最新の観てきた!クチコミ一覧

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ペン

ペン

劇団NLT

俳優座劇場(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/08 (水)公演終了

満足度★★★★

いってきました!
龍馬伝で活躍中の松村良太さんが出ているので観に行きました。
やっぱり上手。松村良太さんが出て来ると舞台が一気に華やぎます。
松村さんをもっと観たかったです。

飛ぶ劇場『睡稿(すいこう)、銀河鉄道の夜』

飛ぶ劇場『睡稿(すいこう)、銀河鉄道の夜』

NPO法人FPAP

ぽんプラザホール(福岡県)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

見え方が違った
昨年の北九州プレビュー公演と脚本は同じだということでしたが、ずいぶん違って見えました。

ネタバレBOX

寺田カムパネルラになることで、ジョバンニとの友情は一層せつなく胸キュンキュン。物語を最後まで知っているせいか、"死"につながるセリフが心に響きました。
お気に召すまま

お気に召すまま

子供のためのシェイクスピアカンパニー

J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)

2010/09/05 (日) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

ロザリンドすごすぎ
お約束の黒い帽子とマント、ハンドクラップ、木製のいすと机の簡素なセット。原作のおもしろさを損なわない見事な脚本、そしてイエローヘルメッツ。客席は老若男女多彩。親子三代で楽しめるこのシリーズ、客席の子供は「わかんないけど面白いよ」と言ってました。おとなの私もおんなじ感想です。

ネタバレBOX

ロザリンドが提案する"恋愛ゲーム"はかなり無茶。シェイクスピア時代同様に若くて美しい少年が演じるのを観てみたいなぁ。
衛星放送に殺意を、

衛星放送に殺意を、

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

持ち腐れ
独特の世界観で展開する割に、演出面のこだわりに欠けるような印象を受けました。細かい部分は熱量でカバー、みたいな。
そのため、ところどころ面白い着想だなと思う部分もあったのですが、最後まで乗り切れなかったです。観客を置いていくのが狙いだったのでしょうか。

また、露骨に下手な人がメインの役どころで、その人が出てきて台詞を言うたびに(何言ってるかよくわからないのですが...)ストレスを感じました。世界に入り込めない理由はそれが大きかったように思います。
他所で活躍してる役者さんがいっぱい出てるのに、こういう結果になるのは?でした。

Disney's MY SON PINOCCHIO Geppetto's Musical Tale

Disney's MY SON PINOCCHIO Geppetto's Musical Tale

Seiren Musical Project

早稲田大学学生会館(東京都)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★★★

やっぱり面白かった。
役者陣はとても一生懸命で、楽しそうで、観劇後はとても楽しい気持ちになりました。
観終わった帰り道に楽しい気分になれる舞台は、それだけでも価値があります。
もちろん内容もよかったです。

ネタバレBOX

ディズニーの『ピノキオ』を下敷きにして、ピノキオを生みだした親のゼペットの視点から描かれた物語。
そもそもの下敷きに『ピノキオ』があり、ディズニーのアニメも見た事があるので話の展開に劇的なものはありませんでしたが、

よく消化してあり、解り易く纏め上げられていたように思います。
最終的な着地点には、少し教訓的なあざとさが気になってしまいました。

役者陣は歌も踊りも、そうとう練習したのが伝わってくるような堂々とした立ち姿。
個人的にはストロンボリとボンラガッツォ教授が目を惹きました。
特にストロンボリは一人で長い尺を請け負って、観客を見事に引き込んでいて、思わす引き込まれる演技が印象的でした。

このSeiren Musical Projectは舞台に立つ役者だけでなく、裏で支えるスタッフがとてもしっかりしていて凄く好感が持てます。
音響、照明、衣装はもちろん、誘導スタッフもきちんと仕事をこなしていて、本当に学生なのかと感心してしまいます。
この中から今後も舞台に関わる方が何人いるのかは解りませんが、この舞台を作り上げた人達はとても素晴らしいと思いました。
生のひと 生いがいのひと

生のひと 生いがいのひと

元東京バンビ

OFF OFFシアター(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★★★

緩くておバカな狂想曲
妹・愛は恋人との同棲生活にトキメキを感じなくなって、姉の経営する「スナック・さわこ」に転がり込む。しかし、さわこの恋愛感覚はとんでもなく大胆に男と見ればエッチをしちゃう野獣のようだった。笑


以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

さわこの現在の男遍歴は安岡力也風の男だったり、店員だったり、幼馴染の別府だったりする。二股三股は当たり前!自分を愛してくれそうな男なら誰でも良いなんて捩れた渇望する愛だった。

しかし、さわこのこの恋愛狂想曲にはさわこの幼い頃の生い立ちが関係していた。それは、愛が再婚相手の義母の連れ子だった為、さわこの父は実子でない負い目から愛ばかりを異常に可愛がったのだった。幼い頃から実父の愛情に飢え、誰からも愛されてないと感じていたさわこは父親の愛情を埋めるために男に走っていたのだ。

しかし、屈折した愛を持ち、簡単に男とエッチしてしまうさわこに対して真剣に恋愛する男は居ない。結局、誰からも愛されてないのだが、それでもさわこは独自の恋愛の定義をぶちかまし、意気揚々と男を狩るのだった。笑

登場するキャストらのキャラクターがホント面白い。釜風味あり~の、顔のでかい小さな巨人あり~の、なんだか動物ランドみたいなナリだ。笑)

それでも、さわこと別府との恋愛は「なんとなく付き合って、なんとなく結婚して、なんとなく子供を生んで、幸せな家庭をつくろうよ。」なんてセリフから、おお~、上手くいくんじゃないの?!なんつーて応援したくなったけれど、別府も旅人のようにさわこから離れてしまう。

結局薬局、妹の愛だけは地道に恋人と結婚するようだが、さわこはこのまま狂想曲するのだった。笑
さわここと、しまさきまちこのコミカルさが素敵だ。彼女のキャラクターがあったからこそ、この物語に色鮮やかになった。更に何言ってるのか解らない力也のキャラクターには大笑いした。

とんでもなくバカバカしくて楽しい舞台だった。

Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★

意欲作ですが、苦手でした。
初めて拝見しました。
セットや見せ方の表現、照明の使い方など、成島さんの演出力に唸らされる舞台でした。
佐藤みゆきさんは、やはり魅力的な役者さんですね。

完成度は高く意欲的ですが、
ただ、私にはニガテでした。

ネタバレBOX

蛍のシーン、潰すのは表現的にまぁ許容できますが、
セロテープが本当に本当に無理。
お芝居で初めて目を背けました。

あと…浴衣の着付が最低です。
早替えがあってあれではなく、終始あの浴衣姿なら、もう少し綺麗に着ていただきたかったです。後半の着崩れは致し方ないにしても。
衛星放送に殺意を、

衛星放送に殺意を、

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

とにかく疲れる
Deepな芝居は観てて飽きないけれど、とにかく疲れる。睡魔と戦いながら、2時間耐えきりました。もう少し観客に優しいといいな。

ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】

ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】

Minami Produce

小劇場 楽園(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

ちょっと困惑
丁寧に作られていて、観てて飽きないけれど、なんとなくつかみどころがなく、平坦な気がします。自分の感性の問題かな。

Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

「日常」と「非日常」
「日常」のように見え、実はかなり「非日常」的精神状態な登場人物たちが登場するわけですが、個人的にはあまりにその抱える「非日常」が見え無さ過ぎてチョット乗り切れませんでした。例えばなんですけど「今日生まれて初めて万引きをするぞ!」という決心をしてる人って、かなりのドキドキ感に溢れてると思うんですよね?この作品の登場人物たちはもっともっとデカく、危険な事を考えていたハズなのに、あまりにも呑気というかなんというか…。「罪の意識のなさ」「罪の価値観」みたいなモノがテーマにあるのかもわかりませんが、だとしたら逆にもっと狂気に感じてしまってもいいのかな~とか。悪い事を悪い事って思わないでやる人って、なんか怖いじゃないですか…。スピーカーから出る低音にあおられた様な気もしてちょっともったいないような。まだこゆび侍さん初見でしたので、また観ます!

The Bando-Wanderer ~無稽・将門

The Bando-Wanderer ~無稽・将門

劇団BOOGIE★WOOGIE

SPACE107(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★

その後半のエネルギーを、もっと前半にも!
SPACE107という、普段足を運ぶ劇場よりやや広い空間…そこで繰り広げられる殺陣アリのド派手な芝居…!いつもとはヒトアジ違った期待をして出かけたのですが…う~ん…前半がちょっとけだる過ぎました…。声の小さい役者さんが何人かいらっしゃたりもしまして、正直ちょっとストレス。さらに期待していた殺陣にもあまり迫力が感じられずにアラアラどうした…。ただ、ガッカリし気味な気分の中で迎えた後半戦、こちらは勢いがありました。主役級の人達の殺陣はさすがにカッコいい!そして強めのセリフが多かったせいもあるでしょうが、前半感じた「聞こえづらい」ストレスも感じる事なく、スピード感もあってなかなか楽しめました。せめてオープニングだけでもこのエネルギーを見せてくれていたら、もうちょっと引き込まれたんじゃないかなぁ。ちょっと残念。

ラジオのちから

ラジオのちから

X-jam

「劇」小劇場(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度

ラジオのちからの怖さ
物語はマスメディアの傲慢さと無神経さが感じられて後味が悪い。人の悪意を汲み取ることができない人間の「心」を弄んだラジオ局の人間の行為は、彼女の「肉体」を弄んだ社長さんとまったく同罪である。生BGMと芝居というぜいたくな企画に、こんな薄っぺらな物語とは情けない。

渡り鳥の信号待ち

渡り鳥の信号待ち

世田谷シルク

サンモールスタジオ(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★★

初シルク
今まで見たことないので他の作品もこういう作風なのか、わからないがちょっと想像と違っていた。が、独特のテイストで引き込まれたから、個人的に嫌いではない。ただ、惜しいのは音楽とセリフがカブってしまい、何を言っているのか聞き取りにくい場面が数回あったこと。帯金ゆかりさんは輝いていた、というか存在感があってオーラが出ているように見えた。個性があってなかなかいい女優さんだと思う。

衛星放送に殺意を、

衛星放送に殺意を、

ハイバネカナタ

劇場MOMO(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

熱演
ハイバネカナタ初見です。せりふが機関銃のように乱射され、息つく暇がないという濃い芝居でした。脚本、演出とも服部紘二さん。これが妙にしっくり来た。どこがいも白かったのか今振り返るとわからないが、観ていたときには芝居に吸い付けられました

ビリーバー

ビリーバー

シーエイティプロデュース

世田谷パブリックシアター(東京都)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

科学や宗教ではないファンタスッチクな話
主人公はサンタクロースの存在を信じる科学者。

主人公役は勝村政信さん、これが実にいいはまり役でびんびんオーラを投げかけてくる。奥さん役の草刈民代さんこれもまたいい。息子役の風間俊介さんも純真な息子役を公演。川平慈英さんは安心してみていられる。

役者さんもすばらしかったが、演出も見事であり、世田谷パブリックシアターの大きな空間を余すことなく使い切っていた。この劇場は天井が高いのでゆったり感があり、照明の使い方もよかった。ピアノの生演奏もあり劇にふくらみをもたらしていた。ああ実に面白かった

ぺてんばなし

ぺてんばなし

トム・プロジェクト

本多劇場(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

ホームドラマかと思いきや
話は二転三転展開しあっという間に話が変わってしまう。高橋長英さん、モト冬樹さん、山田まりやさんと味わいのある役者が個性を発揮

ラバーソウルラバー

ラバーソウルラバー

MASTER:D

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

素敵な空間でした!
とても好きな作品でした!
笑い有りシリアス有りで、色々な愛を感じられたお芝居です^^*

夏の夜の夢

夏の夜の夢

NPO法人FPAP

ぽんプラザホール(福岡県)

2010/08/27 (金) ~ 2010/09/01 (水)公演終了

満足度★★★★

目指した場所は間違ってない。
「とにかく分かりやすいように作ることを心がけた」とアフタートークで後藤香さんの言葉として聞くことができて、嬉しかった。
それで良かったんだ、と感じた。
高校生の頃、初めて演劇を観た時の、引き込んでくれるような感覚を思い出せた。
まだ全く演劇に触れたことが無い人にこそこの舞台を観てほしかったな。
入り口としては最高じゃないか。

ネタバレBOX

もちろん「分かりやすさ」の代償に斬新な試みはほとんど挟み込めなかった様子で、それは福岡じゅうの劇団からメンバーを集めたこともあって、実際の倍ぐらい稽古期間がなければ叶わなかったのだろうけれど、クリエイターズクリエイトを期待して行った人にはやや薄味だったかもしれない。

基本的には芸達者な役者が集まってるんだけど、比率で言えば女優陣のほうが活躍できていたなぁ。
決して大きな役割ではないにしても、4人の精霊達の中では峰尾かおりさんと山下キスコ嬢がしっかり存在感を示していたのに対し、残りの男性陣はこじんまり。
職人たちのパートでも、“あの”小沢健次氏がいるにもかかわらず、本来は男性俳優の役どころであるにもかかわらず、笹本順子さんの暴れっぷりこそが全てを支配していた感があった。
妖精パックの杉山英美さんは言わずもがな。
タイターニアの濱崎留衣さん、ヒポリタの坪内陽子さんもさすが、と感じた。

もちろん他のキャスト達にだって見せ場はあって、可能なら「露出狂」(柿喰う客)の時みたいに一人一人書き上げたいところだけど、今回はさる事情により抑えさせて戴く。

やっぱ、演劇人は「観客」の方を向いててほしい。
「同業者」や「身内」や「うるさ方」のために作るのは視野が狭まってしまってどうにもいけないし、「自分(たち)」のためにしか作ってないのはもう作品ですらない。

この祝祭劇は久しく「観客」の方を向いててくれた公演だと思う。
少なくとも、高校生の頃「観客」だった僕が覚えた感動は呼び覚ましてくれたんだから。
東京アメリカ

東京アメリカ

範宙遊泳

STスポット(神奈川県)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★★★

内幕を踏み台にした世界
まあ、観客ですから、
お芝居を作る世界の現実は
わからないのですけれど。
一つずつのシーンにきちんとした色があって
がっつりと取り込まれた気分でいたら・・。

それだけではない後半の世界にこそ
本当に取り込まれてしまいました。

実にしたたかな作品かと思います。

ネタバレBOX

冒頭から積み上げられていく
劇団のけいこ場風景。
純粋な観客の私が観ても
がっつりとおもしろくて・・・。

作品を作り上げていく発想に
薄っぺらさとべたさがあって、
でも、それが貫かれることによって
ある種の世界がちゃんと劇中劇のピースに現れる。
主宰や劇団の個々のロールのデフォルメ(ですよね?)に加えて
そこに現れる、ある種のシュールさが
凄く良い。

なんだろ、人物描写に
役者の力が
ぞくっとくるほどに伝わってくる。
戯画化されたような
それぞれのキャラクターの個性の描き方に
不思議なふくらみがあって、
それぞれの醸し出す個性が
常ならぬほどにくっきりと見えるのです。

しかも、
ここまでだけでも、
十分に元がとれるような作品なのですが、
前半の雰囲気から導き出される
後半の質感にこそ
この舞台の一番の秀逸があって愕然。

演出助手の夢から抜け出せない感覚に
ぞくっとくる。
前半にこれでもかと醸し出される、
劇団内のある種のラフさとストレスと徒労感が、
不条理にも思える世界の
出口のない夢うつつさに
不思議な実存感を醸し出していくのです。

個性を持った役者をみるだけでも
たっぷりと眼福。
ソリッドさとべたさの匙加減も絶妙・・・。
休憩時間に醸し出される開放感のなかにも
したたかに物語が積み重ねられたり
前半の様々な表現が
無駄なくしっかりと取り込まれていく
その手腕の緻密さに息を呑む。

作劇のビジョンの深さとそれを具現化する力に
がっつりと押され圧倒された。

前回の公演といい、今回といい
観る側を捉える力にやられた感じで・・・。

この劇団から
一層目が離せなくなりました。

☆☆☆★★◎◎








Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

芯までくっきりと描かれる
これまでの「こゆび侍」ワールドがさらに洗練された印象を持ちました。

一番芯になる部分がくっきりと浮かび上がり、研がれた切っ先としてやってきました。

ネタバレBOX

原発をめぐる物語なのですが、
核開発にかかわるイデオロギーの匂いを
ほとんど感じさせないほどに、
個々の人間から抽出されるものに洗練がありました。

ある種の悲劇的な構造をもっていて
個々のキャラクターに怠慢がない。
シチュエーションの中で
それぞれが自らに課せられたものにたいして、
焦点がしっかりと絞られて
とても真摯なのです。

ただ漫然と人物が描かれていたら
とても薄っぺらいアンチ原発のドラマになっていたかもしれません。
でも、作り手には、不要な葉っぱをそぎ落とし
幹や枝を浮かび上がらせ
物語のシチュエーションをくっきりと描き上げ、
そこに果実のようにキャラクターを実らせるだけの
手腕があって・・・。

物語のボディに当たる部分の観る側の視点を
町役場の一室のみに固定して
一本道ではないプロットを
秀逸に編み上げて
プロローグとエピローグで挟み込んで
一気に見せ切る力に瞠目。

役者たちも、
キャラクターにいたずらにデフォルメを加えることなく、
丁寧にその場の個々を、
くっきりと演じ上げていきます。

音と照明が鳥肌が立つほどにしなやかで
がっつりとした切れとボリューム感で
舞台を支えていく。

結果、原発の存在感が借景となって、
人間それぞれのコアにあるものが、
くっきりと浮かび上がってくるのです。

これまでのこゆび侍の作品には
終盤に内心のカオスが
そのまま観る側を押し切ってしまうような部分がありましたが、
今回は、そこに人間が無意識に持つ
意識の底にある、真摯やずるさ、「業」のようなものまでも
くっきりと浮かび上がってきて・・・。

その向こう側にある作り手の
冷徹で秀逸な眼力を感じてぞくっとなる。

正直なところ、作品としてのパワーは、
抽出された様々な想いをそのまま集約して観客に押し込んだ
従前の作品の方が強いように感じました。
でも、今回の作品が残していく感覚には
そこからもう一歩踏み込んだような
独特のテイストがあって・・・。
作り手は醸しだしたものを溢れさせるにとどまらず
そこから、もう一段純化させるような、
更なる手練を身につけたように思う・・。

今回の作品の秀逸に、
べたな言い方をすれば
腕を上げた作り手や演じ手たちの
さらなる可能性の広がりを感じたことでした。


☆☆★★◎△







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