幸福な職場 公演情報 劇団 東京フェスティバル「幸福な職場」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    労働という生きがい


    とかく雇用というものは相反することが多い。雇う側と雇われる側には交わることのない主張があるからだ。この物語は働く意欲のある障害者の立場に立って会社側が視点を変えたことで成功した事例だ。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX



    物語の前半は説明どおり。一人の教師の熱意によって蒲田理化学工業の専務・大森は障害者の吉岡を職業体験、つまり実習として無給で働いてもらうことに同意するも、まだ迷っていた。法の下の平等は理解しているつもりだが、本当に商品が作れるのか?国が作った受け皿がある以上、福祉作業所で働いたほうがいいのではないか?などだ。

    一方で吉岡は久我と原田のサポートによって楽しそうに働いていた。その働きは実に生真面目で労働を生きがいとしているようだった。特に久我は自分の妻が熊本出身であったことから生まれてくる子供が水俣病なのではないかと懸念していたのもあって、他人事ではなく親身にサポートしていたのだった。そして久我は吉岡を従業員として雇用してくれるように大森にかけあい、こんなに楽しそうに働く吉岡を障害者というだけで社会から隔離していいのか・・、と交渉する。

    その熱意にほだされた大森は吉岡を雇ったものの、ある日、久我と原田の留守に吉岡の働きぶりを確認してあまりにも仕事の能率が悪いことを目の当たりにするのだった。ここで大森はひどく落胆し吉岡を雇ったことを後悔するも吉岡の色に対する識別からヒントを得て吉岡に合わせた視点で取り組んで成功する。

    こうして蒲田理化学工業は次の年も障害者を受け入れ急成長するのである。

    この物語に登場する住職に吐かせるセリフが素敵だ。
    「人間の究極の幸せは働くこと。生きることで必要なものは、4つある。それは
    ①愛されること。
    ②人に褒められること。
    ③人の役にたつこと。
    ④人に必要とされること。
    ①は両親から得られるけれど、あとの三つは働くことを通じて得られるものだ。この職場には人間の幸せが詰まっている。


    ああ、やっぱ労働はいいなー。そういえば、働いてる人ってキラキラしてるよね?ガンバって働いて稼いでエンゲキ観よう!そう思わせてくれるお芝居だった。途中、何度もウルウル(;;)して観てた。キャストらの演技力は勿論のこと、本が素敵だ。
    そう、ワタクシ達は素晴らしい芝居を観て、明日も頑張ろうって気持ちになれる。ワタクシにとってエンゲキは必要不可欠な生きがいだ。

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    2010/07/23 17:58

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