幸福な職場 公演情報 幸福な職場」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-13件 / 13件中
  • 満足度★★★★

    また観たい
    「こころに優しいお芝居、いかがですか?」の言葉にふさわしい内容でした。
    大不況に見舞われている現代日本。
    健常者でも、働く事に意義を見いだせない若者が数多くいる日本。
    働くとは、社会との関わりとは、他人との関係を築く事の意味とは、様々な事を考えさせられました。
    もう一度観たい作品です

    ネタバレBOX

    テレビのドキュメンタリー番組でも取り上げられた事がある、日本理化学工業の実話を下敷きにされた内容。
    1959年の設定なので私が実際に知る事はできなかった時代ですが、所謂「古き良き日本」の高度成長化時代が時代背景。
    今でこそ、障害者雇用の窓口は多少は広がりましたが、まだまだ知的障害者の雇用は少ないのが現状です。
    50年以上も昔の日本は知的障害者を雇用する企業はなく、彼等は一生働く経験をすることもできず、自分の家か施設に閉じ込められて一生を過ごすのが当たり前だったようです。
    知的障害に対する偏見が今よりも強く、今では放送禁止用語になっている別称を誰もが使用していた時代に、知的障害者雇用に踏み出した日本理化学工業の専務の決断と、辛抱強く頼み込んだ養護学校教諭のお二人の演技に引き込まれました。
    知的障害者の聡美役をやった古地香織さんの、演技も素晴らしかったです。
    どうしても大げさに演じる方が多く、時にはそのあざとさが見ていて不快感すら覚えるような演技をする役者さんもいるなかで、知的障害者の感情の中にある「こだわり」「混乱」「困惑」を見事に表現していたと思いました。

    一回だけ原田が「知的障害者となんか働けるか。介助してたらその分、自分たちの仕事が増える」と反発しますが、同僚の久我の身の上話と説得に合いあっさりと一緒に働く事を認めてしまう。
    放送禁止用語を吐き捨てるように使用していた人が、あまりにもあっさりと引きさがった事に少し拍子抜けしました。
    偏見をもつ人はどの時代にも、どこにでもいます。
    偏見を持って人を判断する人の意見を変えさせるのは、とても難しい事です。
    そう言う意味では、このお芝居に出てくる人はみんな「いい人」な印象しか受けませんでした。

    全体としては90分の中でとてもよく纏まっていて、観終わった後は前向きな気持ちになりました。
    このお芝居を見て思い出したのが、知的障害者の作業所にあった言葉でした。

    「よろこび」
    私たちの職場には
    いろいろな喜びがあふれている

    ものを創る喜び
    中間達とふれあう喜び
    社会の中の一人となる喜び

    どんな形にせよ働くという事を
    社会の中で私が生きている証にしたい
    そんな気持ちで今日もはたらいています


    現在の日本は障害者自立支援法案の元で、働きに行っているのにお金を払わないければいけない理不尽さが発生しています。
    このお芝居を観る事ができて、様々な事を思い出し、考える事ができました。
    何かを感じて考えるきっかけになる、そんな素晴らしいお芝居だと思いました。
    多くの人に観てもらいたいです。
    再演があれば、誘って観に行きたい人がいる、「こころに響く」そんなお芝居でした。
  • 満足度★★★★

    幸福な観劇
    お初の劇団で、どんなテイストか知らないままに観たが、なかなか感動的でちょっとウルッとしてしまった。前評判も高かったので期待していた。その期待を裏切られることは無かった。とくに養護学校の先生を演じた役者さんは見事で、気がついたら感情移入してしまった。この劇団、他の作品も見てみたい気持ちになった。

  • 満足度★★★★★

    よかった
    テーマは障害者雇用についだが、高度成長期の日本で小さな町工場が舞台。
    愛されること・褒められること。役に立つこと・必要とされることが人にとってはもっとも生きがいになる。これは健常者、障害者に関わらず同じである

    専務役の滝さん、採用に積極的だった久我役の高槻さん、障害者役の古地さん、若きエンジニア役の池田さん、住職役の松村さん、そして養護学校の先生役の中村さん、本当にいい芝居をなさっていた。

    心から湧き出る喜びを感じました。どうもありがとうございました。

  • 満足度★★★★★

    まったく予備知識無く観ました
    感動させられました。
    実話ベースで再演ともなると、本当に良く出来ていました。
    働くことって・・・。いろいろ考えさせられました。
    基本的に芝居の視点が、淡々としている気がしました。
    それが現実(場面)の積み重ねで丁寧に進んでいって、
    違和感無く芝居に共感出来ました。

    ネタバレBOX

    障害者役の方は実際の会社まで行かれたそうで、迫真の演技でした。
    普段社会では弱者として、あまり表に出ない障害を持った方々の話を、
    充分に伝えらえた劇でした。
    小道具としてのチョークや箱・シールなども手抜き無く完成度が高く。
    劇場出入り口も上手に舞台として使ってしまう、
    舞台芸術のうまさにも驚かされました。
    社会の時代背景を科白に混ぜて、巧みに観客に伝えるところとか。
    最後暗転でのBGMで時間経過をわからせる流行歌の流れなど。
    なかなか上手にまとめられていました。
    その為珠玉の仕上がりでしたが、コメデイー色は薄かったかな(^^)。
  • 満足度★★★★★

    観てきた
    障害者役の古地香織さんの説得力ある演技とその周囲の人たちの前向きな姿勢に、思わず自分の労働意識を見直させられたり。

  • 満足度★★★★

    じんわり温かく
    前回公演のシチュエーションコメディに高得点をつけ、気になっていた劇団の再演もの。前回公演との違いに驚きつつ、こちらも良かった。
    公演挨拶には、この作品をサザンオールスターズの曲に例えるなら「いとしのエリー」であると書かれていたが、個人的には「希望の轍」であったような気がした。
    いかにも泣かせます、といった恣意的なものは抑えられ、必要最小限の俳優とエピソードでまとめられた分、リアルさに欠ける部分はあったかもしれないが、きちんと伝えたいことが正しく伝わる良い作品。
    明日への希望を感じるじんわりと温かい気持ちになれる舞台。

    ネタバレBOX

    知的障害者という言葉ではなく、偏見の意味を持った言葉が使われていた時代に、彼らと一緒に働く喜びを知った人々を描いた、まじめな題材に真摯に向き合った好作品。
    ただ・・・エピローグシーンが少々突飛な感もあり、頭の中で必死に計算してしまったので、少し感情がついて行かなかったのが惜しまれた。
  • 満足度★★★

    少し物足りなさが・・・・
    内容主旨はいいとわかった上で、作業場の雰囲気作りにもっと工夫が必要。わさわさと煩いパートのおばちゃん達や、意地悪な同僚などの影がどこにも感じられず、あまりにもいい人たちだけの物語になりすぎている。
    50年の歳月の表現では、専務はもっと老けなきゃ50歳の一泰君とあんまり変わらない感じだし、事務所ももう少し近代的にすべきだと思う。
    全体的にいい人たちの物語になりすぎて、現実の人間関係のわずらわしさが伝わらなかったのは残念。

  • 満足度★★★★★

    まさに、心に優しいお芝居でした
    この芝居が、コリッチで、とても高評価でしたので、当日券で行って来ました。

    本当に、素敵なお芝居でした。
    私に、こんな素敵な芝居の存在を教えて、楽園に導いて下さった、サーコさん、雨模様さん、みささん、たけさん、バートさんに、心から感謝致します。

    今日、観に行こうかと思って、検索し、5月の公演も好評だった劇団だったとわかり、それならと、急ぎ、下北沢に向かいました。

    本当に、観られて良かった!!素敵な心温まるお芝居でした。
    脚本も良いし、役者さんもいい!!
    なかなか、ない劇団です。

    それだけに、ちょっと残念に思ったのは、この劇団関係者のお身内と思われる方達の観劇マナーの悪さ。と言うより、普段小劇場観劇などあまりなさっていないので、子どものピアノ発表会等のスタンスでの御観劇だろうとは思うのですが、始まりのアナウンスの後、音楽がF・Iしても、大きな声で私語を止めず、舞台が終わっても、観客の余韻を阻害するように、すぐさま、舞台と関係ないおしゃべりを始められるのには、やや閉口しました。
    終演後も、一般客の足を止めるように、出口を塞ぎ、「○○ちゃん、良かったよ」なんて嬉しそうに話されていましたが、この劇団、こんなに素敵なお芝居をなさるのですから、もう、これからは、一般のお客様もどんどん増えるのでしょうし、是非、お身内のお客様に、観劇マナーをそっと、囁いて頂きたい気がしてしまいました。

    ネタバレBOX

    この会社のドキュメンタリーを観ていない私には、もう始まりから、全ての展開が興味深く、本当に、ドキュメンタリーを観るかのように、舞台に、全神経が集中し、特に、大森専務が、知的障害者である、聡美の色の識別はできる点に注目しての、実験場面では、どうか上手く行きますようにと、祈るような気持ちで、舞台の成り行きを見守ってしまいました。

    聡美役をやった古地香織さんの、嘘を感じさせない秀逸な演技には、心から敬服しました。私の周囲には、とてもたくさんの障害者の御家族を持つ家庭があり、私自身も、役員をした幼稚園や学校で、度々、知的障害者の作業所訪問をして、一緒に、作業をした経験が数多くあるので、古地さんは、本当に障害がある方なのかと見紛う程に、障害者の特徴を、ご自分のものにされて、生きた聡美を演じていらっしゃるのがわかり、彼女がいたからこそ、この舞台が、嘘でない世界の構築を成し得たのだと、思います。

    大森さんも、久我さんも、原田さんも、住職さんも、キャスト全員、まるで、本物のようで、本当に、素晴らしい劇団だと、ただただ感服するばかりでした。

    脚本も、奇をてらったりせず、ストレートで、実に、清々しい展開。暗転も、前場面の余韻を感じるのに、程好い時間で、とても効果的な転換でした。
    ストーリーにはそれ程関係のない住職を登場させた点も、この芝居に、人情話的な、温かみのある奥行きを与え、観客のクスっと笑いを誘う意味でも、とても成功していたと思います。

    それだけに、惜しいと感じたのは、聡美を雇用しようと決めた後、大森が、養護施設の佐々木先生に電話して、その旨を伝える場面。あそこだけ、舞台空間を、会社と、養護施設とWで使ったのですが、これは不必要だったと思います。その前に、観客は雇用を決めたことを知らされているので、暗転後は、すぐ、聡美の正式雇用後の場面で良かったのでは?
    終始ドキュメンタリー的だったのに、あの場面だけが芝居じみて感じられ、興を殺いだ感じがありました。

    サーコさんも書いていらしたように、創意工夫をする人がめっきり少なくなってしまった、今の日本社会の現実をちょっと悲しく感じたりもしましたが、今でもこういう人間的な職場が実際に存在することがわかっただけでも、嬉しい体験でした。
    何度も、目頭が熱くなる、本当に、様々な方に目にして頂きたい上質な、温かい舞台作品でした。おススメ下さった方にも、この舞台の関係者の皆さんにも、本当に、感謝したい思いでした。
  • 満足度★★★★

    良い芝居でした
    知的障害者の雇用問題という難しいテーマを扱いながら、自然に入り込んでいける良い芝居でした。俳優さん達の丁寧な演技にも感服。皆様が書いているように多くの人に観てもらいたいものです。 

  • みんな
    見てほしい。
    出来るだけたくさんの人に見てほしいと思いました。
    よかったです。

  • 満足度★★★★★

    労働という生きがい


    とかく雇用というものは相反することが多い。雇う側と雇われる側には交わることのない主張があるからだ。この物語は働く意欲のある障害者の立場に立って会社側が視点を変えたことで成功した事例だ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX



    物語の前半は説明どおり。一人の教師の熱意によって蒲田理化学工業の専務・大森は障害者の吉岡を職業体験、つまり実習として無給で働いてもらうことに同意するも、まだ迷っていた。法の下の平等は理解しているつもりだが、本当に商品が作れるのか?国が作った受け皿がある以上、福祉作業所で働いたほうがいいのではないか?などだ。

    一方で吉岡は久我と原田のサポートによって楽しそうに働いていた。その働きは実に生真面目で労働を生きがいとしているようだった。特に久我は自分の妻が熊本出身であったことから生まれてくる子供が水俣病なのではないかと懸念していたのもあって、他人事ではなく親身にサポートしていたのだった。そして久我は吉岡を従業員として雇用してくれるように大森にかけあい、こんなに楽しそうに働く吉岡を障害者というだけで社会から隔離していいのか・・、と交渉する。

    その熱意にほだされた大森は吉岡を雇ったものの、ある日、久我と原田の留守に吉岡の働きぶりを確認してあまりにも仕事の能率が悪いことを目の当たりにするのだった。ここで大森はひどく落胆し吉岡を雇ったことを後悔するも吉岡の色に対する識別からヒントを得て吉岡に合わせた視点で取り組んで成功する。

    こうして蒲田理化学工業は次の年も障害者を受け入れ急成長するのである。

    この物語に登場する住職に吐かせるセリフが素敵だ。
    「人間の究極の幸せは働くこと。生きることで必要なものは、4つある。それは
    ①愛されること。
    ②人に褒められること。
    ③人の役にたつこと。
    ④人に必要とされること。
    ①は両親から得られるけれど、あとの三つは働くことを通じて得られるものだ。この職場には人間の幸せが詰まっている。


    ああ、やっぱ労働はいいなー。そういえば、働いてる人ってキラキラしてるよね?ガンバって働いて稼いでエンゲキ観よう!そう思わせてくれるお芝居だった。途中、何度もウルウル(;;)して観てた。キャストらの演技力は勿論のこと、本が素敵だ。
    そう、ワタクシ達は素晴らしい芝居を観て、明日も頑張ろうって気持ちになれる。ワタクシにとってエンゲキは必要不可欠な生きがいだ。

  • 満足度★★★★★

    温かい気持ちになりました!!
    養護学校の生徒が出てきたころからジーンときてしまいました!!

    ネタバレBOX

    素晴らしい演技でした。

    仕事に人間が合わせるのではなく、人間に仕事を合わせることで解決できることがある。優しい考え方に賛成!

    少子化や電子黒板の影響でチョークの需要はじり貧だと思っていましたが、ガラスに書ける新商品があったなんて驚きでした。

    昭和34年、私もあれで南海ファン、杉浦ファンになりました。ところで、あれから50年、生まれたばかりの息子も50歳、それがあんなにもさーっとした動きをするなんて!!??

    若い俳優さんで、中年のことが分からないかもしれませんが、周りの50歳を見てください。あんな人いませんよー!!

    もうひとつ気になったのが、黒衣・白足袋のときに履く草履です。私のイメージでは白い(鼻)緒だったので黒い(鼻)緒に違和感を覚えました。今、一休さんのコマーシャルが流れていますが、やはり白い(鼻)緒です。
  • 満足度★★★★★

    この50年で日本人が失ったもの
    考えさせられました。やさしさとか謙虚な心とか、いろいろありますが、この芝居を見て思ったのは、発明とまでは言えない日々の生活の中のちょっとした創意工夫、誰に教わるでもなく持っていた生きていくための知恵みたいなものが失われたなと感じました。あまりに豊かになりすぎて考えなくなったのか。。。そのささやかな知恵と工夫の積み重ねが日本を作っていたのでは。。。たくさんの人に見てほしい芝居ですが、あまり大きな劇場で上演してほしくもないのでぜひ「楽園」に行ってください。

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