幸福な職場 公演情報 劇団 東京フェスティバル「幸福な職場」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    また観たい
    「こころに優しいお芝居、いかがですか?」の言葉にふさわしい内容でした。
    大不況に見舞われている現代日本。
    健常者でも、働く事に意義を見いだせない若者が数多くいる日本。
    働くとは、社会との関わりとは、他人との関係を築く事の意味とは、様々な事を考えさせられました。
    もう一度観たい作品です

    ネタバレBOX

    テレビのドキュメンタリー番組でも取り上げられた事がある、日本理化学工業の実話を下敷きにされた内容。
    1959年の設定なので私が実際に知る事はできなかった時代ですが、所謂「古き良き日本」の高度成長化時代が時代背景。
    今でこそ、障害者雇用の窓口は多少は広がりましたが、まだまだ知的障害者の雇用は少ないのが現状です。
    50年以上も昔の日本は知的障害者を雇用する企業はなく、彼等は一生働く経験をすることもできず、自分の家か施設に閉じ込められて一生を過ごすのが当たり前だったようです。
    知的障害に対する偏見が今よりも強く、今では放送禁止用語になっている別称を誰もが使用していた時代に、知的障害者雇用に踏み出した日本理化学工業の専務の決断と、辛抱強く頼み込んだ養護学校教諭のお二人の演技に引き込まれました。
    知的障害者の聡美役をやった古地香織さんの、演技も素晴らしかったです。
    どうしても大げさに演じる方が多く、時にはそのあざとさが見ていて不快感すら覚えるような演技をする役者さんもいるなかで、知的障害者の感情の中にある「こだわり」「混乱」「困惑」を見事に表現していたと思いました。

    一回だけ原田が「知的障害者となんか働けるか。介助してたらその分、自分たちの仕事が増える」と反発しますが、同僚の久我の身の上話と説得に合いあっさりと一緒に働く事を認めてしまう。
    放送禁止用語を吐き捨てるように使用していた人が、あまりにもあっさりと引きさがった事に少し拍子抜けしました。
    偏見をもつ人はどの時代にも、どこにでもいます。
    偏見を持って人を判断する人の意見を変えさせるのは、とても難しい事です。
    そう言う意味では、このお芝居に出てくる人はみんな「いい人」な印象しか受けませんでした。

    全体としては90分の中でとてもよく纏まっていて、観終わった後は前向きな気持ちになりました。
    このお芝居を見て思い出したのが、知的障害者の作業所にあった言葉でした。

    「よろこび」
    私たちの職場には
    いろいろな喜びがあふれている

    ものを創る喜び
    中間達とふれあう喜び
    社会の中の一人となる喜び

    どんな形にせよ働くという事を
    社会の中で私が生きている証にしたい
    そんな気持ちで今日もはたらいています


    現在の日本は障害者自立支援法案の元で、働きに行っているのにお金を払わないければいけない理不尽さが発生しています。
    このお芝居を観る事ができて、様々な事を思い出し、考える事ができました。
    何かを感じて考えるきっかけになる、そんな素晴らしいお芝居だと思いました。
    多くの人に観てもらいたいです。
    再演があれば、誘って観に行きたい人がいる、「こころに響く」そんなお芝居でした。

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    2010/08/18 17:50

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