
焼肉ドラゴン
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2008/04/17 (木) ~ 2008/04/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
今も忘れられない名演です
社会の、そして歴史のどん底で精一杯生きる人々の哀歓をリアルに描いた傑作です。人はなぜ、苦しみながらも生きるのか。そしてそんな人々に、なぜ悲劇は押し寄せるのか。人間はどこまで耐えられるのか。日韓の過去も踏まえつつ、演出家、役者たちはえぐるように舞台をつくります。
最高の芝居でした。

オペラ『ねこのくにのおきゃくさま』
オペラシアターこんにゃく座
俳優座劇場(東京都)
2011/02/04 (金) ~ 2011/02/12 (土)公演終了

ニーナ
東京演劇集団風
レパートリーシアターKAZE(東京都)
2011/02/01 (火) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★★★
全体的に良くも悪くもクラシカルな印象
チェーホフの『かもめ』の登場人物の15年後を描くという、とても魅力的なコンセプトの作品。
基本3人芝居。

ここは世界の果てっぽい。【ご来場ありがとうございました!!】
バジリコFバジオ
OFF OFFシアター(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★★
人形が広げるもの
ここ一番の踏み込みを
人形にゆだねる感じで
強い色の物語をすいっと受け入れることができました。
必ずしも毎回拝見できているわけではないのですが、
観るたびに個性を感じます。

LAST SMILE
TUFF STUFF
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★★
エンターテイメントショー!
ダンスと殺陣が、めちゃくちゃかっこいい舞台でした。
殺陣とダンスが、舞台の大部分を占めてたかな?(笑)
イケメンと美女揃いの出演者陣の魅力を、最大限に活かし前面に押し出した舞台。
お話的には、タイムリープ、パラレルワールドを取り扱っていて、そのため何度も同じ場面の繰り返しがあり、その部分にちょっとなかだるみ感を覚えてしまいましたが。
全体的にははつらつとした冒険活劇らしいおもしろさで、楽しめました♪
クライマックス動きだしてからラストにかけての爽やかな終わり方が、清々しく気持ちの良い余韻となりました。
森さんのハイテクニックな殺陣は見応えばつぐん!!
殺陣を演じているというよりも、斬り合いリアリティがあって、惚れ惚れです☆
そして唐橋さんのセクシーダンディなオトナかっこよさが素敵でした♪

アンナ・カレーニナ
東宝
シアタークリエ(東京都)
2010/12/25 (土) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
観劇。
一路真輝さんの東京公演千穐楽。ダブルキャストが初めてだという一路さんは、自分一人だけが先に楽日を迎えたことがないのだろう。カーテンコールでの挨拶の際、何を話していいのかわからずといった姿を見せたけれど、「ありがとうございました、という気持ちを伝えたくて」と言う真摯さは、言葉を通さなくてもその素直な感情が伝わってきた。感動を共有した六百人を超える観客の割れんばかりの拍手は、昂ぶった感情をさらに大きく膨らませた。
ミュージカル「アンナ・カレーニナ」は、幸せな家族を作ることになるキティと、不幸に生きるアンナとの対比が非常にわかりやすく明確に描かれている。原作を読まずとも(つまり話の補完をする必要がなく)、ストーリーを理解できた点を考えると、トルストイの大作をよく三時間に収めたものだと感心する。なお、原作は未読(今年中に読むつもり)
アンナに感情移入させることができたのは、紛れもない成功である。身勝手な行動をするアンナに観客が拒否反応を起こしてしまっては、この劇の感動が生まれることはない。アンナには感情移入させるべきなのだ。それは第一条件と言ってもいいかもしれない。そういうわけでメインプロットは「アンナに感情移入させる」という大きな柱を見事に成立させていた。
しかしサブプロットであるキティに纏わる幸せな家族の話は、正直途中でどうでもよくなってしまう。アンナに感情移入させた一方、幸せな家族の方に拒否反応を起こさせてしまった。異論はあるだろうが、少なくとも僕はそう感じた。幸せをぬるま湯のように感じさせることで、不幸を強調して同情を誘う。ここに鈴木裕美演出の強みも弱みもある。
原作の小説「アンナ・カレーニナ」の冒頭は「幸せな家族はみな同じように見えるが、不幸な家族はそれぞれに不幸の形がある」の一文で始まる。
一様な姿をもって幸せになっていく家族など見ていても、別に心惹かれることはない。「みな同じに見える」ものをわざわざ意識して見る必要はないではないか。大体、キティの夫レーヴィンの演技が過剰すぎる。あまりにも内気で煮えきらない。しかも最終的には幸福になるのだろうと容易に想像できるから、「さっさと思い告げて幸せになっとけよお前」と思ってしまう。
つまり僕は、不幸な道を一直線に歩んでいくアンナにこそ感情移入しており、暢気に幸せになっていくであろう家族にはいまいち興味を持てなかったのである。多様な形を持つ不幸の家族に、より強い関心を向けることになったのだ。
思うに、幸せな家族を描く時間を「長引かせすぎた」のが悪影響を及ぼした。幸せな家族は観客の想像力で勝手に幸せになっていってくれるから、濃く描く必要なんてない。「幸せ」に関して、人は想像するのが得意である。ロマンチックな状況に男女がいたら、ああこの後二人は幸せになるのだな、と想像する。現実ではそう簡単に行かなくても、劇世界では想像力の思うがままだ。
だから幸せな家族はさっと見せるだけでも、観客の心に強い印象を残していくことができる。不幸との対比をさせるにしても、不幸の家族を描く時間と、幸せな家族を描く時間をイコールにしてしまっては、幸せな家族の方をしつこいと感じさせてしまうのが関の山なわけである。
不幸な家族としての生を背負ったアンナは、実は幾つもの深い愛情を受けている。ここに、アンナの夫カレーニン役を演じた山路和弘さんを讃えたい。世間体を気にし、妻アンナの不貞に気にもかけないはずの冷酷なカレーニンを、実に愛情深い人物に作り上げていた。台詞の上では、完全にアンナを突っぱねているのだ。しかしその卓越した演技力によって、心の奥に秘めるアンナへの強い愛情が、観客には痛いほど見えてくる。
不倫相手であるヴロンスキー伯爵を演じた伊礼彼方さんも上手であった。一度「エリザベート」で彼のルドルフ役を観ているが、そのときに比べ演技力が上達したなと感じる。若く情熱的な愛からアンナの心を奪いつつも、しかし罪悪感によって傷ついていくアンナを救えないことへの苦悩が見える。彼もまた最後までアンナを愛し続けた男であったのだ。
それでいてアンナは、自分に向けられるそれら深い愛情に気づかずにいたり、また或いは目を背けたり、罪悪感のために正面から愛に向き合えなくなってしまったりする。どうしようもなく不幸に堕ちていくのである。そんなアンナの姿を見ていると、「幸せになり得ない人物」というのが現実に存在するのではないか、などと思ってしまい、強い恐怖感を抱いた。

浮標(ブイ)
葛河思潮社
吉祥寺シアター(東京都)
2011/02/01 (火) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
観劇。
台詞をこれほど美しいものと感じたのは初めてかもしれない。耳に入ってくる台詞ひとつひとつに生命のエネルギーが宿っている。前日に観た「アンナ・カレーニナ」では音楽に震えたが、今日は三好十郎の台詞に震えた。俺泣きすぎだよ本当に。でもただただ泣くしかできないんだ。
二村周作さんの美術と、小川幾雄さんの照明が秀逸だった。砂浜の上、ひとりの人影が左右にふたつ映し出される。まるで海の沖合で浮標が揺れるようにゆらゆらと、人が生と死との狭間を漂うように…。その境目は僅かな紙一重であるというのに、ひっくり返った瞬間にすべてが変わってしまうのだ。
そして晒しの舞台上で負けなかった役者の根気に、何よりの拍手を。田中哲司に藤谷美紀、大森南朋の迫ってこんばかりの演技が身体に染み渡る。安藤聖は演技力こそ伸びしろがあるものの美しい声。しかし1日2ステとか馬鹿じゃないのかと本気で思う。観る方ですら憔悴する芝居だというのに。
断っておく必要があるのは、激しい集中力を使うことで体力的に憔悴する芝居でありつつも、精神的には生命の活力がみなぎり溢れた芝居ということだ。生きて生きて生き抜くパワーが伝わってくる。倍の値段払っても全く惜しくない芝居に出会えるなんて、そうあることじゃない。素晴らしかった。
最後に、パンフレットからの知識の引用となるが、一言書いておこう。幕末の国難を乗りきった一度目の奇跡、第二次大戦敗戦から復興を遂げた二度目の奇跡を我々日本人は経た。そして今、三度目の奇跡を果たすべく、未曾有の社会状況に立ち向かっていかねばならないという。まさに時代の過渡期にある。
今こそ我々には生きることを強く願う意思が必要だ。執拗なまでに生の讃歌を歌い上げるのだ。戦渦にあった三好十郎が書いた台詞を、「生きて生きて生き抜け」という言葉を、後世の日本に引き継がんためにも。

テノヒラノ鎮魂華
劇団生命座
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
あの若者が象徴していたもの
観劇後、日を経ても感じるものがある。
からだに残る質感。
2時間弱の経験が自分に影響を与えた。
この作品の出会いに感謝しています。

ひとひらの犯罪
ジ~パンズ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2011/02/07 (月) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★
シチュエーションコメディ!
舞台の使い方がとてもうまく、また役者陣も脚本も魅力的でした。
しかもブラックというだけあってただのコメディではなかったですw

テノヒラノ鎮魂華
劇団生命座
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
今を感じるための歴史
根性がひん曲がってる現代の若者を登場させることで、戦時中と現代(もしくは近未来)に有機的な繋がりを作ったところがアイデアの勝利。温故知新とはまさにこのこと。最後に流れたラップの曲のメッセージも良かった。訴えたいテーマがハッキリとしているゆえか、ストーリーにピンボケ感は皆無。老若男女が揃う役者の表情も良かった。開演前にはセットがシンプルすぎるのではないかと思ったが、それを差し引いても素晴らしい作品だった。ところどころで涙。

く・ち・づ・け
むーとぴあ
駅前劇場(東京都)
2011/02/04 (金) ~ 2011/02/10 (木)公演終了
満足度★★★★
ニクイいほどラブコメ
内容を全然知らなかったので、もっとお堅い舞台を想像していまし。びっくり〜すごく面白かったです。笑いっぱなしでした。ラブコメだけど、脚本がしっかりしているステキなハートフルコメディでした。音楽もオシャレ。劇場を出たときにはほのぼのした気持ちでいっぱいになっていました。
ラブコメらしくハッピーエンド!!場面の転換で入るナレーションが、昭和の時代にあったテレビのホームドラマみたいでした。狙ったのかな(笑)

雨と猫といくつかの嘘.
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2011/01/30 (日) ~ 2011/02/08 (火)公演終了

雨と猫といくつかの嘘.
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2011/01/30 (日) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
清々しいです
主人公は不幸でもなく幸福でもない。でも、それでもよいと思える気持ちにさせてくれる。
また、役者さんの所作が美しい。劇場の隅々まで凛とした空気が行き渡るようだった。

仮面音楽祭
江古田のガールズ
「劇」小劇場(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★★
何だこれは!?
先入観なく観たくって、ほとんどの場合、チラシに書かれた粗筋、設定等は全く読まずに観劇に出かけるのが常日頃。江古田ガールズ初見。あっ、ミュージカル仕立てではないか。タイトルは確か「仮面音楽祭」。なるほど。私が観たのは「平均年齢44歳の人々」 。なんか奇妙な人がいっぱい出てくるぞ。一体どうなるんだ?っと夢中になって観てしまいました。面白いぞ♪私が観た回は完売御礼、当日無理矢理に天井桟敷席にスベリ込ませて見せていただきました(御礼)。で、狭い空間で背中が痛くなる中、気持ちはほっこりと満足で一杯。次回作は近くて役者を観たいのでちゃんと事前予約します。「平均年齢22歳」も観たかったなぁ。時間がなかったのだよ。(悔)

恋する、プライオリティシート
コメディユニット磯川家
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了
満足度★★★★★
観に行ってよかった!
本日初めて磯川家さんの公演を観劇させていただきました。
舞台が近くてセットの雰囲気も素敵で、作品と劇場の相性が良かったと思います。生演奏も素敵でした。
騒がしかったり面倒な性格だったりウザかったりするけどどこか憎めないキャラたちが、最後はみんな愛しく思えました。
ラストスパートの回収の仕方がお見事!
とても後味が良くて幸せな気分になれるお芝居でした。
また見に行きたいと思います♪

ロクな死にかた
アマヤドリ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★
おもしろかったー
あれだけの人数がいるからアンサンブルが多いのかなぁって思ってたんですが意外にダイアローグ中心で安心というかあのラインは守りたいよなーって思った。
転換がうまいのは演出が優れている証拠ですね♪役者さんも「あ、この人いいなー」って思う人が何人もいて脚本も結構面白くて見応えがありました!

コドモもももも、森んなか
マームとジプシー
STスポット(神奈川県)
2011/02/01 (火) ~ 2011/02/07 (月)公演終了

浮標(ブイ)
葛河思潮社
吉祥寺シアター(東京都)
2011/02/01 (火) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
田中哲司さん凄い
ここでの高評価を見て行ってきました。
かなり久しぶりに、見応えのある舞台だった。
ホント、観れて良かった
休憩2回を含む計4時間の大作。
だが、終わってみればそこまで長かった感覚は薄く
特に3幕はあっという間だった。
いい役者さんが揃ってるが
今回はその中でも主役の田中哲司さんが凄まじかった!
こういうのを「内に秘めた狂気」と言うのかな。
後半の演技には、本当に鳥肌がたった。
長塚さんの演出も派手ではないが
両脇で座ってみている役者等とても効果的なものだった。

恋する、プライオリティシート
コメディユニット磯川家
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了

素敵じゃないか
RAWWORKS.NDR
枝光本町商店街アイアンシアター(福岡県)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★★★★
素敵でした。
観なかった人は、再演を希望したほうがいいと思うよ。
ちょっとしかめた眉
ちょっとだけ傾げた首
瞳に映る光や、睫が落とす影…
あの会場で、あの距離で味わうことができて幸せでした。
話の中心は「子供を産むということ」
それって、結局は
「生み方じゃないよ。育て方なんだよ」
っていう裏のメッセージも含まれていたのかなぁと思いました。
終わったとこから続きが始まるような、素敵な余韻でした。