
THAT FACE~その顔
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2012/06/14 (木) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★★★
ポリー・ステナムの処女作が観られるうれしさ。
イギリスの若き天才女流作家、現在24歳くらいだろうか。そのポリーステナムの19歳のときの処女作。この作品を上演するというだけで意義深い。私は大学演劇とか、若い人の演劇をよく見るので、日英の作風の違いに興味を持って観させてもらったが、やはり面白い。日本の若手演劇人、特に20歳前後の人に是非観てもらいたい作品だ。那須佐代子と宇宙(たかひろ)がこれぞ熱演という演技で魅せる。舞台美術がまた素敵だった。

此処か何処か
よこしまブロッコリー
K・Dハポン(愛知県)
2012/06/12 (火) ~ 2012/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★
よこしまブロッコリー「此処か何処か」観ました。
ひとの気配の手触りを大事にする繊細な舞台。「いる」と「いない」はほんのわずかなズレ。すべてが理解できなくても、ひとと人とはつながっている。違う位相が薄絹のように重なる光景が自然に流れる。K.Dハポンという会場と相まって、「空間自体が巨大な楽器でその中で震動を感じる」ように鑑賞できました。目の前の物語は終わっても、流れはまだ続いていく…。しかし、よこしまの感想は詩的になるなあ(笑)肌から敏感になって感じたい舞台。

月の岬
青年団
座・高円寺1(東京都)
2012/06/08 (金) ~ 2012/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
なるほど・・・
とても深みのある作品なので、どのセリフも意味があるように思う。
それを大切にしすぎると全体的に重い印象になりがちだが、あえてそれを捨てるようにさらさらとシーンが進んでいく。
そうすることで、突然生まれる「間」が生きてきて登場人物の心理が、うまく浮き彫りになっているように感じた。
1時間50分の間、舞台に釘付けになった。

45°
多少婦人
OFF OFFシアター(東京都)
2012/05/25 (金) ~ 2012/05/29 (火)公演終了
満足度★★★
中盤が面白かった
2人の作家によるオムニバス作品が特徴の劇団ですが、今回は酒井雅史さんおひとりでオムニバス風の構成を手掛けられた。
酒井さんは人間観察の目が面白くて大学時代から観てきたのですが、だんだん自分の世界ができてきたなぁという印象です。
それがこの劇団の特徴と言えますが、独特のユルユル感があるので、そこで物足りない、共感できないという意見が時折聞かれ、制作途中のような歯がゆい印象を受けるきらいがあります。
その点、古参ファンとしていつもハラハラして観ています(笑)。
今回は中盤が一番面白かったです。
ツイッターやコリッチの感想を読み、かなりの爆笑コメディのようだったので、今回は全然違う感じなのかしらと思ったら、千秋楽の客席は、ドッカーン、ドッカーンという爆笑の連鎖と言う雰囲気ではなく、いつもの多少婦人でした。
次の公演は観に行けるかどうかわからないのですが、今後も注目し続けたいと思います。

『ウェディング、ラン!』
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
劇場MOMO(東京都)
2012/05/25 (金) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
ずっと笑いながら観ていられる幸せコメディ
テンションが高いところもあり、ドタバタしたイメージがあるのだが、きちんと組み上げられたコメディとして、ずっと笑っていられる幸せがある。
2時間の長さを感じない。

『宮本武蔵』
五反田団
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2012/06/08 (金) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

危機一髪
劇団昴
俳優座劇場(東京都)
2012/06/09 (土) ~ 2012/06/17 (日)公演終了
満足度★★★
新劇向きではないのかも
鵜山さん演出ということで、期待していたのですが、やや期待ハズレでした。
むしろ、亜門さんの演出で、観てみたい気がしました。
以前、文学座の「わが街」を観た時にも、感じたのですが、ワイルダーの芝居は、新劇には向かないような気がします。
型にはまった演技で、演じられると、ちょっと白けるような構成なので。
でも、もし私がツイッターをやっていたら、リツイートしたくなるような台詞がたくさんあって、ワイルダーの作品は、壮大で、奥が深いのだなという勉強にはなりました。
主役の米倉さんの縦横無尽な活躍ぶりが、見た目にも爽快で、元気を頂きました。
新劇には、珍しく、華もあって、三拍子揃った女優さんで、今後、拝見するのが、楽しみになりました。

『宮本武蔵』
五反田団
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2012/06/08 (金) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

天使達 -ANGELS-
トライアングル
新宿FACE(東京都)
2012/06/14 (木) ~ 2012/06/16 (土)公演終了
満足度★★★
実力のある若い男子
実力派俳優、とかってよく聞きますが、都市伝説じゃないんですね。
実力のある若い俳優(under23)がこんなにいるのかと驚愕。
しかもお世辞じゃなく美男子だなんて凄まじいですね。
全員が歌が上手く、
客は安心して座ってればいい。
この公演がなんであるかを説明しようとすると、
恐らく外国にあるアレ・・・"ショー"じゃないかな。
ラスベガスあたりでやってそうな。
物語仕立ての歌とダンスのあるショー。

『宮本武蔵』
五反田団
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2012/06/08 (金) ~ 2012/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★
噛みしめる面白さ
ある程度予想はしてたものの、それ以上のユルさ。
観てる最中はモヤモヤしてたものの、思い返してみると全く無駄のない演出だったことに驚く。
無駄に思えた衣装や小道具も、ちゃんとそうでなければならない意味があったのかと思えた。
あのシーン、あのシーン、すべてのシーンにおいての宮本武蔵の姿がかなり印象的。
このやり方でなければ浮かび上がらなかった「宮本武蔵」像なのでは?
2500円という料金設定も好印象。

サロメ
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2012/05/31 (木) ~ 2012/06/17 (日)公演終了
満足度★★★
良くも悪くも多部未華子
狂気のサロメを演じる多部未華子の芝居は、賛否両論があると思う。
精一杯の芝居だけど、他の役者とかみ合っていない感じがした。
白黒赤に特化した美術は、かなり見応えがある。

ひとり芝居集 「蜜/夜光」
カトリ企画ANNEX
MOVE FACTORY(大阪府)
2012/06/12 (火) ~ 2012/06/12 (火)公演終了
満足度★★★★★
しみじみ面白かった!
最近『観てきた!コメント』をさぼっておりましたが、カトリ企画のひとり芝居集があまりにも面白かったので久々に感想を。いやぁ、泉鏡花も、室生犀星も良かった。緊迫感があって身を乗り出して観ましたよ。ひとり芝居は色々観てきましたが表現の幅が広くって非常に奥深いですね。大阪公演はおまけのオダサク朗読もあり、シリアスな設定のはずなのになぜか笑えてこちらも楽しかったです。今回小さな空間で限られた観客数での鑑賞で、誘って一緒に観に行った友人共々、「贅沢させてもらったね。」と鑑賞後しみじみ語り合いました。もっと宣伝してもっとたくさんの人に見てもらいたい企画です。また関西に来てほしいです。

愛のゆくえ(仮)
アンファンテリブル
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
スタッフより。
なんだかんだで毎回ゲスト出演がいるので飽きません。
お客さんがいることを忘れたような真摯な稽古は「エンゲキの作り方」そのものだと思います。

落ちる紫陽花
張ち切れパンダ
サンモールスタジオ(東京都)
2012/06/13 (水) ~ 2012/06/18 (月)公演終了
満足度★★★★★
ドロドロだけど。
どうしてこんな男がいいんだろう。男と女は当事者しかわからない。う~ん、あの説明からこのストーリーなんて、難しすぎる。にしてもイイ本、イイ演出でした。美術も照明もすばらいい。イイスタッフ集まってるなぁ。役者さんも上手かった。

『宮本武蔵』
五反田団
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2012/06/08 (金) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

ステキなチェックメイト
円盤ライダー
HOTEL SHERWOOD(東京都)
2012/06/14 (木) ~ 2012/07/03 (火)公演終了
満足度★★★
初☆円盤ライダー!
そうくるか!?となかなかうまい展開でした。たくさん笑いもとってました。ちょっとカミカミだったけど、初日のご愛嬌ってことで!ホテルのラウンジで繰り広げられる公演で、ストーリーもぴったり(^^)窓の外にはスカイツリーも見えるし。こういう空間で観る舞台もよいですね。

シズウェは死んだ!?
地人会新社
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/05/10 (木) ~ 2012/05/31 (木)公演終了
満足度★★
役者の紋切り型の演技に馴染めず
うとうとしているうちに時間が過ぎてしまいました。戯曲も、冒頭30分程のスタイルズが写真館を開くまでのいきさつは、少々蛇足かなと思ったり。

NASZA KLASA 私たちは共に学んだ
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2012/05/18 (金) ~ 2012/06/01 (金)公演終了
満足度★★★★★
演劇はホロコーストを語れるか
舞台上に異様なエネルギーが充満していました。演劇という表現の可能性を追求するような作品だったと思います。これは再演及び戯曲の出版がなられて然るべき。あれこれ思うところ、長文の劇評としてまとめてみました。トラックバックのリンクです。

藪原検校
こまつ座
世田谷パブリックシアター(東京都)
2012/06/12 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
悪の権化
井上ひさしさんの傑作、「藪原検校」。
野村萬斎さんが、汗を滴らせの熱演。照明の使い方や、三味線を思わせるギター演奏もすばらしかった。

看板娘ホライゾン
ホチキス
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/05/31 (木) ~ 2012/06/10 (日)公演終了