
モダン・ラヴァーズ・アドベンチャー
架空畳
テアトルBONBON(東京都)
2010/07/24 (土) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
満足度★★★★
秩序正しく妄想催す。
身体における物理的なスピード感やら受け止めきれないほどに多すぎる圧倒的な語彙数なんかを豪雨のように浴びせられ、シーンが移り変わるごとに二乗三乗が無邪気にステップを踏みながらリズミカルに積み上がっていくようにめまぐるしく変容していく物語は、果たして正解があるものなのかすら危うい難解な数式を解くように常時追われている、そんなどうしようもない感覚に囚われたのだが、台詞のすべてが耽美で幻想的な小説のように詩的で恍惚させられた。
ねじれたアイデンティティを具象化したような大胆な舞台構造も異端な世界に花を添えていた。
『本筋がメタメタ』な物語をテクストが破綻しているとみるか否かによって評価は割れそうだが、個人的には支持したい。

百年時計【公演終了!】
声を出すと気持ちいいの会
演劇スタジオB(明治大学駿河台校舎14号館プレハブ棟) (東京都)
2010/07/24 (土) ~ 2010/07/28 (水)公演終了
身体性と言語性
既視感とシンクロする身体性、伏線としての「動き」が物語を追うごと解き明かされていく感覚。と同時に、言語に対する美的感性に優れている。幻想的で高潔な耳障りの良いその台詞は、観客の想像力を刺激する。期待していた舞台美術も美しい。転換の多い芝居を効果的に支えていた。
役者でひときわ映えていたのは鈴木由里さん。圧倒的に自分と世界とを馴染ませることに成功しており、一番自然に溶け込んでいた。声も他の役者と被ることなく特徴的で聞き分けが出来るいい声だった。
また、個人的に石綿大夢さん演じる役のエピソードに大いに心掴まれたので、その時の真っ直ぐと前だけを見つめる大夢さんの目が印象に残った。
難を言えば、ヴィジュアル的演出には長けていたものの、人物を深く描き出しまた掘り下げていく力に欠けていたのではないか。これでは「世界」を見せつけているだけであり、複雑に絡んでいる物語が理解されないことにはこの作品の印象が薄れてしまう。一つ一つのエピソードに社会性が感じられ、伝わらないのは損だからこそ、それは非常にもったいないと思う。
「伝えたい物語」は人物の内面部分にもっと眼をやることで、観客をも当事者としてその物語の中に引きずり込むことが出来、きっと心を揺さぶるパワーを持ったことだろう。
何にせよこの劇団が外小屋で芝居を打つときが楽しみ。

反重力エンピツ(再演)
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
満足度★★★★
反重力エンピツ2010版
初演と男女の役者比率が違うので性別が変更となるキャラもいたが、初演を知っていても違和感ない仕上がりになっていました。
再演というより、反重力エンピツ2010版と言ってもいい出来です。
役者のパワーというか魂を感じられました。
初演を観た方も、観なかった方も是非に観ていただきたいです。

北と東の狭間
JACROW
サンモールスタジオ(東京都)
2010/05/07 (金) ~ 2010/05/16 (日)公演終了
満足度★★★★
リアルな物語
ホステスたちのスナックでの振舞い、客との会話、そして犯罪はなかなかリアルに描けていたと思います。
ホステス役の女優陣の中国語もなかなかでした。(完全に発音があってるかどうかは微妙ですが)

KIND
劇団伍季風 ~monsoon~
アイピット目白(東京都)
2010/05/01 (土) ~ 2010/05/04 (火)公演終了
満足度★★★
そこそこ
チラシからだと、1000万円の宝くじを巡るドタバタ劇かと思っていたら、そうじゃなっかた。
過労で入院した男が、癌が発覚したことにより、家族の絆を取り戻すお話かな。
そこそこは面白かったかな。
ただ、家族間がギクシャクしてるのはわかるが、ギクシャク間だけでいきなり離婚を切り出されても、観客はそれだけでは?となるのでは。もう少し離婚に至る経緯を導入したほうがよかったのでは。
また、看護士である長女が父親に癌告知をするのだが、家族は別に出て行かなくてもよかったのでは?(結局病室のすぐ外で聞いてたし)

反重力エンピツ(再演)
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
満足度★★★★
昔懐かしい演劇テイストでした
ずっと気になっていた劇団。15ミニッツメイドで、ちょっとがっかりしたので、あまり期待せずにまいりましたが、とても、興味深く、見入ってしまいました。
大変、面白かったと思います。
構成が、とても秀逸で、次の場面に期待を繋がれたまま、2時間があっという間な感じでした。
役者さんと役名が同一なのも、わかりやすくていいし…。
加賀美さん、坂本さん、ハマカワさん、藤尾さん、堀さんが、特に印象に残りました。
ちょっと哲学的で、スタイリッシュな芝居。何時もいつも観たいタイプの作品ではありませんが、たまには、こういうのもいいなあと思いました。
何しろ、自分の年齢を忘れて観られましたから…。
若い気分になれて、久しぶりに、学生時代を思い出してしまいました。

天才バカボン
男子はだまってなさいよ!
本多劇場(東京都)
2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

蟹
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2010/07/16 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
満足度★★★★
桟敷童子初見。行って良かった!!
前から気になっていた劇団。あともうひとつの機会がなく、観劇を見送っていたけれど、Corich メンバーの絶賛のコメントを見て、決心しました(笑)。ホント行って良かった。作りこまれた独特の濃い世界観は、劇団という枠組みで芝居創りを続けるならではの味。そして池下重大さん。まだ若いのに立ち姿だけでロマンやら哀愁やらその他人生の苦い味だったりを醸し出せる俳優は稀有な存在だと思います。今回はCorich に感謝!

『シュウちゃんの知らない津軽 SEI HOKU GO!』
渡辺源四郎商店
青森県総合社会教育センター(青森県)
2010/07/25 (日) ~ 2010/07/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
期待以上に!
期待以上に立体的な「リーディング」になっていた。役者の方たちが、実に気持ちよさそうに演じて(リーディング」いて、それが観客にストレートに伝わってきた。三上陽永さんは始めて観る役者だったが、これからも期待と共に応援したい。楽しみな俳優。
役者としての畑澤誠悟さんは今回はある種の風格を見せ、工藤由佳子さんははますます達者にして美しい。三者三様の巧さが観客をひきつけた。
三味線、シンセの音組、照明のチームワークの良さなど、隣席の女性が「素晴らしくてコトバがない!」叫んでいたことに代表される。すばらしかった!。
主催の近代文学館に感謝。

東京ノート
BeSeTo演劇祭
新国立劇場 特設会場(東京都)
2010/07/02 (金) ~ 2010/07/17 (土)公演終了
満足度★★★★★
よく作りこまれた、美しい芝居でした
紛れもない名作。今回は新国立劇場メインホールの大階段を背景に据え、客席から見ると舞台奥がせりあがっていく構え。この大階段を青年団の役者がゆらゆら歩くのですが、これが美しかった。天界を天上人が散策するみたい。舞台の視覚的な美しさと、そしてもうひとつは芝居のアンサンブルの美しさ。静かな海を思わせる破綻のない流れるような芝居が続く中に、ふと挿入される破れ目。そこから生きることの意味を見出そうともがく登場人物の葛藤が垣間見えました。これぞ演劇。

椿版『天保十二年のシェイクスピア』
椿組
花園神社(東京都)
2010/07/16 (金) ~ 2010/07/25 (日)公演終了
満足度★★★
エネルギーの塊
と言うような舞台でした。
役者さん皆さん汗をたっぷりかきながらの熱演で
観ていて清々しい演技。
休憩中なども、お客を楽しませようとしているのが◎
歌あり踊りあり殺陣ありで野外劇の醍醐味といったセットや
演出で見どころはたくさんありました。

『シュウちゃんの知らない津軽 SEI HOKU GO!』
渡辺源四郎商店
青森県総合社会教育センター(青森県)
2010/07/25 (日) ~ 2010/07/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
津軽の文学が生まれ変わった
津軽の文学は、ダザイだけじゃない。暗い・重い・悲しいだけでもない。こういう舞台にしたら、きっとイメージが変わる。脇を固めるシンセの盛さんと津軽三味線の下山さんの伴奏が耳にじーーんと残った。また、三上陽永さんが舞台を生き生きと動かしていた。俳優のオーラに包囲されて、息がつけない1時間ちょっとだった。

僕の東京日記
劇団伊達組
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
脚本の力
さすがだと思った。社会の力とそれに翻弄される個人が、愛おしく描かれていた。役者も素敵な方ばかりだった。若いテンション高いネタがふんだんに盛り込まれた劇ばかり見ていたので、新鮮で心に響くものがあった。

百年時計【公演終了!】
声を出すと気持ちいいの会
演劇スタジオB(明治大学駿河台校舎14号館プレハブ棟) (東京都)
2010/07/24 (土) ~ 2010/07/28 (水)公演終了
満足度★★★
期待しすぎたかも・・・
「百年時計」というタイトルから物凄く期待して観たのだけど、自分の理解力が足らないためか、全体の構成がわかりにくくて感動にはいたらず、あまり楽しめなかった。
音楽と、俳優たちの動きはとても良かったと思う。「声きも」は、自分の中ではいまだ「黒猫」を超える作品に出合っていない。あの斬新な演出法に大いに期待したのだが。
何度もこの会場で芝居を観て来たが、今回はなぜかとてもカビ臭くて気分が悪くなってしまった。

モダン・ラヴァーズ・アドベンチャー
架空畳
テアトルBONBON(東京都)
2010/07/24 (土) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
満足度★★★★
濃厚な言葉遊び
抽象的な実験作で、言葉についていくだけで大変。全部をデコード出来た自信は全くないが、言葉遊びはとても刺激的で面白かった。濃いコーヒーを飲んで頭をスッキリさせてから会場に行ったのは正解だった。

暖かそうな場所 【ご来場ありがとうございました。次回は12月クリスマス】
ろりえ
nakano f(東京都)
2010/07/22 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了
満足度★★★★
女子4人
暑い熱い力を感じました。みみみが全体的にツボ。普通に考えたら重い設定だが、わざとチープな笑いを取り入れることで真正面からぶつかることは無かった。だが背後から飛んでくるほうが怖いと思った。

『枯れるやまぁ のたりのたりと まほろばよ あぁ悲しかろ あぁ咲かしたろ』
AND ENDLESS
シアターX(東京都)
2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
導入が。
難しいかも知れません。
私のようなドレ中(アンドレ中毒)な人には
たまらない物があると思うのですが、
慣れていないとかなり辛いかも知れません。
何を言いたいのか。どうしたいのか。
人物の繋がりや背景、時間軸が相変わらず
奇々怪々です。(笑)
ここで我慢してもらえれば、
ここを乗り切れば(笑)
見えてくるものがあるはず。
今回も千田さんの照明が冴え渡っております。
セットもなかなかの趣向です。
役者陣もしっかりとまとまっています。
暗転が多いですが「飽きさせない努力」を
買いたいと思います。
賛否両論の出そうな予感がしますが、
観て欲しいと思う芝居です。
石川五右衛門と豊臣秀吉。その時代背景を
予習して行かれるとより楽しめると思います。
![[※25日(日)13:00追加公演決定!!] 脳内TRIPアルゴリズム!!](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/153/stage15370_1.jpg)
[※25日(日)13:00追加公演決定!!] 脳内TRIPアルゴリズム!!
オッセルズ
シアター711(東京都)
2010/07/21 (水) ~ 2010/07/26 (月)公演終了
満足度★★★★
暑気払いに最適
前回の公演は番外企画ともいえるバー公演だったので、新作を並べた今回の公演をとても楽しみにしていた。
「VACATION!」の曲が流れ、暑気払いにちょうどよい企画で楽しめた。コメディやコントが好きなCoRichメンバーにもオッセルズを気に入る人がきっといるはずと確信していたが、実際、初めて観て楽しめた人もいたようで、ファンの一人として今後リピーターが増えていくといいなーと思っている。

くちづけ
東京セレソンデラックス
シアターサンモール(東京都)
2010/07/07 (水) ~ 2010/08/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
予定通り
しっかり泣いてきました。笑って泣けて、すっごくベタな展開なのに最後にはっとさせられる。セレソンの底力を見させていただきました。宅間さんはいつもより控えめ、加藤さん金田さんの芝居が圧巻でした。この公演で一段落とのことですが、次回も楽しみにしています。
![[※25日(日)13:00追加公演決定!!] 脳内TRIPアルゴリズム!!](https://stage-image.corich.jp/img_stage/m/153/stage15370_1.jpg)
[※25日(日)13:00追加公演決定!!] 脳内TRIPアルゴリズム!!
オッセルズ
シアター711(東京都)
2010/07/21 (水) ~ 2010/07/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
めちゃめちゃ面白いやんかぁああ!(^0^)
全く好みのコメディ。今年一番のヒット!いあいあ、追加公演するのも解る。冒頭でキャストの紹介があるけれど、この方法は物凄く利がある。解りやすい。
舞台は確かに無駄なエネルギー溢れるコメディだけれど、大声出して笑った、笑った!!オムニバスという説明だったけれど、コマが全て繋がってる。物語はオッセリア島に社員旅行に行った社員らの風景。
以下はネタばれBOXにて。。