっていないので、子どものピアノ発表会等のスタンスでの御観劇だろうとは思うのですが、始まりのアナウンスの後、音楽がF・Iしても、大きな声で私語を止めず、舞台が終わっても、観客の余韻を阻害するように、すぐさま、舞台と関係ないおしゃべりを始められるのには、やや閉口しました。
    終演後も、一般客の足を止めるように、出口を塞ぎ、「○○ちゃん、良かったよ」なんて嬉しそうに話されていましたが、この劇団、こんなに素敵なお芝居をなさるのですから、もう、これからは、一般のお客様もどんどん増えるのでしょうし、是非、お身内のお客様に、観劇マナーをそっと、囁いて頂きたい気がしてしまいました。

    ネタバレBOX

    この会社のドキュメンタリーを観ていない私には、もう始まりから、全ての展開が興味深く、本当に、ドキュメンタリーを観るかのように、舞台に、全神経が集中し、特に、大森専務が、知的障害者である、聡美の色の識別はできる点に注目しての、実験場面では、どうか上手く行きますようにと、祈るような気持ちで、舞台の成り行きを見守ってしまいました。

    聡美役をやった古地香織さんの、嘘を感じさせない秀逸な演技には、心から敬服しました。私の周囲には、とてもたくさんの障害者の御家族を持つ家庭があり、私自身も、役員をした幼稚園や学校で、度々、知的障害者の作業所訪問をして、一緒に、作業をした経験が数多くあるので、古地さんは、本当に障害がある方なのかと見紛う程に、障害者の特徴を、ご自分のものにされて、生きた聡美を演じていらっしゃるのがわかり、彼女がいたからこそ、この舞台が、嘘でない世界の構築を成し得たのだと、思います。

    大森さんも、久我さんも、原田さんも、住職さんも、キャスト全員、まるで、本物のようで、本当に、素晴らしい劇団だと、ただただ感服するばかりでした。

    脚本も、奇をてらったりせず、ストレートで、実に、清々しい展開。暗転も、前場面の余韻を感じるのに、程好い時間で、とても効果的な転換でした。
    ストーリーにはそれ程関係のない住職を登場させた点も、この芝居に、人情話的な、温かみのある奥行きを与え、観客のクスっと笑いを誘う意味でも、とても成功していたと思います。

    それだけに、惜しいと感じたのは、聡美を雇用しようと決めた後、大森が、養護施設の佐々木先生に電話して、その旨を伝える場面。あそこだけ、舞台空間を、会社と、養護施設とWで使ったのですが、これは不必要だったと思います。その前に、観客は雇用を決めたことを知らされているので、暗転後は、すぐ、聡美の正式雇用後の場面で良かったのでは?
    終始ドキュメンタリー的だったのに、あの場面だけが芝居じみて感じられ、興を殺いだ感じがありました。

    サーコさんも書いていらしたように、創意工夫をする人がめっきり少なくなってしまった、今の日本社会の現実をちょっと悲しく感じたりもしましたが、今でもこういう人間的な職場が実際に存在することがわかっただけでも、嬉しい体験でした。
    何度も、目頭が熱くなる、本当に、様々な方に目にして頂きたい上質な、温かい舞台作品でした。おススメ下さった方にも、この舞台の関係者の皆さんにも、本当に、感謝したい思いでした。

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    2010/07/25 00:36

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