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上田ダイゴ×緒方晋トークライブvol.4 『先生と悪口』

上田ダイゴ×緒方晋トークライブvol.4 『先生と悪口』

上田ダイゴ×今井慎太郎トークライブ

ク・ビレ邸(大阪府)

2012/04/11 (水) ~ 2012/04/11 (水)公演終了

満足度★★★

初めて遅刻
わたしはちょっとしたアクシデントにより、初めて遅刻してしまったため・・・。
stage1は大半聞き逃してしまいました。
なので、タイトルの『先生と悪口』に関しても、あまりよくわからずじまい。

この日のトークでとかく印象に残っているのは。
栗饅頭でしたっけ?
あれで宇宙が埋め尽くされて、空から栗饅頭が降ってくる。
というシュールなドラえもんのお話。

そしてHNKの教育番組のお話。
もはやキャラクター名が思い出せないのですが、最後までスプーンおばさんだと勘違いしていたことだけは、覚えている。
いや、違うんですけどね(笑)
とかく、気ぐるみ着たキャラクターが、お子様相手にフリートークを繰り広げるというもので。
とあるお子様の家庭環境にまつわるお話、さらにそれにたいする気ぐるみキャラクターの中の人のくいつきっぷり。
わたしも気になって仕方ないっすよ・・・先生って誰!?w

とかく。
今回も、楽しく笑って帰ってきました☆

巣鴨地蔵通り商店街 喫茶「若草」物語

巣鴨地蔵通り商店街 喫茶「若草」物語

コーネンキーズ

小劇場 楽園(東京都)

2012/04/25 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

これは楽しい&面白かった!
いや~、良い時間を過ごせたなあ!
非常に楽しかった!大いに元気をもらった!
今回が第1回公演であるが、次回公演が楽しみである!!
上演時間90分。

ネタバレBOX

昭和の勢い&温もりを感じる歌芝居であった。

正直、昭和歌謡が知らないものばかり。。
知ってたのは、東京ブギウギだけだった。

でも会場の雰囲気がとても良く、笑い声、手拍子に溢れ、
とにかく楽しく過ごせた。
こういう楽しい雰囲気の公演、なかなか無いんじゃないかな。

4人の素敵な役者さんに魅せられた!皆さん、魅力的だった。
私のツボは田中真弓さん。
「登場シーンのいきなり歌いはじめる所」「スカートめくり上げ赤パン見せる所」は大笑いしてしまった。会場爆笑!!

次回公演も大いに期待したい!
昭和歌謡、勉強しておきます(笑)。
オクトの樹

オクトの樹

La・Moon

あうるすぽっと(東京都)

2012/05/02 (水) ~ 2012/05/05 (土)公演終了

満足度★★★

子供向けではあるけれど
楽しく観劇できました。ストーリはわかりやすく,歌や芝居もドキドキさせられることもない。ゴールデンウィークに家族で観劇もいいのではないでしょうか。

負傷者16人 -SIXTEEN WOUNDED-

負傷者16人 -SIXTEEN WOUNDED-

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2012/04/23 (月) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

誰も過去からは隠れる事も逃げる事も出来ない
「輪廻」…ともいうべきなのでしょうか。
過去に虐げられてきたユダヤ人がひとたび虐げる側に回れば
以前自分達を苦しめてきた者たちと同じこと、いや、実際に
現在進行形で抑圧を受けている者にとってはそれ以上の
残酷なことをしてのけてしまう。

しかし、いつまでも虐げる・虐げられる者の関係が変わらないとは
誰もいえないのです。かくして、負の連鎖は終わることがない。

その永遠にも続くように感じられる関係性が、主人公であるユダヤ・
パレスチナ人二人の関係性にも重ね合わされていると思えるところが
素晴らしくよく出来た演劇作品だな、と強く感じました。

ネタバレBOX

「イスラエル-パレスチナ問題」は多くの人々を巻き込みながら、未だ
解決の糸口が見えない難問の一つですが、ここ日本では地理的な
問題もあって、その重大性がいまいち伝わっていないきらいがあります。
だからこそ、この作品が上演される意味がある。

アムステルダムでパン屋を営むハンス。
とんがった感がありありのパレスチナ人青年のマフムード。

人を避けるように、人目から隠れていくように生きている、序盤から
何だかいわくありげな二人ですが、物語が進むにつれて暗い過去が
暴き出されていきます。

恐ろしいのは、彼等が体験し、忌み嫌ってきた過去が、二人の「現在」まで
縛り、規定し、ある種「アイデンティティ」にまで成長してしまっている事です。

幼少時に、強制収容所で過ごし、対独協力者として生き残り、その後
盗みに入ったパン屋で偶然にも拾われる事になったハンス。

同じく幼い頃から、占領下のパレスチナで生まれ育ち、虐待を受け続け
長じてからバス爆破事件で死傷者を出すような事態を引き起こし、
アムステルダムにまで逃げてきたマフムード。

ハンスは、刺されて倒れていたマフムードを見て、これは自分がかつて
受けた「借り」を返さなければいけない時だ、と思ったと言いましたが、
私はそれだけでなく、マフムードの中に自身と同じ「匂い」を敏感に
感じ取ったからじゃないか、と今では少し考えています。

「過去」が二人をその他大勢の人達から遠ざけ、孤独にし、そして
マフムードに至っては「自爆テロ」(自身が起こしたバス爆破事件が
結果として彼のその後を縛り、死ななくてはいけない、という結末まで
招き寄せたのは確かだと思います)という形で、

新しい命を間近に控えた家族までかなぐり捨てて、人生の幕を下ろして
しまった、という結果を知るにつれ、積み重なった過去の重み、そして
そこから人は逃げる事も隠れる事も最終的には出来ない、という現実まで
突きつけられたようで、

黒く染まっていく舞台を見つめながら、憂鬱な気持ちになりました。

そして、そういった人々の「死の記憶」「死の過去」を業のように背負った
イスラエルとパレスチナが果たして和解を選べるのか、よしんば
赦し合えたとしても、お互いの過去に向かっていけるのか、その今後を
考えるにつれ、また同時に暗い見通ししか出来ないのです。

それだけにラスト直前、一晩だけではありましたが、お互いがついに
直前まで消す事が出来なかった「ユダヤ人」「パレスチナ人」を遂に超えて
「人間の友人」としてお互い通じあえた場面に、私は希望をおきたいと
思いたいのです。
Hi-School

Hi-School

幸野ソロ

ワーサルシアター(東京都)

2012/05/02 (水) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★

はじめはどうなることか と
 罪の無い笑い取りで始まり、フライヤーのイメージのような、そこはかとない青春賛歌で終わるのか、と思いきや、中盤から芝居の基本をキチンと踏み、王道を歩む構成になった。この状況変換が効いて、終盤の重い内容も、過重にならず、説教臭くならなかった。その為、却って観客の心には素直にメッセージが届いたのではないか。演出の手腕を感じる。更に先を読むならば、ここに描かれた様々な事件を通して思春期の群像を描くことで、言うのも恥ずかしい、人と人との繋がりの大切さ、という普遍的価値観に落とし込んでいるのではあるまいか。 ん、楽しめる舞台である。

がんぜない瞳の殺人者

がんぜない瞳の殺人者

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/04/24 (火) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★

取材
 全体的にしっかり取材をしていると感じた。然し、劇中、気懸りな科白が、死刑執行の日、被告の発した科白にあった。「助けてくれ」というものである。これが、創作なのか或いは、そう本人が言ったという証言があったのか。その辺りである。
全体的にリアルに描かれていたので、証言があったとしたら、その証言をする必然性は、刑を執行した国家の側にあったはずだと考える。そして、その証言は、おそらく事実ではない。なぜなら、この作品の主人公は、実在した人物、永山 則夫であり、彼は、民衆として生きようと決意した時期もあったのである。その可能性をつぶしたのは、他ならぬ権力機構である最高裁であり、検察庁であった。永山の持っていた可能性に連なる多くの心ある者たちの連携を恐れた国家は、彼を葬るだけでは足りなかった。殺しただけでは、永山は、人々のヒーローになりえたからである。その為に、命乞いした永山 則夫というイメージを作り、彼を貶めようとしたのではないか。評者はそのように我々の国家を見る。
 この作品、少なくとも、この程度のことは考えさせるだけの深みを持っていた。高い志を評価したい。

「ホテルニューパンプシャー206」(3月)

「ホテルニューパンプシャー206」(3月)

劇団6番シード

Geki地下Liberty(東京都)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★

面白さはさすが
直前にいろいろあったからか、中盤までちょっとギクシャクしてる感があったかな。
また、入り口が急な階段になっているセットがちょっとテンポを悪くしてるように感じた。
とは言え面白さは流石であった。

ネタバレBOX

栗生みなの全編通しての七変化表情は凄かった。
『ひとり、たび』/『HAPPY JOURNEYS』【CAST紹介写真&アンケート公開しました!!】

『ひとり、たび』/『HAPPY JOURNEYS』【CAST紹介写真&アンケート公開しました!!】

トレモロ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

両方観劇
チケットをわざわざ2作品に分けなくてもよかったのでは?とも思いましたが、セット券で2作品観劇。

ネタバレBOX

「HAPPY JOURNEYS」
ロードムービーならぬ、ロード芝居かな。役者の台詞で場所や風景等を表しているのだが、見える感じでした。
後半同じ場面を演じるのだが、テンポを早くしたり、音楽に乗っての台詞回しは新しいなと感じた。
全体的にはなんかしらないが、面白く感じました。

「ひとり、たび」
リア王の物語だが、ちょっと難しく作りすぎたかな。それとも今回の演出がルデコに合ってなかったかな?
もう一歩な感じだった。
掏摸―スリ―

掏摸―スリ―

サイバー∴サイコロジック

OFF OFFシアター(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

主人公はどっち側?
原作を読んでないからどこまで忠実かはわからないが、面白かったと感じる部分もあるが、主人公がどれだけ凄いのか、またどれだけ悪なのかが思ったほど伝わらず(むしろ善人に感じる)物足りなさを感じる部分もあり。

ネタバレBOX

終演後のアフタートークで、「掏摸ースリー」だけではなく別の本も取り込んでるとの事であった。
くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

DULL-COLORED POP

アトリエ春風舎(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★

猫はかわいかった
個人的には母親の妄想、夢の世界の話、亡くなる前の走馬灯とも思え、また、夫を亡くして痴呆になりかけてるのを救う物語とも思えた。
まあ、観る人によって捉え方は変わるかな。

絶頂マクベス

絶頂マクベス

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2012/04/14 (土) ~ 2012/04/23 (月)公演終了

満足度★★★★

初・柿
小劇場界のトップランナー・柿喰う客の芝居を初めて観てきた。

女体シェイクスピアシリーズという事で本公演とは違うのだろうが、素直に楽しめた。

ほぼ素舞台に、役者の肉体のみ。
潔い、演劇らしい作りに好感。
スピード感溢れる展開、空間の切り替えも魅力的で、シェイクスピアはこうじゃなくちゃ、って快感が味わえる。

かなりブッ飛んだ翻訳をしていたが、うまい。そして、しっかりした劇構造を持ってる戯曲の懐の深さを知る。
独白の味わいが薄まってしまってる感はあったが、このスピード感はそれを補って余りある。
こんだけやっても、ちゃんと『マクベス』なのね、って印象。

年月を経てきた古典の背骨はやはり偉大だ。
演者がどれだけ遊んでも、ポイントさえ押さえればしっかり感動出来るという点では、日本の古典・落語が思い出される。

アフタートークで「役者の芸がそこに存在する事の重要性」って感じの話をしてたが、
肚を決めた女優陣のパフォーマンスを通して確かにそれが伝わってきた。
壁があってもブチ壊し進む、くらいの勢いが心地よい。

マクベスに「社畜」のイメージを重ねたという演出も新鮮だった。
「大抵のマクベスは、王冠かぶるとそこそこ似合っちゃう。だから、王位が似合わないマクベスを作りたかった。王様が来てた服を着ても全く似合わない。敬語も抜けない。」
的な話が出ていたが、これが実に味わい深かった。
地位を衣裳に例える事が多いマクベスだけに、服が似合わない、ってのは余計にこたえる。
分不相応な物を手にしちゃった人間の悲劇として、非常によくマクベスが描かれていた。
周囲の、マクベスに対するプレッシャーのかけ方も実に面白い。

野心で破滅する、ではなく、重みで破滅する。
現代型のマクベスって感じだろうか。

色々マクベス観てきたけれど、深谷由梨香のマクベスは、かっこ悪いがかっこいい、初めて出合うマクベスであった。
きれいは汚ない、汚ないはきれい、冒頭の魔女の言葉が実に効いている。

そうそう、魔女といえば二の魔女を演じる新良エツ子が、魔女の台詞を巧みに歌い上げていてかっこ良かった。
実はこの方、昨年の11月に『羽山誓朗読会』でご一緒しているので、びっくらこいた。

終演後、見事な怪演を放った岡田あがさと少しお喋り。
演技に対しての、肉体的・外面的アプローチと、精神的・内面的アプローチについて。

「結局、行き着く先は同じとこなのよねー。」と。

負けてらんねぇと、闘志を奮い起こされるお喋りでした。
話せて良かった。

ICiT Dance Salon in RAFT_5

ICiT Dance Salon in RAFT_5

ICiT

RAFT(東京都)

2012/05/02 (水) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★

初日
短編*7作品。休憩あり。小空間でやりたいことをやる、貴重な場。

がんぜない瞳の殺人者

がんぜない瞳の殺人者

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/04/24 (火) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

永山事件
このお芝居をみて永山事件を思いだすことでしょう。
新聞で目にする活字による報道をお芝居にすることにより人間のドラマとして理解できます。野村さん熱演でした。

がんぜない瞳の殺人者

がんぜない瞳の殺人者

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/04/24 (火) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★

深かった!
細かな感情の変化が丁寧に描かれていて、観客としてこころにずしりと感じるものがありました。

ソープオペラ

ソープオペラ

湘南テアトロ☆デラルテ

アトリエ湘南(神奈川県)

2011/10/24 (月) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

進化する舞台
昨年の本公演で観た舞台が格段に進化していた。
郷田さんの間の取り方は絶妙で、来月の公演も観に行かなくては…。

夜行虫

夜行虫

劇団サミシガリヤ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/05/01 (火) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★

(*^_^*)
文字通り仕事の合間を縫って!w、マチネを観てきました^^;

久々に動く!(芝居をするw)主宰、はざわかこを観に。

普段、滅多に書かないアンケートを書いてしまう面白さ!w とでも言っておこうかw

ネタバレBOX

結論からいうと、かなりいい線いっている(と、個人的には思うw)
それは、脚本、演出、俳優のトータルとして。
どれをとってもずば抜けてスゴイか!?っていうと、正直そういうわけでもない^^;

しかし、バランスがいい印象でした。

演出や主人公の動機の掘り下げなどでは荒削りに感じる部分もあって
もっと緻密に技巧的に構築したら、見せ場の盛り上がりは格段によくなるだろうとかw、
細々とした笑いポイントでは、役者はもっとアイデアの引出を広げれば何倍も面白くできると思います。

逆に言えば、残りの公演にそれだけの伸びしろを秘めている作品だということ。

お話は、ベタと言ったら言葉が過ぎるかもしれませんし、
着想がとりわけ斬新というわけではないけれど、
どこにでもありそうで、多くの人が共感できそうなドラマになっているといった感想w。

キャストもそれぞれの役の世界をきちんと持っていて、
「キャラが立っている」と一言で片付けてしまうにはもったいない、
いいパフォーマンスでした。

非常に個人的な趣味の問題なのですが、作演の西野くんが自分の劇団かさぶたで作る芝居は、
彼の個性を一貫として貫いた作風は理解できるものの、正直、これまで自分の好みとはかけ離れていました^^;

そんな西野くんが、こういう話も書くんだ!と驚きやら喜びやらw
興奮して思わず、顔見知りの出演者や西野くんに「西野くんの作る芝居、初めて面白かった!」
と失礼極まりない発言をしてしまったり^(><)

でも、それが正直な感想でした。

往復書簡3~十年後の卒業文集~

往復書簡3~十年後の卒業文集~

BASEプロデュース

BAR BASE(東京都)

2012/05/01 (火) ~ 2012/05/05 (土)公演終了

満足度★★★★

観る側を引き込む手腕
物語自体にも
描き方の圧倒的なしたたかさはあるのですが、
加えてそ登場人物たちの記憶の質感が
しなやかに編みこまれていて、
物語のありようを追いつつ
もう一歩踏み込んだキャラクターたちの
想いにも心を奪われて・・・。

そして、観る側が物語の全貌にたどり着いたそのあとの
ラストシーンに愕然、
悔しいくらいにがっつりとやられました。

ネタバレBOX

手紙のやり取りという枠組のなかで
まずはシチュエーションが観る側に置かれていく。
あとで思えば恣意的にでしょうが
冒頭の1~2シーンのかみ合わせのぎこちなさが、
少しずつベースのトーンが形作られるなかで、
薄れ、やがてはやりとりのリズムがしなやかに作りこまれて・・・。

バックの音(ピアニカ?や縦笛)に
シーンが染められ、
次第に物語の核心が晒されていく。
シーンの刹那にキャラクターたちの内にあるものが
すっと差し込まれるたびに
観る側に新たな視野が生まれる・・・。

役者それぞれが
手紙をつづる態のなかで
綴る側は言葉のうちにあるニュアンスをすっと紡ぎだし、
受け取る側は
そこから別の空気を編みあげていきます。
手紙を同じ色で受け渡しをするのではなく、
質感の違いをかもし出していくことで、
物語に切っ先が差し込まれていく・・・。
さらには、
演じるキャラクターが変わるごとに
役者から描き出される色も鮮やかに変化して、
同じリーディング劇の態に
ひとつ、またひとつと
新たな視座がつくりこまれ、重ねられて。
観る側は描かれた時間の真実を求めて
その世界へと誘い込まれていくのです。

虚構の劇団の二人の女優には
ひとつの色をかもし出すしたたかな集中力と
逆にその色をにじませることなく染め替える
表現の切れと豊かさがあって・・・。
そのことで、観る側も
物語の揺らぎをふくらみとして
キャラクターたちの想いを
身構えることなく自然体でうけとめることができる。

やがて言葉概ね語られ
観る側に全貌が示されたとき、
同じ時間をすごした女性たちの
異なる感覚が鮮やかに観る側に残り、
彼女たちがその後過ごした時間が
すっと観る側に満ちて・・・。
ある種の感慨にやわらかく心を浸されて・・・、暗転。

だから、ラストシーンには愕然としたし、
ちょっと悔しくすらあった。
でも、一呼吸おいて、
物語の更なる広がりを感じ、
ここまでに、物語に観る側を引き込んだ
二人の役者のビビッドで秀逸な演技に
改めて瞠目したことでした
シェアハウス×シークレットゾーン

シェアハウス×シークレットゾーン

びしょ濡れテント

北池袋 新生館シアター(東京都)

2012/04/20 (金) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

楽日を観劇。
舞台を組まず”劇場の空間”を、そのままシェアハウスのリビングに見立てた設定や、全編エチュード的な作品作りなど、実験的な試みが随所に見受けられて面白い♪
ただそれだけに、粗さも感じてしまう(特に終盤からラストにかけての流れはやや破綻気味だったような‥)。

役者もそれぞれ個性的で魅力もあるし、旗揚げ公演ながらもかなり実力は感じられるので、全体的にもっと洗練されていけばきっと良いものが出来るんじゃないかと思う。

ウジェーヌ・イヨネスコ「授業」フェスティバル

ウジェーヌ・イヨネスコ「授業」フェスティバル

die pratze

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

「授業」Super Steam Through(授業フェスティバル参加)
これは面白い。面白いというかバカバカしい。とにかくここまでぶっ壊してくれると逆に爽快感がある。

ネタバレBOX

だがそれは飽くまでも、はじめにつばめ組のリアルな「授業」があったからで、それを見た上でこそ楽しめる見立てのパフォーマンスなのだ。しかし、レッスンを現代ダンスをすべてマスターするためのダンスレッスンに変化させたセンスは素敵だ。惜しむらくはこの劇の本質にあるコミュニケーションの不可能性をダンスで魅せてくれたら完璧だった。
女中がつねに「家政婦は見た」といった感じで覗いているのも効果的だった。さらに彼女が電動ノコギリを稼働させて、逆さ吊りの女生徒に向かうシーンは、これまで見たどんな「授業」よりもインパクトのある幕切れだった。
ウジェーヌ・イヨネスコ「授業」フェスティバル

ウジェーヌ・イヨネスコ「授業」フェスティバル

die pratze

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/05/13 (日)公演終了

満足度★★

「授業」劇団つばめ組(授業フェスティバル参加)
開演前にアコースティックなゆるい生演奏と、即興絵画が行われている。

ネタバレBOX

それと本編との連結が見えてこないが、聞いていて、見ていて、心地良いものではあった。教授役はどこまでが素なのか分からない脱力系の演技。それに比べて女生徒役は多分に作っている感じがしたが、歯が痛くなるシーンは説明的なものや、過剰なものが一切無くリアルに思えた。女中役はなんだか新劇的なリアリズム臭を感じた。だが、教授が女生徒を殺すに至るところに変身が見えないのは、劇としての面白みに欠けるように思えた。台本上には「ナイフ」とあるのを、「カッター」としたのは原文のカッコウの鳴き声を生かす意図か。

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